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化け猫ちゃん
のりのりアヤコちゃん
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ボクが以前に書いた小説で『化け猫の憂鬱』という小説があるのだが、そこに出てくる主人公のアヤコという看護師は、実は訪問入浴時代の同僚である。
コーギー犬の平九郎はボク自身がモデルなので、アヤコとのかけあいは書いていてあの頃を思い出すようでとても楽しかった。
惚れっぽいボクだが、本気で好きになってしまったパンダさんとは違い、彼女に関してはまったく好きとかそういう気持ちはなかった。
ただ、彼女は初めてできた女友達で、不思議となんでも話せる仲だった。
訪問入浴を始めて半年ぐらいで、ボクがまだ不慣れながらも少しずつ仕事に慣れはじめてきた頃、彼女は入社してきた。
当時、准看護婦だった彼女は正看護婦になるために学校に通いながら、休みの日に訪問入浴のバイトをするとのことで、当初、土曜日をお休みにしていたボクはアヤコちゃんと仕事することはなかったし、面識もなかった。
始めて彼女と仕事したのはいつ頃だったか……
よく覚えていない。
あの頃は、ちょうど仕事のコツを覚え始め、あんなに苦痛だった訪問入浴が楽しくなってきた頃だったので、とにかく充実していたことは覚えている。
そしてアヤコちゃんの仕事ぶりもとても良かったように記憶している。
分からないことがあれば、先輩の看護師に聞くようにしていたし、自分の仕事ではない雑務に関しても進んでやっていた。
まあ、そもそもだが……
勉強しながらバイトもするというぐらい根性のあるような子なのだから、仕事ができることも推してはかることができるというものだ。
そんな彼女がボクとお似合いだという話が出たのは、彼女が入ってきて数ヵ月後の話だった。
何を話しても話は盛り上がり、気も合う彼女のことは嫌いではなく、むしろ好きだったのだけど……恋愛の対象かといえば、それは否だった。
恐らく彼女もそう思っていたに違いない。
通常、恋愛の噂が立つとちょっとよそよそしくなるものだがボクらはそんなことにはならなかった。
そんなある日、当時の横浜営業所の所長として上原さんという人がやってきた。
彼は非常に穏やかな人で、みんなに好かれる人だった。
『一人暮らしで食事とかってどうしているんですか?』
誰かがそんなことを聞いた。
『いつもコンビニでお弁当買うか、外食ですよ』
上原さんがそんなことを言うので、彼に手作りの食べ物を持って行くというという企画をアヤコちゃんはボクにもちかけてきた。
『ねえ、阪ちゃん。次の日曜日暇?』
『暇だよ。なんで?』
『いやさ。一緒に上原さんの家に食事届けない?』
『何それ。面白そうじゃん。いいよ』
よく覚えてないけどこんなノリだったと思う。
そんなわけでボクは自家用車で藤沢にあるアヤコちゃんの自宅まで車で彼女を迎えに行き、そこから磯子の上原さんの家まで行くことになった。
ただ……
たとえアヤコちゃんとは言え、仕事以外で女の子とどこかに出かけるということはボクの人生では始めての出来事だったので、どうもボクは恋愛めいたものを意識せざる終えなくて、その日はなんだか落ち着かなかった。
一応、車は掃除しておこうと思い、中を片付けキレイにし、芳香剤をおいておいた。
よく考えてみると、彼女と二人きりで行動するのはその時が始めてだった。
コーギー犬の平九郎はボク自身がモデルなので、アヤコとのかけあいは書いていてあの頃を思い出すようでとても楽しかった。
惚れっぽいボクだが、本気で好きになってしまったパンダさんとは違い、彼女に関してはまったく好きとかそういう気持ちはなかった。
ただ、彼女は初めてできた女友達で、不思議となんでも話せる仲だった。
訪問入浴を始めて半年ぐらいで、ボクがまだ不慣れながらも少しずつ仕事に慣れはじめてきた頃、彼女は入社してきた。
当時、准看護婦だった彼女は正看護婦になるために学校に通いながら、休みの日に訪問入浴のバイトをするとのことで、当初、土曜日をお休みにしていたボクはアヤコちゃんと仕事することはなかったし、面識もなかった。
始めて彼女と仕事したのはいつ頃だったか……
よく覚えていない。
あの頃は、ちょうど仕事のコツを覚え始め、あんなに苦痛だった訪問入浴が楽しくなってきた頃だったので、とにかく充実していたことは覚えている。
そしてアヤコちゃんの仕事ぶりもとても良かったように記憶している。
分からないことがあれば、先輩の看護師に聞くようにしていたし、自分の仕事ではない雑務に関しても進んでやっていた。
まあ、そもそもだが……
勉強しながらバイトもするというぐらい根性のあるような子なのだから、仕事ができることも推してはかることができるというものだ。
そんな彼女がボクとお似合いだという話が出たのは、彼女が入ってきて数ヵ月後の話だった。
何を話しても話は盛り上がり、気も合う彼女のことは嫌いではなく、むしろ好きだったのだけど……恋愛の対象かといえば、それは否だった。
恐らく彼女もそう思っていたに違いない。
通常、恋愛の噂が立つとちょっとよそよそしくなるものだがボクらはそんなことにはならなかった。
そんなある日、当時の横浜営業所の所長として上原さんという人がやってきた。
彼は非常に穏やかな人で、みんなに好かれる人だった。
『一人暮らしで食事とかってどうしているんですか?』
誰かがそんなことを聞いた。
『いつもコンビニでお弁当買うか、外食ですよ』
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ただ……
たとえアヤコちゃんとは言え、仕事以外で女の子とどこかに出かけるということはボクの人生では始めての出来事だったので、どうもボクは恋愛めいたものを意識せざる終えなくて、その日はなんだか落ち着かなかった。
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