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それは例えば、蜜月のような
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れん。凛の唇が静かに紡ぎます。蓮は息を飲みました。
酷い格好をさせられ、女の子の大事なところをぎりぎりと締め上げられているにもかかわらず、凛の目は穢れなどまるで知らないとでも言うように、目覚めたばかりの太陽を浴びた朝露のように、きらきらと煌めいているのです。
「凛」
まるで熱に浮かされたように彼女の名を呼ぶ蓮は、煌めくこの瞳に、この刹那に、完全に囚われてしまったのです。
凛のぷっくりした唇が、真綿のような頬が、ふっと和らぎました。この蜘蛛の巣よりもピンと張り詰めた緊張に、澄んだ水を一滴垂らしたみたいに、凛が微笑んでみせたのです。
堪らなくなって、居ても立っても居られなくなった蓮は、凛の頬をやわらかく撫で、おでこにもキスをしてやります。ん、とちいさく反応する姿は、蓮のこころの奥を擽りました。
蓮は、そのまま耳や首筋や、鎖骨にもキスをしてやりました。
「ぁぁっ…れんっ、くすぐったい…」
ふふっと笑う凛は、身を捩ると唇をきゅっと結びました。ぐり、と糸が擦れるのです。蓮は凛の腰を抱き、ふくらみかけた小さな乳房にキスをしました。
猫みたいな鳴き声に、蓮の目元は優しく溶けていきました。
「どうして逃げちゃうの?僕のキス、好きじゃないかな」
身を捩る凛に、少し意地悪な声色で尋ねます。ついでに、薄く色づいた乳輪を指の先でそっと撫でてやりました。ひくん、と反応する凛は、首をゆるゆる振って見せます。
「違うっ…あのっ…」
「じゃあ、好き?」
蓮がやさしく、こつんとおでこを合わせます。凛の目には、彼はもう怒りの火を灯していないように見えました。それどころか、とろりとした表情で、唇に弧を描きます。例えばその表情は、──初めてこの森に来て、おかしな双子から逃げてきたとき。白蛇の舌に亀裂をなぞられたとき。海辺で膝枕してくれたとき。
“好き?”
蓮の声が頭の中を駆け巡りました。だってそれは、蓮を一目見たときから……。
凛の頬がみるみるあかくなっていきます。蓮は喉の奥で笑いました。
「顔をあかくしたり青くしたり、大忙しだね」
鼻の先にもキスを落とし、蓮が笑います。凛は唇をきゅっと引いて、息を吸いました。
──蓮のことが、好き。
……どうしても、言えませんでした。さらりと言えるほど凛は大人ではありません。それに、そんな状況ではないのです。恋を知らなかった凛だって、それくらいのことは分かります。
凛が蓮からの甘い愛撫と囁きを受けている場面を、頭上に縫い付けられた蝶たちが顔を歪め、息を飲んで見守っていました。スパイダーだって同じです。
冷や汗をぽたぽた垂らしながら、凛の背中側から伸びた糸をぐっと引きました。
「っあああ!」
凛の細くしなやかな体が仰け反りました。蓮の唇がさらに深く弧を描きます。
「凛は本当にかわいいね。いい顔するようになってくれて、僕とっても嬉しいよ」
凛が何も答えなかったことを、蓮は咎めませんでした。それどころか、ぴんと張られた糸を愉しそうに指でとんとんと優しく叩きます。伸縮性の高い蜘蛛の糸は、その度にぴんぴんと糸が跳ね、凛の真っ赤になった亀裂に細かな振動を伝えました。
「ああっあっ…」
「気持ちいいね?凛はこれが大好きだから。僕がご褒美あげなくても、これで満足しちゃったかな?」
ふるふると糸を振ってやると、腕に力を入れて腰をくねらせる凛が、必死に蓮の目をまっすぐに見ました。あまく伸びる凛の嬌声に、蓮はうっとりと目を細めます。凛は胸を激しく上下させて言いました。
「蓮っ…蓮に、してもらいたいよぉっ…!」
蓮がひゅっと喉を鳴らしました。
それから、はは、と笑いが漏れました。
「本当、どこまでかわいいの」
氷点下まで下がっていた空気が、突然温度を取り戻しました。蓮はぎっちりと糸が食い込む凛の割れ目を、平手でぱしんと打ってやりました。
「っあああ!」
「どうしてだろうね。かわいいよ、本当にかわいい」
ぱんっぱんっ。蓮が手を振り上げる度、凛は体をくねらせて蜜を滴らせました。蓮は仰け反った白い首にまで吸い付きました。雪のように白い顎と、薔薇を煮詰めたみたいな真っ赤な舌をちらと覗かせるコントラストに、眩暈すら覚えるほどでした。
蓮の手が湿り気を帯び、あたりに甘い香りが立ちこめます。
痛いはずなのに。苦しいはずなのに。それでもこの手が少し触れるだけで、こんなにも甘い匂いを撒き散らすのです。蓮は、手が震えるのを誤魔化すために、凛のちいさな乳房を鷲掴みました。
「蓮っ…!」
薔薇を煮詰めたみたいな唇が、叫ぶような、甘えたみたいな声を上げました。
凛は全身で訴えているのです。
蓮が好き。蓮のことが好き。ひどいことをされたって、ずっと傍にいてくれる蓮のことが、こんなに好き──
「凛…」
ふっと顔を緩めた蓮は、叩くのをやめました。それから汗ばんできた米神にキスを落とし、髪を一撫でしてやりました。不安に揺れる凛の目を遮るみたいにして、蓮は体ごとスパイダーのほうへ向けました。
「スパイダー。邪魔してごめんね」
さっきの鋭い雰囲気はもう影もなくなっていました。
一番肩の力を抜いたのは、スパイダーです。今まで呼吸していなかったみたいに、一気に息を吐き出しました。しかし、突然元気いっぱいになるほど心は落ち着いていません。お、おおう…と半端な返事をしたスパイダーは、鞭を握り直しました。
凛は眉間に皺を寄せて離れていく蓮の背中を呼びました。
「蓮っ」
ひとりぼっちにされた子犬のように顔中を不安で染め上げた凛を、蓮は振り返ることはしませんでした。音もなく凛から離れてしまった蓮は、またロッキングチェアに腰を落ち着けてしまったのです。
呻く声がちいさく響きました。蓮が苦笑いを見せました。
「折角のショーを台無しにしちゃったね。ごめんね」
誰も、返事ができません。あの氷点下まで一気に下がってしまった温度を、ここにいる全員が体で覚えているのです。喉元に鋭いナイフを突きつけられた直後みたいに張り詰めた空気は、そんなにすぐには抜け切りません。蓮の表情は穏やかになったものの、股の間や胸の先に張り付く激しい快楽にだって、声をあげることすら躊躇われるのでした。
蓮は頭上に縫い付けられた蝶を一瞥しました。
「ねえスパイダー。その鞭で巣を打ってよ」
蓮が指さす蜘蛛の巣は、8人もの蝶がそれぞれの突起を複雑に繋ぎ合わせているエリアでした。8人の蝶たちが一斉に顔を青褪めさせました。ただでさえ揺れる巣に泡を吹き、意識を飛ばしそうになっていたのです。鞭で巣を打つということは即ち、津波のように激しく揺さぶられることになる…。
引き攣るような呼吸があちこちから聞こえてきます。蝶たちの膣やアナルに入っていた虫たちが、苦しそうに蠢きました。
蓮が立ち上がり、頑丈な蜘蛛の巣に雁字搦めにされた蝶の傍へ歩み寄って行きました。そうして一番手前にいた蝶の正面に立つと、細い糸でぎっちりと編まれたクリトリスに指を這わせました。
「きみのクリトリス、すごいね。おちんちんみたいだ」
頭上と言っても、背の高い蓮から見ればそれ程の高さではありません。丁度蓮の顔の前にある大きなクリトリスに息を吹きかけてやることなど、造作もないのです。
蝶がひくんひくんと震えました。蓮が言う通り、彼女の真っ赤になって勃起したクリトリスは、スパイダーの細い糸でアーガイル柄のように編まれ、その端は斜向かいにいる蝶の乳首に伸びています。スパイダーって本当に器用だねと蓮が笑いました。
「どうなってるのこれ、良く見せてよ」
蓮が編まれた糸をピンと引き上げました。ひい、と息を吸う蝶に構わず、蓮はその糸を弾いてやります。蝶の膣口から、にゅるりと芋虫が出てきました。ぎゅうぎゅう締め付けてくるナカが苦しくなったのです。
「ふふっ。見て凛。凛もいつか、こんなふうに出来たらいいね」
「っ…!」
遠くからにっこりと微笑まれ、凛は蜜を増やしました。少し離れた位置にいても、蝶のクリトリスがはっきり見て取れるのです。浮いた足を擦り合わせる凛に、蓮はいつかね、と笑うのでした。
「さあ、ショーを再開しよう」
最後に"おちんちんみたい"と揶揄した大きなクリトリスをぱしんと叩くと、蝶の股からぼとりと酷い音を立て、芋虫が降ってきました。びしょ濡れになった芋虫は、今度は違う蝶の蜜を吸おうと、のろのろと別の巣に這いずっていきました。
その芋虫を視界の端に収めたスパイダーは、喉を馴らして言いました。
「…他ならねぇ蓮の命令だ。お前ら、覚悟はいいな」
ぴしゃあああっ。
白い鞭で地面を打ちつけました。スパイダーの糸は、瞬間接着剤よりも吸着力があります。その糸で突起をぐるぐる巻きにされ、しかも別の蝶の突起へと結ばれている蝶たちは、奥歯をがちがちと鳴らしました。
ヒュォッ…
風が鳴ります。凛が目を見開くその先で、大絶叫が響き渡りました。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
「あ゛ア゛゛ア゛゛ア゛゛ア゛!!!!」
「い゛ぁぁ゛ア゛゛ア゛゛ア゛゛ア゛!!!!」
8人が一斉に悲鳴を上げると、連動した他の巣に縫い付けられている蝶たちも叫びました。
「やめでええええええ!!!」
「ああああっああああっ!!!!」
波紋は瞬く間にどんどん広がっていきます。
そうして凛の足の間を通って結ばれた蝶にも、波紋が訪れました。段々迫ってくる波紋に、凛は首を振って訴えました。
「あっ…だめっ…!」
あっと言う間に波紋は、凛を繋いだ蝶の元へ。見た目にもわかるほど、たゆんたゆんと巣が揺れます。そうすることで、結ばれた右足の糸もふるんふるんと揺れました。
振動は、まっすぐ凛の恥ずかしい部分へ…
「ああっやっ揺らさないでぇっ…!」
びんっびんっと糸が揺れ、柔らかな媚肉に食い込む糸がぐいぐいと引き上げられました。
体重の半分を乗せた糸は、凛を縫い付ける巣にまで振動を与え、凛の体ごとたゆんたゆんと揺れさせます。
「あっあっあっ!ああっ!」
伸縮性の高い蜘蛛の糸は、凛の体をバウンドさせ、糸が更に食い込んでいきます。
ヒュオッ…
予告なく、そして容赦なく、2回目の風を切る音。
「…ああ、とてもいいね」
蓮がにっこりと笑いました。
耳を劈く断末魔のような叫び声が、深い森に轟きました。
酷い格好をさせられ、女の子の大事なところをぎりぎりと締め上げられているにもかかわらず、凛の目は穢れなどまるで知らないとでも言うように、目覚めたばかりの太陽を浴びた朝露のように、きらきらと煌めいているのです。
「凛」
まるで熱に浮かされたように彼女の名を呼ぶ蓮は、煌めくこの瞳に、この刹那に、完全に囚われてしまったのです。
凛のぷっくりした唇が、真綿のような頬が、ふっと和らぎました。この蜘蛛の巣よりもピンと張り詰めた緊張に、澄んだ水を一滴垂らしたみたいに、凛が微笑んでみせたのです。
堪らなくなって、居ても立っても居られなくなった蓮は、凛の頬をやわらかく撫で、おでこにもキスをしてやります。ん、とちいさく反応する姿は、蓮のこころの奥を擽りました。
蓮は、そのまま耳や首筋や、鎖骨にもキスをしてやりました。
「ぁぁっ…れんっ、くすぐったい…」
ふふっと笑う凛は、身を捩ると唇をきゅっと結びました。ぐり、と糸が擦れるのです。蓮は凛の腰を抱き、ふくらみかけた小さな乳房にキスをしました。
猫みたいな鳴き声に、蓮の目元は優しく溶けていきました。
「どうして逃げちゃうの?僕のキス、好きじゃないかな」
身を捩る凛に、少し意地悪な声色で尋ねます。ついでに、薄く色づいた乳輪を指の先でそっと撫でてやりました。ひくん、と反応する凛は、首をゆるゆる振って見せます。
「違うっ…あのっ…」
「じゃあ、好き?」
蓮がやさしく、こつんとおでこを合わせます。凛の目には、彼はもう怒りの火を灯していないように見えました。それどころか、とろりとした表情で、唇に弧を描きます。例えばその表情は、──初めてこの森に来て、おかしな双子から逃げてきたとき。白蛇の舌に亀裂をなぞられたとき。海辺で膝枕してくれたとき。
“好き?”
蓮の声が頭の中を駆け巡りました。だってそれは、蓮を一目見たときから……。
凛の頬がみるみるあかくなっていきます。蓮は喉の奥で笑いました。
「顔をあかくしたり青くしたり、大忙しだね」
鼻の先にもキスを落とし、蓮が笑います。凛は唇をきゅっと引いて、息を吸いました。
──蓮のことが、好き。
……どうしても、言えませんでした。さらりと言えるほど凛は大人ではありません。それに、そんな状況ではないのです。恋を知らなかった凛だって、それくらいのことは分かります。
凛が蓮からの甘い愛撫と囁きを受けている場面を、頭上に縫い付けられた蝶たちが顔を歪め、息を飲んで見守っていました。スパイダーだって同じです。
冷や汗をぽたぽた垂らしながら、凛の背中側から伸びた糸をぐっと引きました。
「っあああ!」
凛の細くしなやかな体が仰け反りました。蓮の唇がさらに深く弧を描きます。
「凛は本当にかわいいね。いい顔するようになってくれて、僕とっても嬉しいよ」
凛が何も答えなかったことを、蓮は咎めませんでした。それどころか、ぴんと張られた糸を愉しそうに指でとんとんと優しく叩きます。伸縮性の高い蜘蛛の糸は、その度にぴんぴんと糸が跳ね、凛の真っ赤になった亀裂に細かな振動を伝えました。
「ああっあっ…」
「気持ちいいね?凛はこれが大好きだから。僕がご褒美あげなくても、これで満足しちゃったかな?」
ふるふると糸を振ってやると、腕に力を入れて腰をくねらせる凛が、必死に蓮の目をまっすぐに見ました。あまく伸びる凛の嬌声に、蓮はうっとりと目を細めます。凛は胸を激しく上下させて言いました。
「蓮っ…蓮に、してもらいたいよぉっ…!」
蓮がひゅっと喉を鳴らしました。
それから、はは、と笑いが漏れました。
「本当、どこまでかわいいの」
氷点下まで下がっていた空気が、突然温度を取り戻しました。蓮はぎっちりと糸が食い込む凛の割れ目を、平手でぱしんと打ってやりました。
「っあああ!」
「どうしてだろうね。かわいいよ、本当にかわいい」
ぱんっぱんっ。蓮が手を振り上げる度、凛は体をくねらせて蜜を滴らせました。蓮は仰け反った白い首にまで吸い付きました。雪のように白い顎と、薔薇を煮詰めたみたいな真っ赤な舌をちらと覗かせるコントラストに、眩暈すら覚えるほどでした。
蓮の手が湿り気を帯び、あたりに甘い香りが立ちこめます。
痛いはずなのに。苦しいはずなのに。それでもこの手が少し触れるだけで、こんなにも甘い匂いを撒き散らすのです。蓮は、手が震えるのを誤魔化すために、凛のちいさな乳房を鷲掴みました。
「蓮っ…!」
薔薇を煮詰めたみたいな唇が、叫ぶような、甘えたみたいな声を上げました。
凛は全身で訴えているのです。
蓮が好き。蓮のことが好き。ひどいことをされたって、ずっと傍にいてくれる蓮のことが、こんなに好き──
「凛…」
ふっと顔を緩めた蓮は、叩くのをやめました。それから汗ばんできた米神にキスを落とし、髪を一撫でしてやりました。不安に揺れる凛の目を遮るみたいにして、蓮は体ごとスパイダーのほうへ向けました。
「スパイダー。邪魔してごめんね」
さっきの鋭い雰囲気はもう影もなくなっていました。
一番肩の力を抜いたのは、スパイダーです。今まで呼吸していなかったみたいに、一気に息を吐き出しました。しかし、突然元気いっぱいになるほど心は落ち着いていません。お、おおう…と半端な返事をしたスパイダーは、鞭を握り直しました。
凛は眉間に皺を寄せて離れていく蓮の背中を呼びました。
「蓮っ」
ひとりぼっちにされた子犬のように顔中を不安で染め上げた凛を、蓮は振り返ることはしませんでした。音もなく凛から離れてしまった蓮は、またロッキングチェアに腰を落ち着けてしまったのです。
呻く声がちいさく響きました。蓮が苦笑いを見せました。
「折角のショーを台無しにしちゃったね。ごめんね」
誰も、返事ができません。あの氷点下まで一気に下がってしまった温度を、ここにいる全員が体で覚えているのです。喉元に鋭いナイフを突きつけられた直後みたいに張り詰めた空気は、そんなにすぐには抜け切りません。蓮の表情は穏やかになったものの、股の間や胸の先に張り付く激しい快楽にだって、声をあげることすら躊躇われるのでした。
蓮は頭上に縫い付けられた蝶を一瞥しました。
「ねえスパイダー。その鞭で巣を打ってよ」
蓮が指さす蜘蛛の巣は、8人もの蝶がそれぞれの突起を複雑に繋ぎ合わせているエリアでした。8人の蝶たちが一斉に顔を青褪めさせました。ただでさえ揺れる巣に泡を吹き、意識を飛ばしそうになっていたのです。鞭で巣を打つということは即ち、津波のように激しく揺さぶられることになる…。
引き攣るような呼吸があちこちから聞こえてきます。蝶たちの膣やアナルに入っていた虫たちが、苦しそうに蠢きました。
蓮が立ち上がり、頑丈な蜘蛛の巣に雁字搦めにされた蝶の傍へ歩み寄って行きました。そうして一番手前にいた蝶の正面に立つと、細い糸でぎっちりと編まれたクリトリスに指を這わせました。
「きみのクリトリス、すごいね。おちんちんみたいだ」
頭上と言っても、背の高い蓮から見ればそれ程の高さではありません。丁度蓮の顔の前にある大きなクリトリスに息を吹きかけてやることなど、造作もないのです。
蝶がひくんひくんと震えました。蓮が言う通り、彼女の真っ赤になって勃起したクリトリスは、スパイダーの細い糸でアーガイル柄のように編まれ、その端は斜向かいにいる蝶の乳首に伸びています。スパイダーって本当に器用だねと蓮が笑いました。
「どうなってるのこれ、良く見せてよ」
蓮が編まれた糸をピンと引き上げました。ひい、と息を吸う蝶に構わず、蓮はその糸を弾いてやります。蝶の膣口から、にゅるりと芋虫が出てきました。ぎゅうぎゅう締め付けてくるナカが苦しくなったのです。
「ふふっ。見て凛。凛もいつか、こんなふうに出来たらいいね」
「っ…!」
遠くからにっこりと微笑まれ、凛は蜜を増やしました。少し離れた位置にいても、蝶のクリトリスがはっきり見て取れるのです。浮いた足を擦り合わせる凛に、蓮はいつかね、と笑うのでした。
「さあ、ショーを再開しよう」
最後に"おちんちんみたい"と揶揄した大きなクリトリスをぱしんと叩くと、蝶の股からぼとりと酷い音を立て、芋虫が降ってきました。びしょ濡れになった芋虫は、今度は違う蝶の蜜を吸おうと、のろのろと別の巣に這いずっていきました。
その芋虫を視界の端に収めたスパイダーは、喉を馴らして言いました。
「…他ならねぇ蓮の命令だ。お前ら、覚悟はいいな」
ぴしゃあああっ。
白い鞭で地面を打ちつけました。スパイダーの糸は、瞬間接着剤よりも吸着力があります。その糸で突起をぐるぐる巻きにされ、しかも別の蝶の突起へと結ばれている蝶たちは、奥歯をがちがちと鳴らしました。
ヒュォッ…
風が鳴ります。凛が目を見開くその先で、大絶叫が響き渡りました。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
「あ゛ア゛゛ア゛゛ア゛゛ア゛!!!!」
「い゛ぁぁ゛ア゛゛ア゛゛ア゛゛ア゛!!!!」
8人が一斉に悲鳴を上げると、連動した他の巣に縫い付けられている蝶たちも叫びました。
「やめでええええええ!!!」
「ああああっああああっ!!!!」
波紋は瞬く間にどんどん広がっていきます。
そうして凛の足の間を通って結ばれた蝶にも、波紋が訪れました。段々迫ってくる波紋に、凛は首を振って訴えました。
「あっ…だめっ…!」
あっと言う間に波紋は、凛を繋いだ蝶の元へ。見た目にもわかるほど、たゆんたゆんと巣が揺れます。そうすることで、結ばれた右足の糸もふるんふるんと揺れました。
振動は、まっすぐ凛の恥ずかしい部分へ…
「ああっやっ揺らさないでぇっ…!」
びんっびんっと糸が揺れ、柔らかな媚肉に食い込む糸がぐいぐいと引き上げられました。
体重の半分を乗せた糸は、凛を縫い付ける巣にまで振動を与え、凛の体ごとたゆんたゆんと揺れさせます。
「あっあっあっ!ああっ!」
伸縮性の高い蜘蛛の糸は、凛の体をバウンドさせ、糸が更に食い込んでいきます。
ヒュオッ…
予告なく、そして容赦なく、2回目の風を切る音。
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蓮がにっこりと笑いました。
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