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58.本当の意味で衝撃の告白(side保)
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はた、とそう言われて気付く。
「勿論、良いけど……よく考えてみれば、修平がここまで来る方が面倒か」
俺の利用駅は完璧に住民の為にある駅で、買い物や遊びには適さない。
修平の家より大学にずっと遠いし、修平が買い物や遊びに行くなら手前の乗り換え駅で降りるだろう。
俺の家に修平が遊びに来るのは多分これが最後だな、と思ってそう言えば、修平は眉間に皺を寄せた。
ん?
そして、ギュッと目を瞑るとガバっと起き上がり、ベッドの上で姿勢を正し、俺に向き合った。
流石柔道部なだけであって、正座の姿勢が綺麗だな、でもそれはベッドの上じゃなくて普通畳の上でするものじゃないだろうか、と思いながら、修平の様子を観察していると。
修平は、じっとその切れ長の目で俺を見つめる。
ん?ん?
何故か修平が膝の上で握った拳が、修平の緊張を現している気がして、その緊張がこちらにまで伝わってきた。
「修平、どうしかした?」
場を和ませるようにしてポンポンとその大きな肩を叩く。
修平は一度深呼吸して、言った。
「……先輩、こんなムードもへったくれもないタイミングで申し訳ないのですが」
「うん?」
ムード??
「俺、保先輩が好きなんです。どうか、パートナーにして貰えませんか?」
「う……ん?」
……ちょっと待て。
思考がストップした気がした。
パートナー??って、何?
いまいち何を言われているのか理解出来ずに、首を捻る。
「パートナーって……」
「恋人って意味です。彼氏でも良いです」
沈黙。
「──えええええっっ!?!?」
俺は、多分カラオケで歌うよりもずっと、声量を加減出来ずに叫んだ。
「ど、どどどどういうこと!?」
修平って、女の子好きじゃなかったっけ!?え?男を好きになる人だっけ!?!?
「あのさ、前まで好みの女の子の話とかしてなかったっけ!?」
「してました。ただ、俺は“女の子”の話とは言ってません。好みの話をしていただけです」
「えーと……」
修平の好みを思い返す。
……あれ?俺、結構当てはまる?あれって俺のことだったのか??
「ち、ちょっと待って、衝撃がデカ過ぎて……整理させて」
俺はうーん、と考える。
なんで修平から告白される流れになってるんだ、俺。
あれか。
ケツマンを貸したからか。
「……本命の女の子が、」
言い掛けて、俺は自分の両手で口を塞いだ。
危ない。
よく考えないで言葉は発するべきじゃない。
本命の女の子が見つかるまでの、期間限定のセフレとか言いそうになった自分に嫌悪する。
修平は誰かをキープするような奴じゃない。
修平は絶対にそんなことしない。
違う。
ちら、と修平を見れば、俺が漏らした言葉を拾って色々察したみたいで、瞳に様々な感情を揺らめかせていた。
でも。
ごくり、と唾を飲んで、念の為確認する。
「……本気?」
「本気です」
即答された。
あ、これ本当なんだ。
俺、今修平から告白されてるんだ。
そう理解した俺の胸に広がったのは、嫌悪や疑問ではなく……明らかな喜び、だった。
「勿論、良いけど……よく考えてみれば、修平がここまで来る方が面倒か」
俺の利用駅は完璧に住民の為にある駅で、買い物や遊びには適さない。
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ん?
そして、ギュッと目を瞑るとガバっと起き上がり、ベッドの上で姿勢を正し、俺に向き合った。
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「う……ん?」
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「してました。ただ、俺は“女の子”の話とは言ってません。好みの話をしていただけです」
「えーと……」
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俺はうーん、と考える。
なんで修平から告白される流れになってるんだ、俺。
あれか。
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「……本命の女の子が、」
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違う。
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でも。
ごくり、と唾を飲んで、念の為確認する。
「……本気?」
「本気です」
即答された。
あ、これ本当なんだ。
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