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ピザを食べて、コーラ飲んで。
「希翔は本当にコーラ好きだねぇ」
「俺の身体はコーラで出来ている」
と冗談半分に言ったら、「だから甘いんだね」なんて言われて、微妙な空気が漂った。
「……お前、この状況は予定通りか?」
どう切り出すべきか、もしくはなかった事にした方がいいのか、ちょっと悩んだけどやっぱり一言言ってやらねば気が済まなくて、ジトッと國臣を見る。
「……キス、まで?」
「へー……」
つまり、キスはするつもりだった、と。
「……ごめん」
「謝る位ならやるな」
「じゃあ、謝らない」
「オイ」
違う、そうじゃない!
「お前さぁ……俺の事、何だと思ってる訳?」
「それは、どういう意味?」
「普通さ、付き合ってもいない相手からいきなりキスされたら嫌だと思わない?」
万が一國臣が好きになってたのが普通の女の子だったとしたら、完全アウトな行為だ。
「まぁ、普通はそうだよね」
そこは認められるのか。一応自覚はある訳ね。
「……でも、それって女的発想だよね。もし、俺達みたいな性欲余りまくるフリーな男が、親友だと思っている女の子にキスされてフェラされたら……ラッキーだと思うんじゃなくて?」
「……まぁ、それは」
嘘はつけず、つい本音が漏れた。短小というコンプレックスさえなければ、ラッキー以外何物でもない。
「じゃあ、希翔が付き合ってもいない相手から云々って言うの、結局俺が男だからじゃないの?」
「……」
あれ、俺被害者だよな?言ってる事正論な筈なんだけど、俺が微妙に咎められてるのって、おかしくない??
「希翔が女の子だったら、多分順番通りに、普通に仲良くなって、告白して、付き合って、キスして、セックスして……ってやってたよ」
「そ、そっか」
「でも、希翔は男だろ?順番通りとか、常識とか、最初から無理だよね。そもそも希翔はノンケだし、もたもたしてたら女にいつ、横取りされてもおかしくない」
「……」
「だから、男ならではの方法をとった。頭で考えるより、身体で俺が希翔の事どんだけ好きかって感じて貰った方が、はるかに絆されてくれると思うから」
「あ、そ。……ところで、國臣。ちょっと気になってたんだけど、國臣って……男が好きな人なの?それとも、バイ??」
「男が好きな訳じゃない。希翔以外のペニスとか絶対無理。女は……どうだろう?うざったいだけで、好きだと思った事ないし」
「へ、へ~」
……まさか、國臣の初恋って俺!?
「俺の初恋は、希翔だから」
俺の心を読んだ様に、國臣が微笑む。
思わず顔を背けたけど、耳が熱い。……赤くなってないよな!?
國臣がつい、と手を伸ばして俺の耳に触る。
「……今更照れてるの?なら、何度でも言うけど。好きだよ、希翔」
そのまま、國臣の顔が近付いてきて……
俺はその端正な顔を、むぎゅ、と両手で押さえる。
「ち、調子に乗るな!!」
「……残念」
けど、顔が赤かったせいで、全く格好がつかなかった。
「付き合ってなくても、キスしたいし、その先も狙ってる」
「頼むから、本人を前にしてそういう事言うなよ……」
午後は結局國臣の部屋で少し勉強して、でも前に犯されたベッドが気になって集中力に欠けた俺の様子に気付いたのか、國臣は過去問をパタンと閉じて俺に言った。
「同じ男だからね、言わなくてもわかるでしょ。ただ、希翔には言った方が伝わりやすそうだから、期待を込めて言う事にした」
なんだそれ。
もう、図書館でキスしてきた事を文句言えるような状況じゃなくなってきて、白旗を振りたくなってくる。國臣は完全に開き直っていて、間違いなく俺の判断ミスを誘うつもりだ。
「うん、まぁ……でも俺、初めてのセックスがトラウマだったから、誰かと付き合っても、どっちかっていうと狙ってなかったわ」
「……それね。俺、希翔が女と付き合う度に超凹んでたけど、セックスしてないって聞いて狂喜乱舞してたよ」
そりゃ知らなかった。
「希翔にトラウマ植え付けた女には、殺意と感謝が同居して複雑だ」
「そっか」
「……まぁ、女見ても性欲沸かないって言うのは俺にとっては僥倖で、これから俺を見るだけで勃起したりアナルが疼くように頑張るからさ」
「頑張らんでよろしい」
「……あのさ、セックスしない?」
「はぁっ!?」
何故そうなる!?
キスやフェラで文句を言った相手に、何故その台詞が出てくる!?
「……さっきから、ベッドが気になって希翔集中出来てないでしょ?俺にいつまた襲われるかってソワソワする位なら、しちゃった方が良くない?」
「ヤる位なら、帰るって」
「まだ乾いてないよ」
「ならお前のジャージ借りるし」
裾、引き摺りそう。ウエストの位置をあげれば、何とかなるか?俺が立ち上がって、ジャージのウエストを上によいしょ、と引き上げていると、國臣の熱視線を感じた。
「……んだよ?」
「その下、パンツ履いてないとか考えたら、勃った」
腕を掴まれ、後ろに倒される。つまり、ベッドの上だ。
ひいいいいッッ!!
「ねぇ……しよ?痛い事は、しないから」
國臣は、そう言いながら、俺の首をねろりと舐め上げた。
「希翔は本当にコーラ好きだねぇ」
「俺の身体はコーラで出来ている」
と冗談半分に言ったら、「だから甘いんだね」なんて言われて、微妙な空気が漂った。
「……お前、この状況は予定通りか?」
どう切り出すべきか、もしくはなかった事にした方がいいのか、ちょっと悩んだけどやっぱり一言言ってやらねば気が済まなくて、ジトッと國臣を見る。
「……キス、まで?」
「へー……」
つまり、キスはするつもりだった、と。
「……ごめん」
「謝る位ならやるな」
「じゃあ、謝らない」
「オイ」
違う、そうじゃない!
「お前さぁ……俺の事、何だと思ってる訳?」
「それは、どういう意味?」
「普通さ、付き合ってもいない相手からいきなりキスされたら嫌だと思わない?」
万が一國臣が好きになってたのが普通の女の子だったとしたら、完全アウトな行為だ。
「まぁ、普通はそうだよね」
そこは認められるのか。一応自覚はある訳ね。
「……でも、それって女的発想だよね。もし、俺達みたいな性欲余りまくるフリーな男が、親友だと思っている女の子にキスされてフェラされたら……ラッキーだと思うんじゃなくて?」
「……まぁ、それは」
嘘はつけず、つい本音が漏れた。短小というコンプレックスさえなければ、ラッキー以外何物でもない。
「じゃあ、希翔が付き合ってもいない相手から云々って言うの、結局俺が男だからじゃないの?」
「……」
あれ、俺被害者だよな?言ってる事正論な筈なんだけど、俺が微妙に咎められてるのって、おかしくない??
「希翔が女の子だったら、多分順番通りに、普通に仲良くなって、告白して、付き合って、キスして、セックスして……ってやってたよ」
「そ、そっか」
「でも、希翔は男だろ?順番通りとか、常識とか、最初から無理だよね。そもそも希翔はノンケだし、もたもたしてたら女にいつ、横取りされてもおかしくない」
「……」
「だから、男ならではの方法をとった。頭で考えるより、身体で俺が希翔の事どんだけ好きかって感じて貰った方が、はるかに絆されてくれると思うから」
「あ、そ。……ところで、國臣。ちょっと気になってたんだけど、國臣って……男が好きな人なの?それとも、バイ??」
「男が好きな訳じゃない。希翔以外のペニスとか絶対無理。女は……どうだろう?うざったいだけで、好きだと思った事ないし」
「へ、へ~」
……まさか、國臣の初恋って俺!?
「俺の初恋は、希翔だから」
俺の心を読んだ様に、國臣が微笑む。
思わず顔を背けたけど、耳が熱い。……赤くなってないよな!?
國臣がつい、と手を伸ばして俺の耳に触る。
「……今更照れてるの?なら、何度でも言うけど。好きだよ、希翔」
そのまま、國臣の顔が近付いてきて……
俺はその端正な顔を、むぎゅ、と両手で押さえる。
「ち、調子に乗るな!!」
「……残念」
けど、顔が赤かったせいで、全く格好がつかなかった。
「付き合ってなくても、キスしたいし、その先も狙ってる」
「頼むから、本人を前にしてそういう事言うなよ……」
午後は結局國臣の部屋で少し勉強して、でも前に犯されたベッドが気になって集中力に欠けた俺の様子に気付いたのか、國臣は過去問をパタンと閉じて俺に言った。
「同じ男だからね、言わなくてもわかるでしょ。ただ、希翔には言った方が伝わりやすそうだから、期待を込めて言う事にした」
なんだそれ。
もう、図書館でキスしてきた事を文句言えるような状況じゃなくなってきて、白旗を振りたくなってくる。國臣は完全に開き直っていて、間違いなく俺の判断ミスを誘うつもりだ。
「うん、まぁ……でも俺、初めてのセックスがトラウマだったから、誰かと付き合っても、どっちかっていうと狙ってなかったわ」
「……それね。俺、希翔が女と付き合う度に超凹んでたけど、セックスしてないって聞いて狂喜乱舞してたよ」
そりゃ知らなかった。
「希翔にトラウマ植え付けた女には、殺意と感謝が同居して複雑だ」
「そっか」
「……まぁ、女見ても性欲沸かないって言うのは俺にとっては僥倖で、これから俺を見るだけで勃起したりアナルが疼くように頑張るからさ」
「頑張らんでよろしい」
「……あのさ、セックスしない?」
「はぁっ!?」
何故そうなる!?
キスやフェラで文句を言った相手に、何故その台詞が出てくる!?
「……さっきから、ベッドが気になって希翔集中出来てないでしょ?俺にいつまた襲われるかってソワソワする位なら、しちゃった方が良くない?」
「ヤる位なら、帰るって」
「まだ乾いてないよ」
「ならお前のジャージ借りるし」
裾、引き摺りそう。ウエストの位置をあげれば、何とかなるか?俺が立ち上がって、ジャージのウエストを上によいしょ、と引き上げていると、國臣の熱視線を感じた。
「……んだよ?」
「その下、パンツ履いてないとか考えたら、勃った」
腕を掴まれ、後ろに倒される。つまり、ベッドの上だ。
ひいいいいッッ!!
「ねぇ……しよ?痛い事は、しないから」
國臣は、そう言いながら、俺の首をねろりと舐め上げた。
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