【R18】アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー

Silence

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悪魔の真珠

悪魔の真珠3

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「はぁ…」

なみは、きのとのベッドにうつ伏せに温もりの余韻と黄昏に身を委ねていた。


…そんな時、きのとの部屋のドアが、ゆっくりと静かに口を開いた。
音もなく一歩ずつ、輝李きりが部屋のメインルームに入ってきたのだ。
輝李は不意に、部屋にいる人の気配に気が付く。

ベッドルームに視界を向けると、なみを確認した。
ギラリと獲物を狙うフクロウのように妖しく笑みを浮かべ、小さく囁いた。

「……見つけた…」

輝李きりはベッドルームの縁に腕を組んで寄りかかり、なみの様子を見ていた。


「乙様…」

ため息混じりになみは黄昏ている。
輝李きりは、目を伏せクスリと笑うと次の瞬間!!
寒気を催すようなオーラを放ち、氷の表情で少し大きな声で存在を主張した。

「何をしてるのかなぁ!!」
「ッ!!!!」

輝李きりの声に、ビクッと振り向くと以前写真で見たことのある人物に気が付いた。
輝李は静かに口を開く。

野中のなか なみ…だね」
「……!!」
きのとの専属メイド…。
フッ…それにしては乙のベッドに横たわってるなんて、メイド失格だね!!」

輝李きりの言葉にハッとして、慌ててベッドから飛び降りる。
深々と頭を下げる。

「あ、あの…!!申し訳ありません!!!」
「それとメイドは仕事中に携帯電話を所持することは許されてないはずだけど?」

輝李きりは、チラリとベッドの上に置いてある携帯電話に目をやりながら、はき捨てた。
なみは、サッと携帯を手に取ると後ろ手に隠した。

「あ、あの…こ、これは…」

自分の失態になみは、申し訳なさそうに俯いた。
輝李きりは、ゆっくりと瀾に近付き、瀾の周りをグルリと歩きながら、瀾の頬から首元をスルリと撫でた。
それはまるで、まとわり付く蛇のように…。

「ああ…そういう事か…なるほどね…」

何かを悟って笑みを浮かべたが、次には冷たくはき捨てるように続けた。

「フン!!たかがペットのくせに!!
身の程を知らないとはこの事か!!」

見下すような冷たい瞳…。
嫌悪感がヒシヒシと肌を刺し、なみは寒気をもよおした。
言葉を失っている瀾に輝李きりは、悪魔の微笑みを浮かべ、恐ろしい一言を投げた。

「さて…僕の相手もしてもらおうか。
今まで感じた事がないような世界にあげるよ…」
「あ…ああ…」
「…最も、帰ってこれるかどうかは保証しないけど?」
「…あ…あ…」

その威圧感になみは、顔を真っ青にして一歩後退る。

「そうだ、壊れちゃうかもしれないんだ。
最後にきのとの声を聞かせてあげるよ。
でね…」

そう言うとなみの手から携帯をもぎ取り、きのとの携帯にコールを入れた。
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