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Deceive it.
Deceive it.4
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マンションの部屋に帰ると瀾は、ベッドに倒れこむように体を預けた。
窓からは夕焼けが紅く空を染めていくのが見える。
それは合宿の時に甲板で乙と見たシャンパンに沈む月に似ていた。
「……はぁ…」
ため息と共に無意識に一粒の雫が流れる。
初めて見せた乙の温かい笑顔。
まるで包み込むような…。
そして、瀾を抱きしめ辛そうに押さえた声で言っていた。
≪「名前を呼んでくれないか」≫
(『アールグレイの昼下がり』参照)
乙が自分にあんなに優しく、そして何かあると必ず気にかけてくれていたのは過去の瀾を知っていたからに違いない。
先日の中庭で、あんなに冷たい言葉を浴びせてもなお、乙が瀾を気にかけているのは今日の事で明白だった。
『先輩…どうしてそんなに私を気にかけてくれるの?
どうして…そんなに傷付いた顔をするの?
貴女は私の何を知っているの?』
瀾の中で渦巻く疑問は、絶えることはなかった。
学院の紅葉が色ずく頃、院内は慌ただしく多数の生徒達が遅くまで残っていた。
学院祭だ。
各クラスや部活で準備に慌ただしいらしい。
学院祭にはダンスパーティーも行われるという。
瀾は、合宿のパーティーを思い出さずにはいられなかった。
そんなおり、瀾の周りには珍しく女性徒達が囲んでいた。
それはいつもの威嚇的な眼差しではなく好奇な眼差しだった。
「ねぇ、野中さんって合宿の時、乙お姉様と輝李お姉様と一緒に踊ったんでしょ?」
「は、はい…」
「どんな感じだった?」
「どんなって…どういう…」
「ほら!!リードとか抱かれた感触とか、眼差しとか、どっちが上手かったとか!!」
口々に発せられる質問攻めに瀾は、困惑を隠せないでいた。
そんな中、女性徒達は勝手な妄想に走り出す。
「一人の女性を巡ってダンスで取り合うなんて何て憧れるシチュエーションかしら♪
私も行きたかったわぁ♪」
「私、あの時見てた!!凄かったんだから!!
交互に変わるパートナーでも綺麗に踊って皆の視線を集めてたんだから♪」
そこまで言うと全員が此方を向き一斉に詰め寄った。
「…で!! どうだったの!?野中さん!!」
「あ、あの…」
瀾が、慣れない状況にたじろいでいると、女性徒達は次に発せられる言葉を今か今かと食い入るように待っている。
瀾は、小さく俯きながら言葉を口にする。
「き、乙先輩は…とてもスマートなリードだったと思います。
でも凄く優しくて…本当に紳士的でした。
輝李先輩も…や、優しくて、でも乙先輩とは少し違う…あの、何て言うか紳士というよりは、あどけない感じがしました…」
「香水はっ!?何を付けていたか解る?」
「え…えっと何を付けていたかまでは、解りませんけど…ほのかに香りはしたと思います」
「どんな!!」
「あ…その、乙先輩は大人っぽい感じの…女性がつけるものではないような…
輝李先輩は甘いけど、何処か魅惑的な感じがしたような…」
その答えを聞いて女性徒達は更にテンションをあげていく。
「ああ…乙お姉様の香水の香りに包まれながら見つめられたら…」
「何言ってるの!!輝李お姉様のあの可愛らしい瞳で微笑まれて…」
「そして…入れ変わる度に耳元で愛の言葉を囁かれて…」
各々、妄想の世界へと入り込み、また一斉に瀾に詰め寄った。
「最後に二人に抱かれて見つめられたのよね!!」
「は…はい…」
「きゃあん♪素敵ぃ! !」
口々に顔を赤く染め、うっとりとした瞳を輝かせる女性徒達。
瀾は、あまりの事に少し恐縮してしまう。
そんなとき、瀾の頭の中に霞みがかった映像が浮かんだ。
この状況に似た何かを何処かで聞いたことがあったような気がしたのだ。
≪「ねぇ、乙様と輝李様どっちが好み?」
「私は輝李様かなぁ。
猫フェイスだし、元気な悪戯っぽい感じが可愛いわよぇ。小悪魔って感じでぇ~」
「何言ってんのよ!!乙様の方が良いに決まってるじゃない!!
あのポーカーフェイスが素敵♪
しかもクールなのに優しいんだよねぇ♪」
「輝李様だって優しいわよぉ」
「輝李様も帰ってくるかしら?」
「美容院行ってこようかなぁ?」
「乙様とお話するチャンス!!」
「きゃ~ん!!私、乙様に抱かれたらどうなっても良い!!」≫
(『アールグレイの昼下がり』参照)
…ズキン
何かの欠片が瀾の頭痛を誘う。
時たま流れてくる身に覚えのない映像と声…。
それは僅かながらも日に日に長く鮮明になってきているように感じた。
背景はハッキリ見えなくとも今は、名前がハッキリ聞こえるのだ。
『やっぱり…私達は過去に接点があるのかもしれない…
あの写真も、きっと…何か関係があるんだ…』
「野中さん、大丈夫?」
無意識に頭を押さえた瀾に女性徒が心配そうに訊ねた。
「はい…大丈夫です」
「野中さんってたまにそういう表情するよね」
「…?」
「どこか陰があるって言うか、
何かを秘めているようでミステリアスよね」
「そんな…私は…」
「ねぇ♪私達のクラスにお姉様達来てくれるかしら?」
「来てくれるわよ、だってお姉様達のお墨付きの野中さんが居るんだもの!!
ね、野中さん♪」
不意に笑顔を向けられ、瀾は弱々しい笑顔を返した。
『それは…多分ない…だって…私達は…』
瀾が少し俯くと女性徒の一人が口を開いた。
「野中さん、気分が優れないなら先に帰っていいわよ。
後は私達でやっておくから」
瀾は女性徒の優しい言葉に、はにかみながら好意に甘えることにした。
教室をあとにする瀾に手を振り見送った少女達に何も疑いがないといったら嘘になるだろう。
何故なら今まで瀾に近づいてくる女性徒は、何かしら企みやしたたかさを隠し、最終的には瀾に食って掛かってきていたのだから。
しかし今回ばかりはそうではなかった。
乙が瀾を助けたあの日以来、瀾に牙を向くものは居なかった。
この間、瀾に寄ってたかって牙を向いた三人は乙ファンの中でもリーダー格の存在だった。
しかし、あまりのワンマンぶりに周りからは嫌悪さえされていたからだ。
尚且つ輝李の側につき、乙からの加護も受けているとなれば噂は密やかに広がって当然だろう。
学院祭も近くなると、院内はさらに慌ただしくなる。
猫の手を借りたいほどの慌ただしさに瀾も遅くまで残ることが多かった。
窓からは夕焼けが紅く空を染めていくのが見える。
それは合宿の時に甲板で乙と見たシャンパンに沈む月に似ていた。
「……はぁ…」
ため息と共に無意識に一粒の雫が流れる。
初めて見せた乙の温かい笑顔。
まるで包み込むような…。
そして、瀾を抱きしめ辛そうに押さえた声で言っていた。
≪「名前を呼んでくれないか」≫
(『アールグレイの昼下がり』参照)
乙が自分にあんなに優しく、そして何かあると必ず気にかけてくれていたのは過去の瀾を知っていたからに違いない。
先日の中庭で、あんなに冷たい言葉を浴びせてもなお、乙が瀾を気にかけているのは今日の事で明白だった。
『先輩…どうしてそんなに私を気にかけてくれるの?
どうして…そんなに傷付いた顔をするの?
貴女は私の何を知っているの?』
瀾の中で渦巻く疑問は、絶えることはなかった。
学院の紅葉が色ずく頃、院内は慌ただしく多数の生徒達が遅くまで残っていた。
学院祭だ。
各クラスや部活で準備に慌ただしいらしい。
学院祭にはダンスパーティーも行われるという。
瀾は、合宿のパーティーを思い出さずにはいられなかった。
そんなおり、瀾の周りには珍しく女性徒達が囲んでいた。
それはいつもの威嚇的な眼差しではなく好奇な眼差しだった。
「ねぇ、野中さんって合宿の時、乙お姉様と輝李お姉様と一緒に踊ったんでしょ?」
「は、はい…」
「どんな感じだった?」
「どんなって…どういう…」
「ほら!!リードとか抱かれた感触とか、眼差しとか、どっちが上手かったとか!!」
口々に発せられる質問攻めに瀾は、困惑を隠せないでいた。
そんな中、女性徒達は勝手な妄想に走り出す。
「一人の女性を巡ってダンスで取り合うなんて何て憧れるシチュエーションかしら♪
私も行きたかったわぁ♪」
「私、あの時見てた!!凄かったんだから!!
交互に変わるパートナーでも綺麗に踊って皆の視線を集めてたんだから♪」
そこまで言うと全員が此方を向き一斉に詰め寄った。
「…で!! どうだったの!?野中さん!!」
「あ、あの…」
瀾が、慣れない状況にたじろいでいると、女性徒達は次に発せられる言葉を今か今かと食い入るように待っている。
瀾は、小さく俯きながら言葉を口にする。
「き、乙先輩は…とてもスマートなリードだったと思います。
でも凄く優しくて…本当に紳士的でした。
輝李先輩も…や、優しくて、でも乙先輩とは少し違う…あの、何て言うか紳士というよりは、あどけない感じがしました…」
「香水はっ!?何を付けていたか解る?」
「え…えっと何を付けていたかまでは、解りませんけど…ほのかに香りはしたと思います」
「どんな!!」
「あ…その、乙先輩は大人っぽい感じの…女性がつけるものではないような…
輝李先輩は甘いけど、何処か魅惑的な感じがしたような…」
その答えを聞いて女性徒達は更にテンションをあげていく。
「ああ…乙お姉様の香水の香りに包まれながら見つめられたら…」
「何言ってるの!!輝李お姉様のあの可愛らしい瞳で微笑まれて…」
「そして…入れ変わる度に耳元で愛の言葉を囁かれて…」
各々、妄想の世界へと入り込み、また一斉に瀾に詰め寄った。
「最後に二人に抱かれて見つめられたのよね!!」
「は…はい…」
「きゃあん♪素敵ぃ! !」
口々に顔を赤く染め、うっとりとした瞳を輝かせる女性徒達。
瀾は、あまりの事に少し恐縮してしまう。
そんなとき、瀾の頭の中に霞みがかった映像が浮かんだ。
この状況に似た何かを何処かで聞いたことがあったような気がしたのだ。
≪「ねぇ、乙様と輝李様どっちが好み?」
「私は輝李様かなぁ。
猫フェイスだし、元気な悪戯っぽい感じが可愛いわよぇ。小悪魔って感じでぇ~」
「何言ってんのよ!!乙様の方が良いに決まってるじゃない!!
あのポーカーフェイスが素敵♪
しかもクールなのに優しいんだよねぇ♪」
「輝李様だって優しいわよぉ」
「輝李様も帰ってくるかしら?」
「美容院行ってこようかなぁ?」
「乙様とお話するチャンス!!」
「きゃ~ん!!私、乙様に抱かれたらどうなっても良い!!」≫
(『アールグレイの昼下がり』参照)
…ズキン
何かの欠片が瀾の頭痛を誘う。
時たま流れてくる身に覚えのない映像と声…。
それは僅かながらも日に日に長く鮮明になってきているように感じた。
背景はハッキリ見えなくとも今は、名前がハッキリ聞こえるのだ。
『やっぱり…私達は過去に接点があるのかもしれない…
あの写真も、きっと…何か関係があるんだ…』
「野中さん、大丈夫?」
無意識に頭を押さえた瀾に女性徒が心配そうに訊ねた。
「はい…大丈夫です」
「野中さんってたまにそういう表情するよね」
「…?」
「どこか陰があるって言うか、
何かを秘めているようでミステリアスよね」
「そんな…私は…」
「ねぇ♪私達のクラスにお姉様達来てくれるかしら?」
「来てくれるわよ、だってお姉様達のお墨付きの野中さんが居るんだもの!!
ね、野中さん♪」
不意に笑顔を向けられ、瀾は弱々しい笑顔を返した。
『それは…多分ない…だって…私達は…』
瀾が少し俯くと女性徒の一人が口を開いた。
「野中さん、気分が優れないなら先に帰っていいわよ。
後は私達でやっておくから」
瀾は女性徒の優しい言葉に、はにかみながら好意に甘えることにした。
教室をあとにする瀾に手を振り見送った少女達に何も疑いがないといったら嘘になるだろう。
何故なら今まで瀾に近づいてくる女性徒は、何かしら企みやしたたかさを隠し、最終的には瀾に食って掛かってきていたのだから。
しかし今回ばかりはそうではなかった。
乙が瀾を助けたあの日以来、瀾に牙を向くものは居なかった。
この間、瀾に寄ってたかって牙を向いた三人は乙ファンの中でもリーダー格の存在だった。
しかし、あまりのワンマンぶりに周りからは嫌悪さえされていたからだ。
尚且つ輝李の側につき、乙からの加護も受けているとなれば噂は密やかに広がって当然だろう。
学院祭も近くなると、院内はさらに慌ただしくなる。
猫の手を借りたいほどの慌ただしさに瀾も遅くまで残ることが多かった。
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小説が音声と映像で流れ出す!?
厳選されたCV達がお送りする臨場感!!
YouTubeにてボイスドラマ公開中!!
★アールグレイの月夜(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSUVpSKdpmNMNom6F3FWffNL
★アールグレイの昼下がり(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSXcYllzM7PGJbwUaHxBfz0L
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https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSUVpSKdpmNMNom6F3FWffNL
★アールグレイの昼下がり(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSXcYllzM7PGJbwUaHxBfz0L
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