271 / 330
四章
二百五十九話 砂漠の遺跡Ⅰ
しおりを挟む
……どうしてこうなった、のかしら?
「おい! 岩ミミズ! 二匹抜けたぞ!」
叫びの通り、石畳を割り膨らませながら地中からの痕跡が二条。そのうち一本がこっちへ向かってくるのが見えた。
もう一匹が向かったのは10人ぐらいの団体。多分2チームか3チームの混成……というよりもただ近くに居ただけの集団かな? 餌がほしいなら二匹とも向こうに行けばいいのに、こっちは私とエリスの二人だけなのに何でこっちに来んのよ。
そんな事を考えながら、砕かれ膨らんだ瞬間の地面へ槍を突き入れる。種類は違うと思うが、オープンベータテストの砂漠エリアで砂ミミズとは戦ったことがあるので、とりあえず同じ対処法を試みたわけなんだけど、どうやら間違ってなかったらしい。
確かな手応えと共に、こちらの地割れが止まった。どうやらもう一匹の方も倒されたらしい。地中に半分身体をのぞかせているけど、かなりグロい……こんな巨体で、土を掻く腕もないミミズが何で土中の、しかも石畳を砕きながらこんな速度出せるんだろう?
「おい、お前ら無事か!? もう一匹はどこへ行った!?」
「それなら足元で死んでるよ」
「何!?」
別の……身なりから見るに、雇い主の一派かしら? が私の言葉を聞いて持っていたハルバードの柄で地割れを掘り返しはじめた。ミミズの死骸を確認しているのかしら。
そんな事いちいち……と思わなくないが、彼らにとっては報酬の支払いとかにも関わるのかも知れないし、仕事としてみると何もおかしなことではないのかしら。
「エリス、他になにか居そう?」
「………………ううん。この辺りには危険そうなのはいないと思う。天井に何か張り付いてるけど、寝てるみたいだから起こさなければ平気かな?」
それは平気といって良いものなのかしら……?
まぁ、これまでエリスの索敵ではこれと行ったトラブルが起きたことがないし、ここはエリスの直感を信じますか。
それにしても……
かなり大きい洞窟の中なので、外からの光はほとんど届いてこない。松明が立てられ、通ってきた所は一応明かりが確保されて入るけど、天井までは見通せない。かなり大きな洞窟だ。
そういえばキョウくんと離れ離れになったあの遺跡も洞窟の中にあったんだっけ。
RPGといえばと言えるほど、遺跡っていうのはお約束のシチュエーションではあるんだけど、つい最近ああいう事があったばかりだから、どうしても……ね。
「あの、あの。すいません! 始まっていきなり予定にない戦闘を……」
「ん……いいよ。未踏遺跡の探索なんだから予期しない出来事くらいおこるでしょ。あとで報酬に色つけてくれればいいよ」
「あ、あの。ハイ! それは必ず!」
どうしてこうなった……のかといえば、原因はこの子……ノルドと出会ってしまったからから……よね。
あの日、宿の前で神子様とやらの仲間であるこの子と出会い、このクエストに誘われた。最初から参加するつもりだったわけじゃない。
私達の探索が、ハティちゃんの情報捜索が行き詰まったから私達が関わろうとしなかった方面……つまり、あえて関わろうとしなかった神子様だの勇者の卵だのの重要っぽいNPCへ手を伸ばしただけだ。
あの時、この子が私の前に現れたのは偶然……ではないらしい。あの日、協会で私達のことを見ていたらしいんだけど、正直その話を聞いた時の感想は「マジか」の一言だった。だって、私達は目立たないように、ただ普通に列に並んでいただけなんだから。
様子を見ようとして顔を出したとかでも、偶然目があったとかでもない。一方的にあれだけ人が並んでいたあの協会の支店の中で、私を狙い撃ちしてきたというのだから、そりゃ驚くのも無理はないでしょ。
立ち居振る舞いから、私の目をつけたと言っていたけど、正直レベルや装備からすれば、この子のリーダーのほうが遥かに上だろうに。仲間だって、神子なんて大層なお役目の仲間になるくらいだからきっと強者が付き従ってるはず。
一体何を基準に私を選んだのやら。直接聞いても「何となく立ち居振る舞いからピンときた」とか言ってはぐらかされちゃうのよね。もしそれがはぐらかす為じゃ無かったのだとしたら、それはそれでこちらの実力を正確に見抜いた上での勧誘って可能性も出てくるのだけど。もしそうだとすれば、なかなかに油断のならない子という事になるのよね。見た目ただの気弱そうな男の子なのだけど。
「それで、私達は予定通りここを守っていれば良いのよね?」
「あの、はい。そうです。この辺りは攻撃的な蟲が多く、アレ等は穴蔵を好みますから、本体が裏から襲われないよう、ここに入り込んでくる蟲を駆除していただければと思います」
ま、大規模レイドで後詰だなんて、普通に考えたら損な役回り以外の何物でもないのだけれど、今回は報酬が報酬だからね。
金品もそうだけど、私達にとっての最大の報酬は、神子様のもつ情報網だ。
このクエストの報酬として私が希望した報酬が、ハティちゃんに関する彼らの知り得る情報の開示なのだから。
ハティちゃんの機動力は高い。時間が立てば立つほど後を追うのは厳しくなるだろうし、多少長期の仕事で時間を奪われてしまうとしても、仕事の報酬として即日に情報を提供すると請け負ってくれるのであれば、依頼を受ける理由としては十分だということね。
10日のロスは確かに痛いけど、その10日間の足取りが掴めるというのなら、レイド報酬なんて今は度外視で構わない。
むしろ、下手に討伐組に加わってしまうと、クエスト功労だの何だので拘束されかねないから、私達としてもいまの役割が一番美味しいとまでいえる。
「チッ……シケた仕事してやるんだ。報酬はきっちり払ってもらうからな」
「は、はい。あの、報酬は事前に話し合った通りの金額を既に用意させていただいていますので、安心していただければとおもいます……」
「なら良いんだがよ」
まぁ、参加者がみんなうち等みたいな事情を持っているわけでもなく、純粋に報酬目当てで参加した人たちにとってはこんな手柄からは遠い任務はさぞかし不満なんだろうなぁ。
ゲーム感覚なら特別報酬貰えればそれでいいやって思えるけど、命を張った仕事として考えるなら、先の仕事のことを考えると名声や実績はやっぱ欲しいもんね。
まぁ、それを黙らせるだけの報酬を用意できる神子様の財力とか権力マジパネーって感じなんですけど。
クルドくん曰く、今回初めて協会を頼るらしいんだけど、初めて頼るのにいきなり複数パーティを雇い入れるなんてよっぽど財力があるんでしょうねぇ。
その財力が彼個人のものなのか、彼の主人のものなのかは知らないけれど。
「そういえば、今回の探索って結局何が目的なの? 街からはそれなりに距離があるとはいえ、隠されていた訳でもないんでしょ? この遺跡って。ならなにか理由があって未踏遺跡になってたと思うんだけど……」
「あの、祖国の……サルヴァの文献に、立ち入りを禁ずるものがあったため、今回の探索まで手つかずになっていたんです」
「ふぅん?」
サルヴァ……サルヴァ法国か。
この子が何したってわけじゃないんだけど、最初に出会った二人が、胡散臭くて油断のならないお爺さんとキョウくんを行方不明にした張本人でもある狂信者の神官だったからなぁ。正直今のところ良い印象がないのよねぇ。
遺跡からはかなり重要な遺物とかも見つかる可能性があるから、大規模な未踏遺跡の探索は都市事業だとか、下手すると国家事業なみの大事らしいんだけど。実際、クフタリア時は街側が取り仕切ってたし、詳しい内容はわからないけど、あの時の出来事は外交的な切り札にすらなるとか言ってたから認識は間違ってないと思う。
それなのに、他国の一言で探索をしていなかったっていうのは、サルヴァの影響力の強さの現れよね。
立地的には今いるカラクルムとは地続きの隣国だって話だし、この国でもサルヴァ教の影響はかなり大きいみたいだから、法国から立入禁止と言われてしまうとカラクルムは手を出せなかったって感じかしら?
「で、禁止されていたのに今回突然探索することになったのは?」
「あの、その、ここに立ち入った盗掘者が壊滅する事件があり、生き残りの証言からこの遺跡に魔物が、しかも複数巣食っている可能性が高いと判断されたからです」
「あぁ、魔物ねぇ」
「おい! 岩ミミズ! 二匹抜けたぞ!」
叫びの通り、石畳を割り膨らませながら地中からの痕跡が二条。そのうち一本がこっちへ向かってくるのが見えた。
もう一匹が向かったのは10人ぐらいの団体。多分2チームか3チームの混成……というよりもただ近くに居ただけの集団かな? 餌がほしいなら二匹とも向こうに行けばいいのに、こっちは私とエリスの二人だけなのに何でこっちに来んのよ。
そんな事を考えながら、砕かれ膨らんだ瞬間の地面へ槍を突き入れる。種類は違うと思うが、オープンベータテストの砂漠エリアで砂ミミズとは戦ったことがあるので、とりあえず同じ対処法を試みたわけなんだけど、どうやら間違ってなかったらしい。
確かな手応えと共に、こちらの地割れが止まった。どうやらもう一匹の方も倒されたらしい。地中に半分身体をのぞかせているけど、かなりグロい……こんな巨体で、土を掻く腕もないミミズが何で土中の、しかも石畳を砕きながらこんな速度出せるんだろう?
「おい、お前ら無事か!? もう一匹はどこへ行った!?」
「それなら足元で死んでるよ」
「何!?」
別の……身なりから見るに、雇い主の一派かしら? が私の言葉を聞いて持っていたハルバードの柄で地割れを掘り返しはじめた。ミミズの死骸を確認しているのかしら。
そんな事いちいち……と思わなくないが、彼らにとっては報酬の支払いとかにも関わるのかも知れないし、仕事としてみると何もおかしなことではないのかしら。
「エリス、他になにか居そう?」
「………………ううん。この辺りには危険そうなのはいないと思う。天井に何か張り付いてるけど、寝てるみたいだから起こさなければ平気かな?」
それは平気といって良いものなのかしら……?
まぁ、これまでエリスの索敵ではこれと行ったトラブルが起きたことがないし、ここはエリスの直感を信じますか。
それにしても……
かなり大きい洞窟の中なので、外からの光はほとんど届いてこない。松明が立てられ、通ってきた所は一応明かりが確保されて入るけど、天井までは見通せない。かなり大きな洞窟だ。
そういえばキョウくんと離れ離れになったあの遺跡も洞窟の中にあったんだっけ。
RPGといえばと言えるほど、遺跡っていうのはお約束のシチュエーションではあるんだけど、つい最近ああいう事があったばかりだから、どうしても……ね。
「あの、あの。すいません! 始まっていきなり予定にない戦闘を……」
「ん……いいよ。未踏遺跡の探索なんだから予期しない出来事くらいおこるでしょ。あとで報酬に色つけてくれればいいよ」
「あ、あの。ハイ! それは必ず!」
どうしてこうなった……のかといえば、原因はこの子……ノルドと出会ってしまったからから……よね。
あの日、宿の前で神子様とやらの仲間であるこの子と出会い、このクエストに誘われた。最初から参加するつもりだったわけじゃない。
私達の探索が、ハティちゃんの情報捜索が行き詰まったから私達が関わろうとしなかった方面……つまり、あえて関わろうとしなかった神子様だの勇者の卵だのの重要っぽいNPCへ手を伸ばしただけだ。
あの時、この子が私の前に現れたのは偶然……ではないらしい。あの日、協会で私達のことを見ていたらしいんだけど、正直その話を聞いた時の感想は「マジか」の一言だった。だって、私達は目立たないように、ただ普通に列に並んでいただけなんだから。
様子を見ようとして顔を出したとかでも、偶然目があったとかでもない。一方的にあれだけ人が並んでいたあの協会の支店の中で、私を狙い撃ちしてきたというのだから、そりゃ驚くのも無理はないでしょ。
立ち居振る舞いから、私の目をつけたと言っていたけど、正直レベルや装備からすれば、この子のリーダーのほうが遥かに上だろうに。仲間だって、神子なんて大層なお役目の仲間になるくらいだからきっと強者が付き従ってるはず。
一体何を基準に私を選んだのやら。直接聞いても「何となく立ち居振る舞いからピンときた」とか言ってはぐらかされちゃうのよね。もしそれがはぐらかす為じゃ無かったのだとしたら、それはそれでこちらの実力を正確に見抜いた上での勧誘って可能性も出てくるのだけど。もしそうだとすれば、なかなかに油断のならない子という事になるのよね。見た目ただの気弱そうな男の子なのだけど。
「それで、私達は予定通りここを守っていれば良いのよね?」
「あの、はい。そうです。この辺りは攻撃的な蟲が多く、アレ等は穴蔵を好みますから、本体が裏から襲われないよう、ここに入り込んでくる蟲を駆除していただければと思います」
ま、大規模レイドで後詰だなんて、普通に考えたら損な役回り以外の何物でもないのだけれど、今回は報酬が報酬だからね。
金品もそうだけど、私達にとっての最大の報酬は、神子様のもつ情報網だ。
このクエストの報酬として私が希望した報酬が、ハティちゃんに関する彼らの知り得る情報の開示なのだから。
ハティちゃんの機動力は高い。時間が立てば立つほど後を追うのは厳しくなるだろうし、多少長期の仕事で時間を奪われてしまうとしても、仕事の報酬として即日に情報を提供すると請け負ってくれるのであれば、依頼を受ける理由としては十分だということね。
10日のロスは確かに痛いけど、その10日間の足取りが掴めるというのなら、レイド報酬なんて今は度外視で構わない。
むしろ、下手に討伐組に加わってしまうと、クエスト功労だの何だので拘束されかねないから、私達としてもいまの役割が一番美味しいとまでいえる。
「チッ……シケた仕事してやるんだ。報酬はきっちり払ってもらうからな」
「は、はい。あの、報酬は事前に話し合った通りの金額を既に用意させていただいていますので、安心していただければとおもいます……」
「なら良いんだがよ」
まぁ、参加者がみんなうち等みたいな事情を持っているわけでもなく、純粋に報酬目当てで参加した人たちにとってはこんな手柄からは遠い任務はさぞかし不満なんだろうなぁ。
ゲーム感覚なら特別報酬貰えればそれでいいやって思えるけど、命を張った仕事として考えるなら、先の仕事のことを考えると名声や実績はやっぱ欲しいもんね。
まぁ、それを黙らせるだけの報酬を用意できる神子様の財力とか権力マジパネーって感じなんですけど。
クルドくん曰く、今回初めて協会を頼るらしいんだけど、初めて頼るのにいきなり複数パーティを雇い入れるなんてよっぽど財力があるんでしょうねぇ。
その財力が彼個人のものなのか、彼の主人のものなのかは知らないけれど。
「そういえば、今回の探索って結局何が目的なの? 街からはそれなりに距離があるとはいえ、隠されていた訳でもないんでしょ? この遺跡って。ならなにか理由があって未踏遺跡になってたと思うんだけど……」
「あの、祖国の……サルヴァの文献に、立ち入りを禁ずるものがあったため、今回の探索まで手つかずになっていたんです」
「ふぅん?」
サルヴァ……サルヴァ法国か。
この子が何したってわけじゃないんだけど、最初に出会った二人が、胡散臭くて油断のならないお爺さんとキョウくんを行方不明にした張本人でもある狂信者の神官だったからなぁ。正直今のところ良い印象がないのよねぇ。
遺跡からはかなり重要な遺物とかも見つかる可能性があるから、大規模な未踏遺跡の探索は都市事業だとか、下手すると国家事業なみの大事らしいんだけど。実際、クフタリア時は街側が取り仕切ってたし、詳しい内容はわからないけど、あの時の出来事は外交的な切り札にすらなるとか言ってたから認識は間違ってないと思う。
それなのに、他国の一言で探索をしていなかったっていうのは、サルヴァの影響力の強さの現れよね。
立地的には今いるカラクルムとは地続きの隣国だって話だし、この国でもサルヴァ教の影響はかなり大きいみたいだから、法国から立入禁止と言われてしまうとカラクルムは手を出せなかったって感じかしら?
「で、禁止されていたのに今回突然探索することになったのは?」
「あの、その、ここに立ち入った盗掘者が壊滅する事件があり、生き残りの証言からこの遺跡に魔物が、しかも複数巣食っている可能性が高いと判断されたからです」
「あぁ、魔物ねぇ」
2
あなたにおすすめの小説
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる