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序
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5人の小さな人たちの物語を書いた。
ずいぶん前のことだ。
たしか書きかけ、途中で頓挫したままになっていた。
物語は、5人の小さな人たちがパソコンの中にこっそり棲んでいる。そんな設定だった。
彼らの仕事は、ぼくに届くメールを受け取り、管理する。
間違ってゴミ箱に捨ててしまっても、彼らにお願いすればどうにかしてくれる、というお粗末な顛末だった。
地味な存在だったので彼らは5人ともモノトーンで描いていた。
それがあるとき、パソコンの調子が悪くなって、ブラウン管テレビさながら叩いて直そうとしたら、ストローを通したような小さな声らしきものが聞こえてきた。
古めかしい儀式でパソコンに活を入れたものだから、現代っ子のパソコン、ご機嫌を悪くしたのだろう。そう思った。
もういちど、ぱん、ぱん。
すると、同じ声が聞こえてきた。
「ぉぉぃ。キコエルカ」
やはり、声だ。
「だれだ? どこにいる」
「ココダ、ココ」
ストローから絞り出すような声は、前のほうから聞こえてくる。
正面。
パソコンがあって、その向こうは壁である。
モニタと壁の間から?
のぞき込んでも、ふだん掃除の手の届かないそこには埃が溜まっているだけだった。
「どこだい?」
すると今度は下のほうから声が聞こえてくる。
下?
パソコンは机の上に置かれていて、その下には引き出しがあるだけだ。
「ソコジャナイ」
声で、ぼくは引き出しを開ける手を止めた。
「マドカラ ノゾケバ ワカル」
窓?
壁に窓はない。
どこだろう?
不思議なことがあるものだ。
しかたない。最初からやり直してみるか、とぼくは考えた。
パソコンを前に椅子に深く腰を降ろす。
するとモニタの下部から、ぽこぽこと泡のようなものが浮かんでくるではないか。
そんなアプリ、入れた覚えはない。
パソコンはシンプルをモットーとし、用途に特化した文筆マシンになっているはずだった。
壊れたか?
そうも考えたけれど、泡ぶくを出すことはないだろう。
その時だった。
「マドニ ムケテ シャボンダマ トバシタ」
窓に向けてシャボン玉、飛ばした?
声は、モニタから聴こえていたのだ。
左右に配したJBLのスピーカーからではなく、モニタから?
まさか。
そんなこと。と思いながらのぞきこむと、頭は画面をすり抜け、モニタ内側の底で、黄色い服を着た小さな人が手を振っていた。
金髪で華奢、鼻筋の通った優男ふうである。
スポットライトを浴びて、わかりやすく彼はいた。
「おーい」
黄色い人の声が近い。
驚いたのはそればかりではなかった。
頭のうしろにアプリのウインドウがいくつも浮かんでいる。
モニタの裏側から眺めているわけだ。それはなんとも奇妙な感じで、画面の左右が入れ替わっているし、カーソルのちかちかも反転していた。
なんだこれ?
にわかには信じがたく頭をモニタから引き抜くと、そこにはいつもどおりの画面が涼しい顔で居座っていた。
「オーイ」
画面のこちら側に戻ると、どうやら声にフィルターがかかるらしい。小さな人の声は、再びストローを介して聞こえてきた。
彼らは5人いる。
それは間違いのないことだった。
あの姿カタチは僕が描いたキャラクターそのものだったからだ。
だけど着色した覚えはない。
5人の小さな人は、黄色い小さな人に変化したというのだろうか。
のちにわかることなのだけれども、彼らはそれぞれ色を備えたことを知る。
5人は、赤い人を筆頭に、青い人、緑の人、そして最初に現れた黄色い人、それに紫の人で構成されている。
色がつくとナントカ・レンジャーみたいになっちゃうな、とぼくは呆れた。ただでさえお粗末な設定なのに、これでは稚拙すぎやしないか?
そう考えるのももっともなことだった。
だけど彼らは、ぼくが感じた以上に真剣で思慮深く利発で、ぼくを驚かせてくれることになる。
ちょっとはうざったくも思ったさ。
だってぼくの考えるストーリーにはない展開を彼らは提供してくるわけだから。
詳しくはおいおいとふれさせていただくことにして、そのようにしてぼくの彼らとの二人三脚というか六人七脚の時間が始まった。
彼らの仕事は、毎日届くメールをパソコンの中でさばくことだった。
だけど、たださばくだけではない。
読み込んでかみ砕き、ときにはメッセージを送ろうとする。
だけど彼らには伝達手段がない。ぼく以外には。
そこでぼくに白羽の矢をたてようと考えたらしい。
「その役割、担える?」
もう一度モニタから下部をのぞき込んだぼくに、黄色い人が尋ねた。
つまりぼくに彼らの使いっ走りをやれってこと?
ストーリー・テラーとして。
それはつまり、物語はキミらが作って、ぼくはただそれを書き留めるということ?
訊くと、そうだけど、問題でも? と逆に訊き返されてしまった。
なんだかプライドの上に腰を降ろされたみたいで不愉快だったけれども、こんな経験、ふつうならできるものではない。
ぼくは、やってやろうじゃないの、とまんまと乗せらた。
ぼくは彼らをひとまとめにした名前を与えた。
小さな色彩人。
一度は放ってしまった物語のまったく新規のリバイバル。
作家としてはリベンジ。
いや、意志は小さな色彩人のほうにある。
立場で言えば彼らが主でぼくは従。
それでもいい。
一度は投げ出した案件だもの。
復活させてくれた彼らを立てなきゃならない義理もあろうというもの。
そんな気もしたものだから。
でもさあ。
そもそも前の話が続かなくなったのも、彼らがあまりに勝手にするものだから、ぼくの手に負えなくなったことによるんだよなあ。
責任は小さな人たちのほうにある!
経緯を思い出したぼくは、やはりおもしろくなかった。
気がつくと、ぶつぶつ文句を口にしていた。
ぶつぶつ。
それはいくつも連なり、ぽろぽろと机の上にこぼれだしていく。
ぶつぶつが落ちて溜まって広がっていく。
なんだろ。これ?
ぶつぶつはすぐにあふれてすでに溺れる寸前だった。
こんなので溺れてしまうのか?
「ゥボレル ナ」
ぅぼれるな?
ストローの声が聞こえる。
待ってよ、こっちはそれどころじゃないんだから。
どうにかしてよ。
うっぷ。
げほ、げほ。
「オボレルナ」
溺れるなって、こんなので溺れてなるものか。
すると「ア、チガッタ。ウヌボレルナ ダッタ」
自惚れるな?
それって、どういうこと?
苦しみながらしばらく考えて、はたと気づいたことがある。
前作、ぼくが創作を投げ出したのは、ぼくに描ききる力量がなかったからだ。
奔放だった小さな人たちを描ききることができなかったからだ。
だから?
彼らはそのことを指摘した?
新しく現れた小さな色彩人たちは、ぼくを操ろうしているのではないのかもしれなかった。
助け船を出そうとしてくれているのかもしれない。
ぼくの勝手な解釈が合っているのかどうかはわからないけど、自省した瞬間にぶくぶくはすっと消えていった。
「序」の最後に、彼らの役割分担について、軽くふれておこうと思う。
メールボックスにメールが届くと、まず最初に赤い人がメールをボックスから引き出す。毎回かがまなければメールを取り出せない難儀な作業で、そのせいで少し腰が曲がっている。嗅覚が鋭いのは、鼻が大きいことによる。やせ型A型。
赤い人は次に青い人にメールをそのまま手渡す。
青い人は筋骨隆々で髭を生やしている。情に厚いが気のほうはめっぽう短く、手際が悪いと眉間に怒りの皺が寄る。ちょきん。手際よく封を切って、中身を次に手渡す。がっしり型B型。
渡された手紙を広げるのは、緑の人だ。まるで歌のように読み上げる声の持ち主で、小さな人の中で紅一点、 他の4人のマドンナとしてちやほやされているが、それを鼻にかけることはない。情感的に読み上げることに長けてはいるが、読み終えると魂が抜けたみたいに無感情になる謎の存在。スレンダーでC型。
緑の人が読み上げた内容を書き留めるのが黄色の人だ。ぼくに最初に声をかけた小さな人で、いつもはキーボードを前にタイピングに明け暮れている。メンバー唯一の優男でいつも鼻を高くしている。キザでちょっと自慢しいだが、 仕事に妥協や手抜かりはない。小さな人独自の言語で打ち込む、多国語に対応できる3人のうちのひとりだ。華奢でスマートなAB型。
最後は紫の人。黄色い人が撃ち込んだファイルを書棚まで担いで運ぶ記録装置の管理人。無口でめったに喋らない。寡黙がその風体からにじみ出る、わかりやすい小人である。ぬぼーとした印象、O型。
彼らにはそれぞれ名前がついている。
というか、以前つけた名前を踏襲していた。
いっぺんにすべてを欲張ると覚えるのにたいへんだろうから、おいおいと。
そうしなさい、と黄色の人に忠告されたものだから。
ぼくの意見は?
問うと「いいから」と押し切られてしまった。
次回は、踏み込んだところから物語が始まる。
黄色の人と念入りに打ち合わせしたあとで。
しばらく待たれよ。
(続く)
ずいぶん前のことだ。
たしか書きかけ、途中で頓挫したままになっていた。
物語は、5人の小さな人たちがパソコンの中にこっそり棲んでいる。そんな設定だった。
彼らの仕事は、ぼくに届くメールを受け取り、管理する。
間違ってゴミ箱に捨ててしまっても、彼らにお願いすればどうにかしてくれる、というお粗末な顛末だった。
地味な存在だったので彼らは5人ともモノトーンで描いていた。
それがあるとき、パソコンの調子が悪くなって、ブラウン管テレビさながら叩いて直そうとしたら、ストローを通したような小さな声らしきものが聞こえてきた。
古めかしい儀式でパソコンに活を入れたものだから、現代っ子のパソコン、ご機嫌を悪くしたのだろう。そう思った。
もういちど、ぱん、ぱん。
すると、同じ声が聞こえてきた。
「ぉぉぃ。キコエルカ」
やはり、声だ。
「だれだ? どこにいる」
「ココダ、ココ」
ストローから絞り出すような声は、前のほうから聞こえてくる。
正面。
パソコンがあって、その向こうは壁である。
モニタと壁の間から?
のぞき込んでも、ふだん掃除の手の届かないそこには埃が溜まっているだけだった。
「どこだい?」
すると今度は下のほうから声が聞こえてくる。
下?
パソコンは机の上に置かれていて、その下には引き出しがあるだけだ。
「ソコジャナイ」
声で、ぼくは引き出しを開ける手を止めた。
「マドカラ ノゾケバ ワカル」
窓?
壁に窓はない。
どこだろう?
不思議なことがあるものだ。
しかたない。最初からやり直してみるか、とぼくは考えた。
パソコンを前に椅子に深く腰を降ろす。
するとモニタの下部から、ぽこぽこと泡のようなものが浮かんでくるではないか。
そんなアプリ、入れた覚えはない。
パソコンはシンプルをモットーとし、用途に特化した文筆マシンになっているはずだった。
壊れたか?
そうも考えたけれど、泡ぶくを出すことはないだろう。
その時だった。
「マドニ ムケテ シャボンダマ トバシタ」
窓に向けてシャボン玉、飛ばした?
声は、モニタから聴こえていたのだ。
左右に配したJBLのスピーカーからではなく、モニタから?
まさか。
そんなこと。と思いながらのぞきこむと、頭は画面をすり抜け、モニタ内側の底で、黄色い服を着た小さな人が手を振っていた。
金髪で華奢、鼻筋の通った優男ふうである。
スポットライトを浴びて、わかりやすく彼はいた。
「おーい」
黄色い人の声が近い。
驚いたのはそればかりではなかった。
頭のうしろにアプリのウインドウがいくつも浮かんでいる。
モニタの裏側から眺めているわけだ。それはなんとも奇妙な感じで、画面の左右が入れ替わっているし、カーソルのちかちかも反転していた。
なんだこれ?
にわかには信じがたく頭をモニタから引き抜くと、そこにはいつもどおりの画面が涼しい顔で居座っていた。
「オーイ」
画面のこちら側に戻ると、どうやら声にフィルターがかかるらしい。小さな人の声は、再びストローを介して聞こえてきた。
彼らは5人いる。
それは間違いのないことだった。
あの姿カタチは僕が描いたキャラクターそのものだったからだ。
だけど着色した覚えはない。
5人の小さな人は、黄色い小さな人に変化したというのだろうか。
のちにわかることなのだけれども、彼らはそれぞれ色を備えたことを知る。
5人は、赤い人を筆頭に、青い人、緑の人、そして最初に現れた黄色い人、それに紫の人で構成されている。
色がつくとナントカ・レンジャーみたいになっちゃうな、とぼくは呆れた。ただでさえお粗末な設定なのに、これでは稚拙すぎやしないか?
そう考えるのももっともなことだった。
だけど彼らは、ぼくが感じた以上に真剣で思慮深く利発で、ぼくを驚かせてくれることになる。
ちょっとはうざったくも思ったさ。
だってぼくの考えるストーリーにはない展開を彼らは提供してくるわけだから。
詳しくはおいおいとふれさせていただくことにして、そのようにしてぼくの彼らとの二人三脚というか六人七脚の時間が始まった。
彼らの仕事は、毎日届くメールをパソコンの中でさばくことだった。
だけど、たださばくだけではない。
読み込んでかみ砕き、ときにはメッセージを送ろうとする。
だけど彼らには伝達手段がない。ぼく以外には。
そこでぼくに白羽の矢をたてようと考えたらしい。
「その役割、担える?」
もう一度モニタから下部をのぞき込んだぼくに、黄色い人が尋ねた。
つまりぼくに彼らの使いっ走りをやれってこと?
ストーリー・テラーとして。
それはつまり、物語はキミらが作って、ぼくはただそれを書き留めるということ?
訊くと、そうだけど、問題でも? と逆に訊き返されてしまった。
なんだかプライドの上に腰を降ろされたみたいで不愉快だったけれども、こんな経験、ふつうならできるものではない。
ぼくは、やってやろうじゃないの、とまんまと乗せらた。
ぼくは彼らをひとまとめにした名前を与えた。
小さな色彩人。
一度は放ってしまった物語のまったく新規のリバイバル。
作家としてはリベンジ。
いや、意志は小さな色彩人のほうにある。
立場で言えば彼らが主でぼくは従。
それでもいい。
一度は投げ出した案件だもの。
復活させてくれた彼らを立てなきゃならない義理もあろうというもの。
そんな気もしたものだから。
でもさあ。
そもそも前の話が続かなくなったのも、彼らがあまりに勝手にするものだから、ぼくの手に負えなくなったことによるんだよなあ。
責任は小さな人たちのほうにある!
経緯を思い出したぼくは、やはりおもしろくなかった。
気がつくと、ぶつぶつ文句を口にしていた。
ぶつぶつ。
それはいくつも連なり、ぽろぽろと机の上にこぼれだしていく。
ぶつぶつが落ちて溜まって広がっていく。
なんだろ。これ?
ぶつぶつはすぐにあふれてすでに溺れる寸前だった。
こんなので溺れてしまうのか?
「ゥボレル ナ」
ぅぼれるな?
ストローの声が聞こえる。
待ってよ、こっちはそれどころじゃないんだから。
どうにかしてよ。
うっぷ。
げほ、げほ。
「オボレルナ」
溺れるなって、こんなので溺れてなるものか。
すると「ア、チガッタ。ウヌボレルナ ダッタ」
自惚れるな?
それって、どういうこと?
苦しみながらしばらく考えて、はたと気づいたことがある。
前作、ぼくが創作を投げ出したのは、ぼくに描ききる力量がなかったからだ。
奔放だった小さな人たちを描ききることができなかったからだ。
だから?
彼らはそのことを指摘した?
新しく現れた小さな色彩人たちは、ぼくを操ろうしているのではないのかもしれなかった。
助け船を出そうとしてくれているのかもしれない。
ぼくの勝手な解釈が合っているのかどうかはわからないけど、自省した瞬間にぶくぶくはすっと消えていった。
「序」の最後に、彼らの役割分担について、軽くふれておこうと思う。
メールボックスにメールが届くと、まず最初に赤い人がメールをボックスから引き出す。毎回かがまなければメールを取り出せない難儀な作業で、そのせいで少し腰が曲がっている。嗅覚が鋭いのは、鼻が大きいことによる。やせ型A型。
赤い人は次に青い人にメールをそのまま手渡す。
青い人は筋骨隆々で髭を生やしている。情に厚いが気のほうはめっぽう短く、手際が悪いと眉間に怒りの皺が寄る。ちょきん。手際よく封を切って、中身を次に手渡す。がっしり型B型。
渡された手紙を広げるのは、緑の人だ。まるで歌のように読み上げる声の持ち主で、小さな人の中で紅一点、 他の4人のマドンナとしてちやほやされているが、それを鼻にかけることはない。情感的に読み上げることに長けてはいるが、読み終えると魂が抜けたみたいに無感情になる謎の存在。スレンダーでC型。
緑の人が読み上げた内容を書き留めるのが黄色の人だ。ぼくに最初に声をかけた小さな人で、いつもはキーボードを前にタイピングに明け暮れている。メンバー唯一の優男でいつも鼻を高くしている。キザでちょっと自慢しいだが、 仕事に妥協や手抜かりはない。小さな人独自の言語で打ち込む、多国語に対応できる3人のうちのひとりだ。華奢でスマートなAB型。
最後は紫の人。黄色い人が撃ち込んだファイルを書棚まで担いで運ぶ記録装置の管理人。無口でめったに喋らない。寡黙がその風体からにじみ出る、わかりやすい小人である。ぬぼーとした印象、O型。
彼らにはそれぞれ名前がついている。
というか、以前つけた名前を踏襲していた。
いっぺんにすべてを欲張ると覚えるのにたいへんだろうから、おいおいと。
そうしなさい、と黄色の人に忠告されたものだから。
ぼくの意見は?
問うと「いいから」と押し切られてしまった。
次回は、踏み込んだところから物語が始まる。
黄色の人と念入りに打ち合わせしたあとで。
しばらく待たれよ。
(続く)
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