98 / 166
Present For You…
Present For You…4
しおりを挟む
ドンドン!!
「おい、瀾!!そこに居るのか!!
ここを開けろ!!」
いつになく乙は、意外にも取り乱していた。
別に瀾の事がどうこうと言うわけではないが、輝李が帰ってきている以上、瀾の存在が解れば何をされるか解らない。
「………」
中からは何やら声が聞こえるが何を言っているかは聞き取れなかった。
間違いない!!
瀾はこの中にいるのだ。
乙は、ガチャガチャとドアノブを引っ張った。
「電話に出なかった事を怒っているのか!?
ちゃんと謝るから、早く開けろ!!」
「……ッ…は…」
ドア越しに何を言っているか解らない。
「クッ!!そっちがその気なら…
こっちも無理矢理こじ開けさせてもらう」
業を煮やした乙は、少しドアから離れると勢いよく体当たりした。
もう一度…
そして、もう一度…
『チッ…!!時は一刻を争うってのに意外と頑丈に出来ている!!
体当たりじゃ埒があかないか!!
仕方ない…!!』
乙は、一歩ドアから下がる。
「クッ!!!!」
全神経を集中して、ドアめがけて回し蹴りを繰り出すとドアは勢い良く開いた。
──バンッ!!
「なッ…!!!!」
乙は、目の前の光景に思わず言葉を失った…。
そこには…確かに瀾がいた…!!
黒いレースカーテンに蝋燭の明かりが部屋を照らしている。
ベッドには赤いバラが一面敷き詰められ、ゴシックを思わせるようなレイアウト…
そのベッドの上には手を上に拘束され、猿轡と開かれた足には、その花核を刺激する器具が取り付けられ蜜を溢れさせた瀾が、黒い超ミニドレスとヘッドドレスを付けられ置かれていた。
「…な…み…」
乙は、目の前の信じらんない光景に目を見開いた。
「瀾っ!!!」
乙が瀾に駆け寄り手枷と猿轡を外すと、瀾を抱き支えた。
「瀾!!瀾!!しっかりしろ!!」
「…乙…さ…ま…」
「瀾…大丈…」
スルリと背中に伸びた瀾の腕。
「乙…様…、もっと…イかせて…下さい…
私を…もっとメチャクチャにして…
私は…貴女の…、人形…」
「!!!!」
抱き締めていた瀾を離すと、その瞳は虚ろで光すらない。
薄ら笑みを浮かべ、その笑みには感情すら通っていなかった。
「乙…様…。私を…見て…
こんなに淫らに…ア・ア・ア…///
乙…さま…来て…、私のココを壊して。クスクス…」
「…ッ…やめろ!!!」
乙は、すがりつく瀾を耐えられず突き放した。
ベッドの上に放られた瀾は、まるで何かに取付かれたように自分の身体を激しく、淫らに自ら慰め続けた。
ついこの間まで笑って、泣いて、不貞腐れて…。
その瀾が…
今や快楽だけを求める人形のように自分を慰めている。
乙は瀾の様子を茫然と見つめて、ポツリと言葉をついた。
「こんなになったら、もう…戻らない…。
…仕方ないな…」
静かに部屋にある電話の受話器を取った。
トゥルルル…トゥルルル…
「はい…」
「今井か…?俺だ…」
「乙様、どうされましたか?」
「…Dollオークションの手配を…」
「…かしこまりました…」
二人の会話は、夜の波の立たない水面のように静かだった。
乙は、受話器を静かに置くと目を伏せ、目の前のステンドグラスの絵画に拳を投げた。
バン!!!!!!
ピシピシ…
「…クッ…輝李…!!!」
自分の意思や思考さえ認識出来ず、ただ自分の身体を慰め続ける瀾の瞳から無意識に一粒の雫が流れた事を乙は知らなかった…。
「た…すけ…て…。乙…さ…ま」
ヒラリと乙自身から輝李から贈られたメッセージカードがおりた。
【…Present for you…】
※YouTubeボイスドラマ
アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー
第一期 完。
To Be Continued…
「おい、瀾!!そこに居るのか!!
ここを開けろ!!」
いつになく乙は、意外にも取り乱していた。
別に瀾の事がどうこうと言うわけではないが、輝李が帰ってきている以上、瀾の存在が解れば何をされるか解らない。
「………」
中からは何やら声が聞こえるが何を言っているかは聞き取れなかった。
間違いない!!
瀾はこの中にいるのだ。
乙は、ガチャガチャとドアノブを引っ張った。
「電話に出なかった事を怒っているのか!?
ちゃんと謝るから、早く開けろ!!」
「……ッ…は…」
ドア越しに何を言っているか解らない。
「クッ!!そっちがその気なら…
こっちも無理矢理こじ開けさせてもらう」
業を煮やした乙は、少しドアから離れると勢いよく体当たりした。
もう一度…
そして、もう一度…
『チッ…!!時は一刻を争うってのに意外と頑丈に出来ている!!
体当たりじゃ埒があかないか!!
仕方ない…!!』
乙は、一歩ドアから下がる。
「クッ!!!!」
全神経を集中して、ドアめがけて回し蹴りを繰り出すとドアは勢い良く開いた。
──バンッ!!
「なッ…!!!!」
乙は、目の前の光景に思わず言葉を失った…。
そこには…確かに瀾がいた…!!
黒いレースカーテンに蝋燭の明かりが部屋を照らしている。
ベッドには赤いバラが一面敷き詰められ、ゴシックを思わせるようなレイアウト…
そのベッドの上には手を上に拘束され、猿轡と開かれた足には、その花核を刺激する器具が取り付けられ蜜を溢れさせた瀾が、黒い超ミニドレスとヘッドドレスを付けられ置かれていた。
「…な…み…」
乙は、目の前の信じらんない光景に目を見開いた。
「瀾っ!!!」
乙が瀾に駆け寄り手枷と猿轡を外すと、瀾を抱き支えた。
「瀾!!瀾!!しっかりしろ!!」
「…乙…さ…ま…」
「瀾…大丈…」
スルリと背中に伸びた瀾の腕。
「乙…様…、もっと…イかせて…下さい…
私を…もっとメチャクチャにして…
私は…貴女の…、人形…」
「!!!!」
抱き締めていた瀾を離すと、その瞳は虚ろで光すらない。
薄ら笑みを浮かべ、その笑みには感情すら通っていなかった。
「乙…様…。私を…見て…
こんなに淫らに…ア・ア・ア…///
乙…さま…来て…、私のココを壊して。クスクス…」
「…ッ…やめろ!!!」
乙は、すがりつく瀾を耐えられず突き放した。
ベッドの上に放られた瀾は、まるで何かに取付かれたように自分の身体を激しく、淫らに自ら慰め続けた。
ついこの間まで笑って、泣いて、不貞腐れて…。
その瀾が…
今や快楽だけを求める人形のように自分を慰めている。
乙は瀾の様子を茫然と見つめて、ポツリと言葉をついた。
「こんなになったら、もう…戻らない…。
…仕方ないな…」
静かに部屋にある電話の受話器を取った。
トゥルルル…トゥルルル…
「はい…」
「今井か…?俺だ…」
「乙様、どうされましたか?」
「…Dollオークションの手配を…」
「…かしこまりました…」
二人の会話は、夜の波の立たない水面のように静かだった。
乙は、受話器を静かに置くと目を伏せ、目の前のステンドグラスの絵画に拳を投げた。
バン!!!!!!
ピシピシ…
「…クッ…輝李…!!!」
自分の意思や思考さえ認識出来ず、ただ自分の身体を慰め続ける瀾の瞳から無意識に一粒の雫が流れた事を乙は知らなかった…。
「た…すけ…て…。乙…さ…ま」
ヒラリと乙自身から輝李から贈られたメッセージカードがおりた。
【…Present for you…】
※YouTubeボイスドラマ
アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー
第一期 完。
To Be Continued…
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
モヒート・モスキート・モヒート
片喰 一歌
恋愛
「今度はどんな男の子供なんですか?」
「……どこにでもいる、冴えない男?」
(※本編より抜粋)
主人公・翠には気になるヒトがいた。行きつけのバーでたまに見かけるふくよかで妖艶な美女だ。
毎回別の男性と同伴している彼女だったが、その日はなぜか女性である翠に話しかけてきて……。
紅と名乗った彼女と親しくなり始めた頃、翠は『マダム・ルージュ』なる人物の噂を耳にする。
名前だけでなく、他にも共通点のある二人の関連とは?
途中まで恋と同時に謎が展開しますが、メインはあくまで恋愛です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる