あたしのかわいい双子たち

ちな

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調教師の遊び方

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「…ねぇ、人に取りに行かせておいて、随分たのしそうだね?」


突然降ってきた声に、あたしの肩が大袈裟なほど跳ねた。声の方向に慌てて目を向ければ、部屋の入口に凭れ、あからさまに不機嫌な顔をした紫音が腕を組んでこちらを睨みつけていた。この人忍者なんじゃないかな。本気で。


「ああ、紫音。戻ってたのか」


蓮音は紫音の存在に気がついていたかのように、特に驚くこともせずけらけら笑う。一方の紫音は思いため息をついた。


「なにその言い草。ひどいなぁ」


酷く機嫌を損ねたような、その冷たい目が怖くて…──ちがうなにかを、期待して…たった今纏うものを失くしたはずかしいソコがじわりと熱くなった。

ひたひたと床を歩く音。そんな怒んなって、と笑う蓮音。ばくばくと高鳴るあたしの心臓。

無言で蓮音のベルトを引っ手繰ると、紫音はぱしりと床を打った。


「ひっ…!」

「ねえ結名ちゃん。まんこ打たれて気持ちよかった?蓮音優しいから、あんまり痛くされなかったでしょ。革のほうで打ってもらったんでしょ。…ねえ、金属のほうで打ったら、結名ちゃんはどうなっちゃうの?」


ぱしん、ぱしん。乾いた鋭い音は床を鳴らす。さながらサーカスの調教師だ。

…そうだったとしたら、あたしは調教されてる動物、てところ…。

悲しいまでにこの音に反応し、痛みで芸を覚え、調教師に生かされている…ショウのための動物。

ああほら、この恐ろしい音を聞くだけで蓮音のベッドに染みが広がっていく。

「あはっ。ほんと結名ちゃんって変態だよね。もっとよく見せて」

「俺がやってやるよ」

いや、とかだめ、とか。そんな言葉は全部聞き流されて、蓮音がさっきと同じように、あたしの背後に回った。そうして背後から長い腕を回して、ぐしょぐしょに濡れたソコを両手で大きく開かせる。冷たい外気に晒され、びくびく震えるソコを紫音が覗き込む。

遮光カーテンでお日様を遮っているとはいえ、間違いなく昼間だ。カーテンから漏れる冬の柔らかな光に晒されたあたしの一番恥ずかしいソコを、紫音の視線が寸分狂いなく捕らえることに、何の不自由もしなかった。

逃れるように目を閉じても、そんなことは全く意味をなさないことなどよくわかっている。

分かっているけど、あたしはぎゅっと目を閉じた。

「紫音、あれ持ってきたのか?」

「持ってきたけど、あとでいいでしょ。結名ちゃんはまんこ打ちをご所望のようだよ」

「確かに。まだ6回しか打ってない」

「クリ打ちしよ」

「俺が開いててやる」

あたしの体なのに、あたしに決定権も拒否権もない。この弟みたいに可愛がってた双子は、ひとつのおもちゃをふたりで遊んでいるだけ。昔からそう。ひとつのおもちゃを取り合って喧嘩することなんか絶対になかったんだ──


ひゅ、と風が鳴る。


蓮音が大きな手のひらで開かせたそこを、太い革のベルトが襲った。


「ィああああァァァッッ!!!」

パシン、と乾いた音が耳を劈いた。

蓮音が全力で押さえるから仰け反ることも足を閉じることも許されない。

火傷したみたいな熱さ、びりびり痺れる感覚に、あたしは無理矢理体を跳ねさせてのたうち回る。首を振って喉の奥から獣みたいな声を上げるあたしを挟んで、ふたり分の感嘆の息。

「あー、すっごいいい声…」

紫音がうっとりと言う。素晴らしいクラシック音楽を聞いた時みたいな声で。愛くるしい動物を見た時みたいな目で。

未だビクビク震えるあたしの体を、蓮音が忙しなくキスを落とす。首筋、肩口、米神、頬…ちゅう、ちゅうと逐一音を鳴らして、熱い息を零した。

あたしの息が整う前に、風が鳴った。


ひゅ、と鳴った直後に襲ってくる、火傷みたいな感覚がすき。

津波みたいに襲ってくる、びりびりした感覚が好き。

息を吸うより早く二回目を打ってくれる紫音が好き。

あたしのおしりの穴まで見えてしまうくらいに開かせる蓮音が好き。

クリトリスを直撃されるのがすき。

蓮音と紫音の熱い杭みたいなオスのそれを幾度となく出し入れされた穴を直撃されるのも大好き。

あたしが好きなことを知ってるくせに、わざと外す紫音もすき。

打ってもらえなくて可哀想にな、と笑いながら体のあちこちにキスをしてくれる蓮音もすき。

汗だくになってベルトを振り下ろす紫音はとても綺麗だと思う。

愛液か、それとも別の何かで滑るそこを必死に大きく広げながら、結名ってホントにかわいいなと笑う蓮音の優しい目が好き…。

もう何回叩かれたか分からない。あつい。あつい。きもちいい。たまらないんだ、この余韻。びりびり痺れて、手で掻き毟りたい位むずむずして、足りない。タリナイ。

「結名、何回イった?」

「イったらお仕置きって言ったのに、結名ちゃん何回もイっちゃうんだもん。これじゃあお仕置きにならないね」

「お前が絶頂管理したいって言ったんだろ。全然管理できてねーじゃん」

「勝手にイっちゃう結名ちゃんが悪いと思わない?」

「いや、管理できてないお前が悪いね」

ベッドに転がされたあたしは、頭のてっぺんからつま先まで、断続的に電気を浴びているようにびくびく震える。もう足は閉じて良いはずなのに、あたしは調教師の言いつけをお利口に守っていた。

双子はあたしを見下ろして、慈愛に満ちた手であたしの頭を交互に撫でてくれた。

──優しい手つきと乱暴な行為は、不釣り合い?

いいや、いつものこと。あたしがどうなっていようとこの双子には関係がないんだ。単にあたしは双子の“おもちゃ”。ふたりでひとつのおもちゃで遊んでいるだけ。


荒い息を繰り返すせいで喉がカラカラになり咳き込むと、蓮音が気が付いて机の上に置いてあったミネラルウォーターを口に含ませてくれた。

「足りねぇだろ。起こしてやるからちゃんと飲め」

「おまんこ冷やそうね。僕氷を持ってきてあげる」

そんな気を遣うくらいなら最初からしなければいいのに。

……最初はそんなふうに思ってたよ。最初は。

今はこの優しさが嬉しくて、阿保ほどモテるこの双子があたしだけを見てくれているのが嬉しくて、思わず笑ってしまうんだ。

言った通りに蓮音が背もたれ替わりになってくれて、力の入らないあたしの代わりにペットボトルを傾けてくれる。紫音は急いでキッチンに行き、氷を数個、ガラスコップに入れて持ってきた。

「結名ちゃん、そのままお水飲んでていいよ。僕が冷やしてあげるからね」

にこにこと懐っこい笑みを湛えてあたしの足の間に体を滑り込ませ、膝を抱える紫音。後ろからペットボトルを傾け、水を流し込む量を調節する蓮音。

…これは優しさではなく、あたしの新たな快楽のためだと分かっているのに、抗えない。抗おうとも思わない。指でくぱりとそこを開き、ガラスコップからひとつだけ取り出した氷を当てる紫音の手の動きをじっと見つめた。ちょん、と氷の角が割れ目に当たり、びくりと体が震える。

「つめたい?クリトリスも冷やそうね」

「あっ!ああっ紫音っ!」

「んー?ちゃんと根元から冷やさないとだめだよ」

皮をむいて露出させたクリトリスに、氷をぐりぐりと当てられる。革のベルトでめった打ちにされて勃起したクリトリスを容赦なく冷やし、溶けた冷たい水が割れ目を通ってシーツに染みを作った。
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