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34、人型にも反応出来たらしい。
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「た、確かにたった今、少しだけ見えてしまいましたが……っっ、ヴァーリア様に誓って、私は指一本触れておりませんっ……その、ヴァーリア様がお眠りになられた後、少しスハスハさせては頂きましたが……」
スハスハしたのか。
「日没後、ヴァーリア様が目の前で人になるご様子はそれはもう神秘的なお姿で……人になられた後も、つい、毛布を掛けるのを忘れてしまう程、美しいしなやかな脚線美や腰からお尻にかけてのラインや極め細やかな肌を舐める様に見てしまったのは確かではございますが……!!」
うつ伏せだからって女の裸を舐める様に見ても良いとは言えないんじゃ……
「その後は直ぐに、ヴァーリア様が風邪をひかれぬよう、毛布を掛けさせて頂きましたっ!!胸や大事なところが見えないかと寝返りを期待してガン見していたのは事実ですが、たった今ヴァーリア様がサービス……上体を起こされるまでは、決して前は見ておりません!!」
エーベルのフォローは全くフォローになっていなかった。
多分普通の女性であれば、いくらエーベルの顔が良くてもドン引きしたかもしれない。しかし私は普段から裸族なんである。人型の裸を年頃になって他人に見られたのは初めてだが、人型でも狼型でも基本裸でうろうろしているのだ。
という訳で、私は裸を見られた事よりも、ひとまず思った事を口にした。
「エーベルって、人間相手にも勃つんだな!」
ふむふむ。ひとまずエーベルと恋人になったと仮定して、狼型でしか愛されないとかはないらしい。
「当たり前じゃないですかっ!……まぁ、私はヴァーリア様以外に興奮した事がないので、今回自分もホッとしています」
ホッとしたんか。
「ベッド占領しちゃって悪かったね。自分の部屋に戻るよ」
「……その姿でお戻りに……?」
「うん?」
何かエーベルの瞳に剣呑な光が浮かんでいる気がした。
やだなぁ、人型真っ裸でエーベルの部屋の外に出て、誰かに出くわしたり見られたりしたら色々とヤバイ事位わかってますって。
私は一度毛布にくるまり、意識して狼型になる。全身が毛に覆われた事を感じてから、ぶるりと身体をふるい、毛布を落として四つ足で立った。
「ああ、ヴァーリア様……先程のお姿も今のお姿も、本当になんと神々しい……」
エーベルは、うっとりとした艶のある顔でこちらを見ている。もっこり元気な股間や、ぐるぐる巻きにされているのを気にしなければ、こういうのを色気があるというのだろう。
残念ながら、今は色気よりも変態がクローズアップされているが。
「狼型なら問題ないでしょ」
ひょいと私はベッドから飛び降りた。
「はい。人型は、私とヴァーリア様の二人だけの秘密ですから」
……もしかして、さっきの剣呑な雰囲気って、自分が処罰されるかもとかじゃなく……それ?
「じゃあね、お休みエーベル」
「おやすみなさいませ、ヴァーリア様」
扉の外には、誰もいなかった。
狼になっても何の音もしなかったから、大丈夫だとは思っていたがホッとする。
隣の自室に引き上げたところで、エーベルがまだぐるぐる巻き状態だった事を思い出した。
「……鞭、ほどかなくて大丈夫だったかな?」
あの鞭、荒れ狂う猛獣すら微動だにさせない拘束力があった気がするが。
一瞬悩んだ時、隣からエーベルの声が聞こえてきた。
「ヴァーリア様の姿も立ち振舞いも全てが愛し過ぎて下半身にクる……っっ!!ああ、私の女神に早く触れたい埋めたい撫でたい舐め回したい突っ込みたい……!!」
「……ま、大丈夫か~」
自分でやったのだろうし、まさか自分で取れない様にやってしまう程馬鹿ではないだろう。
「いいや、寝よ寝よ」
興奮しているエーベルの前に再び顔を出す勇気はないので、さっさと人型に戻って聴力を下げる。
ドスンバタンとエーベルは椅子ごと倒れて何やらズリズリしている様だったが、直ぐに睡魔に襲われた私はさっさと一人、夢の中へと旅立った。
スハスハしたのか。
「日没後、ヴァーリア様が目の前で人になるご様子はそれはもう神秘的なお姿で……人になられた後も、つい、毛布を掛けるのを忘れてしまう程、美しいしなやかな脚線美や腰からお尻にかけてのラインや極め細やかな肌を舐める様に見てしまったのは確かではございますが……!!」
うつ伏せだからって女の裸を舐める様に見ても良いとは言えないんじゃ……
「その後は直ぐに、ヴァーリア様が風邪をひかれぬよう、毛布を掛けさせて頂きましたっ!!胸や大事なところが見えないかと寝返りを期待してガン見していたのは事実ですが、たった今ヴァーリア様がサービス……上体を起こされるまでは、決して前は見ておりません!!」
エーベルのフォローは全くフォローになっていなかった。
多分普通の女性であれば、いくらエーベルの顔が良くてもドン引きしたかもしれない。しかし私は普段から裸族なんである。人型の裸を年頃になって他人に見られたのは初めてだが、人型でも狼型でも基本裸でうろうろしているのだ。
という訳で、私は裸を見られた事よりも、ひとまず思った事を口にした。
「エーベルって、人間相手にも勃つんだな!」
ふむふむ。ひとまずエーベルと恋人になったと仮定して、狼型でしか愛されないとかはないらしい。
「当たり前じゃないですかっ!……まぁ、私はヴァーリア様以外に興奮した事がないので、今回自分もホッとしています」
ホッとしたんか。
「ベッド占領しちゃって悪かったね。自分の部屋に戻るよ」
「……その姿でお戻りに……?」
「うん?」
何かエーベルの瞳に剣呑な光が浮かんでいる気がした。
やだなぁ、人型真っ裸でエーベルの部屋の外に出て、誰かに出くわしたり見られたりしたら色々とヤバイ事位わかってますって。
私は一度毛布にくるまり、意識して狼型になる。全身が毛に覆われた事を感じてから、ぶるりと身体をふるい、毛布を落として四つ足で立った。
「ああ、ヴァーリア様……先程のお姿も今のお姿も、本当になんと神々しい……」
エーベルは、うっとりとした艶のある顔でこちらを見ている。もっこり元気な股間や、ぐるぐる巻きにされているのを気にしなければ、こういうのを色気があるというのだろう。
残念ながら、今は色気よりも変態がクローズアップされているが。
「狼型なら問題ないでしょ」
ひょいと私はベッドから飛び降りた。
「はい。人型は、私とヴァーリア様の二人だけの秘密ですから」
……もしかして、さっきの剣呑な雰囲気って、自分が処罰されるかもとかじゃなく……それ?
「じゃあね、お休みエーベル」
「おやすみなさいませ、ヴァーリア様」
扉の外には、誰もいなかった。
狼になっても何の音もしなかったから、大丈夫だとは思っていたがホッとする。
隣の自室に引き上げたところで、エーベルがまだぐるぐる巻き状態だった事を思い出した。
「……鞭、ほどかなくて大丈夫だったかな?」
あの鞭、荒れ狂う猛獣すら微動だにさせない拘束力があった気がするが。
一瞬悩んだ時、隣からエーベルの声が聞こえてきた。
「ヴァーリア様の姿も立ち振舞いも全てが愛し過ぎて下半身にクる……っっ!!ああ、私の女神に早く触れたい埋めたい撫でたい舐め回したい突っ込みたい……!!」
「……ま、大丈夫か~」
自分でやったのだろうし、まさか自分で取れない様にやってしまう程馬鹿ではないだろう。
「いいや、寝よ寝よ」
興奮しているエーベルの前に再び顔を出す勇気はないので、さっさと人型に戻って聴力を下げる。
ドスンバタンとエーベルは椅子ごと倒れて何やらズリズリしている様だったが、直ぐに睡魔に襲われた私はさっさと一人、夢の中へと旅立った。
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