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黄昏の古時計
黄昏の古時計4
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「聖慈が生まれた今、お前が息子として振る舞う必要性もなくなった。
これからは本来の性の通り、女として振る舞い、この月影に恥じぬよう支えていけ」
「…な…に…!!」
乙はたった今、放たれた自分の耳に入ってきた言葉に耳を疑い言葉を失った。
父親はそんな乙にもう一度、静かに残酷な言葉を繰り返した。
「聞こえなかったのか。
これからは女として振る舞えと言ったんだ…」
なんと勝手な事だろう。
今まで十数年、息子として育て、英才教育を植え付け、男として夜の営みまで教育してきた乙に対し、息子が生まれた途端に本来の女の性をまっとうしろと言い放ったのだ。
いつもは冷静沈着な乙だが、この時ばかりは頭が真っ白になった。
実の父親とは思えない程、残酷な信じらんない言葉が乙の思考回路すらストップさせてしまったのだ。
『今までの俺の生き方を…
存在を…全て捨てろと…』
そんな時、月影の当主に怒りを爆発させた人物が一人いた。
──ガタン!!!
「父様!!今、何を言っているのか解って言ってるの!!」
当主に牙を剥いたのは、他でもない輝李だった。
普段は父親にたてつくような事はせず、父親にも可愛がられていたあの輝李が席を立ち、もの凄い剣幕で怒りをあらわにした。
「父様はいつも勝手だよ!!
勝手に息子として育ててきたくせに!!
そのせいで今まで乙がどれだけ我慢して辛い思いをしてきたと思ってるのさ!!
…父様は、それでも乙の事を愛しているんだと思ってた…。
でも違う!!
父様は、乙の事をただ家名を守るだけの道具としか思ってないだっ!!」
「…輝李」
突然の輝李の爆発に乙は、驚きを隠せなかった。
「乙、行こう!!こんな冷徹人間の家にいつまでも居ることないよ!!
父様…、乙にこんなひどい仕打ちをするアンタなんか大嫌いだ!!」
「おい、輝李」
乙が事態を整理しきれない内に、輝李は乙の手を取ると部屋から出ていった。
あとに残された今井は、静かに主人を促した。
「…旦那様。お二人供、今は冷静ではないご様子。
…しばらく私に任せていただけませんか」
「…仕方あるまい」
程なくして輝李は乙を連れ、逃げるようにして屋敷を後にした。
宛て度もなく、ジェット機に乗り日本を離れた。
ジェット機の窓を見ている乙に向けて輝李が口を開く。
「乙…御免ね…」
「…何が?」
「僕…勝手な事をしちゃって…。
かえって乙に迷惑かけちゃった…」
乙は、俯く輝李の手をそっと握った。
「迷惑ならジェット機に乗る前に止めてるさ…」
「乙…」
それから二人は、従姉妹の住む屋敷にホームステイすることとなった。
ハイスクールの手配も済ませ、海外での生活は開放的で、二人を縛り付けるものは一切無く、毎日が二人の時間を邪魔するものはなかった。
ハイスクールの授業が終わると二人で買い物に、遊びに、夜になればお互いを求め熱い夜を過ごす。
慣れてきた頃、仲間同士過ごす事も多くなったが、それでも二人が離れる事もなく仲間内のパーティーに顔を出しては酒を飲み、夜明けまで楽しく過ごす日々がダラダラと続いた───
そこまで話すと乙は、一息付くために紅茶を口に含んだ。
神流はマグカップを見つめ、ポツリと呟いた。
「酷い話だな…。いくら家の事情だからって…」
「親父には…はなっから期待なんかしていない。
母さんが倒れた時から、俺は親父を未だに許せないでいる…。
葬儀の直前まで、仕事ばかりして母さんの事なんか見向きもしなかった」
(「アールグレイの月夜」参照)
「それで、見兼ねた輝李ちゃんが、乙を連れて海外…か」
「ああ。でも…しばらくは楽しく暮らしていた。
あの時までは、まだ良かったんだ。
俺が、アイツに出逢うまでは…」
「アイツ?」
乙は、目を伏せると静かに、その名を呼んだ。
「…小野崎 鈴音…」
──ある時、日本から交換留学生がやってきた。
少女の名前は…小野崎 鈴音
同じ日本人という共通点から、二人が親しくなるのにそんなに時間はかからなかった。
「ええ!!乙って女の子だったの!!」
「あ、ああ。気付かなかったのか?輝李の事は解ったくせに」
「だって、輝李って中性的だけど、どことなく解るじゃない。
…そう、なんだ…
乙…女の子、なんだ…」
「何だよ、意味ありげに」
「…私、乙は男の子だと思ってたから…」
「俺が女だと何かマズい事でもあるのか?」
「……////」
鈴音は黙り込み、俯くと少し顔を赤くした。
「何だよ」
「…別に。…言ったら軽蔑されちゃう////」
「じゃあ、俺が男だったら軽蔑されないことなのか?」
「…たぶん…」
「言ってみろよ。今は男として聞いてやるから」
「今は…男として?
私の事、軽蔑…しない?」
「ああ」
鈴音は少し恥ずかしそうに小さく言葉にした。
「…す、好きに…なったみたい…」
鈴音の言葉に少しビックリしたが乙は、鈴音にキスをし優しく微笑んだ。
「ありがとう、嬉しいよ。これが答えじゃ駄目?」
鈴音は嬉しそうに顔を赤くして首を振った。
乙にとって、輝李以外に初めて好意をもった。
それは“恋”だったのかもしれない。
それからは、鈴音と過ごす事が知らず知らずに多くなった。
もちろん、輝李も乙の変化に気付かないわけはなかった。
自分を抱かなくなった乙。
鈴音といる時、話している時、楽しそうに笑う乙。
その笑顔は輝李に向ける笑顔とは違っていた。
しかし、ある時から鈴音は乙を少しずつ避けるようになった。
そして…
しばらく経ったある日、
輝李が乙に一通の手紙を渡した。
それは、鈴音からの手紙だった。
《ごめんなさい。貴方を利用してしまった私を許して。
でも、貴方を愛していた事に嘘はないの。
乙…私が居なくても
乙の事を解ってくれる人が
いつか…きっと》
「何で…急に!!何でだよ!!」
輝李はそんな乙に少し淋しそうにいった。
「顔を見ると辛くなるからって…預かったんだ。
止められなかった。ごめん…」
その日から、鈴音がハイスクールに来る事はなかった。
乙は、方々を捜し回ったが結局、鈴音の消息はつかむ事が出来ず不明だった───
「そのしばらく後だ。
風の噂で鈴音が事故で、この世を去ったと聞いたのは…」
少し遠い目をして、乙が席を立ち紅茶のお代わりを持ってきた。
神流のマグカップに紅茶を入れながら乙は続けた。
「それから俺の生活は荒れた。
希望もなく、その絶望を忘れるために手当たり次第、女を口説いては愛欲に溺れる日々を送っていた。
そして、俺に合わせるように輝李もまた淫らな生活を送るようになった。
…でも、もしかしたら輝李は、もっと前からそうだったのかもしれない…。
俺が、輝李を裏切った、あの日から…」
「…乙…」
「そんな生活をしていたせいか、いつの間にか俺達には二つ名が付いていてな。
俺は[沈黙のseduction]
輝李は[踊る妖艶Doll]
と呼ばれていたよ。フッ…」
何かを吹っ切るように乙は淋しそうに笑った。
「それからアイツは俺によく突っ掛かってくるようになってな。
輝李は…俺を恨んでいるのかも知れないな…。
自分を裏切り、捨てた俺を…」
「乙…。今でも、輝李ちゃんを愛してるのか?」
「…ああ、姉妹としてな。
俺を一番理解しているのは、多分アイツだ…。
だからこそ俺は、輝李を憎めないのかもしれない」
「…そうか」
神流がそれ以上、二人の事に触れることはなかった。
それからは他愛のない話をして、時を過ごした。
話がある程度終わると神流は乙の部屋を後にする。
「悪かったな…。変なこと聞いてしまって…」
「いや、構わない」
「じゃあ、また明日」
「…ああ」
神流が出ていった後、乙は壁にもたれ目を伏せた。
そう。瀾の事と…今あの時と同じ心境にいることは神流には告げなかったのだ。
これからは本来の性の通り、女として振る舞い、この月影に恥じぬよう支えていけ」
「…な…に…!!」
乙はたった今、放たれた自分の耳に入ってきた言葉に耳を疑い言葉を失った。
父親はそんな乙にもう一度、静かに残酷な言葉を繰り返した。
「聞こえなかったのか。
これからは女として振る舞えと言ったんだ…」
なんと勝手な事だろう。
今まで十数年、息子として育て、英才教育を植え付け、男として夜の営みまで教育してきた乙に対し、息子が生まれた途端に本来の女の性をまっとうしろと言い放ったのだ。
いつもは冷静沈着な乙だが、この時ばかりは頭が真っ白になった。
実の父親とは思えない程、残酷な信じらんない言葉が乙の思考回路すらストップさせてしまったのだ。
『今までの俺の生き方を…
存在を…全て捨てろと…』
そんな時、月影の当主に怒りを爆発させた人物が一人いた。
──ガタン!!!
「父様!!今、何を言っているのか解って言ってるの!!」
当主に牙を剥いたのは、他でもない輝李だった。
普段は父親にたてつくような事はせず、父親にも可愛がられていたあの輝李が席を立ち、もの凄い剣幕で怒りをあらわにした。
「父様はいつも勝手だよ!!
勝手に息子として育ててきたくせに!!
そのせいで今まで乙がどれだけ我慢して辛い思いをしてきたと思ってるのさ!!
…父様は、それでも乙の事を愛しているんだと思ってた…。
でも違う!!
父様は、乙の事をただ家名を守るだけの道具としか思ってないだっ!!」
「…輝李」
突然の輝李の爆発に乙は、驚きを隠せなかった。
「乙、行こう!!こんな冷徹人間の家にいつまでも居ることないよ!!
父様…、乙にこんなひどい仕打ちをするアンタなんか大嫌いだ!!」
「おい、輝李」
乙が事態を整理しきれない内に、輝李は乙の手を取ると部屋から出ていった。
あとに残された今井は、静かに主人を促した。
「…旦那様。お二人供、今は冷静ではないご様子。
…しばらく私に任せていただけませんか」
「…仕方あるまい」
程なくして輝李は乙を連れ、逃げるようにして屋敷を後にした。
宛て度もなく、ジェット機に乗り日本を離れた。
ジェット機の窓を見ている乙に向けて輝李が口を開く。
「乙…御免ね…」
「…何が?」
「僕…勝手な事をしちゃって…。
かえって乙に迷惑かけちゃった…」
乙は、俯く輝李の手をそっと握った。
「迷惑ならジェット機に乗る前に止めてるさ…」
「乙…」
それから二人は、従姉妹の住む屋敷にホームステイすることとなった。
ハイスクールの手配も済ませ、海外での生活は開放的で、二人を縛り付けるものは一切無く、毎日が二人の時間を邪魔するものはなかった。
ハイスクールの授業が終わると二人で買い物に、遊びに、夜になればお互いを求め熱い夜を過ごす。
慣れてきた頃、仲間同士過ごす事も多くなったが、それでも二人が離れる事もなく仲間内のパーティーに顔を出しては酒を飲み、夜明けまで楽しく過ごす日々がダラダラと続いた───
そこまで話すと乙は、一息付くために紅茶を口に含んだ。
神流はマグカップを見つめ、ポツリと呟いた。
「酷い話だな…。いくら家の事情だからって…」
「親父には…はなっから期待なんかしていない。
母さんが倒れた時から、俺は親父を未だに許せないでいる…。
葬儀の直前まで、仕事ばかりして母さんの事なんか見向きもしなかった」
(「アールグレイの月夜」参照)
「それで、見兼ねた輝李ちゃんが、乙を連れて海外…か」
「ああ。でも…しばらくは楽しく暮らしていた。
あの時までは、まだ良かったんだ。
俺が、アイツに出逢うまでは…」
「アイツ?」
乙は、目を伏せると静かに、その名を呼んだ。
「…小野崎 鈴音…」
──ある時、日本から交換留学生がやってきた。
少女の名前は…小野崎 鈴音
同じ日本人という共通点から、二人が親しくなるのにそんなに時間はかからなかった。
「ええ!!乙って女の子だったの!!」
「あ、ああ。気付かなかったのか?輝李の事は解ったくせに」
「だって、輝李って中性的だけど、どことなく解るじゃない。
…そう、なんだ…
乙…女の子、なんだ…」
「何だよ、意味ありげに」
「…私、乙は男の子だと思ってたから…」
「俺が女だと何かマズい事でもあるのか?」
「……////」
鈴音は黙り込み、俯くと少し顔を赤くした。
「何だよ」
「…別に。…言ったら軽蔑されちゃう////」
「じゃあ、俺が男だったら軽蔑されないことなのか?」
「…たぶん…」
「言ってみろよ。今は男として聞いてやるから」
「今は…男として?
私の事、軽蔑…しない?」
「ああ」
鈴音は少し恥ずかしそうに小さく言葉にした。
「…す、好きに…なったみたい…」
鈴音の言葉に少しビックリしたが乙は、鈴音にキスをし優しく微笑んだ。
「ありがとう、嬉しいよ。これが答えじゃ駄目?」
鈴音は嬉しそうに顔を赤くして首を振った。
乙にとって、輝李以外に初めて好意をもった。
それは“恋”だったのかもしれない。
それからは、鈴音と過ごす事が知らず知らずに多くなった。
もちろん、輝李も乙の変化に気付かないわけはなかった。
自分を抱かなくなった乙。
鈴音といる時、話している時、楽しそうに笑う乙。
その笑顔は輝李に向ける笑顔とは違っていた。
しかし、ある時から鈴音は乙を少しずつ避けるようになった。
そして…
しばらく経ったある日、
輝李が乙に一通の手紙を渡した。
それは、鈴音からの手紙だった。
《ごめんなさい。貴方を利用してしまった私を許して。
でも、貴方を愛していた事に嘘はないの。
乙…私が居なくても
乙の事を解ってくれる人が
いつか…きっと》
「何で…急に!!何でだよ!!」
輝李はそんな乙に少し淋しそうにいった。
「顔を見ると辛くなるからって…預かったんだ。
止められなかった。ごめん…」
その日から、鈴音がハイスクールに来る事はなかった。
乙は、方々を捜し回ったが結局、鈴音の消息はつかむ事が出来ず不明だった───
「そのしばらく後だ。
風の噂で鈴音が事故で、この世を去ったと聞いたのは…」
少し遠い目をして、乙が席を立ち紅茶のお代わりを持ってきた。
神流のマグカップに紅茶を入れながら乙は続けた。
「それから俺の生活は荒れた。
希望もなく、その絶望を忘れるために手当たり次第、女を口説いては愛欲に溺れる日々を送っていた。
そして、俺に合わせるように輝李もまた淫らな生活を送るようになった。
…でも、もしかしたら輝李は、もっと前からそうだったのかもしれない…。
俺が、輝李を裏切った、あの日から…」
「…乙…」
「そんな生活をしていたせいか、いつの間にか俺達には二つ名が付いていてな。
俺は[沈黙のseduction]
輝李は[踊る妖艶Doll]
と呼ばれていたよ。フッ…」
何かを吹っ切るように乙は淋しそうに笑った。
「それからアイツは俺によく突っ掛かってくるようになってな。
輝李は…俺を恨んでいるのかも知れないな…。
自分を裏切り、捨てた俺を…」
「乙…。今でも、輝李ちゃんを愛してるのか?」
「…ああ、姉妹としてな。
俺を一番理解しているのは、多分アイツだ…。
だからこそ俺は、輝李を憎めないのかもしれない」
「…そうか」
神流がそれ以上、二人の事に触れることはなかった。
それからは他愛のない話をして、時を過ごした。
話がある程度終わると神流は乙の部屋を後にする。
「悪かったな…。変なこと聞いてしまって…」
「いや、構わない」
「じゃあ、また明日」
「…ああ」
神流が出ていった後、乙は壁にもたれ目を伏せた。
そう。瀾の事と…今あの時と同じ心境にいることは神流には告げなかったのだ。
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