【R18】アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー

The crown of the triangular love affair

The crown of the triangular love affair１

玄関に入ると、輝李きりは大はしゃぎでホールを見渡す。

｢わぁ～♪フォルのお家だぁ。
懐かしいなぁ。あはは♪｣

そんな輝李きりをよそに乙きのとは、フォレストを見ることなく静かに警告をする。

｢もし、輝李に手を出してみろ…、その時は…｣
｢ほぅ、輝李に手を出したらどうなるんだ？｣

そこまで言うと、輝李が向こう側から二人に向けて声をかける。

｢二人とも、何そんな所でつっ立ってるの？
早くおいでよぉ♪｣
｢今行くよぉ｣

フォレストが明るく答えると乙は、スッと輝李の場所へ歩きだす。
そして、フォレストも歩きだした。
夕食を終え、フォレストが各自の部屋の鍵を持ってくる。

｢はい、これが輝李のゲストルームのキーだよ♪
こっちは乙｣

輝李きりにキーを手渡しすると、その後ろにいた乙きのとにキーを優しく放った。
乙はキーをキャッチする。

｢ありがとう、フォル♪｣
｢荷物はもう部屋に運んである。
好きに使ってくれて構わない｣

フォレストの言葉に乙も礼をいった。

｢悪いな、厄介になる｣
｢いや、気にするなよ。
何て言っても乙は輝李のお姉様だからな…｣
｢ああ、そうだな…｣

またしても不適に睨み合う二人。
そんな二人に気付く事無く、輝李はフォレストに話し掛けた。

｢本当にありがとう、フォル♪また明日ね♪｣
｢ああ、長旅で疲れただろう？
ゆっくり休むと良いよ♪｣

その夜、いつものように愛し合いベッドで微睡む中、輝李きりは乙きのとに質問を投げた。

｢ねぇ、乙｣
｢ん～？｣
｢乙はフォルの事、嫌い？｣
｢……。別に好きでもなければ嫌いでもない…｣
｢何でいつも喧嘩するの？｣
｢それは…｣

乙が思わず言葉につまると、輝李は少しシュンとして答える。

｢乙も教えてくれないんだね…｣
｢え？｣
｢さっきフォルも『ｸｽｸｽ、それは内緒だ･よ♪』
って言ってた…｣
｢……。アイツにも同じ質問をしたのか…｣

少し面白くなさそうな乙きのとに、輝李きりは顔色を伺うように

｢ダメ、だった…？｣
｢…別に｣
｢ごめん｣
｢…ｯ｣

不意にシュンとしたまま輝李は、小さく不安そうに乙に寄り添った。

｢乙…僕の事、好き？｣

そんな輝李に優しい笑顔を向けると、輝李を抱き寄せキスを贈った。

「当たり前だろ❤」