272 / 330
四章
二百六十話 砂漠の遺跡Ⅱ
しおりを挟む
魔物と来たか。
確かにあんなのが何匹も巣食ってる場所が、街から数日の場所にあったとなれば、捨て置くことなんて出来ないわよね。流石に法国側も危険だと解っている遺跡まで暴くなと言う訳にも行かなかったってことかしら。
それなら、神子だの勇者の卵だのが出張ってきてもおかしくない。
なんせ、あとから聞いた話だけど、あの地下遺跡に巣食っていたヤツは、魔物としては大したことない部類のやつだったらしい。
危険度の高い魔物になると、軍が派遣されることもあるというのだから、有名なチームが複数のパーティを募って挑むのも無理ない話だと思う。
ま、私達は所詮後詰。魔物と出会うことなんて無いでしょうし、もし出会ってしまったとしても、それは内部の攻略班が全滅したというのに等しいのだから、戦わずに死ぬ気で逃げ帰って情報を持ち帰るのが仕事になる。
結局魔物との戦闘は最初から考慮しなくて良いのだから気楽なもんなのよね。
この旅の最大の目的は、ハティちゃんとキョウくんの捜索だけれども、もう一つに私とエリスの戦力強化というのもある。それを考えると、強敵との戦闘というのは得難い機会ではあるのだけど……
「ま、カラクルムからしてみればたまったもんじゃないわよね。自領の中に魔物がいるとわかっている遺跡があったりしたら、そりゃ排除したがるわね」
「法国としては、たとえ魔物が居ようとも遺跡への接触を禁じるように警告したのですが、カラクルムは受け入れるつもりは無いようで……」
当然でしょ。確かに言い伝えっていうのは馬鹿にできないのだろうけど、実際に危機に瀕してる他国の自衛に口をだすのはヤバいんじゃないのかしら? それが出来るくらいにサルヴァの影響力が強いって事?
「そりゃ受け入れられないでしょ。家の軒先に危険な魔物が居ると判っているのに対処するななんて、死ねって言われているようなものでしょうに」
「え? あの、でも、もし言い伝えを守らなければ、もっとひどいことが起きるかも知れないんですよ?」
「もし、言い伝えを守らなかったおかげで、危機を排除出来て、何も危機は起こらなかったとしたら?」
「あの、それは、ただの結果論ではないでしょうか」
どうにも、物語に出てくる宗教関係の信者って、自分たちの信じる教えこそ全てで、それ以外の考えは考慮の余地すら無いっていう思考で書かれることが多いけど、ご多分に漏れずこの子もそのパターンっぽいわね……
「ねぇ、ノルドくん。かもしれない、で明確な危機を前にして何もせず死ねと言うよりはよっぽど良いと私は思うのだけど?」
「あのあの、いけません、そんな自分本意な考え方では要らぬ危険を掘り起こしてしまいますよ? お嬢さんもそう思いますよね?」
「……私?」
突然話を振られて、いつもどおり会話から離れていたエリスが驚いて
「そんなの当人が決める話。言い伝えを破った結果ひどい目にあっても、守って魔物に殺されても、実際関わった人だけの出来事なんでしょ? 他の人がなにか言うことじゃないと思う」
滅茶苦茶ドライな意見だった。
というか、我関せずみたいな顔してやっぱりちゃんと話を聞いてるのね。
「あの、でも、もし遺跡を暴いたら良くないことが起きるかも知れないんですよ?」
「そんなの、良くないものを人里近くの遺跡に閉じ込めた昔の人が悪いんじゃないの? それに、そういう理由があったのに、結局今探索してるのはどうして? この国の人が身を守るために入るのはダメで、あなた達が入るのは良いの?」
「そ、それは、個々が危険だと我々は理解して……」
「あなた達にそう言われて理解していたから、この国の人達もこれまで手を出してこなかったんでしょ? 危険かもしれないなんて知っていると思うよ? 今までは従ってきたんだから。それでも、『危険かもしれない』よりも『絶対に危険』の方を重視したんじゃないの?」
「あの、その、それは……」
あー、これは……
あの子の言葉は全て「かもしれない」から始まる意見だけど、エリスの答えは客観的に見た今起こっている事実からの純粋な疑問だ。実際にあった事、起こっている事への対応に「かもしれない」では通用しない。
多分、面倒くさい返答をする私よりもエリスのほうが与し易いと踏んで話を振ったんだろうけど、相手を間違えたわねぇ。
「ねぇあなたはさっきからずっともしもの話をするけど、じゃあ『もしも』その遺跡があなたの生まれ故郷の近くにあったとしたら?」
「……? 当然、教えを守りますよ。当たり前じゃないですか。確かに僕の村もしきたりを守るために山狼の群れに襲われ滅びましたが、それによって大きな災厄を呼び起こさずに済んだかもしれないのです。きっと父や母も皆誇らしげに女神へ命を差し出した事でしょう」
「あ、そう……あなたにとってそれが正義なのね」
あ、ヤバい、想定外の返しだ。もしかしてこの子もあの神父みたいな狂信者の類なの?
……いや、もしかしたらサルヴァ教の一般信者の思考回路がこういうものだって可能性もあるのよね。勿論いまのところはただの私の想像に過ぎないのだけれど……
でももしそうだとしたら相当やばいでしょ。善良そうに見えるこの子の価値観が全く理解できない。
きっと、この子に悪意なんて無いんでしょうね。むしろ平和を守るためには黙って命を差し出すことこそが正しき行いなんだって心から信じているっぽい。でも、そこにサルヴァ教徒以外がどう考えるのかなんて事は全く考慮していない。自分達がそう信じているのだから、皆そうするべきだと信じて疑わない訳だ。
しかも、悪意はないのかもしれないけれど、その言葉の端々に、サルヴァ教徒は良いけどお前たちは駄目だと、そういう言葉が紛れ込んでいる。さっきの『我々は理解して……』というのはまさにソレだろう。というか、悪意がないからこそ問題だとも言えるかな。とぼけた顔でそんな事を言われた他者がどう思うかなんて誰の目にも明らかだ。そこでカッとなって手を出したら最後、彼らは何食わぬ顔で『彼らが突然襲いかかってきた』とでも言うんでしょうね。自分達が相手を煽り散らしていると全く自覚もせずに。
はっきり言って独善が強すぎて全く共感できやしない。
なるほど、キョウくんが無条件に宗教家を嫌うわけだ。今までは所詮又聞きの彼岸の家事のようなものだったけど、実際にこうして話してみると、確かにこれはいけ好かない……
どうやら、向こうもこちらとは考えが相容れないというのを感じ取ったのか、そこで会話が止まってしまった。
顔にはっきりと『面倒くさい人を雇ってしまった』と描いてある。
そこはもうちょっと隠せるようになったほうが良いと思うけど、まだエリスよりも少し年上といった程度の子供にそこまで要求するのは酷よねぇ。
多分、悪い子ではないんでしょうね。彼にとっては当然の考え方で、疑問を呈する私達の思考の方こそ考えられないんだと思う。
だからこそ、いっそう私達とは相容れない。
面倒ねぇ、宗教的な思想の違いって。
……なんて愚痴っていても仕方がない。
ソレよりも仕事に関しての話だ。
クルドくんは、私達に依頼する際に遺跡の調査としか言わなかった。事前に魔物絡みであると判っているにも関わらず。
魔物と言う単語を出すと依頼を受けない可能せいがあったから? その場合依頼のランク偽装に当たるんじゃないかしら? これ、依頼料に……まぁ私達の場合情報になるのだけど、色をつけさせることが出来るかも知れないわね。
まぁ、私達の仕事はあくまで行き帰りと遺跡の入口で帰りを待つサルヴァの神官たちの護衛なので、はじめから遺跡に入らない私達が魔物と戦うことを考えていないだけという可能性もある。
その場合は、想定外の事態でも起きて実際に魔物が目に見える位置に現れたりしないとこちらの言い分を通すのも難しい……って、コレの考え方はダメね。良くないフラグを踏みかねない。
とはいえ、考えないわけにはいかないのよねぇ。
魔物かぁ……
「キョウくん抜きだと手に余る可能性もあるのよねぇ」
「……? 何が?」
「魔物。今回は私やエリスは討伐組に参加しなくて正解だったなって」
「あの、魔物は神子様方に任せれば大丈夫ですので、安心してお役目を果たしていただければ……」
「そうね」
キョウくんと違って、私はいくら負けて死んでも何度でもやり直しが効く。でも、一緒に行動するエリスはそうじゃない。NPCの死はキョウくんの「かもしれない」よりも明確なロストなのは確定している。オープンβテストでも死亡した村人が戻ってこなかったことが確認済みだったし、正式オープン後でもNPCの護衛クエスト失敗後、そのNPCが行方不明になっているという掲示板での書き込みなんかから見ても間違いないと思う。
ある程度強さが解る野獣なんかが相手ならともかく、一品物のボスに近い魔物を相手にするには私達はまだ弱すぎる。
「ま、私達は無茶せず着実に強くなりましょ。お金稼ぎつつね」
「ん、そだね」
変な欲は出さず、今回はレベル上げ目的じゃなくて、あくまで報酬の情報目的と割り切らないと。
せめて、地下遺跡で出会った魔物を私だけで倒せると確信できるくらい強くなるまでは、無理はしないと自分に言い聞かせ続けないと。
確かにあんなのが何匹も巣食ってる場所が、街から数日の場所にあったとなれば、捨て置くことなんて出来ないわよね。流石に法国側も危険だと解っている遺跡まで暴くなと言う訳にも行かなかったってことかしら。
それなら、神子だの勇者の卵だのが出張ってきてもおかしくない。
なんせ、あとから聞いた話だけど、あの地下遺跡に巣食っていたヤツは、魔物としては大したことない部類のやつだったらしい。
危険度の高い魔物になると、軍が派遣されることもあるというのだから、有名なチームが複数のパーティを募って挑むのも無理ない話だと思う。
ま、私達は所詮後詰。魔物と出会うことなんて無いでしょうし、もし出会ってしまったとしても、それは内部の攻略班が全滅したというのに等しいのだから、戦わずに死ぬ気で逃げ帰って情報を持ち帰るのが仕事になる。
結局魔物との戦闘は最初から考慮しなくて良いのだから気楽なもんなのよね。
この旅の最大の目的は、ハティちゃんとキョウくんの捜索だけれども、もう一つに私とエリスの戦力強化というのもある。それを考えると、強敵との戦闘というのは得難い機会ではあるのだけど……
「ま、カラクルムからしてみればたまったもんじゃないわよね。自領の中に魔物がいるとわかっている遺跡があったりしたら、そりゃ排除したがるわね」
「法国としては、たとえ魔物が居ようとも遺跡への接触を禁じるように警告したのですが、カラクルムは受け入れるつもりは無いようで……」
当然でしょ。確かに言い伝えっていうのは馬鹿にできないのだろうけど、実際に危機に瀕してる他国の自衛に口をだすのはヤバいんじゃないのかしら? それが出来るくらいにサルヴァの影響力が強いって事?
「そりゃ受け入れられないでしょ。家の軒先に危険な魔物が居ると判っているのに対処するななんて、死ねって言われているようなものでしょうに」
「え? あの、でも、もし言い伝えを守らなければ、もっとひどいことが起きるかも知れないんですよ?」
「もし、言い伝えを守らなかったおかげで、危機を排除出来て、何も危機は起こらなかったとしたら?」
「あの、それは、ただの結果論ではないでしょうか」
どうにも、物語に出てくる宗教関係の信者って、自分たちの信じる教えこそ全てで、それ以外の考えは考慮の余地すら無いっていう思考で書かれることが多いけど、ご多分に漏れずこの子もそのパターンっぽいわね……
「ねぇ、ノルドくん。かもしれない、で明確な危機を前にして何もせず死ねと言うよりはよっぽど良いと私は思うのだけど?」
「あのあの、いけません、そんな自分本意な考え方では要らぬ危険を掘り起こしてしまいますよ? お嬢さんもそう思いますよね?」
「……私?」
突然話を振られて、いつもどおり会話から離れていたエリスが驚いて
「そんなの当人が決める話。言い伝えを破った結果ひどい目にあっても、守って魔物に殺されても、実際関わった人だけの出来事なんでしょ? 他の人がなにか言うことじゃないと思う」
滅茶苦茶ドライな意見だった。
というか、我関せずみたいな顔してやっぱりちゃんと話を聞いてるのね。
「あの、でも、もし遺跡を暴いたら良くないことが起きるかも知れないんですよ?」
「そんなの、良くないものを人里近くの遺跡に閉じ込めた昔の人が悪いんじゃないの? それに、そういう理由があったのに、結局今探索してるのはどうして? この国の人が身を守るために入るのはダメで、あなた達が入るのは良いの?」
「そ、それは、個々が危険だと我々は理解して……」
「あなた達にそう言われて理解していたから、この国の人達もこれまで手を出してこなかったんでしょ? 危険かもしれないなんて知っていると思うよ? 今までは従ってきたんだから。それでも、『危険かもしれない』よりも『絶対に危険』の方を重視したんじゃないの?」
「あの、その、それは……」
あー、これは……
あの子の言葉は全て「かもしれない」から始まる意見だけど、エリスの答えは客観的に見た今起こっている事実からの純粋な疑問だ。実際にあった事、起こっている事への対応に「かもしれない」では通用しない。
多分、面倒くさい返答をする私よりもエリスのほうが与し易いと踏んで話を振ったんだろうけど、相手を間違えたわねぇ。
「ねぇあなたはさっきからずっともしもの話をするけど、じゃあ『もしも』その遺跡があなたの生まれ故郷の近くにあったとしたら?」
「……? 当然、教えを守りますよ。当たり前じゃないですか。確かに僕の村もしきたりを守るために山狼の群れに襲われ滅びましたが、それによって大きな災厄を呼び起こさずに済んだかもしれないのです。きっと父や母も皆誇らしげに女神へ命を差し出した事でしょう」
「あ、そう……あなたにとってそれが正義なのね」
あ、ヤバい、想定外の返しだ。もしかしてこの子もあの神父みたいな狂信者の類なの?
……いや、もしかしたらサルヴァ教の一般信者の思考回路がこういうものだって可能性もあるのよね。勿論いまのところはただの私の想像に過ぎないのだけれど……
でももしそうだとしたら相当やばいでしょ。善良そうに見えるこの子の価値観が全く理解できない。
きっと、この子に悪意なんて無いんでしょうね。むしろ平和を守るためには黙って命を差し出すことこそが正しき行いなんだって心から信じているっぽい。でも、そこにサルヴァ教徒以外がどう考えるのかなんて事は全く考慮していない。自分達がそう信じているのだから、皆そうするべきだと信じて疑わない訳だ。
しかも、悪意はないのかもしれないけれど、その言葉の端々に、サルヴァ教徒は良いけどお前たちは駄目だと、そういう言葉が紛れ込んでいる。さっきの『我々は理解して……』というのはまさにソレだろう。というか、悪意がないからこそ問題だとも言えるかな。とぼけた顔でそんな事を言われた他者がどう思うかなんて誰の目にも明らかだ。そこでカッとなって手を出したら最後、彼らは何食わぬ顔で『彼らが突然襲いかかってきた』とでも言うんでしょうね。自分達が相手を煽り散らしていると全く自覚もせずに。
はっきり言って独善が強すぎて全く共感できやしない。
なるほど、キョウくんが無条件に宗教家を嫌うわけだ。今までは所詮又聞きの彼岸の家事のようなものだったけど、実際にこうして話してみると、確かにこれはいけ好かない……
どうやら、向こうもこちらとは考えが相容れないというのを感じ取ったのか、そこで会話が止まってしまった。
顔にはっきりと『面倒くさい人を雇ってしまった』と描いてある。
そこはもうちょっと隠せるようになったほうが良いと思うけど、まだエリスよりも少し年上といった程度の子供にそこまで要求するのは酷よねぇ。
多分、悪い子ではないんでしょうね。彼にとっては当然の考え方で、疑問を呈する私達の思考の方こそ考えられないんだと思う。
だからこそ、いっそう私達とは相容れない。
面倒ねぇ、宗教的な思想の違いって。
……なんて愚痴っていても仕方がない。
ソレよりも仕事に関しての話だ。
クルドくんは、私達に依頼する際に遺跡の調査としか言わなかった。事前に魔物絡みであると判っているにも関わらず。
魔物と言う単語を出すと依頼を受けない可能せいがあったから? その場合依頼のランク偽装に当たるんじゃないかしら? これ、依頼料に……まぁ私達の場合情報になるのだけど、色をつけさせることが出来るかも知れないわね。
まぁ、私達の仕事はあくまで行き帰りと遺跡の入口で帰りを待つサルヴァの神官たちの護衛なので、はじめから遺跡に入らない私達が魔物と戦うことを考えていないだけという可能性もある。
その場合は、想定外の事態でも起きて実際に魔物が目に見える位置に現れたりしないとこちらの言い分を通すのも難しい……って、コレの考え方はダメね。良くないフラグを踏みかねない。
とはいえ、考えないわけにはいかないのよねぇ。
魔物かぁ……
「キョウくん抜きだと手に余る可能性もあるのよねぇ」
「……? 何が?」
「魔物。今回は私やエリスは討伐組に参加しなくて正解だったなって」
「あの、魔物は神子様方に任せれば大丈夫ですので、安心してお役目を果たしていただければ……」
「そうね」
キョウくんと違って、私はいくら負けて死んでも何度でもやり直しが効く。でも、一緒に行動するエリスはそうじゃない。NPCの死はキョウくんの「かもしれない」よりも明確なロストなのは確定している。オープンβテストでも死亡した村人が戻ってこなかったことが確認済みだったし、正式オープン後でもNPCの護衛クエスト失敗後、そのNPCが行方不明になっているという掲示板での書き込みなんかから見ても間違いないと思う。
ある程度強さが解る野獣なんかが相手ならともかく、一品物のボスに近い魔物を相手にするには私達はまだ弱すぎる。
「ま、私達は無茶せず着実に強くなりましょ。お金稼ぎつつね」
「ん、そだね」
変な欲は出さず、今回はレベル上げ目的じゃなくて、あくまで報酬の情報目的と割り切らないと。
せめて、地下遺跡で出会った魔物を私だけで倒せると確信できるくらい強くなるまでは、無理はしないと自分に言い聞かせ続けないと。
2
お気に入りに追加
628
あなたにおすすめの小説
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…
運極さんが通る
スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。
そして、今日、新作『Live Online』が発売された。
主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる