アリスと女王

ちな

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子羊は自らまな板へ

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「いい子。凛は本当にいい子だね。大好きだよ」

苦しそうな顔を浮かべる凛に、キスをしてやりました。とっておきのご褒美です。凛も苦しい体勢ながら、嬉しそうににこりと笑いました。

「さあ、今度は足だよ。伸ばして、ハンドルに爪先を引っ掛けてごらん。凛は自分で拘束されてる体勢になるんだ」

凛が見た限り、蓮の言う通り足元のハンドルにつま先を引っ掛けるとなれば、かなり足を開かねばなりません。登ると足が付かないほどの大きな酒樽ですから、四角はそこそこの広さがあります。

スポットライトを正面に受け、凛は蓮の前で自分から足を開かねばならない羞恥と戦っていました。

もう何度も恥ずかしいところを見られているのに、なんて言われればそれまでですが、無理に開かされるのと自分で開くのは、全く異なるのです。しかも今は言い逃れできないくらいに、ぐっしょりと濡れそぼっているのです。

「りーん?ほら、どうしたの」

蓮はそんなかわいらしい凛の心を知っていながら、すっかり天を向くワンピースの下の乳首をくりくりと捏ねてやりました。宙ぶらりんの足をぴくぴくさせて、凛は鶫の声を奏でます。ああそうか、と蓮は思い直しました。

「そうだよね。かわいい叫び声が聞こえちゃったら大変だ。女王になっちゃうからね」

凛にはその女王がどれだけのことをされているのか、全くわかりません。しかし、あの"女王候補"の彼女たちをみたら、決して穏やかで平和な未来はないことは分かります。

自分の放ったひとことで、必死に唇を噛む凛の姿に、蓮は笑い出しそうでした。あまりにかわいらしいのです。

「ワンピース噛もうか。捲ってあげようね」

ハンドルを持つ手が既にふるふると震え始めた凛は、苦しい大勢故に、首を回して全ての状況を見ることはできません。蓮が少し足側に動いたことは視認できましたが、それだけでした。凛の視界には、蓮がなにをしているのかが全く映らないのです。

「ひゃあっ!」

そっと蓮の指がふくらはぎに触れた瞬間に、凛は声を上げました。足側にいる蓮がこれから何をするのかが分からないのです。

「見えないって不安で怖くて、……ねぇ、とっても気持ちいいんだよ。凛も気に入ってくれるといいな」

すーっと脹脛から膝の裏まで人差し指の爪の先を添わせると、ひくひくと反応を見せます。凛の反応があまりにも可愛らしく、蓮はつい意地悪して、内腿に舌を添わせました。

ひぅ、と可愛らしい鳴き声を紡ぐ凛に、蓮の口角がますます上がっていきます。素直で従順、それでいて羞恥心を捨てきれない凛に、愛しさが溢れかえる思いでした。

いつまでも堪能していたい気分でしたが、ここは女王の城。蓮は咳払いして自戒し、凛の脹脛をトントンと指先で叩いてやりました。

「ほら、足を開いてハンドルに爪先を引っ掛けるんだ。大きく開いて見せてごらん」

まだワンピースを纏っている時の方が、マシかもしれない。凛は無駄と知りながらもぎゅっと目を瞑り、そしてゆっくりと足を開き始めました。

「そうそう、いい子。もっともっと開かないと届かないよ」

くすくす笑いながら、今度は膝の内側にキスを落としました。それから内腿に向かって舌を這わせ、じりじりと焦らしながら、ゆっくりゆっくり、ワンピースの裾をたくし上げていきます。

少しずつ外気に触れる面積が増えていき、じりじり開いていた足はピタリと止まってしまいました。中途半端に開かれた足の間は、まだ風も通らなそうです。

「叩かれたい?凛、僕の言う事を聞きなさい」

冷たい声が足元から聞こえ、凛は慌てて足を開きました。

凛としては、かなり開いたと思ったのです。それでもハンドルは掠りもしません。蓮はそう、いい子だねと零して、内腿をぺろぺろと舐めだしました。

「ひうっああっ…!」

あまい蜜の筋をいくつも残した柔らかな内腿は、それは極上の蜜の味でした。森の動物たちにも分けてやりたいな、なんて思いながら、蓮はその蜜を余すところなくしっかりと舌に乗せます。じりじりと捲り上げるワンピースは、終ぞ足の付け根を見せ始めました。

「開け」

突然ぴしゃりと言ってのけると、凛は脊髄反射のようにぱっと足を開きました。

ほとんど90度に近いほどです。ようやくハンドルの先が、爪先に触れました。

「大きな声にびっくりした?ほら。もう少しだよ。凛を拷問するんだから、ちゃんと開いてね」

蓮は凛を恐怖で支配したいのではありません。お詫びとばかりに付け根に舌を這わせると、噎せ返るようなあまい匂いが湧きたちました。

「よーく見えるように、もっと捲っちゃおうか…ああ、すごい。洪水みたい」

そろそろと捲り上げたワンピースは、凛の一番恥ずかしいところに届きませんでした。腹の上ほどまで捲り上げると、今度は一気に鎖骨あたりまで捲り上げました。

「ふふっ。全部見える。とってもきれいで美味しそう」

「ふっ…ああぁ…!」

さっきまで激しい快楽の波に酔っていた凛は、今度は焦らされ、自分で足を開く羞恥に耐えきったのです。ハンドルに爪先を引っ掛けると、凛は大きく大の字になりました。しかも緩いブリッヂのような体勢ですから、一番恥ずかしい部分を蓮に差し出しているような恰好なのです。

陰毛が1本も生えていない凛のつるつるの丘は、ライトに照らされたディナーショーにも思えました。

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