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トラップチャンス
トラップチャンス2
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入浴後の2人は、いつになく甘いひとときを堪能していた。
夕食も食べさせ合いっこをして…
「クスクス…瀾ちゃん、ほら付いてるよ」
「え!!」
「ココ♪」
輝李は、瀾の頬にキスをする。
「クス、ウ・ソ」
「もう!!輝李さんったら!!」
「クスクス」
「クスクス…」
見つめ合う2人は幾度となく、キスを重ねた。
輝李が片付けをしている時も、
どんな時でも瀾が望む時に…
瀾が望むだけのキスを…。
そして夜は、瀾が眠りに就くまで傍にいた。
手を握り、添い寝をした。
抱き締めていた。
やがて瀾が完全に眠りに就くと、いつものようにリビングの窓辺で月光浴をしながら赤ワインを飲んでいた。
輝李が月を見ながら思い出していたのは、乙の事だった───。
瀾の退院前に輝李が8-[エイトアンダー]に向かう途中、車の中で携帯が鳴った。
由佳からだった。
「輝李様…」
「どうしたの?」
「今、どちらに?」
「もう少しで着くけど…」
「裏口にお巡り下さい…。
乙様がいらしています」
「!!」
「後は此方で対処致しますから」
「解った…」
携帯を閉じると車をビルの裏へ回した。
乙に出くわす事無く、8-[エイトアンダー]の社長室の窓辺で体をもたれ、外を見ていた。
乙がビルから出ていくのが解る。
足森が部屋に入ると輝李は、茫然と口を開く。
「乙は何しにきてたの…」
「はい、輝李様にもしもの事があったらトップを殺して8-[エイトアンダー]を潰すと…。
先代に向けた言葉と見受けられました」
(『アールグレイの昼下がり』参照)
「フ…先代はとっくに死んでるよ。
僕が来た時にね…」
足森に詳しい詳細を聴くと輝李は少し悲しそうな笑顔を見せてポツリとついた。
「…バカだな、乙…
僕は…」
「輝李様…」
輝李の心情を知ってか足森も噛み締めるように瞳を閉じた──。
輝李は月を見つめ、ワインを口に含む。
「…バカなのは僕の方だ…」
そんな時、背後の言い知れぬ気配に輝李はハッと振り向いた。
そこには瀾が立っている。
輝李はワイングラスを置くと笑顔を作った。
「な、瀾ちゃん、どうしたの?
眠れないの?」
輝李が瀾の肩を抱くと瀾は口を開く。
「…みつ…けた…」
「え?…ッ!!!」
途端に瀾は輝李の首に両手を掛けてギリギリと絞めていく。
首を絞めあげたまま唇を重ねた。
「…ッ…な、瀾…ちゃん…?」
「みつ…けた…」
苦し紛れに見ると、瀾の目は虚ろで殺意さえ意識があるとは思えなかった。
「…ッ…クッ!!」
「みつけた…」
──ドスッ!!!
瀾の身体が一瞬、ビクッと跳ねるとフッとその場に崩れた。
「…ゴホッゴホゴホッゴホ…」
輝李は、瀾の鳩尾に衝撃を与え、気を失わせると一気にむせ返る。
医師の言っていた夜中に徘徊するとは、この事だったのだ。
今まで全く無かった兆候。
「…そういう事か…
記憶の奥底でコイツは探していた…」
輝李は瀾を抱き抱えると自分のベッドで一緒に寝かせ、瀾をずっと見つめ鈍い光を瞳に宿していた。
夕食も食べさせ合いっこをして…
「クスクス…瀾ちゃん、ほら付いてるよ」
「え!!」
「ココ♪」
輝李は、瀾の頬にキスをする。
「クス、ウ・ソ」
「もう!!輝李さんったら!!」
「クスクス」
「クスクス…」
見つめ合う2人は幾度となく、キスを重ねた。
輝李が片付けをしている時も、
どんな時でも瀾が望む時に…
瀾が望むだけのキスを…。
そして夜は、瀾が眠りに就くまで傍にいた。
手を握り、添い寝をした。
抱き締めていた。
やがて瀾が完全に眠りに就くと、いつものようにリビングの窓辺で月光浴をしながら赤ワインを飲んでいた。
輝李が月を見ながら思い出していたのは、乙の事だった───。
瀾の退院前に輝李が8-[エイトアンダー]に向かう途中、車の中で携帯が鳴った。
由佳からだった。
「輝李様…」
「どうしたの?」
「今、どちらに?」
「もう少しで着くけど…」
「裏口にお巡り下さい…。
乙様がいらしています」
「!!」
「後は此方で対処致しますから」
「解った…」
携帯を閉じると車をビルの裏へ回した。
乙に出くわす事無く、8-[エイトアンダー]の社長室の窓辺で体をもたれ、外を見ていた。
乙がビルから出ていくのが解る。
足森が部屋に入ると輝李は、茫然と口を開く。
「乙は何しにきてたの…」
「はい、輝李様にもしもの事があったらトップを殺して8-[エイトアンダー]を潰すと…。
先代に向けた言葉と見受けられました」
(『アールグレイの昼下がり』参照)
「フ…先代はとっくに死んでるよ。
僕が来た時にね…」
足森に詳しい詳細を聴くと輝李は少し悲しそうな笑顔を見せてポツリとついた。
「…バカだな、乙…
僕は…」
「輝李様…」
輝李の心情を知ってか足森も噛み締めるように瞳を閉じた──。
輝李は月を見つめ、ワインを口に含む。
「…バカなのは僕の方だ…」
そんな時、背後の言い知れぬ気配に輝李はハッと振り向いた。
そこには瀾が立っている。
輝李はワイングラスを置くと笑顔を作った。
「な、瀾ちゃん、どうしたの?
眠れないの?」
輝李が瀾の肩を抱くと瀾は口を開く。
「…みつ…けた…」
「え?…ッ!!!」
途端に瀾は輝李の首に両手を掛けてギリギリと絞めていく。
首を絞めあげたまま唇を重ねた。
「…ッ…な、瀾…ちゃん…?」
「みつ…けた…」
苦し紛れに見ると、瀾の目は虚ろで殺意さえ意識があるとは思えなかった。
「…ッ…クッ!!」
「みつけた…」
──ドスッ!!!
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「…ゴホッゴホゴホッゴホ…」
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小説が音声と映像で流れ出す!?
厳選されたCV達がお送りする臨場感!!
YouTubeにてボイスドラマ公開中!!
★アールグレイの月夜(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSUVpSKdpmNMNom6F3FWffNL
★アールグレイの昼下がり(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSXcYllzM7PGJbwUaHxBfz0L
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