ドS彼氏と上手にお付き合いする方法

イセヤ レキ

文字の大きさ
上 下
3 / 6

初めての、お宅訪問とえっちです。

しおりを挟む
エレベーターの中のキスで腰砕けになった私は、半ば凱逘に抱き抱えられながら部屋に入った。

「蘭ちゃん、ここに座って」
「うん」
凱逘は、玄関に私を座らせると、目の前で私の靴を片方ずつ脱がせる。
「……」
なんだろう、これ。
お姫様扱いみたいで、恥ずかしすぎる。
凱逘といると、いつも顔が赤くなる。
それが、嫌でない自分がいるのも確かで。
「凱逘……?」
凱逘は私の靴を脱がせた後、何か考え込んでいる様だった。
「ああゴメン。蘭ちゃんの脚、細くて綺麗だなって見惚れてた」
「……もうっ」
パッと凱逘の手から足を抜き、立ち上がろうとしたところに、凱逘の腕が差し伸べられる。
スマートな、動き。
それが例え、経験値によるものだったとしても。

──凱逘、好き。

私はその気持ちが伝わります様にと、ぎゅ、と凱逘の腕にしがみつく。
凱逘は微笑み返してくれた。


「……広ーい。何だか、モデルハウスみたい……」
リビングに通されて、思わずキョロキョロとしてしまう。
壁はガラス張りの面が多くて、ブラインドがあがっている今は眼下に街並みが見えた。
これは絶対、夜景が素晴らしいに違いない……!!

ダイニングテーブルはなくて、一人暮らしの凱逘は対面キッチンにあるカウンターテーブルで食事をしていそう。
「何か飲む?ジュースなら、コーラとリンゴがあるよ。温かいのなら、紅茶か緑茶」
「紅茶が嬉しいな」
「セイロン?ダージリン?アッサム?アールグレイ?」
「……違いわからないから、何でも」
「じゃあ、ダージリンで良いかな」
「うん」
凱逘の家に来て、良かった。
凱逘は紅茶が好きだと言う事がわかったから。

嬉しくてふんわり笑いながら、借りてきたDVDを準備しようとした。
リビングにはコの字型のソファが置いてあって、その中心にローテーブルが鎮座している。
……テレビ、ないよ??
部屋の片隅にパソコンデスクはあるけど、その上に乗ってるのはテレビじゃなくてやっぱりパソコンだよね?

首を傾げていると、私の足元に何かが当たる。
「きゃ」
驚いて下を見れば、それはペット……ではなく、自動掃除機だった。
「ああゴメン、毎日この時間に掃除する様に設定してるんだ」
「何だか可愛い。ツノのないカブトガニがせっせと掃除してるみたい……」
つい、目でその動きを追ってしまう。
凱逘は、そんな私を見てクスクス笑ってた。


ピンポーン、と玄関のベルが鳴り、「ちょっと待っててね」凱逘が来客の相手をしに行く。
二言三言話しているのが何となく聞こえて、凱逘は直ぐに戻ってきた。
手に、ケーキの箱を持って。

「さっき、コンシェルジュに頼んでおいたんだ」
「コンシェルジュ……?」
「エレベーター乗るところに、いた人だよ。フロントみたいなところがあったでしょ?」
「……ああ、さっきのホテルにいるみたいな人!」
私の反応にまたクスクス笑う凱逘は、何だか魔法使いみたいだ。
私みたいな子供が本当に凱逘の彼女で良いのだろうか、といつも思う。

「蘭ちゃん、確かチョコケーキが好きだったよね?」
魔法使いの凱逘は、私の大好物のベイクドチョコケーキをパッと出す。
「……うん、大好き。美味しそう……っっ!!」
「ケーキがあるから、紅茶はお砂糖なしでも大丈夫かな?」
「うん、ありがとう~」
ヤバい、幸せ過ぎる。

凱逘の入れてくれた紅茶を片手に、一口一口味わって食べる。
「凄い、濃厚……っ!瑠衣ちゃんの作ってくれるケーキと互角だなんて……っっ」
瑠衣ちゃんの趣味は、お菓子やケーキを手作りする事だ。
家計が豊かでなくて、お菓子をおねだり出来なかった時によく作ってくれた。

私がケーキの美味しさに感激してうち震えていると、「それは良かった。こっちも食べる?」と、凱逘は自分の分を指差す。
「太るから、要らない。ありがとう」と返事をすると、凱逘はさっさとそれを食べた。
……今、3口位で食べた?この人。
私が唖然としていると、「……蘭ちゃんの分だけじゃ気にするかなって、つい自分の分も用意したけど。実は甘いの苦手なんだ」と苦笑する。

そう言えば、私がパフェとか食べていても、凱逘は頼んだ事なかった。
その時は、大人の男の人だし頼むのが恥ずかしいのかな?って思ってたけど、凱逘は甘い食べ物が苦手だったらしい。
うちの兄達は全員、甘い食べ物が大好きだから、全く気付かなかった。
良かった、バレンタイン前に知る事が出来て!!

私がニマニマしていると、「こら、笑うな」と笑いながら言われた。
……凱逘、大好き。



☆☆☆



ケーキを食べ終えた私達は、借りてきたDVDを見る事にした。
……そう言えば、テレビがないんだった、この部屋。

「ああ、このボタン押せば上から降りてくるんだ」
「上?」
凱逘が、部屋の壁にあるスイッチを押すと、上からスクリーンがガラス張りの窓とソファの間にスルスルと降りてきた。
「……」
何だろう、開いた口が塞がらない。
凱逘って、お金持ちだったりするんだろうか?
いくら高校生の私でも、何となく凱逘が普通以上の暮らしを当たり前にしている事に、気付き始めた。

……この人、彼女が私で本当にいいの?
けど、私からはもう別れられない程に大好きで。
少し不安になって凱逘を見ると、凱逘は「映画館みたいで、楽しくない?」とにっこり笑う。
「……う、ん。映画館みたい」
「俺、昔からDVD見るの好きでさ。今日は蘭ちゃんと一緒に見れて、嬉しいな」
私の不安を消すかの様に、私のおでこに、ちゅ、とキスを落としてくれる。
「映画館と言えば?」
「……??」
「蘭ちゃん、映画館行かない?」
「行くよ。いつも、ポップコーンとコーラ頼むの」
「良かった、一緒だ」
凱逘はひょいと台所に消えて、直ぐにお盆を持って戻ってきた。
お盆の上には、コーラとポップコーンが乗っている。

「……甘いの苦手なのに、コーラはいいの?」
「うん。何故かコーラだけは平気」
心のメモに、凱逘の情報を書き足していく。
「俺の家には、コーラとポップコーンが常備されています」
凱逘が冗談めかして言うから、つい笑ってしまった。
そんな私を見て、凱逘は目を細める。
ああ、私もきちんと凱逘に好かれてるんだな、って思って少し安心した。
「さ、ブラインドを下げて、暗くして……ではそろそろ上映致します」
凱逘とのDVDの鑑賞会は、凄く楽しかった。



「そう言えば、今日は何時迄に帰るの?」
DVDを見終わると、凱逘が聞いてきた。
「……21時」
「そう。わかった。じゃあ、今日は夕飯食べてく?簡単なものなら、作れるし、外に食べに行ってもいいけど」
「うん」

何だか急に、ドキドキしてきた。
喉が渇いてコーラに手を伸ばすけど、そこには既に、中身がない。
「もっと飲む?」
目敏い凱逘が聞いてくれたけど、私は首を横に振った。
どうしよう。何だか落ち着かない。
処女でもないのに、ソワソワし出す。
今までソワソワするのは相手かれしであって、私がこんな気分になる事なかったのに。

「蘭ちゃん?」
「凱逘、キスして」
「うん、いいよ」
凱逘はちゅ、と触れるだけのキスをした。
「そうじゃなくて、もっと……」
浅ましいけど、私から舌を伸ばす。
「蘭ちゃ……」
「ん、ふぅ、ん……」
仕掛けたのは私だけど、呼吸が先に上がったのも私で。
凱逘とのキスだけで、私の下半身がぐちゅり、と期待に濡れるのがわかった。
「カ、凱逘……あのね、今日は……」
「蘭ちゃん、無理しなくていいよ?蘭ちゃんは高校生なんだから、俺待てるし」
高校生なんだから、と言われてつい、頭に血が昇る。
「高校生でもっ!凱逘とシたいの!」
「蘭ちゃん……」
「処女でもないから、気にしなくて平気っ」
私が苛立ち紛れにそこまで言うと、凱逘は私の口をその唇で再び塞いだ。

「んんっ……、は、はぁ……っ」
「蘭ちゃん、処女じゃないって?」
「……うん。もう経験した事あるもん」
凱逘は私の肩に頭を落としていて、表情までは見えなかった。
「そっか……」
「凱逘?」
「蘭ちゃん、そんなに俺に抱いて欲しい?」
「……抱いて欲しいって言うか……凱逘の彼女なんだって、自信をつけたいと言うか……」
「今は、俺の彼女って気がしないの?」
「ううん、大事にされてるなぁって気はするけど……子供扱いというか、私は……女として見られてないのかな、って、思っちゃって……」
「なるほど。うん、蘭ちゃんの気持ちはわかった。不安がらせてごめんね?ただ、えっちな事すると逆に、蘭ちゃんが不安がるかと思ったんだよね」
「……なんで?」
「俺、蘭ちゃんに嘘は付きたくないから言うけど」
凱逘の前置きに、ドキリとした。
「うん……」
「俺、多分蘭ちゃんと普通にヤっても、イけないから……」
「え??」
イけないって、どういう事だろう??
「蘭ちゃんを気持ち良くさせる事なら、出来るんだよね。ただ、俺の性癖が普通じゃなくて……普通のえっちだと、多分イけない」
「そ、そうなんだ……」
他に何を言えば良いんだろう?? 
「それでも、良い?蘭ちゃんが不安にならないなら、するけど」
「うん、良い。したい。凱逘と、したいの」
凱逘をぎゅ、と抱き締める。
私は初めて、彼氏にえっちのおねだりを、した。




☆☆☆




「ベッドに移動しようか」
凱逘に言われて、こくりと頷く。
「あの、シャワーとかは……」
「うーん、蘭ちゃんが嫌じゃなければ、浴びて欲しくないかな」
「うん、わかった。大丈夫」
「ごめんね、ありがとう」
凱逘はにこりと笑って、ベッドへ私をいざなった。


寝室に入ると、そこには大きなベッドが置いてある。
というか、ベッドしか置いてなくて、燦々さんさんと太陽の光が差し込むリビングとは真逆に、壁紙も、小さな縦型の窓に備え付けられたブラインドも、暗いカラーで統一されていた。
更に凱逘は電気を最小まで、絞ってくれる。

「蘭ちゃん、座って……服、脱がせるけど平気?」
「うん」
凱逘が私の服を、一枚一枚丁寧に剥いでいく。
恐怖でなく緊張で、最後の一枚が脱がされた時、カタカタと震えた。
「蘭ちゃん……震えてる」
震える私を労る様に、凱逘は座る私の後ろに回り込んで、背中から肩にかけてちゅ、ちゅ、とキスを何度も落としてく。
「ちょっと、寒くて」
私はシーツの中に潜り込んで、胸元までそれを引き上げた。
凱逘の両手が私の両胸に移り、ブラジャーとの間に出来た隙間に滑り込ませた。

「……んっ……」
凱逘の指先が乳首を挟み、そのまま全体を揉まれる。
凱逘の舌先は、私の首筋をつー、となぞっていた。
気持ち良くて、キスで濡れた蜜口から、更にこぷりと愛液が溢れるのを感じる。

凱逘の片手が胸からお腹へ、お腹からパンツの中に入り込んだ。
「ぁっ……」
指先が私の陰毛を掻き分け、くちゅり、と音を鳴らしながら花びらのスジを何度も行き来する。

陰毛全体がぬらぬらと濡れる位になると、凱逘の指が一本、つぷりと奥に潜り込んできた。
半年ぶり程の感覚に、腰が揺れる。

今までの彼氏達は、私が濡れているのがわかるとさっさと突っ込んできたものだけど、凱逘は違った。
潜り込ませた指を繊細に動かし、膣内を探索する。
絡んだ愛液をたまに膣の上のお豆に塗り込んでは、私の全身を痺れさせた。

何度も何度も膣を探索され、クリトリスを刺激され、私は散々鳴かされた。
何時になったら埋めて貰えるのだろうと期待しながら、凱逘の指に翻弄される。
ぷっくり膨れた花芯を、今度はたっぷり口と舌で可愛がられて、何度も絶頂させられた。
私は今日初めて、絶頂という状態を知る事が出来た。


凱逘が施してくれる愛撫は優しくて、そしてとても残酷だ。
何度イっても入れて貰えないから、最後には私から欲しがるしかなくて。
「まだまだ可愛がりたかったな」
とか言われながら凱逘が突き入れてくれた時には、散々焦らされ刺激を求めて降りた子宮が喜び過ぎて、その瞬間にもイってしまった。


ダメだ、こんなえっちを知ってしまったら──もう、凱逘以外と出来る訳が、ない。
今までのセックス、とは何だったのか。
そう思える程に、凱逘との経験は衝撃的なものだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...