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だって、きみだけなんだ
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「ああ…かわいい」
感嘆の息を吐き出して、蓮はうっとりと目を細めます。汗も涙もいっぱいに溜め込んだ凛の頬を撫でてやりたいくらいですが、蓮はぐっと堪えました。今凛に触れてしまえば、蓮も呼応してしまう気がしたのです。
それから、足の間を自分で擦らせ、絶頂を目の前にして必死に堪える凛を、もっともっと堪能したい気持ちもありました。
真っ赤な唇を半分開いて腰を振る可愛らしい小鳥の姿は、どこか神秘さをも匂わせました。ハレーションを起こすスポットライトは見事なまでに光悦を呼び起こし、蓮の劣情をずくずくと刺激します。堪える方だって強靭な精神力を必要とするのです。
土埃臭い、且つ平和な場所ではない四角い箱は、蓮と凛によって甘美で危険で、腹の底から何かが沸き上がるような空間へと変わっていったのでした。
「ふふっ。そろそろ可哀想になってきちゃった。次はあれを使ってみようかなと思うんだけど、どう?」
ちゅくりちゅくりと水音を鳴らし、イくまいとして制御する凛の、額の汗が滴りました。言われた通りに股の間を金属に擦り付けていた凛は、おずおずと顔を上げました。
蓮は一瞬、息が止まってしまったのかと思いました。
顔を真っ赤にさせ、涙をたくさん溜めて、それから血に濡れたみたいな唇を半分だけ開いて熱い息を吐き出すのです。幼い眉間に皺を作り、絶頂を知っていながら、その心地良さを知っていながら、必死に我慢しているのです。健気な姿に抱きしめてキスをしてやりたい気持ちと、もっともっと虐め抜いて泣かせてやりたい気持ちをぐっと堪え、蓮は酒樽を指さしました。
転がった酒樽の高さは、長身痩躯の蓮の腰ほどです。凛はその使い道と、これから何をしてくれるのかと、好奇心と期待にとろりと熱い蜜を零しました。凛は自分で足の間を擦りつける羞恥に、そして蓮からのねっとりした視線の愛撫に、体内で暴れる熱を持て余しているのです。
「決まりでいいね。さあ、降りてごらん。手伝ってあげるよ」
そっと伸ばされた蓮の手を、凛は躊躇いなく握りました。その手の熱さに少し驚きながら、ぎっちりと食い込んで気持ちよくしてもらった椅子の背もたれから腰を上げました。水あめを彷彿させるようなねっとりとした糸が伸び、窓から斜めに差し込んだ陽にキラキラと光ります。立ちこめる甘いにおいは、凛ですら一瞬くらりとするほどでした。
──そう、凛は、この森に来たばかりの頃よりも、明らかに蜜の質が上がっているのです。
"アリスを調教して"…という意味をたった今理解した凛ですが、口には出しませんでした。あんなに惨いことをされている彼女たちを思ったのです。そうして思い出しては、とろりと新たな筋を作るのでした。
凛は苦労しながら椅子から降りました。凛が何かを思っていることは蓮にも分かりましたが、無理に聞き出そうとはしませんでした。恐らくあの子たちを思っているのだろうと考えたのです。凛の優しさを、蓮はよく知っていました。自己犠牲心の強さも知っているので、これ以上あの子たちのことを口にするのはやめようと思いました。きっと優しく繊細な心に傷を作ってしまうのではと思ったのです。虐めたい気持ちは過ぎるほどありますが、傷を作りたいとは全く思っていないのです。むしろ凛を傷つける輩は徹底的に排除したいと、物騒なことまで考えている次第でした。
ふとあの双子が頭を過ぎりましたが、頭を振って追い出しました。凛は双子の最後を知りませんでしたし、蓮も言いませんでした。
蓮は優しく凛を誘導し、酒樽のほうへ歩みを進めました。
酒樽は床部分の煉瓦と連結し、転がらないようになっていました。四角には金属のハンドルのようなものが突出していて、長さを変えられるレバーも付いています。覚束ない足取りで酒樽の前に立つ凛は、首を傾げました。とても拷問機具には見えないのです。
「こういうのは初めてだよね。大丈夫だよ、ひどいことはしないからね」
「うん、知ってるよ」
凛は笑いました。これまでも蓮は、凛に痛いことはしたものの、本当に嫌がることは一度もしていないのです。凛は蓮を、心の底から信用していました。
細い肩を撫で、蓮は米神にキスをしてやります。本当はその血濡れたような唇を存分に味わいたいところですが、なんとか堪えました。
「本当は縛りたいんだけど…いざという時にすぐ逃げられるように、今は拘束しないでおくね」
"拘束"。その単語に、凛はひくりと反応します。無理な体勢で拘束され、おしりにきのこを入れられました。真っ赤になって濡れそぼるそこに、鞭を入れてもらいました。サルに木の棒でクリトリスを突かれたこともあります。それから、あの帽子の男に無理矢理犯されたこともありましたし、ああ、無理矢理犯されたと言えば、あの気味の悪い双子に…
「凛…かわいい僕の凛。なにを思い出したのかな」
蓮は凛の思考を遮断するようにくすくす笑って、そっと腕に閉じ込めます。真っ白いワンピースを持ち上げる慎ましい乳首を、指の腹でそっと弾いてやりました。
「んっ…ぁ…れん…」
甘えるような声で、凛は蓮を見上げます。蓮の指がひとたび触れるだけで、凛の頭は蓮でいっぱいになり、体はこんなにも素直に反応するのでした。
ちらと覗く真っ赤な舌に、蓮のほうが負けてしまいそうです。実際、劣情を煽られた蓮のスラックスが少し膨らんでいました。
「んー…本当に、煽るのが上手になったよね…」
空笑いすら出てくる蓮は、凛の熱い唇をなぞり、それから人差し指を差し込みました。真っ赤な舌を指先で探り当てると、喜んだ舌はすぐに指に絡みつきます。きのこで練習した方法で、蓮の指を隈なく舐め上げるのです。蓮は思わず喉の奥を目指して、人差し指をぐっと突き刺しました。驚いて少し仰け反ってしまう凛ですが、嫌がる素振りは見せません。練習通りに喉を開こうと、舌の根を窪ませるのです。
「…ねぇ、凛」
ちゅぶちゅぶと音を鳴らし、唾液で濡れる顎を見ながら、蓮は少し掠れた声を出しました。
凛は声を出すことができないので、視線でなあに、と返事を返します。ふうふうと吐き出される熱い息に、蓮はふふ、と笑いました。
「僕、本当に凛のことを愛してるんだ。これからも、一緒にいてくれる?」
うっとりと目を細める蓮ですが、凛にはその目の奥に、僅かな悲しさや寂しさを滲ませているのが分かりました。
凛は首が取れそうなほど、一生懸命首を縦に振って見せました。勢いあまって蓮の指を噛んでしまっても、蓮は嬉しそうに笑うのです。
感嘆の息を吐き出して、蓮はうっとりと目を細めます。汗も涙もいっぱいに溜め込んだ凛の頬を撫でてやりたいくらいですが、蓮はぐっと堪えました。今凛に触れてしまえば、蓮も呼応してしまう気がしたのです。
それから、足の間を自分で擦らせ、絶頂を目の前にして必死に堪える凛を、もっともっと堪能したい気持ちもありました。
真っ赤な唇を半分開いて腰を振る可愛らしい小鳥の姿は、どこか神秘さをも匂わせました。ハレーションを起こすスポットライトは見事なまでに光悦を呼び起こし、蓮の劣情をずくずくと刺激します。堪える方だって強靭な精神力を必要とするのです。
土埃臭い、且つ平和な場所ではない四角い箱は、蓮と凛によって甘美で危険で、腹の底から何かが沸き上がるような空間へと変わっていったのでした。
「ふふっ。そろそろ可哀想になってきちゃった。次はあれを使ってみようかなと思うんだけど、どう?」
ちゅくりちゅくりと水音を鳴らし、イくまいとして制御する凛の、額の汗が滴りました。言われた通りに股の間を金属に擦り付けていた凛は、おずおずと顔を上げました。
蓮は一瞬、息が止まってしまったのかと思いました。
顔を真っ赤にさせ、涙をたくさん溜めて、それから血に濡れたみたいな唇を半分だけ開いて熱い息を吐き出すのです。幼い眉間に皺を作り、絶頂を知っていながら、その心地良さを知っていながら、必死に我慢しているのです。健気な姿に抱きしめてキスをしてやりたい気持ちと、もっともっと虐め抜いて泣かせてやりたい気持ちをぐっと堪え、蓮は酒樽を指さしました。
転がった酒樽の高さは、長身痩躯の蓮の腰ほどです。凛はその使い道と、これから何をしてくれるのかと、好奇心と期待にとろりと熱い蜜を零しました。凛は自分で足の間を擦りつける羞恥に、そして蓮からのねっとりした視線の愛撫に、体内で暴れる熱を持て余しているのです。
「決まりでいいね。さあ、降りてごらん。手伝ってあげるよ」
そっと伸ばされた蓮の手を、凛は躊躇いなく握りました。その手の熱さに少し驚きながら、ぎっちりと食い込んで気持ちよくしてもらった椅子の背もたれから腰を上げました。水あめを彷彿させるようなねっとりとした糸が伸び、窓から斜めに差し込んだ陽にキラキラと光ります。立ちこめる甘いにおいは、凛ですら一瞬くらりとするほどでした。
──そう、凛は、この森に来たばかりの頃よりも、明らかに蜜の質が上がっているのです。
"アリスを調教して"…という意味をたった今理解した凛ですが、口には出しませんでした。あんなに惨いことをされている彼女たちを思ったのです。そうして思い出しては、とろりと新たな筋を作るのでした。
凛は苦労しながら椅子から降りました。凛が何かを思っていることは蓮にも分かりましたが、無理に聞き出そうとはしませんでした。恐らくあの子たちを思っているのだろうと考えたのです。凛の優しさを、蓮はよく知っていました。自己犠牲心の強さも知っているので、これ以上あの子たちのことを口にするのはやめようと思いました。きっと優しく繊細な心に傷を作ってしまうのではと思ったのです。虐めたい気持ちは過ぎるほどありますが、傷を作りたいとは全く思っていないのです。むしろ凛を傷つける輩は徹底的に排除したいと、物騒なことまで考えている次第でした。
ふとあの双子が頭を過ぎりましたが、頭を振って追い出しました。凛は双子の最後を知りませんでしたし、蓮も言いませんでした。
蓮は優しく凛を誘導し、酒樽のほうへ歩みを進めました。
酒樽は床部分の煉瓦と連結し、転がらないようになっていました。四角には金属のハンドルのようなものが突出していて、長さを変えられるレバーも付いています。覚束ない足取りで酒樽の前に立つ凛は、首を傾げました。とても拷問機具には見えないのです。
「こういうのは初めてだよね。大丈夫だよ、ひどいことはしないからね」
「うん、知ってるよ」
凛は笑いました。これまでも蓮は、凛に痛いことはしたものの、本当に嫌がることは一度もしていないのです。凛は蓮を、心の底から信用していました。
細い肩を撫で、蓮は米神にキスをしてやります。本当はその血濡れたような唇を存分に味わいたいところですが、なんとか堪えました。
「本当は縛りたいんだけど…いざという時にすぐ逃げられるように、今は拘束しないでおくね」
"拘束"。その単語に、凛はひくりと反応します。無理な体勢で拘束され、おしりにきのこを入れられました。真っ赤になって濡れそぼるそこに、鞭を入れてもらいました。サルに木の棒でクリトリスを突かれたこともあります。それから、あの帽子の男に無理矢理犯されたこともありましたし、ああ、無理矢理犯されたと言えば、あの気味の悪い双子に…
「凛…かわいい僕の凛。なにを思い出したのかな」
蓮は凛の思考を遮断するようにくすくす笑って、そっと腕に閉じ込めます。真っ白いワンピースを持ち上げる慎ましい乳首を、指の腹でそっと弾いてやりました。
「んっ…ぁ…れん…」
甘えるような声で、凛は蓮を見上げます。蓮の指がひとたび触れるだけで、凛の頭は蓮でいっぱいになり、体はこんなにも素直に反応するのでした。
ちらと覗く真っ赤な舌に、蓮のほうが負けてしまいそうです。実際、劣情を煽られた蓮のスラックスが少し膨らんでいました。
「んー…本当に、煽るのが上手になったよね…」
空笑いすら出てくる蓮は、凛の熱い唇をなぞり、それから人差し指を差し込みました。真っ赤な舌を指先で探り当てると、喜んだ舌はすぐに指に絡みつきます。きのこで練習した方法で、蓮の指を隈なく舐め上げるのです。蓮は思わず喉の奥を目指して、人差し指をぐっと突き刺しました。驚いて少し仰け反ってしまう凛ですが、嫌がる素振りは見せません。練習通りに喉を開こうと、舌の根を窪ませるのです。
「…ねぇ、凛」
ちゅぶちゅぶと音を鳴らし、唾液で濡れる顎を見ながら、蓮は少し掠れた声を出しました。
凛は声を出すことができないので、視線でなあに、と返事を返します。ふうふうと吐き出される熱い息に、蓮はふふ、と笑いました。
「僕、本当に凛のことを愛してるんだ。これからも、一緒にいてくれる?」
うっとりと目を細める蓮ですが、凛にはその目の奥に、僅かな悲しさや寂しさを滲ませているのが分かりました。
凛は首が取れそうなほど、一生懸命首を縦に振って見せました。勢いあまって蓮の指を噛んでしまっても、蓮は嬉しそうに笑うのです。
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