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双子の少女
双子の少女 1
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ある昼下がり、屋敷の中庭で庭師と共にちょこんとしゃがんでいる栗色の髪の長い少女がいた。
歳はまだ10才ほどだろうか。
少女は花を指差し、庭師に話し掛けた。
「ねえ、このお花がいい♪
これ貰っていっても良い?」
「ええ、構いませんよ。
今、切って差し上げましょう」
小さな少女の手には、庭師がカットした細やな花束が握られていた。
庭師は少女に笑顔を向ける。
「輝李様は花がお好きですか?」
「うん。乙が好きだから私も大好きだよ♪
これ、乙にあげるの♪」
「それはようございます」
「乙、喜んでくれるかなぁ?」
「もちろんでございます。
その選んだ花には輝李様の愛情が詰まっておりますから」
「うん♪」
輝李は、純真無垢なあどけない天使のような笑顔を作る。
この人物がのちに[踊る妖艶Doll]という異名が付くことなど、誰が想像できよう…。
「わぁ、綺麗なお花♪
私、乙にあげてくる!!
ありがとう、庭師の伯父ちゃん」
元気よく手を振ると庭師は微笑ましく輝李を見送った。
スカートをなびかせ、小さな歩幅で一生懸命廊下を走る。
乙の部屋にたどり着くと勢い良くドアを開ける。
「乙っ♪」
「輝李…」
乙は、ドアに視線を送る。
乙は輝李と違い、勉強中だった。
すかさず、教育係が口を割った。
「輝李様、困ります。
乙様はただ今、お勉強中です。
しかもノックもせずに、はしたないですよ!」
せっかく乙に花を持って来たというのに着いた途端にお説教をくらい、輝李はプゥっと膨れてみせた。
そんな輝李に乙は優しく口を開く。
「悪いな、輝李…」
「…解ったよ…。
乙がそう言うなら…また今度にするよ…」
少しシュンと不貞腐れ、花を後ろ手に隠した。
「少し良いかしら?」
開いたままのドアをコンコンと叩き、優しく微笑みを浮かべ部屋に入ってきた、おっとりとした女性がいた。
「奥様!!」
教育係は、ハッとして頭を下げる。
母親は、にこりと微笑むと優しく口を開く。
「子供達とお茶をしようと思うんだけどダメかしら?」
「い、いえ!もう終わらせようと思っていた所ですから」
「そう、良かったわ♪」
母親は輝李の頭を撫でて笑顔を送った。
輝李も母親の配慮に満遍の笑顔を返した。
歳はまだ10才ほどだろうか。
少女は花を指差し、庭師に話し掛けた。
「ねえ、このお花がいい♪
これ貰っていっても良い?」
「ええ、構いませんよ。
今、切って差し上げましょう」
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庭師は少女に笑顔を向ける。
「輝李様は花がお好きですか?」
「うん。乙が好きだから私も大好きだよ♪
これ、乙にあげるの♪」
「それはようございます」
「乙、喜んでくれるかなぁ?」
「もちろんでございます。
その選んだ花には輝李様の愛情が詰まっておりますから」
「うん♪」
輝李は、純真無垢なあどけない天使のような笑顔を作る。
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「わぁ、綺麗なお花♪
私、乙にあげてくる!!
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「乙っ♪」
「輝李…」
乙は、ドアに視線を送る。
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乙様はただ今、お勉強中です。
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乙がそう言うなら…また今度にするよ…」
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小説が音声と映像で流れ出す!?
厳選されたCV達がお送りする臨場感!!
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https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSXcYllzM7PGJbwUaHxBfz0L
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