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和真はゆっくり、僕の手を離す。
和真がキスした手の甲を見つめ、男の僕に躊躇なく自然にキスするなんてと、感心してしまった。
確か、キスする場所には意味があると橙真兄さんが教えてくれた事があったとふと、思い出す。
それは、お風呂から上がりで、タオルだけ身に付けた格好でベッドの上に座らせ、橙真兄さんが拭き忘れが無いように髪から体を丁寧に拭いていく。
拭き終えると次は、ドライヤーで髪を乾かす。
最後にボディーローションで体中の隅々まで時間を掛けて、マッサージする。
橙真兄さんはローションを手のひらに垂らすと人肌に温めてから僕の全身に塗ると揉んだり、摩擦したりしていくのが、毎日の日課だった。
気持ちいいマッサージで体が解れ、心もとろけて気付いたら寝てしまう。
そんな僕を橙真兄さんはそのままそっと抱きしめながら一緒に寝るのだか、橙真兄さんがおもむろに口を開く。
「とーりちゃん、キスする場所には意味があるのよ」
「意味…?」
体に力が入らなく、頭の中がふわふわした僕は橙真兄さんの鍛えられた胸に頭を乗せる格好で、話に耳を傾けた。
「そうよ」
すると、胸に頭を乗せる体勢から軽々とズラし、僕を自分と向き合う体勢に変えた。
今、橙真兄さんと見つめ合ってる状態だ。
橙真兄さんの綺麗に整った顔は、見慣れたはずなのになんか、恥ずかしかった。
絶対、僕の顔が赤くなってる!
「唇にキスするのはね、愛情」
そう言うと橙真兄さんは僕の顎をクイっと上げ、唇に優しくキスをする。
「手の甲は敬愛」
次に手を取って甲にキスをする。
一つ一つの動きに見惚れ、されるがままに体勢も変えられながら喉、首筋、胸、腕、手首、腰、太もも、脛、足の甲、爪先と順にキスをしていく。
ちなみに欲求、執着、所有、恋慕、欲望、束縛、支配、服従、隷属、崇拝の意味があるらしい。
「いっぱい、あるんだね」
唇にキスは毎日して慣れているが、他のところにキスされるのは慣れない。
「兄さん、ごめんなさい。全部覚えられないよ…」
「大丈夫、覚えられるまで毎日キスをするから」
そして何度も何度も、体中にキスされた。
思い起こしているとどれくらい時間が経っていたのかふと、窓から外見ると建物が見えた。
僕は兄達も通った、美月学園中高一貫教育学校高等学校が見えた。
校舎は歴史が古く。
文化財に登録される、今は珍しいゴシック様式の建築だ。
美月学園には幼稚園もあり、橙真兄さんと勇橙兄さんも自分が通っていた学校で安心だからと美月学園に入園してからそのまま小、中そして、高校と通っている。
学食が美味しいだよなー
なんでも、学園の学食はスーパーモデル御用達の栄養士の監修のもと全力で徹底に作っている。女子生徒達は大喜びで買ってきたり、自分で作るより学食にする生徒がほとんど。
僕が入学してすぐに学食の見直しして変わった。兄達が通っていた時はほとんどお弁当持参して、学食は食べたことないが栄養士は信頼できる男で、美味しいと言っていた。
僕も橙真兄さんと勇橙兄さんの手作りお弁当でいいのにと思った。
車は僕と和真が通う高校に到着し、来客用駐車場に停まる。
停まってすぐに僕側のドアが開けられ、手を差し伸べられた。
僕は疑いもせずその手を借り、車から降りる。
僕の目の前にスーツのボタンが映る。
顔を上げるとこれまたイケメンの男性と目が合った。
手を握られたまま、男性は優しく微笑み、甘い声で挨拶する。
「おはよう、橙利君」
いい声…。
「おはようございます…有馬先生」
僕が挨拶を返すと有馬先生は嬉しそうな笑みを向ける。
有馬 潤、33歳。僕と和真のクラス担任でこの高校の理事長の息子で、橙真兄さんの親友。
そして僕が今でも家庭教師をしてもらっている人物であった。
有馬先生には出来が悪くて、いつも迷惑を掛けて申し訳ないとしか言えない。
家庭教師の日。
手に触れて分かるほどの上質な木製、システムデスクにノートを広げる。
デスクは自由に組み換えができ、壁面収納で場所も取らない、余計な物を置きたくない橙真兄さんが、選んで買ってくれたんだ。
有馬先生はいつものように、僕の腰に手を回し密着して勉強を教える。
近すぎる気がするけど有馬先生曰く、人は分からない事に直面すると、体温が熱くなったり、体が震えるからすぐに対応が出来やすくなる。
何よりも人肌は安心出来るから触れていた方が頭に入りやすくから良いと言っていた。
なので、僕と有馬先生の間にほとんど隙間が無い。
実際に苦手な問題に直面した時、
「分からないことは、なんでも聞いて」
すぐに優しく聞いてくれる。
本当だ!すぐに対応できるだ!
「この公式は、ここを使うと解きやすいよ」
「はい」
有馬先生の教え方は本当に分かりやすいから、スラスラ問題が解ける。
少しドキドキするけど。
最初はなんでも出来る有馬先生に緊張してたが、おっちょこちょいなところもある事を知ってか、有馬先生も人の子だと思ってからは緊張はしなくなった。
別の緊張はするけど....
何度か有馬先生お手製の問題集を解いていくと習った覚えのない問題が出てきて、有馬先生が間違うわけもないとまったく頭に『疑う』という文字はなかったが、ペンは止まる。
すると、有馬先生がペンを持っていた僕の手を優しく握り、
「ゆっくりと焦らずに、時間はたっぷりあるから」
優しく声をかけてくれる。
体が触れてるから有馬先生には分かってしまう。
それでも分からなく、困っていると、
「今日は泊まりで教えるから、じっくり解いて行こう。解けるまで、寝かせられないかもしれないけどね」
なーんて、耳に直接、甘い声で囁かれるから腰が抜けそうになったが丁寧に教えてもらい、寝かしてももらった。
「すまない、あの問題は大学で勉強するところだった」
とあとから謝罪されたが、いつかは勉強するなら無駄じゃない、逆に得したな気分だ。なにより、有馬先生の意外な一面が見えたのでダブルで得したと思った。
それから、有馬先生のおっちょこちょいは何度もあった。
その度に有馬先生の膝の上で勉強して間違えたり、答えられなかったりすると喉や首筋にキスや舐められる。
ドキドキが止まらない。
そんな、おっちょこちょいの有馬先生はグレー色の2ピーススーツを着こなし、橙真兄さんと同じぐらいの長身。
学生の時にやっていたバスケで鍛え、今もキープしているがっしりした体格をしている。
橙真兄さんも着痩せして見えるが、両親が死ぬまでは部活は弓道部に所属し主将も務めていて、体を鍛えていた。
弓道着の橙真兄さんは凄くかっこいい、学生をメインした雑誌にも載ったくらいだ。
僕は知っている。毎日一緒にお風呂に入り、裸のまま抱きついて寝る僕は知ってるが橙真兄さんも負けず鍛えぬかれた肉体美を誇っている。
ふと、自分の見るからに貧弱な体格が悲しくなってきた。
勇橙兄さんも和真も僕の周囲は、男として羨ましい体格をしている事に落胆する。
有馬先生は僕が憧れる人だ。
有馬先生見たいな男になれば、橙真兄さんと勇橙兄さんに心配させなくなるし、迷惑もかけない。
兄達を支えてられる男になりたい….。
有馬先生の手は和真より大きく、兄達と同じ大人の男の手。
僕は羨ましく思いながら握らる手を見てると、有馬先生がごく自然に僕の手の甲にキスをした。
手の甲にキスされすぐに解放されると思ったら、ひっくり返されて手のひらにもキスをした。
有馬先生は、敬愛だけじゃなく懇願も….。
ゆっくり、解放された。
「有馬、おはよう」
「おはようございます、有馬先生」
いつの間にか車から降り、僕の両サイドに橙真兄さんと和真が立っていて、挨拶を返す。
「ああ、おはよう。橙真、篠原」
その時の橙真兄さんと和真に挨拶を返す有馬先生の表情に、笑顔はなかった。
僕には、挨拶されて嬉しそうな顔を凄くする。
「有馬、とーりちゃんをよろしくな」
僕の肩にそっと手を置き、橙真兄さんが真剣な表情で言った。
「任せておけ。あと例の女子生徒の件も篠原と対処しておく」
有馬先生も同じく、真剣な表情で返す。
例の女子生徒....。
僕は家で橙真兄さんと和真が言っていた、花澤 麗菜のことだろと分かった。
「有馬が対処するってことはやはり、あいつと繋がっていたか….」
「ああ。それに、裏で金を貰っている」
橙真兄さんの表情が険しくなり、取り巻く空気がどんどん重くなる。
僕の肩に置く手は、いつも変わらない優しく置いているが重く感じる。
橙真兄さん….。
そんな時、
「お待ち下さいませ!」
突然の声に、重い空気が一瞬で変わった。
和真がキスした手の甲を見つめ、男の僕に躊躇なく自然にキスするなんてと、感心してしまった。
確か、キスする場所には意味があると橙真兄さんが教えてくれた事があったとふと、思い出す。
それは、お風呂から上がりで、タオルだけ身に付けた格好でベッドの上に座らせ、橙真兄さんが拭き忘れが無いように髪から体を丁寧に拭いていく。
拭き終えると次は、ドライヤーで髪を乾かす。
最後にボディーローションで体中の隅々まで時間を掛けて、マッサージする。
橙真兄さんはローションを手のひらに垂らすと人肌に温めてから僕の全身に塗ると揉んだり、摩擦したりしていくのが、毎日の日課だった。
気持ちいいマッサージで体が解れ、心もとろけて気付いたら寝てしまう。
そんな僕を橙真兄さんはそのままそっと抱きしめながら一緒に寝るのだか、橙真兄さんがおもむろに口を開く。
「とーりちゃん、キスする場所には意味があるのよ」
「意味…?」
体に力が入らなく、頭の中がふわふわした僕は橙真兄さんの鍛えられた胸に頭を乗せる格好で、話に耳を傾けた。
「そうよ」
すると、胸に頭を乗せる体勢から軽々とズラし、僕を自分と向き合う体勢に変えた。
今、橙真兄さんと見つめ合ってる状態だ。
橙真兄さんの綺麗に整った顔は、見慣れたはずなのになんか、恥ずかしかった。
絶対、僕の顔が赤くなってる!
「唇にキスするのはね、愛情」
そう言うと橙真兄さんは僕の顎をクイっと上げ、唇に優しくキスをする。
「手の甲は敬愛」
次に手を取って甲にキスをする。
一つ一つの動きに見惚れ、されるがままに体勢も変えられながら喉、首筋、胸、腕、手首、腰、太もも、脛、足の甲、爪先と順にキスをしていく。
ちなみに欲求、執着、所有、恋慕、欲望、束縛、支配、服従、隷属、崇拝の意味があるらしい。
「いっぱい、あるんだね」
唇にキスは毎日して慣れているが、他のところにキスされるのは慣れない。
「兄さん、ごめんなさい。全部覚えられないよ…」
「大丈夫、覚えられるまで毎日キスをするから」
そして何度も何度も、体中にキスされた。
思い起こしているとどれくらい時間が経っていたのかふと、窓から外見ると建物が見えた。
僕は兄達も通った、美月学園中高一貫教育学校高等学校が見えた。
校舎は歴史が古く。
文化財に登録される、今は珍しいゴシック様式の建築だ。
美月学園には幼稚園もあり、橙真兄さんと勇橙兄さんも自分が通っていた学校で安心だからと美月学園に入園してからそのまま小、中そして、高校と通っている。
学食が美味しいだよなー
なんでも、学園の学食はスーパーモデル御用達の栄養士の監修のもと全力で徹底に作っている。女子生徒達は大喜びで買ってきたり、自分で作るより学食にする生徒がほとんど。
僕が入学してすぐに学食の見直しして変わった。兄達が通っていた時はほとんどお弁当持参して、学食は食べたことないが栄養士は信頼できる男で、美味しいと言っていた。
僕も橙真兄さんと勇橙兄さんの手作りお弁当でいいのにと思った。
車は僕と和真が通う高校に到着し、来客用駐車場に停まる。
停まってすぐに僕側のドアが開けられ、手を差し伸べられた。
僕は疑いもせずその手を借り、車から降りる。
僕の目の前にスーツのボタンが映る。
顔を上げるとこれまたイケメンの男性と目が合った。
手を握られたまま、男性は優しく微笑み、甘い声で挨拶する。
「おはよう、橙利君」
いい声…。
「おはようございます…有馬先生」
僕が挨拶を返すと有馬先生は嬉しそうな笑みを向ける。
有馬 潤、33歳。僕と和真のクラス担任でこの高校の理事長の息子で、橙真兄さんの親友。
そして僕が今でも家庭教師をしてもらっている人物であった。
有馬先生には出来が悪くて、いつも迷惑を掛けて申し訳ないとしか言えない。
家庭教師の日。
手に触れて分かるほどの上質な木製、システムデスクにノートを広げる。
デスクは自由に組み換えができ、壁面収納で場所も取らない、余計な物を置きたくない橙真兄さんが、選んで買ってくれたんだ。
有馬先生はいつものように、僕の腰に手を回し密着して勉強を教える。
近すぎる気がするけど有馬先生曰く、人は分からない事に直面すると、体温が熱くなったり、体が震えるからすぐに対応が出来やすくなる。
何よりも人肌は安心出来るから触れていた方が頭に入りやすくから良いと言っていた。
なので、僕と有馬先生の間にほとんど隙間が無い。
実際に苦手な問題に直面した時、
「分からないことは、なんでも聞いて」
すぐに優しく聞いてくれる。
本当だ!すぐに対応できるだ!
「この公式は、ここを使うと解きやすいよ」
「はい」
有馬先生の教え方は本当に分かりやすいから、スラスラ問題が解ける。
少しドキドキするけど。
最初はなんでも出来る有馬先生に緊張してたが、おっちょこちょいなところもある事を知ってか、有馬先生も人の子だと思ってからは緊張はしなくなった。
別の緊張はするけど....
何度か有馬先生お手製の問題集を解いていくと習った覚えのない問題が出てきて、有馬先生が間違うわけもないとまったく頭に『疑う』という文字はなかったが、ペンは止まる。
すると、有馬先生がペンを持っていた僕の手を優しく握り、
「ゆっくりと焦らずに、時間はたっぷりあるから」
優しく声をかけてくれる。
体が触れてるから有馬先生には分かってしまう。
それでも分からなく、困っていると、
「今日は泊まりで教えるから、じっくり解いて行こう。解けるまで、寝かせられないかもしれないけどね」
なーんて、耳に直接、甘い声で囁かれるから腰が抜けそうになったが丁寧に教えてもらい、寝かしてももらった。
「すまない、あの問題は大学で勉強するところだった」
とあとから謝罪されたが、いつかは勉強するなら無駄じゃない、逆に得したな気分だ。なにより、有馬先生の意外な一面が見えたのでダブルで得したと思った。
それから、有馬先生のおっちょこちょいは何度もあった。
その度に有馬先生の膝の上で勉強して間違えたり、答えられなかったりすると喉や首筋にキスや舐められる。
ドキドキが止まらない。
そんな、おっちょこちょいの有馬先生はグレー色の2ピーススーツを着こなし、橙真兄さんと同じぐらいの長身。
学生の時にやっていたバスケで鍛え、今もキープしているがっしりした体格をしている。
橙真兄さんも着痩せして見えるが、両親が死ぬまでは部活は弓道部に所属し主将も務めていて、体を鍛えていた。
弓道着の橙真兄さんは凄くかっこいい、学生をメインした雑誌にも載ったくらいだ。
僕は知っている。毎日一緒にお風呂に入り、裸のまま抱きついて寝る僕は知ってるが橙真兄さんも負けず鍛えぬかれた肉体美を誇っている。
ふと、自分の見るからに貧弱な体格が悲しくなってきた。
勇橙兄さんも和真も僕の周囲は、男として羨ましい体格をしている事に落胆する。
有馬先生は僕が憧れる人だ。
有馬先生見たいな男になれば、橙真兄さんと勇橙兄さんに心配させなくなるし、迷惑もかけない。
兄達を支えてられる男になりたい….。
有馬先生の手は和真より大きく、兄達と同じ大人の男の手。
僕は羨ましく思いながら握らる手を見てると、有馬先生がごく自然に僕の手の甲にキスをした。
手の甲にキスされすぐに解放されると思ったら、ひっくり返されて手のひらにもキスをした。
有馬先生は、敬愛だけじゃなく懇願も….。
ゆっくり、解放された。
「有馬、おはよう」
「おはようございます、有馬先生」
いつの間にか車から降り、僕の両サイドに橙真兄さんと和真が立っていて、挨拶を返す。
「ああ、おはよう。橙真、篠原」
その時の橙真兄さんと和真に挨拶を返す有馬先生の表情に、笑顔はなかった。
僕には、挨拶されて嬉しそうな顔を凄くする。
「有馬、とーりちゃんをよろしくな」
僕の肩にそっと手を置き、橙真兄さんが真剣な表情で言った。
「任せておけ。あと例の女子生徒の件も篠原と対処しておく」
有馬先生も同じく、真剣な表情で返す。
例の女子生徒....。
僕は家で橙真兄さんと和真が言っていた、花澤 麗菜のことだろと分かった。
「有馬が対処するってことはやはり、あいつと繋がっていたか….」
「ああ。それに、裏で金を貰っている」
橙真兄さんの表情が険しくなり、取り巻く空気がどんどん重くなる。
僕の肩に置く手は、いつも変わらない優しく置いているが重く感じる。
橙真兄さん….。
そんな時、
「お待ち下さいませ!」
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