3 / 11
04 桃源郷
しおりを挟む
04
「……あれ?」
鳥居をくぐった先には人がいた。それも沢山。
雰囲気から察するに夏祭りだろう。喧噪の中から祭り囃子が聞こえる。
おかしい。何がおかしいかと言われれば、今目の前に映っている全てがおかしい。
なぜなら境内に入る前、
つまり鳥居をくぐる前まで祭りはおろか人っ子一人いなかったのだから。
ただ薄暗い参道がどこまでも続いていただけだ。
振り向くと綺麗な鳥居が建っている。
まさか片面だけ塗り忘れた…なんてことはないだろう。
それに何だか視点も低い。体を見ると小さくなっている。
こんなことがありえるのだろうか……そうだ、これは夢だった。
あまりにも鮮明な夢過ぎていつの間にか現実と混同していたらしい。
夢の世界に現実の理屈を持ち込むなどナンセンスだな。
体が小さくなっていると言ったが、恐らく五歳から六歳頃だろうか。
着ている甚平にも見覚えがある気がする。
「まあ、いっか」
どうせ夢だ。夢の中だけでも現実の憂いを忘れて楽しもう。
祭りは何十年ぶりだろうか。もう随分行ってない気がする。
僕は屋台を巡ることにした。
「……あれ?」
鳥居をくぐった先には人がいた。それも沢山。
雰囲気から察するに夏祭りだろう。喧噪の中から祭り囃子が聞こえる。
おかしい。何がおかしいかと言われれば、今目の前に映っている全てがおかしい。
なぜなら境内に入る前、
つまり鳥居をくぐる前まで祭りはおろか人っ子一人いなかったのだから。
ただ薄暗い参道がどこまでも続いていただけだ。
振り向くと綺麗な鳥居が建っている。
まさか片面だけ塗り忘れた…なんてことはないだろう。
それに何だか視点も低い。体を見ると小さくなっている。
こんなことがありえるのだろうか……そうだ、これは夢だった。
あまりにも鮮明な夢過ぎていつの間にか現実と混同していたらしい。
夢の世界に現実の理屈を持ち込むなどナンセンスだな。
体が小さくなっていると言ったが、恐らく五歳から六歳頃だろうか。
着ている甚平にも見覚えがある気がする。
「まあ、いっか」
どうせ夢だ。夢の中だけでも現実の憂いを忘れて楽しもう。
祭りは何十年ぶりだろうか。もう随分行ってない気がする。
僕は屋台を巡ることにした。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
救い
糸田造作
大衆娯楽
日常でくすりと笑えるお話はいつでもどこかに転がってるはず。
戦争、病気、犯罪、人間関係、仕事…
ストレスや不安が多いこの世の中で戦うすべての人に少しでもくすりと笑える時間を処方致します。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
10秒あれば充分だった
詩森さよ(さよ吉)
ファンタジー
俺、黒瀬透は親友たちと彼女とともに異世界へクラス召喚に遭ってしまった。
どうやら俺たちを利用しようという悪い方の召喚のようだ。
だが彼らは俺たちのステータスを見て……。
小説家になろう、アルファポリス(敬称略)にも掲載。
筆者は体調不良のため、コメントなどを受けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
手記 ~光の国の巨人とは違う人~ ある日の出来事を紡ぐ。
随想アルファ
ファンタジー
怪獣や宇宙生物と地球を守る組織に所属する「俺」が語るある日の出来事。
少し違う世界の少し先の地球の出来事。
地球と人類を狙う知的体の理由や地球人の秘密が語られる。
ロボットや対怪獣兵器、超兵器と魔法と魔術が絡み合った世界。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる