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それぞれの想い
それぞれの想い2
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いくら輝李がまだ体力の有り余る若さだと言っても、学生としての単位取得と8-の業務、瀾の看病をこなすというハードスケジュールは、徐々に輝李の体力を奪っていった。
ただでさえ看病とは、看病される側よりもする側の体力と精神力への消耗は激しい。
まして瀾は依存症のうえ、記憶喪失だ。
その看病は、輝李にとっても簡単な事ではなかった。
そんなある日、夏休みが近くなった頃それは突然やってきた。
学院に1人の訪問者が、乙を訪ねてやってきたのだ。
たまたま呼び出しを託された生徒の近くを輝李が通りかかり、窓から外を見ると見知らぬ他校の青年が立っている。
どう見ても乙の知り合いとは思えなかった。
何故なら乙の知り合いならば、今まで絶えず一緒にいた輝李が知らないわけはなかったからだ。
『いやな予感がする…』
その輝李の読みは当たっていた。
学院の校門へ向うと、その青年の目付きは友好的でない事は見ればすぐに解る。
青年は、威嚇的に笑みを浮かべると口を開いた。
「…よう」
「……」
輝李は青年に向け、口を開いた。
「…何か用?」
「ああ、ちょっとアンタに聞きたい事があんだよ」
少し長めの髪に外へ流したカット、身長は輝李とさほど変わらず顔立ちの整った今どきの青年だが、素行は決して良くはなさそうだ。
このままここに居れば、騒ぎになるのも時間の問題だった。
「何の用があるかは知らないけど、ここじゃ目立ち過ぎる。
場所を変えよう」
そう言うと輝李は、校舎脇の人気の少ない所へ案内した。
青年も大人しく着いてくる。
「…それで?何の用なの?」
輝李が冷たく口を開くと、青年は輝李の顎に手を添え、鼻で笑う。
「フッ…、もっと骨のあるゴツイ奴を想像してたけど案外華奢なんだな。
まぁ、お嬢様が集まる女子校だしな。
案外、可愛い顔してんじゃん」
バシッ!!
不意に輝李は、青年の手を払いのけ威嚇的に口を開いた。
「…気やすく触るな。
僕に触れていいのは1人だけだ」
「へぇ…、気は強いみたいだな」
「…わざわざ、そんなくだらない事を伝えに来たわけ?
用がないなら僕はこれで」
苛々としながら、輝李が背を向け歩きだした時だった。
「バラされてもいいのか?
アンタの秘・密…」
青年のその言葉に足を止め、耳だけを微かに向けると静かに輝李は口を開いた。
「…何の事…?」
すると、青年は再び挑発的な笑みを浮かべ話し始めた。
「実は俺のダチの知り合いに【小野崎 鈴音】って子がいるんだけどさぁ」
「……」
『…やっぱりか』
輝李は青年に背を向けたまま、その目付きは鋭くなる。
「…それがどうしたの?」
「ダチは小野崎 鈴音と手紙のやり取りをしていた。
海外留学した後もな。
そこに書いてあったんだよ。
『彼氏が出来た』ってな。
そいつの名前は月影 乙。
でも、ある日を境にプッツリ連絡が取れなくなった。
そしたらアンタは日本に帰ってきてるって話じゃないか」
やはり青年は、乙の知り合いではなかった。
青年は、輝李を乙だと思いこみ話している。
輝李は内心、好都合と心の中で笑みを浮かべた。
「留学には期間があるんだ。
1人で帰ってきても不思議じゃないだろう?」
そう言うと、やっと青年の方を威嚇的に微笑み向いた。
しかし、青年も意味ありげに微笑んで口を開く。
「でも、そのすぐ後だ。
噂で鈴音って子が事故で死んじまったってダチが聞いたのは。
心配したダチは、病院を尋ねたが#《そんな名前の女の子の届けは出ていない》と言われたそうだ。
ダチは、知り合いに頼んで小野崎 鈴音の消息を調べてもらった。
そしたら、小野崎 鈴音の情報は何一つ手掛かりすら出て来ない。
挙げ句の果てには、戸籍からも小野崎 鈴音という人物は存在しないというじゃねぇか。
おかしいと思わねぇ?
……アンタは知ってるんだろ?」
そこまで言うとニヤリと青年は、笑みを見せた。
『…チッ、面倒なのに付き纏われたもんだね。
全く次から次へと…イライラする!』
輝李は静かに目を伏せると、諦めたようにフッと笑ってみせた。
「…そう…。
君は、鈴音の知り合いなの…。
それじゃ仕方ないね。
君には知る権利がある。
…だから教えてあげるよ…」
「へぇ…。キツいわりには案外優しいんだな、アンタ。
まぁ、弱味を俺に握られてんだ、当たり前か」
青年は、ニヤリとほくそ笑む。
輝李は、静かに語りだした。
「この世には、パンドラの箱って言うのがあるんだって…」
「はぁあ?何いってんだ?
アンタどっかおかしくなったのか?」
「…つまり、こういう事だよ!!」
そこまで言い終えぬうちに輝李は、青年へ膝蹴りを繰り出したが、意外にも青年に見切られ停められてしまった。
「フッ…俺も舐められたもんだねぇ。
悪いけど修羅場の数は、それなりに潜り抜けてきてんだよ。
甘かったな、お・嬢・さ・ん」
「フッ、こっちも修羅場なら身に染みてるよ。
甘いのはそっちだ!!」
その途端に輝李は青年の顎に掌底を食らわし、ぐらついた相手の足を素早くしゃがみ、払うと青年の胴に馬乗りになった。
輝李の瞳には、悪魔の鈍い光が光っていた。
「世の中には知らない方が身の為ってのが有るんだよ。
あんまり首を突っ込むと…命がいくら有っても足りないよ?」
そこまで言うとニヤリと微笑み、制服のジャケットの内ポケットからナイフを取り出し、振り上げ続けた。
「…バイバイ…お馬鹿さん♪」
ギラリと光る先端は、青年へ向けて勢い良く下降する。
しかし青年は、この状況下の中で輝李から視線を外さなかった。
「チッ!!!」
パシッ!!
刃先が相手の体を貫く寸での所で、輝李の腕を掴む人物が居た。
それは他でもない乙だった!!
乙は静かに口を開く。
「…止めておけ」
「乙!!」
突然現れた乙に驚く輝李は、仕方なく相手から降りるとナイフをしまった。
下になっていた青年は、ムクッと起き上がると、その場で座り込み鋭い眼光で睨むと言葉をついた。
「…アンタの方が月影 乙か」
「ああ。…アンタは?」
乙が静かに口を開くと、その人物は答えた。
「…小田切 隼人」
「小田切…隼人、そうか。
…悪いが勝負はお預けだ。
コイツは俺が貰っていく」
「…逃げるのか?乙さんよぉ」
一瞬、乙の眉間が動いたが、すぐに冷静さを取り戻し答えた。
「…いずれ必ず、借りは返しに行く」
それだけ言うと輝李の手を引き、その場を立ち去った。
「…チッ。上手く逃げられたな」
隼人はそう零すと学院を後にした。
ただでさえ看病とは、看病される側よりもする側の体力と精神力への消耗は激しい。
まして瀾は依存症のうえ、記憶喪失だ。
その看病は、輝李にとっても簡単な事ではなかった。
そんなある日、夏休みが近くなった頃それは突然やってきた。
学院に1人の訪問者が、乙を訪ねてやってきたのだ。
たまたま呼び出しを託された生徒の近くを輝李が通りかかり、窓から外を見ると見知らぬ他校の青年が立っている。
どう見ても乙の知り合いとは思えなかった。
何故なら乙の知り合いならば、今まで絶えず一緒にいた輝李が知らないわけはなかったからだ。
『いやな予感がする…』
その輝李の読みは当たっていた。
学院の校門へ向うと、その青年の目付きは友好的でない事は見ればすぐに解る。
青年は、威嚇的に笑みを浮かべると口を開いた。
「…よう」
「……」
輝李は青年に向け、口を開いた。
「…何か用?」
「ああ、ちょっとアンタに聞きたい事があんだよ」
少し長めの髪に外へ流したカット、身長は輝李とさほど変わらず顔立ちの整った今どきの青年だが、素行は決して良くはなさそうだ。
このままここに居れば、騒ぎになるのも時間の問題だった。
「何の用があるかは知らないけど、ここじゃ目立ち過ぎる。
場所を変えよう」
そう言うと輝李は、校舎脇の人気の少ない所へ案内した。
青年も大人しく着いてくる。
「…それで?何の用なの?」
輝李が冷たく口を開くと、青年は輝李の顎に手を添え、鼻で笑う。
「フッ…、もっと骨のあるゴツイ奴を想像してたけど案外華奢なんだな。
まぁ、お嬢様が集まる女子校だしな。
案外、可愛い顔してんじゃん」
バシッ!!
不意に輝李は、青年の手を払いのけ威嚇的に口を開いた。
「…気やすく触るな。
僕に触れていいのは1人だけだ」
「へぇ…、気は強いみたいだな」
「…わざわざ、そんなくだらない事を伝えに来たわけ?
用がないなら僕はこれで」
苛々としながら、輝李が背を向け歩きだした時だった。
「バラされてもいいのか?
アンタの秘・密…」
青年のその言葉に足を止め、耳だけを微かに向けると静かに輝李は口を開いた。
「…何の事…?」
すると、青年は再び挑発的な笑みを浮かべ話し始めた。
「実は俺のダチの知り合いに【小野崎 鈴音】って子がいるんだけどさぁ」
「……」
『…やっぱりか』
輝李は青年に背を向けたまま、その目付きは鋭くなる。
「…それがどうしたの?」
「ダチは小野崎 鈴音と手紙のやり取りをしていた。
海外留学した後もな。
そこに書いてあったんだよ。
『彼氏が出来た』ってな。
そいつの名前は月影 乙。
でも、ある日を境にプッツリ連絡が取れなくなった。
そしたらアンタは日本に帰ってきてるって話じゃないか」
やはり青年は、乙の知り合いではなかった。
青年は、輝李を乙だと思いこみ話している。
輝李は内心、好都合と心の中で笑みを浮かべた。
「留学には期間があるんだ。
1人で帰ってきても不思議じゃないだろう?」
そう言うと、やっと青年の方を威嚇的に微笑み向いた。
しかし、青年も意味ありげに微笑んで口を開く。
「でも、そのすぐ後だ。
噂で鈴音って子が事故で死んじまったってダチが聞いたのは。
心配したダチは、病院を尋ねたが#《そんな名前の女の子の届けは出ていない》と言われたそうだ。
ダチは、知り合いに頼んで小野崎 鈴音の消息を調べてもらった。
そしたら、小野崎 鈴音の情報は何一つ手掛かりすら出て来ない。
挙げ句の果てには、戸籍からも小野崎 鈴音という人物は存在しないというじゃねぇか。
おかしいと思わねぇ?
……アンタは知ってるんだろ?」
そこまで言うとニヤリと青年は、笑みを見せた。
『…チッ、面倒なのに付き纏われたもんだね。
全く次から次へと…イライラする!』
輝李は静かに目を伏せると、諦めたようにフッと笑ってみせた。
「…そう…。
君は、鈴音の知り合いなの…。
それじゃ仕方ないね。
君には知る権利がある。
…だから教えてあげるよ…」
「へぇ…。キツいわりには案外優しいんだな、アンタ。
まぁ、弱味を俺に握られてんだ、当たり前か」
青年は、ニヤリとほくそ笑む。
輝李は、静かに語りだした。
「この世には、パンドラの箱って言うのがあるんだって…」
「はぁあ?何いってんだ?
アンタどっかおかしくなったのか?」
「…つまり、こういう事だよ!!」
そこまで言い終えぬうちに輝李は、青年へ膝蹴りを繰り出したが、意外にも青年に見切られ停められてしまった。
「フッ…俺も舐められたもんだねぇ。
悪いけど修羅場の数は、それなりに潜り抜けてきてんだよ。
甘かったな、お・嬢・さ・ん」
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甘いのはそっちだ!!」
その途端に輝李は青年の顎に掌底を食らわし、ぐらついた相手の足を素早くしゃがみ、払うと青年の胴に馬乗りになった。
輝李の瞳には、悪魔の鈍い光が光っていた。
「世の中には知らない方が身の為ってのが有るんだよ。
あんまり首を突っ込むと…命がいくら有っても足りないよ?」
そこまで言うとニヤリと微笑み、制服のジャケットの内ポケットからナイフを取り出し、振り上げ続けた。
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ギラリと光る先端は、青年へ向けて勢い良く下降する。
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「…アンタの方が月影 乙か」
「ああ。…アンタは?」
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一瞬、乙の眉間が動いたが、すぐに冷静さを取り戻し答えた。
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0
小説が音声と映像で流れ出す!?
厳選されたCV達がお送りする臨場感!!
YouTubeにてボイスドラマ公開中!!
★アールグレイの月夜(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSUVpSKdpmNMNom6F3FWffNL
★アールグレイの昼下がり(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSXcYllzM7PGJbwUaHxBfz0L
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