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悪魔の真珠
悪魔の真珠1
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あれから2人の時間はゆったりと進んだ。
乙は、寮制だというのに学院が休みの時には屋敷に帰ってくるようになった。
由緒ある女子校なのに制服はズボンタイプとスカートタイプがある学院だった。
乙はもちろん、ズボンタイプを選んだ。
乙が帰ってくると瀾は、直ぐ様ティータイムの用意をしていそいそと乙の部屋に急いだ。
ノックして中に入ると、瀾は乙に駆け寄り腕に包まれる。
「乙様~!!」
「クス、ただいま」
「お帰りなさい!!」
キスを交わし、ティータイムを過ごす。
あの日、2人の間に交わされた小さな約束。
〔「遊びでもいい…。
今だけ…ほんの少しの間…
夢を見ても…良いですか…?
乙様のお側に…」
「…瀾…」〕
お互いが暗黙の了解で、それ以上の事は聞かない代わりに乙の気持ちが入っていなくても瀾は、今の時間を本当の恋人のように過ごすようになった。
そして、乙もそんな瀾の気持ちに応えた。
「乙様、学院には慣れました?」
紅茶を入れながら瀾が尋ねた。
「ん?ああ、まぁな」
紅茶とお菓子をソファーに座っている乙の前に置くと、隣に腰掛け寄り添い上目遣いに見つめた。
「乙様、おモテになるから心配です」
「心配?何が?…浮気か?」
浮気…そんなもの乙にとっては、あってないようなものだ。
それは瀾にも充分解っていた。
自分もその1人だと…。
しかし瀾は、あえて顔には出さず甘えてみる。
瀾の頭を撫でると乙は優しく微笑んだ。
「するように見えるのか?」
「…少し」
瀾は悪戯っぽく笑った。
「クス…参ったな。
瀾、今日は部屋に泊まってけよ。
せっかく帰ってきたんだから」
「はい///」
「新しいメイド服、似合ってるな」
「本当ですか?」
「…ああ、選んで良かった」
他愛のない会話が部屋を包み、瀾から笑顔が絶える事はなかった。
夕食を終え、乙の部屋に向かうと乙がドアまで出迎える。
瀾にとって、この一日は、ひと時ひと時が幸せで、このまま時が止まれば良いとさえ思ってしまう。
週に一度の2人の時間…。
乙の笑顔が自分だけに注がれる時間…。
乙は、寮制だというのに学院が休みの時には屋敷に帰ってくるようになった。
由緒ある女子校なのに制服はズボンタイプとスカートタイプがある学院だった。
乙はもちろん、ズボンタイプを選んだ。
乙が帰ってくると瀾は、直ぐ様ティータイムの用意をしていそいそと乙の部屋に急いだ。
ノックして中に入ると、瀾は乙に駆け寄り腕に包まれる。
「乙様~!!」
「クス、ただいま」
「お帰りなさい!!」
キスを交わし、ティータイムを過ごす。
あの日、2人の間に交わされた小さな約束。
〔「遊びでもいい…。
今だけ…ほんの少しの間…
夢を見ても…良いですか…?
乙様のお側に…」
「…瀾…」〕
お互いが暗黙の了解で、それ以上の事は聞かない代わりに乙の気持ちが入っていなくても瀾は、今の時間を本当の恋人のように過ごすようになった。
そして、乙もそんな瀾の気持ちに応えた。
「乙様、学院には慣れました?」
紅茶を入れながら瀾が尋ねた。
「ん?ああ、まぁな」
紅茶とお菓子をソファーに座っている乙の前に置くと、隣に腰掛け寄り添い上目遣いに見つめた。
「乙様、おモテになるから心配です」
「心配?何が?…浮気か?」
浮気…そんなもの乙にとっては、あってないようなものだ。
それは瀾にも充分解っていた。
自分もその1人だと…。
しかし瀾は、あえて顔には出さず甘えてみる。
瀾の頭を撫でると乙は優しく微笑んだ。
「するように見えるのか?」
「…少し」
瀾は悪戯っぽく笑った。
「クス…参ったな。
瀾、今日は部屋に泊まってけよ。
せっかく帰ってきたんだから」
「はい///」
「新しいメイド服、似合ってるな」
「本当ですか?」
「…ああ、選んで良かった」
他愛のない会話が部屋を包み、瀾から笑顔が絶える事はなかった。
夕食を終え、乙の部屋に向かうと乙がドアまで出迎える。
瀾にとって、この一日は、ひと時ひと時が幸せで、このまま時が止まれば良いとさえ思ってしまう。
週に一度の2人の時間…。
乙の笑顔が自分だけに注がれる時間…。
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