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しおりを挟む話が明後日の方向に進んでいく! フィリップが丸め込まれそう。だ、大丈夫なのかな?
「冗談では終わらないですよ、フィリップさん。貴方は自分の朴念力を舐めてる!」
ボクネンリョクって何だろう。
「今のフィリップさんの状況をあの人が知ったら、絶対一悶着あると思うんですよね」
「誰がだ?」
「はぁ~」フィリップの反応に、ロッテがため息をつく。顔にがっかりした! って書いてある。
「お嬢様~お嬢様からも説得して! 絶対、あたしがいた方がいいって!」身軽な彼女は気づけばまた私に接近していて、フィリップが慌てて彼女の首根っこを掴んでる。さっきもあったような?
「えっと」
私に言われても事情がよく分からない。そもそもなんで――
「あの、どうして彼女は私たちにこだわるのでしょう?」
「…………」
あ、あれ? なんかみんな黙り込んじゃった?
「フィリップ様、作戦変更だ」
セルジがフィリップに耳打ち? 何か企みを始めたみたい。2人でアイコンタクトを数回繰り返した後、フィリップがロッテに向き直り、笑みを見せた。
「わかった。確かに君の言うことも一理あるだろう。これからよろしく」
サラッと嘘ついた!
これからどうするつもりなのかは分からないけど、よろしくする気なんてないのだけは、はっきり分かった!
***
2人が何を企んでいたのかはすぐに分かった。
自分の望みが叶ったと油断していた彼女にお酒を盛り、眠っている間にトゥルゲに乗り込んで組合を後にした。組合の女性受付員は、「この手の騒動は慣れているから気にしないで大丈夫」と言っていたけど本当かな?
今の私はフィリップに匿われている身。彼のことは信じてる。だからロッテには申し訳ないけど、彼が『彼女はこの件に関わるべきではない』と判断したなら、私はそれに従う。きっと、正しいことなのだろう。
フィリップが、私が思っている以上に今の状況を深刻に受け止めているのも気になる。
「ロッテが言っていた通り、今の私は騎士団に長期休暇を申請している状態なんだ。だから教会からの追っ手も直ぐには来ないだろう」
気を使ってくれているのか、フィリップが優しい口調で状況を説明してくれる。私、暗い顔をしていたのかな? 気をつけないと。
「君の妹が教会に訴え出ていない限りは」
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