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次の日、輝李と由佳は何もなかったように朝を迎えた。
「あ~あ、暇だなぁ…」
「クスクス…お買い物でも行ってこられたらいかがですか?」
「それは昨日行った~」
「そうですか。
私、これから夕食の買い出しにいきますけど輝…」
「僕も行く!!!」
まるで子供のように由佳が言葉を言い終える前に輝李は身を乗り出して答えた。
「クスクス…では一緒に参りましょうか」
「うん!!」
車を降り、ショップに付くと由佳は輝李に話し掛けた。
「夕御飯、何がよろしいですか?」
「んん、解んない。
でも、シェフが作るようなのはいらない」
「じゃあ…カレーなんかはいかがですか?」
「カレー♪やったぁ!!」
そう言うと買い物籠を持ち、輝李はてくてくとはしゃぐ。
「由佳ぁ、早く♪」
「クスクス、今行きますよ」
買い物をしている時の輝李は、子供の頃見たあのあどけない輝李だった。
『これが本来の輝李様の笑顔。
お小さい時と何も変わらない…。
この方があんな淋しそうな笑顔を見せるようになるなんて…』
由佳は、食材とにらめっこをする輝李を見つめ思った。
ふと輝李がこちらを向く。
「何?」
「クス、何でもありません」
由佳は笑顔を返して答えたのだった。
夕食は輝李も手伝った。
乙と違い、おぼつかない手でなんとか野菜の皮を剥き、由佳は何度ヒヤヒヤさせられた事か。
「ああ…輝李様!!
そんな風に持たれたら危のうございますよ」
「むぅ、由佳はうるさいなぁ」
「輝李様、こちらにいる時、花嫁レッスンさぼってらしたんでしょう?」
「……」
「やっぱり」
半ば、冷や汗をかき笑って誤魔化す輝李に疑いの眼差しを送る由佳は呆れて口を開いた。
「ハァ…そんな事で好きな方が出来たらどうするんですか?」
「じ…実は乙にも言われた」
── そう、あれは輝李がまだ乙と愛を交わしていた頃だ。
手料理を持ってきた輝李に乙は、冷や汗混じりに口を開く。
「こ、これを俺に食わせるのか?」
「ダメ?僕、乙に喜んで欲しくて一生懸命作ったんだけど…」
見るからに食べ物とは言えない何ともグロテスクに残念な事になっている料理…。
しかし輝李の上目遣いに乙は、半ば引きつった顔を浮かべると覚悟を決め、仕方なく料理を口にした。
「どう?」
「…ッ!!! ……。
ま、不味くは…ない…」
しかし、その次の日…
乙は食あたりを起こし、うなされながら寝込んだのは言うまでもない ───
話を聞くと由佳は頭を抱えた。
「・・・・はぁ。薬の調合を学んでいる暇があるなら、少しはお料理の勉強もなさって下さい」
「だってぇ…」
口を尖らせて不貞腐れる輝李に、由佳のため息が増えた。
しかし、その後は仕方なさそうな包むような慈愛の笑顔が送られたのだった。
「あ~あ、暇だなぁ…」
「クスクス…お買い物でも行ってこられたらいかがですか?」
「それは昨日行った~」
「そうですか。
私、これから夕食の買い出しにいきますけど輝…」
「僕も行く!!!」
まるで子供のように由佳が言葉を言い終える前に輝李は身を乗り出して答えた。
「クスクス…では一緒に参りましょうか」
「うん!!」
車を降り、ショップに付くと由佳は輝李に話し掛けた。
「夕御飯、何がよろしいですか?」
「んん、解んない。
でも、シェフが作るようなのはいらない」
「じゃあ…カレーなんかはいかがですか?」
「カレー♪やったぁ!!」
そう言うと買い物籠を持ち、輝李はてくてくとはしゃぐ。
「由佳ぁ、早く♪」
「クスクス、今行きますよ」
買い物をしている時の輝李は、子供の頃見たあのあどけない輝李だった。
『これが本来の輝李様の笑顔。
お小さい時と何も変わらない…。
この方があんな淋しそうな笑顔を見せるようになるなんて…』
由佳は、食材とにらめっこをする輝李を見つめ思った。
ふと輝李がこちらを向く。
「何?」
「クス、何でもありません」
由佳は笑顔を返して答えたのだった。
夕食は輝李も手伝った。
乙と違い、おぼつかない手でなんとか野菜の皮を剥き、由佳は何度ヒヤヒヤさせられた事か。
「ああ…輝李様!!
そんな風に持たれたら危のうございますよ」
「むぅ、由佳はうるさいなぁ」
「輝李様、こちらにいる時、花嫁レッスンさぼってらしたんでしょう?」
「……」
「やっぱり」
半ば、冷や汗をかき笑って誤魔化す輝李に疑いの眼差しを送る由佳は呆れて口を開いた。
「ハァ…そんな事で好きな方が出来たらどうするんですか?」
「じ…実は乙にも言われた」
── そう、あれは輝李がまだ乙と愛を交わしていた頃だ。
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「どう?」
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小説が音声と映像で流れ出す!?
厳選されたCV達がお送りする臨場感!!
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