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虫の報せ。2020年8月31日

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今年も残暑は遠慮なし。。。

平日の行き来に使う通勤路。未だ靴音さえ溶け出しそうなうだる暑さがつづいてる。
不平の一つや二つや三つや五つ、こぼしながらも熱暑にひと月以上耐えてきた。
そろそろ我慢も限界、勘弁してよと音をあげようとした矢先、肌が夜空に季節のズレを感じ取った。

まだ夏が終わったわけじゃない。
それでも季節は歩いている。

陽光に、滝の汗拭く出勤路。蒸した気配に汗が噴き出す月明かりの帰り道。
都市の大きさからすれば焼け石に水程度の人工緑地で、日中喉を震わせていたセミが、夜歌う口を閉じた。これまでと同じに見えても、温度の彩色は息をしている者みたいに蠢いている。

じき夏は終わる。

引き継ぎの声の主はコオロギ? スズムシ?

秋の入り口は、昔から帰路に虫がしらせるものと決まっている。




明日、月がまたひとつ動く。

昼は夏、夜は秋の虫鳴く9月かな。
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