【R18】アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー

Silence

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Present For You…

Present For You…4

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ドンドン!!

「おい、なみ!!そこに居るのか!!
ここを開けろ!!」

いつになくきのとは、意外にも取り乱していた。
別になみの事がどうこうと言うわけではないが、輝李きりが帰ってきている以上、瀾の存在が解れば何をされるか解らない。

「………」

中からは何やら声が聞こえるが何を言っているかは聞き取れなかった。
間違いない!!
なみはこの中にいるのだ。
きのとは、ガチャガチャとドアノブを引っ張った。

「電話に出なかった事を怒っているのか!?
ちゃんと謝るから、早く開けろ!!」
「……ッ…は…」

ドア越しに何を言っているか解らない。

「クッ!!そっちがその気なら…
こっちも無理矢理こじ開けさせてもらう」

業を煮やしたきのとは、少しドアから離れると勢いよく体当たりした。
もう一度…
そして、もう一度…


『チッ…!!時は一刻を争うってのに意外と頑丈に出来ている!!
体当たりじゃ埒があかないか!!
仕方ない…!!』

乙は、一歩ドアから下がる。

「クッ!!!!」

全神経を集中して、ドアめがけて回し蹴りを繰り出すとドアは勢い良く開いた。

──バンッ!!



「なッ…!!!!」

きのとは、目の前の光景に思わず言葉を失った…。
そこには…確かになみがいた…!!

黒いレースカーテンに蝋燭の明かりが部屋を照らしている。
ベッドには赤いバラが一面敷き詰められ、ゴシックを思わせるようなレイアウト…

そのベッドの上には手を上に拘束され、猿轡さるぐつわと開かれた足には、その花核を刺激する器具が取り付けられ蜜を溢れさせたなみが、黒い超ミニドレスとヘッドドレスを付けられ置かれていた。

「…な…み…」

きのとは、目の前の信じらんない光景に目を見開いた。

「瀾っ!!!」

きのとなみに駆け寄り手枷と猿轡を外すと、瀾を抱き支えた。

「瀾!!瀾!!しっかりしろ!!」
「…乙…さ…ま…」
「瀾…大丈…」

スルリと背中に伸びた瀾の腕。

「乙…様…、もっと…イかせて…下さい…
私を…もっとメチャクチャにして…
私は…貴女の…、人形…」
「!!!!」

抱き締めていたなみを離すと、その瞳は虚ろで光すらない。
薄ら笑みを浮かべ、その笑みには感情すら通っていなかった。

「乙…様…。私を…見て…
こんなに淫らに…ア・ア・ア…///
乙…さま…来て…、私のココを壊して。クスクス…」
「…ッ…やめろ!!!」

きのとは、すがりつくなみを耐えられず突き放した。
ベッドの上に放られた瀾は、まるで何かに取付かれたように自分の身体を激しく、淫らに自ら慰め続けた。

ついこの間まで笑って、泣いて、不貞腐れて…。
そのなみが…
今や快楽だけを求める人形のように自分を慰めている。
きのとなみの様子を茫然と見つめて、ポツリと言葉をついた。

「こんなになったら、もう…戻らない…。
…仕方ないな…」

静かに部屋にある電話の受話器を取った。


トゥルルル…トゥルルル…

「はい…」
「今井か…?俺だ…」
「乙様、どうされましたか?」
「…Dollオークションの手配を…」
「…かしこまりました…」

二人の会話は、夜の波の立たない水面のように静かだった。
きのとは、受話器を静かに置くと目を伏せ、目の前のステンドグラスの絵画に拳を投げた。

バン!!!!!!
ピシピシ…

「…クッ…輝李…!!!」


自分の意思や思考さえ認識出来ず、ただ自分の身体を慰め続けるなみの瞳から無意識に一粒の雫が流れた事を乙は知らなかった…。

「た…すけ…て…。乙…さ…ま」


ヒラリと乙自身から輝李きりから贈られたメッセージカードがおりた。


【…Present for you…】





※YouTubeボイスドラマ
アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー
第一期 完。
To Be Continued…
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