73 / 166
猫遊戯
猫遊戯(ねこじゃらし)10
しおりを挟む
コンコン…
部屋のノックが聞こえた。
「空いている」
「失礼いたします」
乙が返事をすると執事の今井が入ってきた。
「ああ、今井か…何か解ったのか?」
「…それが…申し訳ありません」
「成る程…、今井の情報網でも解らないとなると仕方ないなぁ…。
他の学園の手配を」
「申し訳ありません」
「いや、気にしなくていい」
「お気遣いありがとうございます。
…しかし、たかが編入一つに面妖だと思いませんか?」
「ああ…俺もそれが引っ掛かっていたんだ。
しかも誰の仕業かも出てこない」
「もう少し、調べて見ましょうか」
「ああ…頼む」
「かしこまりました」
今井は、一例をして部屋を出ていった。
乙は、溜め息をつくと、また考え込んだ。
何気なく選んだ学園だったが、一体何があるというのか…。
まさか海外での素行でも調べられたのだろうか?
「フッ、まさか…な…」
コンコン…
また、ノックが鳴った。
「はい?」
カチャリとドアを開けると、一人のメイドが立っていた。
「あの…」
「なんだ?」
「衣類の…クリーニングが…終わったので…あの…お持ちしました///」
しかし、メイドの手には何もない。
「…?俺には手ぶらに見えるんだが…。
それにクリーニングなら、あそこに」
乙が、外出中に瀾が持って来たであろう出来上がったクリーニングの服に視線をやると、
「あの…!!」
メイドは顔を赤くして、モジモジと俯いている。
乙は少し考えるとメイドに言った。
「…まぁ、いい。
そんな所に立っていても仕方がない、入れよ」
「あ、ありがとうございます///」
部屋の中に入ってもメイドは、俯いたままモジモジとしている。
「…で?何を持ってきたんだ?」
「あの…///」
顔を赤くして俯くメイドの首元に手を添えると顔をあげさせ、クールに優しく見つめる。
メイドを見て何かを悟り、またしても乙の悪い癖が出たらしい。
完全にスイッチが入っている。
「あの…じゃあ、解らない…」
「あ…///」
「ん?なんだ?
何か渡しに来たんじゃないのか?」
「////」
「可愛い反応だな♪」
「あ…あの…///」
「ん?」
「こ、これ…////」
メイドが差し出したのは、白いハンカチだった。
「?」
「乙様は…覚えてらっしゃらないかも知れませんが…///
以前、お屋敷に戻られた時に、まだ新人で怒られてばかりで…
泣いていた私に貸して下さったものです…///」
そんな事もあっただろうか…。
何となく乙は記憶をたどった。
メイドは、恥ずかしそうに続けた。
「あの後…乙様、また海外に戻られて返しそびれてしまって///」
「そうか。ずいぶん待たせてしまったな」
「いえ…///このハンカチのおかげで辛い時も…頑張れました//」
「そうか…じゃあ、待たせてしまったお詫びをしないとな」
「え、そんな!! とんでもな…ン//」
不意に、乙の唇が重なった。
「んん…///ふぁ…//」
「可愛いな…」
乙の腕が彼女の腰に周り…
部屋のノックが聞こえた。
「空いている」
「失礼いたします」
乙が返事をすると執事の今井が入ってきた。
「ああ、今井か…何か解ったのか?」
「…それが…申し訳ありません」
「成る程…、今井の情報網でも解らないとなると仕方ないなぁ…。
他の学園の手配を」
「申し訳ありません」
「いや、気にしなくていい」
「お気遣いありがとうございます。
…しかし、たかが編入一つに面妖だと思いませんか?」
「ああ…俺もそれが引っ掛かっていたんだ。
しかも誰の仕業かも出てこない」
「もう少し、調べて見ましょうか」
「ああ…頼む」
「かしこまりました」
今井は、一例をして部屋を出ていった。
乙は、溜め息をつくと、また考え込んだ。
何気なく選んだ学園だったが、一体何があるというのか…。
まさか海外での素行でも調べられたのだろうか?
「フッ、まさか…な…」
コンコン…
また、ノックが鳴った。
「はい?」
カチャリとドアを開けると、一人のメイドが立っていた。
「あの…」
「なんだ?」
「衣類の…クリーニングが…終わったので…あの…お持ちしました///」
しかし、メイドの手には何もない。
「…?俺には手ぶらに見えるんだが…。
それにクリーニングなら、あそこに」
乙が、外出中に瀾が持って来たであろう出来上がったクリーニングの服に視線をやると、
「あの…!!」
メイドは顔を赤くして、モジモジと俯いている。
乙は少し考えるとメイドに言った。
「…まぁ、いい。
そんな所に立っていても仕方がない、入れよ」
「あ、ありがとうございます///」
部屋の中に入ってもメイドは、俯いたままモジモジとしている。
「…で?何を持ってきたんだ?」
「あの…///」
顔を赤くして俯くメイドの首元に手を添えると顔をあげさせ、クールに優しく見つめる。
メイドを見て何かを悟り、またしても乙の悪い癖が出たらしい。
完全にスイッチが入っている。
「あの…じゃあ、解らない…」
「あ…///」
「ん?なんだ?
何か渡しに来たんじゃないのか?」
「////」
「可愛い反応だな♪」
「あ…あの…///」
「ん?」
「こ、これ…////」
メイドが差し出したのは、白いハンカチだった。
「?」
「乙様は…覚えてらっしゃらないかも知れませんが…///
以前、お屋敷に戻られた時に、まだ新人で怒られてばかりで…
泣いていた私に貸して下さったものです…///」
そんな事もあっただろうか…。
何となく乙は記憶をたどった。
メイドは、恥ずかしそうに続けた。
「あの後…乙様、また海外に戻られて返しそびれてしまって///」
「そうか。ずいぶん待たせてしまったな」
「いえ…///このハンカチのおかげで辛い時も…頑張れました//」
「そうか…じゃあ、待たせてしまったお詫びをしないとな」
「え、そんな!! とんでもな…ン//」
不意に、乙の唇が重なった。
「んん…///ふぁ…//」
「可愛いな…」
乙の腕が彼女の腰に周り…
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる