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17、新しい生活
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「今日からここが、私とお姉様が一緒に暮らすことになる修道院のお部屋ですわ」
「えっ……!?」
クローチェにそう言われて、マリーエは慌てた。
マリーエは、てっきりクローチェは連れて来てくれたのだと思っていたのだ。
まさか、「一緒」の意味がそちらだとは思いもよらなかった。
クローチェが引っ張ってきた人物から、クローチェは秘薬が三つは買える程の大金を貰った筈。いつでもクローチェの身体をどちらかの性に定めることが出来る筈なのに。
「ああ、あのお金は全額こちらの修道院に毎月寄付する予定ですの。これから私達がお世話になるのですから」
「クローチェまで、何故……?」
クローチェであれば、わざわざ修道院なんかに来なくても、子供は出来なくてよいと言ってくれる男性がいつかは現れただろう。
「何故って、お姉様だけを愛しているからですわ」
「……クローチェ?」
マリーエが少し見上げる先、美しい妹の顔が自分の顔に近付き……初めて、唇同士が、触れた。
驚きに、どさり、とマリーエの鞄が重たい音をたててその手から落ちる。
「ク、クローチェ……あの、」
妹に口付けされてしまい、もっと二人で淫らな遊戯をしているにも関わらず、マリーエは今更ながら真っ赤になって俯いた。
「お姉様は?」
「えっ……」
「お姉様は、私のこと、どう思っていますの?」
クローチェは、いつもの余裕のある笑みではなく……切なく、今にも泣きそうな顔で聞いてきた。
マリーエは咄嗟に、けれども真実である返事をする。
「勿論、愛しています」
途端に、クローチェは大輪の薔薇が咲き誇ったような美しい微笑を浮かべた。誰もが惚れ込んでしまうような、美しい笑顔を。
(……クローチェは、私のこんな一言で笑顔を向けてくれるのですね……)
ずっと笑顔でいて欲しいと、出会った頃に願ったマリーエ。
マリーエの願いは確かに叶えられていたのだと、その時気付いた。
***
「お姉様……っっ」
「クローチェ、ん、ふぁ……っ」
他の修道女よりも少し離れた場所に特別個室である二人部屋を宛がわれたクローチェは、もう一切の遠慮をしなかった。
マリーエの唇に貪りつきながら、舌を探して絡ませ、引きずり出す。その行為はまるで、マリーエの身体だけでなく心まで丸裸にされてクローチェの前に引きずり出されるような錯覚を覚えた。
「好きです、お姉様……!どうか、私を受け止めて下さいませ……っ」
「クローチェ、ま、待って……っ」
マリーエは、クローチェの性急な態度に驚きながらも、クローチェを落ち着かせようと、私は姉なのだとその細い身体をぎゅっと抱き締めた。
けれどもクローチェは、そんなマリーエをベッドの上に押し倒した。
「えっ……!?」
クローチェにそう言われて、マリーエは慌てた。
マリーエは、てっきりクローチェは連れて来てくれたのだと思っていたのだ。
まさか、「一緒」の意味がそちらだとは思いもよらなかった。
クローチェが引っ張ってきた人物から、クローチェは秘薬が三つは買える程の大金を貰った筈。いつでもクローチェの身体をどちらかの性に定めることが出来る筈なのに。
「ああ、あのお金は全額こちらの修道院に毎月寄付する予定ですの。これから私達がお世話になるのですから」
「クローチェまで、何故……?」
クローチェであれば、わざわざ修道院なんかに来なくても、子供は出来なくてよいと言ってくれる男性がいつかは現れただろう。
「何故って、お姉様だけを愛しているからですわ」
「……クローチェ?」
マリーエが少し見上げる先、美しい妹の顔が自分の顔に近付き……初めて、唇同士が、触れた。
驚きに、どさり、とマリーエの鞄が重たい音をたててその手から落ちる。
「ク、クローチェ……あの、」
妹に口付けされてしまい、もっと二人で淫らな遊戯をしているにも関わらず、マリーエは今更ながら真っ赤になって俯いた。
「お姉様は?」
「えっ……」
「お姉様は、私のこと、どう思っていますの?」
クローチェは、いつもの余裕のある笑みではなく……切なく、今にも泣きそうな顔で聞いてきた。
マリーエは咄嗟に、けれども真実である返事をする。
「勿論、愛しています」
途端に、クローチェは大輪の薔薇が咲き誇ったような美しい微笑を浮かべた。誰もが惚れ込んでしまうような、美しい笑顔を。
(……クローチェは、私のこんな一言で笑顔を向けてくれるのですね……)
ずっと笑顔でいて欲しいと、出会った頃に願ったマリーエ。
マリーエの願いは確かに叶えられていたのだと、その時気付いた。
***
「お姉様……っっ」
「クローチェ、ん、ふぁ……っ」
他の修道女よりも少し離れた場所に特別個室である二人部屋を宛がわれたクローチェは、もう一切の遠慮をしなかった。
マリーエの唇に貪りつきながら、舌を探して絡ませ、引きずり出す。その行為はまるで、マリーエの身体だけでなく心まで丸裸にされてクローチェの前に引きずり出されるような錯覚を覚えた。
「好きです、お姉様……!どうか、私を受け止めて下さいませ……っ」
「クローチェ、ま、待って……っ」
マリーエは、クローチェの性急な態度に驚きながらも、クローチェを落ち着かせようと、私は姉なのだとその細い身体をぎゅっと抱き締めた。
けれどもクローチェは、そんなマリーエをベッドの上に押し倒した。
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