22 / 149
白い空気
しおりを挟むゴッ!
骨がぶつかる嫌な音と共に、蝶が目を見開きました。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
蓮の硬い革靴が、М字に開いた蝶の足の間を踏み付けたのです。硬い革靴の踵を使って、散々までに嬲られた女の割れ目を、容赦なく踏み付けました。
その様子を遠くから眺めていたスパイダーが、にやにやと笑いました。
「蓮の"お仕置き"は気持ちいいだろ!」
助けてやる気などさらさらなかったスパイダーに、火の粉が飛びました。
蓮が鋭い目つきで睨んだのです。ひく、と頬を引き攣らせ、スパイダーが誤魔化すように糸を引きました。
「ひんっ…!」
ぐっと強く左乳首を吊られた凛が、喉を引き攣らせて目を見開きました。ぎりぎりと引き上げられる糸に、乳首がどくどくと脈を打って限界を訴えます。浅い呼吸を繰り返す凛に、蓮の、なだらかな丘を滑る水のような声が追い打ちをかけました。
「乳首吊られて気持ちいいね。ほら凛、乳首吊ってくれてありがとうは?」
滑らかな声とは裏腹に、蓮の目はひどく冷えています。踏み付けていた足を上げると、靴の裏には蝶の愛液がべっとりと付着し、透明の長い糸を引いています。音もなく切れた糸に顔を顰め、それから近くにいた蝶を正面に来るように呼びました。依然、片時も凛から目を離しません。指先だけで胸を差し出すように指示を出すと、指名された蝶が震えた声色ではい、と小さく返事を返しました。
足の間を踏みつけられていた可哀想な蝶は目をうっとりさせ、ありがとうございますと地面に額を擦り付けました。それから四つ這いになってその場からすこし離れていきます。次の蝶に交代するためです。
呼ばれた蝶は、命令通りに蓮の正面に立ちました。それから中腰になって膝に手を付き、顔を染めて、鞭打たれて赤くなった豊満な胸を蓮に向けました。
蓮は未だ乳首に絡む糸の端を、思い切り引き上げました。
「あああっやっ蓮っさま!」
「ほら凛、はやく。乳首吊ってくれて、ありがとうでしょ?」
「蓮さまっありがとうございますぅっ!」
「残念だけど、きみじゃないよ」
蓮は蝶の乳首を吊ったまま、平手で乳房をぱしんと叩きました。あぅっと喉を反らせた蝶ですが、蓮の指示なしに体勢を崩すわけにはいきません。膝に手を付いて中腰になったまま、まるで吊り上げた魚を掲げるみたいにして糸を引く蓮に、失礼しましたと苦しそうにいうだけです。蓮の手は止みませんでした。
「ほら、凛?」
ぱしんぱしんと乳房を叩き、乳首を吊る糸をぐいぐいと引き上げます。蓮は凛をちらと見遣って、促しました。凛が指示に従わない限り、この責めをやめるつもりはないのです。
スパイダーが腹を抱えて笑い出しました。
「交換条件だぜ、"アリス"」
「えっ…」
「蓮のオナニー手伝う代わりに、蓮の精液飲ませてやってくれって。蓮の精液ってのは、尋常じゃないほどの激烈な催淫効果がある。あと、馬鹿みたいに栄養価が高いんだぜ」
「っ…!」
「ま。あいつが興奮するなんてことは滅多に無えからな。かなり珍しいんだぜ?」
言葉を失ったとは、このことです。耳を疑う、とも言うでしょう…?
凛はとにかく、そんな言葉を頭に並べました。
蓮のオナニー、精液……
びくんびくんと体が揺れました。あまい声も勝手に漏れてしまいます。ひくひくと蜜壺が叫んでいました。でも、凛の頭は正常な処理をしてくれません。
口を閉ざしたままの凛に、スパイダーがしびれを切らして叫びました。
「ほら言えよ。"スパイダーさま、アリスの乳首を吊っていただいてありがとうございます"ってな!!」
「はあぁぁんんん!!!」
ぐいっと糸を引き上げると、凛は縫い付けられた膝を軸に思い切り背中を反らせました。びくびくと蜜が飛び散って、じめじめした空気をあまい匂いに染め上げました。スパイダーは鼻を鳴らして涎を垂らします。本当は今すぐにでもあの蜜壺にむしゃぶりつきたいところですが、凛の素晴らしい叫び声をもっと聞きたい気持ちが前に出てきました。蓮の気持ちが少し分かったような気がして、スパイダーは少し気が大きくなってしまいました。
「ほらほら!言えよ!」
「きゃあんんっやだっ引っ張らないで!!」
ぐいぐいと容赦なく引っ張られる糸に、左乳首がずきずきと痛みを訴え、脳天に電気を浴びたように体を跳ねました。小さく揺れる体のせいで、少しずつ巣がバウンドします。さざ波は段々と勢いを増していき、右の乳首もきゅんきゅんと引っ張られます。
「凛。この子の乳首も取れちゃうかもよ?」
バウンドされる最中、凛は必死に目を開けました。
そこには、蓮の手によって糸を上に上に引き上げられ、たわわな乳房が無残な雫型になっている美しい蝶の姿。ぱしぱしと打たれる乳房はたゆんたゆんと波打ち、蝶の股からだらだらと愛液が溢れていました。
「いまっ言うからぁ!!」
「おいおい口の利き方がなってねぇよ」
スパイダーは糸を鞭のように振りました。
「いああああっ!!」
細いとはいえ、叩かれれば痛みが走ります。激しく波打つ糸の終着点は、勿論敏感で痛覚の多い乳首です。ぱしん!と音を鳴らし、電気ショックを受けたかのように跳ねた凛の体を受け止めるのは、勿論蜘蛛の巣でした。
ぽよんと柔らかくバウンドすると、今度は右の乳首だって引き上げられ、波に乗ってしまいます。そうしてその先の蝶が泣くのでした。
「だめぇアリス、動かないでよぉ!」
「ごめっなさいぃっごめんねっあああ!」
謝りながら、凛はだらだらと蜜を溢れさせ増した。凛と糸を共有する蝶は、蓮の言う通り3方向から同時に糸を引かれているのです。凛の細い指2本分ほどまで肥大した彼女のクリトリスは、細い糸を3本も巻かれて網目模様を描いていました。どくんどくんと痙攣するそこは、まるで別の生き物のようです。
「はやくっ!お願いよアリス!」
彼女は叫びました。一刻も早くこの責め苦から解放されたいのです。元は小さな窄まりだったはずのアナルは真っ赤になり、蓮の言う通りにトンボを3匹も咥え込んでいるのです。ずっぽずっぽと無遠慮に出入りするトンボは、時々アナルから出てきて蝶の蜜壺に侵入してきます。ブーブー音を立てて激しく振動し、球体が連なる独特のカタチをした長い胴体を、子宮口までずっぷりと突き刺すのです。蜘蛛の巣に張り付けられた彼女の足元は、愛液で水たまりを作っていました。
「ああ…すばらしいよ」
泣きながら謝罪する凛の姿に、蓮はとろそうな視線で嬲ります。そんな蓮の姿に、乳房を雫型になるまで吊られた蝶が、うっとりと息を吐き出しました。蓮の先走りのにおいが、蝶の思考を混濁させ、体の中を走る神経すべてを官能で満たしていっているのです。つらい乳首吊りでさえ、蝶を絶頂に追い込むほどでした。
「凛」
たった一言。蓮が名を呼ぶだけで、凛は泣き叫びました。
「ちくびをぉ!吊っていたっああっいった…やあっ吊っていただいてぇ!ありがとおござっまっすぅ!」
左右不規則に引かれる乳首と、屈辱的なことば。泣きながら叫ぶ凛は、びくんびくんと大きく跳ねました。
やや間をおいて、スパイダーが声を高く張り上げました。
「おい聞いたか!アリスがこの俺様に屈服したァァァ!!」
大地をも揺るがすような、腹の底からの笑い声が響きます。
蓮が静かに眉を顰めました。
「…スパイダー。今のは僕の命令に従ったんだよ」
空ごと飲み込むほど大きく口を開けたまま、スパイダーが固まりました。それから錆びた機械のようにギギギ、と首を動かし、蓮を一瞥します。
彼のそれは、すっかり元気をなくしてしまっていました。
「萎えちゃった。つまんないなぁ」
焦ったのは蝶です。しなしなと元気をなくしていく蓮のそれに必死に、3人がかりで舌を這わせました。馬鹿みたいに高い栄養源と、精神が崩壊するほどの激烈な催淫作用がある白い液体が、こんなに頑張ったにも拘らず一滴も与えられない危機に瀕しているのです。
「蓮さま…蓮さま、の…!」
はあはあと熱い息を吐きながら、3人の蝶が舌を伸ばしました。蓮は深いため息を吐き、そんなところに舌が這っているというのに、まるでテーブルクロスのシミでも眺めているような顔をしました。
「…いや、悪かったよ蓮…」
いきなり汗びっしょりになったスパイダーは、凛のほうに目を遣ります。凛は肩で息をしながら、いまだ収まらない揺れに体を預けていました。とろとろの蜜が地面に垂れているのがどうしても気になりました。
スパイダーは無言で巣を下りました。
「ひっやっ!」
せっかく揺れが小さくなって、息が出来るようになったばかりの凛です。再び乳首をびんびん引かれ、乾かない涙がまた零れ始めました。
「はぁ…うまそ。鳴いてくれよ」
「やっ…」
白けた空気を取り戻そうと、そして自身の腹を満たそうとスパイダーが凛の足の間に舌を伸ばしました。
一舐めすると、凛はおしりを持ち上げて鳴きました。ぼこぼこの突起が寸分狂いなく、風に晒されるだけだったクリトリスを撫で上げたのです。
とろっとした激烈に甘いアリスの蜜に、スパイダーが震えあがりました。
しかし、いくら滴るほど溢れた蜜と言っても、凛の手のひらより大きな舌で舐め上げれば、すぐになくなってしまいます。
しかも場が白けたまま。
スパイダーは少し思案しました。
乳首を吊っただけでは満足な蜜は得られない。蓮も萎えてしまったまま。このままでは権力や地位にも関わってくる。現に、白けた空気に白けた顔をする蝶がちらほら見受けられました。
顔を赤くし、汗をこぼす凛の顔を覗き込むと、前触れなく糸を吐き出しました。
「やめて…やだ…」
この白い糸に、凛はいい思い出はありません。ふるふると首を振る凛に、蓮は少し心が浮上しました。
「なにされるんだろうね。楽しみだね」
少し意地悪な声色で言ってあげました。どん底まで落ちた自分のテンションを上げるためでもありました。
しかし、凛はもうこれで終わりにして欲しかったのです。吊り責めがつらいのです。
そんな凛を無視し、手縫い糸ほどの太さの糸を凛の足の間に落としました。
「うそでしょ……」
青褪める凛の、ちいさなクリトリスがびくびくと反応しました。
0
お気に入りに追加
942
あなたにおすすめの小説





どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる