【R18】アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー

プロローグ

──僕の名前は月影　輝李つきかげ きり

人は僕を[踊る妖艶Doll]と呼ぶ。
僕の相手をした人間はベッドで快楽のダンスを踊り、その抜けられない解放感に人形のようになってしまうから…
そして…その末路は…。


｢人を人とも思わない冷徹人間｣
って思う人もいるらしいけど。
そんなくだらない噂、
僕の知った事じゃない。
だって、向こうが勝手に縋り付いてくるんだもの。

僕は、相手が持つ素質を
ほんの少し、
引き出すお手伝いをしただけ。

僕が手元に欲しいものは
たった一つ…。
それだけあれば、
もう何もいらない。

誰に嫌われても関係ない。
僕は…だだ…
君に笑っていて欲しいだけ…

他に望むものなんか、何もない。
ただ…僕の側で笑顔を見せてくれるだけで良いんだ。



たとえ、君に嫌われてしまう事があっても、僕は…
君を守るためならば、
どんなに冷徹で冷酷な事だろうと、遣り遂げてみせる。

そのためならば、悪魔にでも
魂を売ってもいい。

それが、僕の生きる証であり、
存在理由だから…────