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73.普段温厚な奴が怒る時(side保)
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翌朝目が覚めると、まだ裸の修平が横に寝そべり、凄く穏やかな表情をしながらデジカメを見ていた。
それを見ながら、ああ、幸せだな、と思う。
「保先輩、おはようございます」
「……はよ」
でも何だか気恥ずかしくて、どんな顔をして良いのかわからず、俺はころりとうつ伏せになって修平のデジカメを覗き込んだ。
「朝から何見て……$@%&\!!」
「うわ、先輩。何するんですか」
「何するって、それはこっちのセリフだーっっ!!」
デジカメには、がっつり昨日の行為が収められていて。音声は消音になっていたが、どう見ても画面の中では俺がアンアン言わされているところだった。
「これは今日から俺のベスト抜き動画になるんですから、見ても良いですが大切に扱って下さいよ」
「お前、なぁ……!!」
悪びれる様子もなく飄々とした修平の態度に、怒る気も失せる。
「……絶対、誰にも見られるなよ」
「はい、それは勿論、約束します」
修平はニコニコして、俺の頭を撫でる。
……修平って結構、頭撫でるの好きだよなーと思いながら、そうっと上体を起き上がらせた。
良かった、初回のセックス程腰痛はない。尻はやっぱりジンジンするけど、むしろ尻よりも……。
「あ、プジーは俺が抜いておきました」
「良かった、ちょっとトイレ」
トイレに駆け込み、小用を足す。
「どうでした?痛くはありませんでしたか?」
「うーん、少しだけ痛い感じはするかな?よくわからないけど」
「そうですか。初めてなので、一週間はプジーは止めて、様子を見ましょう」
「……まだやんの?」
当たり前です、とニコニコする修平に脱力する。
「保先輩的には、あまり気持ち良くはありませんでしたか?」
「……」
うーん、それを聞かれると辛い。
射精を伴わない絶頂なんて、一生縁がないと思っていたけど。
「……かなり、気持ち良かった」
俺が正直に白旗を降れば、修平は大型犬だったら絶対パタパタ尻尾を振ってるよな、というにこやかな笑みを浮かべる。
「……ところで、昨日は何があったんですか?バイトでトラブルですか?」
修平が、タイミングを見て聞いてきて、そう言えば何も話してなかったな、と思い出した。
「いやー……実は昨日、痴漢にあってさ」
もそもそとベッドから下りて、台所に向かう。
「……は?」
「だから、痴漢。まさか男が痴漢にあうとは思わなくて……」
ガッと、コップに水を注いでいた腕を掴まれ驚く。
さっきまでベッドにいたよな!?忍者かよ!!
「相手の顔や背格好、身長や年齢はわかりますか?」
修平の目が据わって、物凄く低い声で矢継ぎ早に聞かれた。
「や、気持ち悪くてさっさと逃げてきたからわからない、かな」
わかっていても、今の修平には教えられない、と殺気と憤怒が湧き上がる瞳を見て思った。
普段温厚な奴が怒る時って、結構怖い。
電車で女の子を助けた時との温度差が違いすぎて、まさかの反応に正直俺がビビった。
それを見ながら、ああ、幸せだな、と思う。
「保先輩、おはようございます」
「……はよ」
でも何だか気恥ずかしくて、どんな顔をして良いのかわからず、俺はころりとうつ伏せになって修平のデジカメを覗き込んだ。
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「うわ、先輩。何するんですか」
「何するって、それはこっちのセリフだーっっ!!」
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「お前、なぁ……!!」
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「……絶対、誰にも見られるなよ」
「はい、それは勿論、約束します」
修平はニコニコして、俺の頭を撫でる。
……修平って結構、頭撫でるの好きだよなーと思いながら、そうっと上体を起き上がらせた。
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「……まだやんの?」
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うーん、それを聞かれると辛い。
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俺が正直に白旗を降れば、修平は大型犬だったら絶対パタパタ尻尾を振ってるよな、というにこやかな笑みを浮かべる。
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「だから、痴漢。まさか男が痴漢にあうとは思わなくて……」
ガッと、コップに水を注いでいた腕を掴まれ驚く。
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「や、気持ち悪くてさっさと逃げてきたからわからない、かな」
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