アリスと女王

ちな

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ふたりの王子様

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彼はアリスの蜜壺に埋まる触手を乱暴に引き抜くと、その間にはねっとりした糸が長く伸びました。ややしばらくしてから、どろりと伸び切って切れていきます。大きく口を開けたままの蜜壺は、ゆるく開閉しながら涎を垂らしました。
凛は目の前で起こっていることが現実と思えませんでした。目の焦点が合っていないアリスは触手を求めて腰を捩り、笑っているのか泣いているのか分からない声を上げています。
彼はそのアリスを、床のシミを見るような目でじっと見詰めていました。
「…やがて女王は息絶え、王様は何年も悲しみに暮れました」
凛の頬にぽたりと落ちた何かは、明らかな意思をもってとろりと肌を伝いました。凛は全身に緊張を走らせ、冷たい感覚に身を凍らせます。その何かは首を滑り降り、鎖骨を通って白いワンピースの中へ難なく侵入してきました。
「やめて…ねぇ、やだ入ってこないで!」
つるりともするりとも形容しがたい感触が、凛の視界にようやく映ります。
凛は絶句しました。
その正体は、あのアリスたちを捕えて放さないスライムに、とてもよく似ていたのでした。
「悲しみに暮れた王様は次第に弱っていき…」
服の中に侵入しようとするスライムを阻止しようと藻掻く凛の姿など、まるで視界に入っていみたいに、彼は勝手に続けます。宙に文字を描き、指をくるくる回して、彼は遠い日に視線を向けました。
凛は彼の言葉を集中して聞ける状況ではありません。肌を滑るスライムはちいさなふくらみにまで到達し、真ん中で主張する乳首をするりと撫でたのです。
濡れた感触はありません。しかしサラサラしているかと言われれば、そうでもないのです。不思議で不気味なスライムは凛のピンク色に色付いた乳首を的確に捕らえ、包み込んでいきました。
「やだぁっ…やめて…!」
服の上から一生懸命引き剥がそうとしますが、接着剤でくっついてしまったかのように離れません。ワンピースを脱ぐことも躊躇われます。
凛はワンピースに手を突っ込んでスライムを剥がそうとしました。
「あっ…や…んんっ」
スライムを指でつまみ、引っ張ります。釣られて伸びる乳首に、そのスライムが応戦しました。
そもそも明確な形を作らないスライムは、ゆるい棘になって乳首をやわく刺しました。途端に電気信号が脳天まで突き抜け、思わず指を放してしまったのです。
「…王様には、ふたりの子どもがいました。どちらも王子と呼ばれましたが…」
「あっだめっ!」
ちくんちくんと甘く乳首を刺され、凛は一気に顔を真っ赤にします。サルに散々まで舐られ、スパイダーの糸に吊られ、蓮にもたくさん舐めてもらった乳首です。僅かな刺激だって敏感に感じ取ってしまうまでに成長を遂げたピンク色の乳首は、凛の下半身に直結する刺激となってあまく蝕んでいきました。
「兄はとても優秀でした。頭もよく素直で、誰からも可愛がられる大人しい少年でした。一方弟は」
「あっ…ひ、んんっ」
きゅん、と吸われた乳首に、思わず前屈みになってしまいます。服の上からそれを阻止しようとスライムを摘まみますが、うまくいきません。スライムは薄く伸びて乳首を覆っているので、すっかりたちあがってしまった乳首まで一緒につまんでしまうのです。
そんな凛を嘲笑うように、スライムがぶるぶると震え出しました。
「ひいっああ!やめっやめて!」
ぶるぶる震えて乳首を揺らし、強制的に性欲を呼び起こします。スライムは熱を持ち始め、かわいらしいピンク色の乳首をじりじりと温めていきました。
「…弟は、とても荒くれもので、いつも兄を恨んでいました。次期王様は生まれた瞬間から兄であることを恨み、何かにつけて比べられ、いつも愛情に飢えていました」
凛はとうとうしゃがみこんでしまいました。右が終わればスライムはするりと肌を滑って左の乳首を震わせ、右が拗ねればもう一度移動します。右と左を交互に刺激されて、あたりはふわりと甘い匂いに包まれました。
「恨みは蓄積し、今にも爆発しそうでした。しかし愚弟は、本当は賢いのです。一番いいチャンスを虎視眈々と狙っていたのでした。」
「えっうそ…!ねえやめて!」
乳首を震わせることに飽きたのか、スライムはするりと降下し、明らかな意思を以て一番来てほしくない場所へ向かって行ったのでした。
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