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CHAIN GAME・再会
CHAIN GAME・再会2
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明くる日、寮から学院へ向かう途中、他の生徒も疎らに歩いている中、 足森の運転する車が向こうから、ゆっくりと輝李の方へ近づいてきた。
窓は指が入る程に微かに開いており、すれ違いざまに視線だけを向け、輝李は静かに口を開いた。
「足森、作戦開始だ」
「かしこまりました」
それだけ言うと、足森の車は速度を落とす事無く輝李を通り越した。
その一瞬のやり取りに周りの生徒が気が付く事はない。
学院に着くと、少し遠くに乙と小さな少女が見えた。
何かを話していたようだが、乙は少女の手を引くと校舎裏へと引っ張っていった。
「あれは…乙?」
いい知れぬ予感に輝李は、乙達に気が付かれないように後を追った。
校舎裏には小さな森に繋がっており、二人の死角の樹木の片隅に栗色のショートカットを風に揺らし様子を伺った。
乙と少女は唇をかさねていた。
唇が離れると、少女は瞳をシットリと潤ませながら乙を見つめた。
「…これが俺だよ!!俺は、その場の気分で女を決める」
「わ、私…私!!お姉様のためなら、お姉様が望むなら!!私…」
必死に訴え俯く少女に、乙は冷たい視線を送り
「…震えてるぞ」
「──ッ!!!」
見透かされた事に俯いたまま、少女はハッと目を見開いた。
「俺は、遊べないタイプの人間とは付き合わない。
諦めるんだな、俺は早希が思ってるほど優しくもないし、純粋に本気にはなれない。
恋人なら他を当たってくれ。
じゃあな」
「お姉様!!」
少女の言葉にも振り返る事なく、乙はその場を去った。
少女はストンと腰を落とし、両手で顔を覆うと泣き崩れた。
「…フン!!」
輝李は一瞬、目を伏せ、その場を後にした。
珍しく難しい顔をして校舎の廊下を歩いていると輝李の姿を見付け、廊下にいる女生徒達は騒めきはじめる。
中性的な雰囲気を持つ輝李は、受け身のネコの女の子から攻める側のタチの女の子にまで幅広く人気がある。
勿論、本人はその人懐っこい愛嬌とは、裏腹に目を付けた女の子以外に興味を示さないクールな一面を持つため、自覚すらしては居なかったが。
教室に着くと早速、委員長が声をかけてきた。
「輝李さん♪お早うございます」
「あ、おはよう♪」
「貴女にお客様が見えてるわよ」
「僕にお客さん?」
「ええ」
ニッコリと微笑む委員長に輝李はキョトンとした顔を見せる。
「編入して間もないのに」
「あら。ご存じないかもしれないけど貴女、有名人ですのよ。
ほら、貴女のお姉様、学院の王子様ですもの♪」
「あぁ~…」
輝李が、納得とばかりに返事をすると、委員長は続けた。
「貴女もお綺麗だし、結構人気ありますのよ。隠れファンも沢山いるって聞きましたわ。
この短期間に綺麗な編入生が二人も入ってきたら嫌でも有名になりますわ」
「ふーん。取り敢えず、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい♪」
輝李が教室のドアに向かうと、中等部の生徒ではないかというぼどの童顔で小さな少女が俯き加減に立っていた。
「僕に用って君?」
「あ…。あの…貴女が 月影 輝李様…ですか?」
「あ、うん」
そこにいたのは乙と一緒にいた少女だった。
『…この子、今朝の…』
輝李はニッコリと笑顔を見せると優しく声をかけた。
「どうしたのかな?」
「あの…」
「ん?何?」
「…ッ…」
俯く少女に輝李は少し考えると、優しく促した。
「君、後輩の子だよね?
こんな所じゃなんだし場所を変えようか。
ここじゃあ、皆もいるし話しにくいでしょ?」
「…はい。でも、もうすぐ授業も始まりますし、ご迷惑なら、またおりをみて伺います…」
「平気だよ♪君の用事の方が大切だよ。
だから来たんでしょ?」
「…ありがとうございます」
輝李の配慮に少女は、微かに笑顔を見せた。
輝李は、教室の中の少女に合図を送ると委員長は了承したように笑顔を見せ、手をヒラヒラと小さく振って答えた。
その後、少女を連れて学院のカフェテリアへと移動して行った。
窓は指が入る程に微かに開いており、すれ違いざまに視線だけを向け、輝李は静かに口を開いた。
「足森、作戦開始だ」
「かしこまりました」
それだけ言うと、足森の車は速度を落とす事無く輝李を通り越した。
その一瞬のやり取りに周りの生徒が気が付く事はない。
学院に着くと、少し遠くに乙と小さな少女が見えた。
何かを話していたようだが、乙は少女の手を引くと校舎裏へと引っ張っていった。
「あれは…乙?」
いい知れぬ予感に輝李は、乙達に気が付かれないように後を追った。
校舎裏には小さな森に繋がっており、二人の死角の樹木の片隅に栗色のショートカットを風に揺らし様子を伺った。
乙と少女は唇をかさねていた。
唇が離れると、少女は瞳をシットリと潤ませながら乙を見つめた。
「…これが俺だよ!!俺は、その場の気分で女を決める」
「わ、私…私!!お姉様のためなら、お姉様が望むなら!!私…」
必死に訴え俯く少女に、乙は冷たい視線を送り
「…震えてるぞ」
「──ッ!!!」
見透かされた事に俯いたまま、少女はハッと目を見開いた。
「俺は、遊べないタイプの人間とは付き合わない。
諦めるんだな、俺は早希が思ってるほど優しくもないし、純粋に本気にはなれない。
恋人なら他を当たってくれ。
じゃあな」
「お姉様!!」
少女の言葉にも振り返る事なく、乙はその場を去った。
少女はストンと腰を落とし、両手で顔を覆うと泣き崩れた。
「…フン!!」
輝李は一瞬、目を伏せ、その場を後にした。
珍しく難しい顔をして校舎の廊下を歩いていると輝李の姿を見付け、廊下にいる女生徒達は騒めきはじめる。
中性的な雰囲気を持つ輝李は、受け身のネコの女の子から攻める側のタチの女の子にまで幅広く人気がある。
勿論、本人はその人懐っこい愛嬌とは、裏腹に目を付けた女の子以外に興味を示さないクールな一面を持つため、自覚すらしては居なかったが。
教室に着くと早速、委員長が声をかけてきた。
「輝李さん♪お早うございます」
「あ、おはよう♪」
「貴女にお客様が見えてるわよ」
「僕にお客さん?」
「ええ」
ニッコリと微笑む委員長に輝李はキョトンとした顔を見せる。
「編入して間もないのに」
「あら。ご存じないかもしれないけど貴女、有名人ですのよ。
ほら、貴女のお姉様、学院の王子様ですもの♪」
「あぁ~…」
輝李が、納得とばかりに返事をすると、委員長は続けた。
「貴女もお綺麗だし、結構人気ありますのよ。隠れファンも沢山いるって聞きましたわ。
この短期間に綺麗な編入生が二人も入ってきたら嫌でも有名になりますわ」
「ふーん。取り敢えず、行ってくるよ」
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「僕に用って君?」
「あ…。あの…貴女が 月影 輝李様…ですか?」
「あ、うん」
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「どうしたのかな?」
「あの…」
「ん?何?」
「…ッ…」
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その後、少女を連れて学院のカフェテリアへと移動して行った。
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