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25、何か忘れている気がする。
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おふー。気持ちぃー。このまま寝てしまいそうー。
エーベルの股間さえ気にしなければ、至福の時を過ごす私。
「ああ、ヴァーリア様が私の手によって快楽を享受されるなんて……なんという至福の時間……!!」
「言い方」
「失礼致しました」
どうやらお互い至福の時間だと思っているらしい。しかし、こんな本格的なマッサージに近いモフモフをするのはなかなかに骨が折れる事だろう。
既にエーベルの揉み揉みタイムが開始して30分は経過している。いい加減、飽きないのだろうか?
「……あのさ、そろそろ」「ヴァーリア様は好きなだけモフモフして良いとおっしゃいましたよね?」
やや被せぎみに話すエーベル。
「まだ1%も満足しておりません」
「そ、そう……」
そのまま顔周りを優しく揉み揉みされ、脇の下からお腹にかけて優しく撫でられ、長い移動の疲れが全て吹っ飛ぶようだった。……ついでに、何か大事な事まで吹っ飛んでいる気がする。
何だっけ?
うーん……
「そう言えば、ヴァーリア様は何故外に行かれたのですか?」
エーベルにそう聞かれ、私の全身の毛がぶわっと逆立った。
そうだよ!!すっかり忘れてたよ、あいつらの事……!!
「エーベル!もうそろそろおしまいっ!!もう行かなきゃ!!」
直前まで瞳をトロトロとさせ、全身の力を抜いていた私はガバッと起き上がる。
「うっ!!」
「あ、ごめん」
起き上がった瞬間、顔を寄せてすはすは息をしていたエーベルの顎に頭突きしたらしい。プロテクターには負けたが、顎には勝った。
「だ、大丈夫です……が、ヴァーリア様、何処へ」「そんじゃね!エーベルお休み!!」
「ヴァーリア様っ……!」
私は脱兎の如くエーベルの部屋を抜け出し、帰宅後自室にそのまま置いてあった肩掛け鞄を引っ提げ宿屋を飛び出た。
一瞬エーベルにも一緒に来て貰おうかと思ったけど、エーベルに事情を話すにはまだあの二人組は怪しいレベルで何か罪を犯した訳ではない。
それに、狼型と人型を自由に取れる事は誰にも知られたくないし、エーベルは猛獣に対しては無敵かもしれないけれど、果たして対人が可能かは微妙なところだ。正直私の足を引っ張って欲しくないし、エーベルが人質になったら笑えない。多分私、二人組に怒って喉元噛みついちゃう。
まだギリギリ外は明るかった。
出来たら狼型の時にあの二人組とやり合いたいけど、夜まで待つと言っていたから恐らく日が落ちてから動くだろう。
人型の方が、二人組は油断させる事が出来る。けど、狼型の方が、何かあった時に直ぐに動ける。
しかし、人型の方が仮に軍隊に見つかったとしても町娘を装えるかもしれない。ついでに、狼型は意識を失ったら人型になってしまう。
「お疲れ様で~す」
「おお、ヴァーリア殿下。お疲れ様です」
「ペガススの様子はどお?」
「とても落ち着いてますよ。今日は沢山運動したみたいで、ご機嫌の様です」
よ、良かったよ……急遽私の捜索に駆り出されたペガススがヘソを曲げてなくて。
「先日ペガススを預けた町で、鍵が壊された事があるんです。今日は気持ち注意して下さいね~」
「は!畏まりました!」
ペガススの無事を確認し、ひとまずホッとする。
そしてキョロキョロと辺りを見回し、猛獣隔離室を見張るのにうってつけな管理室の屋根に跳び移った。
結局私は日暮れと共に人型に戻り、お忍び用の服一式に着替えた。一応、茶髪のカツラも被っておく。マントも羽織り、服が破れるのは覚悟して何かあった時は狼型になろうと決めた。
エーベルの股間さえ気にしなければ、至福の時を過ごす私。
「ああ、ヴァーリア様が私の手によって快楽を享受されるなんて……なんという至福の時間……!!」
「言い方」
「失礼致しました」
どうやらお互い至福の時間だと思っているらしい。しかし、こんな本格的なマッサージに近いモフモフをするのはなかなかに骨が折れる事だろう。
既にエーベルの揉み揉みタイムが開始して30分は経過している。いい加減、飽きないのだろうか?
「……あのさ、そろそろ」「ヴァーリア様は好きなだけモフモフして良いとおっしゃいましたよね?」
やや被せぎみに話すエーベル。
「まだ1%も満足しておりません」
「そ、そう……」
そのまま顔周りを優しく揉み揉みされ、脇の下からお腹にかけて優しく撫でられ、長い移動の疲れが全て吹っ飛ぶようだった。……ついでに、何か大事な事まで吹っ飛んでいる気がする。
何だっけ?
うーん……
「そう言えば、ヴァーリア様は何故外に行かれたのですか?」
エーベルにそう聞かれ、私の全身の毛がぶわっと逆立った。
そうだよ!!すっかり忘れてたよ、あいつらの事……!!
「エーベル!もうそろそろおしまいっ!!もう行かなきゃ!!」
直前まで瞳をトロトロとさせ、全身の力を抜いていた私はガバッと起き上がる。
「うっ!!」
「あ、ごめん」
起き上がった瞬間、顔を寄せてすはすは息をしていたエーベルの顎に頭突きしたらしい。プロテクターには負けたが、顎には勝った。
「だ、大丈夫です……が、ヴァーリア様、何処へ」「そんじゃね!エーベルお休み!!」
「ヴァーリア様っ……!」
私は脱兎の如くエーベルの部屋を抜け出し、帰宅後自室にそのまま置いてあった肩掛け鞄を引っ提げ宿屋を飛び出た。
一瞬エーベルにも一緒に来て貰おうかと思ったけど、エーベルに事情を話すにはまだあの二人組は怪しいレベルで何か罪を犯した訳ではない。
それに、狼型と人型を自由に取れる事は誰にも知られたくないし、エーベルは猛獣に対しては無敵かもしれないけれど、果たして対人が可能かは微妙なところだ。正直私の足を引っ張って欲しくないし、エーベルが人質になったら笑えない。多分私、二人組に怒って喉元噛みついちゃう。
まだギリギリ外は明るかった。
出来たら狼型の時にあの二人組とやり合いたいけど、夜まで待つと言っていたから恐らく日が落ちてから動くだろう。
人型の方が、二人組は油断させる事が出来る。けど、狼型の方が、何かあった時に直ぐに動ける。
しかし、人型の方が仮に軍隊に見つかったとしても町娘を装えるかもしれない。ついでに、狼型は意識を失ったら人型になってしまう。
「お疲れ様で~す」
「おお、ヴァーリア殿下。お疲れ様です」
「ペガススの様子はどお?」
「とても落ち着いてますよ。今日は沢山運動したみたいで、ご機嫌の様です」
よ、良かったよ……急遽私の捜索に駆り出されたペガススがヘソを曲げてなくて。
「先日ペガススを預けた町で、鍵が壊された事があるんです。今日は気持ち注意して下さいね~」
「は!畏まりました!」
ペガススの無事を確認し、ひとまずホッとする。
そしてキョロキョロと辺りを見回し、猛獣隔離室を見張るのにうってつけな管理室の屋根に跳び移った。
結局私は日暮れと共に人型に戻り、お忍び用の服一式に着替えた。一応、茶髪のカツラも被っておく。マントも羽織り、服が破れるのは覚悟して何かあった時は狼型になろうと決めた。
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