【R18】アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー

Rearaine

Rearaine（リアレイン）３

この頃、ある程度の食事を済ませると部屋に籠もる輝李きりを心配したフォレストは輝李の部屋を訪れた。

｢輝李…？｣

電気も付けず、ベッドの上で体育座りに突っ伏している輝李にフォレストは心配そうに続けた。

｢…具合でも悪いのか？｣
｢…フォル｣

顔を上げた輝李の瞳は艶やかな光を帯びている。

｢…ｯ//｣

フォレストはその瞳に一瞬ドキッと胸を鳴らした。

｢最近、元気ないみたいだからさ｣
｢…そんな事…ないよ｣

フォレストが何気なくテーブルに目をやると、そこには媚薬の製作資料が置いてある。

｢…おい。これ、何だよ…｣
｢…何でも、ないよ｣
｢最近、快楽ドラッグを使ってDollオークションと称し、人身売買が行われてるって聞いたことがある。
まさか、輝李…お前じゃないだろうな…｣
｢……｣
｢やっぱり!!!
司令が新しくなったとは聞いていたが、８エイトアンダーには深入りするなって言っただろ!!｣

ふと、フォレストはベッドの横に小さな小瓶がある事に気が付くと手に取った。
それは、睡眠薬だった。
日頃、やりたくもないDollの調教の仕事に、輝李きりの精神は少しずつ蝕まれていたのだ。

｢…これ、睡眠薬？
輝李、お前こんなもの飲まなきゃ眠れないのか!?
いつから飲んでるんだ!!
この減り方、普通じゃないぞ!!
おい、輝李!!!」

フォレストの眉間に思わずシワが刻まれ、輝李の肩を抱き詰め寄った。

｢アｯ//｣
｢なｯ!!｣

ビクリと身体を跳ねさせた輝李にフォレストは思わず、その反応にビックリして手を離した。

｢ﾊｧﾊｧ…。さっき…そこにある試作品を飲んだんだ…。
それは、僕が…調合してるから。
勿論、合法だよ…｣
｢自分の体を実験台にしてるってのか!!｣
｢…必要な事だから…ﾊｧﾊｧ｣
｢輝李…｣
｢睡眠薬…は、もうずいぶん前から…｣
｢何で…｣
｢やらなきゃいけない事があるんだ…。
鈴音りんねの父親が顧客リストにいた…｣
｢!!!!!｣
｢あの時…もう調べるだけじゃ治まらない所まで来ていたんだ。
アイツを社会的に抹消するまで…アｯ//
…アイツ、自分の娘を…奴隷のように抱いてたんだ…｣
｢…!!!｣
｢それで、父親に逆らえず…。
だから、解放してやったんだ…。
あの父親から…。
乙きのとと一緒にいたら必ず捕まる…だから…｣

輝李きりの瞳から大粒の涙が流れた。
その夜、涙を流した輝李をフォレストは思わず抱き締め、キスをすると輝李をベッドへ押し倒した。

｢!!! フォル…｣
｢…ごめん…。
でも、今の輝李をもう見てられないよ。
俺を嫌いになってもいい。
今だけ…今だけでいいんだ、俺を見てくれ…｣
｢…フォル｣

輝李は目を伏せると薬で火照った身体をフォレストに委ねた。