【R18】アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー

Rearaine

Rearaine（リアレイン）９

あまりにも抵抗するリアレインのみぞおちに衝撃を与え気を失わせると、日本にある８エイトアンダーに運んだ。
輝李きりは、特別室でソファーに座り、リアレインが目覚めるのを紅茶を飲みながら待っていた。
程なくしてリアレインが気が付く。

｢う、うーん…。ｯ!!!｣

足と腕を後ろ手に拘束され、大きなソファーに座らされている。
不意に輝李が紅茶を片手に口を開く。

｢どう？座り心地最高でしょ？｣
｢輝李!!｣
｢本来そこは君が座れるような所じゃないからね｣

紅茶を置くとリアレインに近づいてニッコリ笑う。

｢やっぱり乙きのとに会いに行ったね｣
｢で、出来心だったのよ!!
だって、乙は…!!｣
｢ふーん…。そうやって乙の事も裏切ったんでしょう？
淋しさに耐え切れず、僕の誘惑に勝てず【出来心】で僕と関係を持ってしまったんだものね？｣
｢!! まさか最初から、そのつもりで!!｣
｢そ。あの時、僕を断っていたら、もっと違う未来が待っていたかも知れないのにさ。
残～念♪｣

輝李きりは、クスクスと楽しそうに笑うと、ギラリと眼光を鋭くさせてリアレインの服を引き裂いた。

｢いやぁあ!!｣

ボタンがいくつか儚く床に転がる。
白い肌があらわになり、小刻みに震える中、それは存在感を放ってたたずんでいた。

｢!! これは!!｣

輝李きりは、思わず声を上げる。
リアレインの首下には、乙きのとのダークシルバーのクロスが下げられていたからだ。

｢乙からもらったの…？｣

冷たく静かに言い捨てる輝李の形相にリアレインは怯えながら応えた。

｢…さ、最後の、餞別に、って…｣

それは、アメリカで輝李とフォレストが、買い物を迷っていた乙に薦めた物だった。
輝李はクロスをちぎり取ると

｢…そう…これを乙が…。クｯ!!!!｣

そう一言こぼし、手の甲でリアレインを打った。

｢あ!!｣

渇いた音とその勢いにリアレインは、椅子から転げ落ちる。
痛みと恐怖から大粒の涙が零れた。

｢ｳｯ…ﾋｯｸ…ｳｩ…｣

輝李きりは、手足を縛られ床に転がっているリアレインの体にバスローブを放ると、廊下に待機している足森を呼ぶ。

｢足森っ!!!｣
｢…はい｣

静かに入ってきた足森にクロスを放る。

｢…乙のものだ。
わざわざ僕に解るように、そのクロスを選ぶなんて…｣

バンッ!!!!
その瞬間、輝李の拳が壁に勢い良く音を立てた。

｢乙…何処までも僕の邪魔をするんだね…｣