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三章
百七十話 もう一つの大会Ⅰ
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やってきましたPvP大会決勝トーナメント。
……といってもまだこれは本放送前のベスト32だ。まぁ、そこに俺達みたいなシード枠が居るので実際は43人なんだが、それでも参加者800人くらいから昨日の予選でここまで絞り込んできたという事だから、きっと勝ち残った全員がそれなりの腕を持っているはずだ。
20時からの本放送までに、ここからベスト8まで絞られる。
一応試合の様子も生放送されるらしいが、本放送までは前座枠というか、テスト放送を兼ねた生中継垂れ流しと行った感じだそうだ。
それにしても、なんか最近も似たようなことやった気がするが、事前に化け物相手に立ち回ったお陰か、大分気が楽だ。
というか、闘技大会と違ってバトルロイヤルで雑に減らすとかじゃなくてよかった。
あれ、周囲の考え方とかにかなり影響されるから、あまり得意じゃないんだよな。この間の予選の時もかなり予想外の展開があったりしたからな。
まぁ、クフタリアのと違って、この大会だと1試合10分っていう時間制限があるから、決着がつくまで無制限だった闘技大会とはまた別の試合の組み立てが必要になってくる訳だがな。
それに、注意しないといけないのが体力だ。ALPHAでは戦闘不能=負けという非常に分かりやすいルールだったが、製品版ではHPを0にする事が勝利条件となる。
一見すると同じように見えるが、プレイヤーが受けるフィードバックダメージとHP残量が必ずしも一致しない製品版では、プレイヤー的にはまだ戦えるけど気が付いたらHPが空っぽに……という事態もおこる。
そういう意味では時間切れでの判定勝ちとかも考慮に入れる必要があり、同じ1on1でも大分戦い方が変わってくる。
特に、自分の痛みでダメージを図る癖がついた俺なんかは特に注意する必要がある。
キルシュとの戦いのイメージは一度リセットしておいたほうが良いかもしれんな。
……それにしても、外のステージではまた有る事無い事適当なことをディレクター達が言いまくってるんだろうなぁ。
今回は前回のようなバラエティー的なチャレンジバウトと違って純粋なPvP大会だからか、外部音声の一切が遮断されている。
試合前に舞台上でディレクター達とやり取りがあったので、あそこだけは多分意図的に通信のオンオフが出来るようになっているんだろうが、控室にはステージ上が見られるようにモニター的な魔道具が有るだけで、音声は完全遮断されている。
何で魔法具だって判るかと言えば、思い切り魔法陣みたいなのの上に表示されてるからだ。あの見た目で、これはただのエフェクトで実際には普通のモニターですとか言われても知らん。
まぁ、闘技大会みたいに有る事無い事……というかやたら誇張しまくった武勇伝的なものをブチ撒けられて、公開処刑されるのを自分で聞く羽目になるくらいなら、こっちのほうがまだ心に優しい。
「やー、試合前なのにあのピリピリ感が無いのは気が楽でいいわねぇ。クフタリアの闘技場での控室のあの空気の悪さときたらさぁ」
「へぇ~そうだったんだ?」
「そうよ? それはもう「次の試合を勝ち残ったら、コイツ等ブチのめす番だ」って気配がもうビリビリと。……キルシュだけは終始ニコニコしてたけどね」
ちなみにこの控室、クフタリアのものとは違い参加者全員集合状態だ。
なので、チェリーさんやエリスも試合前から同じ部屋に居る。
――そう。エリスもここに居る。
一応大会にはNPCも参加してたらしく、それならエリスも記念に参加するのも良いよねって話になって、気がついたらベスト32まで勝ち上がっていた。
エリスもチェリーさんと一緒にガーヴさんに色々仕込まれてるし、ことスカウト能力に関しては俺やチェリーさんよりも遥かに優れているというのは判っていたが、まさか一対一の正面切っての戦いでここまで勝ち残るとは、ちょっと想定外だった。
「エリスってタイマンでも強かったんだなぁ」
「そりゃそうよ。サリちゃんや私、ガーヴさんとだって毎日試合してたのよ? 弱い筈がないわ」
「う~ん……サリちゃんより強い人とはまだ戦ってないからよくわかんない」
「サリちゃんより強い人なんてこの大会じゃ数えるほどしか居ないんじゃない?」
「……まじで?」
「そうなの?」
「昨日の予選見た感じではね。というかサリちゃんって、ALPHA行ったばかりの私より強かったからね? ガーヴさんとしか試合してなかったキョウくんは知らないだろうけど」
「確かにサリちゃんやエリスとは体幹鍛える訓練とかは一緒にやったけど、試合形式のことは一度もやってないな」
そうか……あの鬼のような稽古についていけるんだから、かなり運動神経はいいとは思っていたが、そんな強かったのかあの子……
「特に今回みたいにレベルに縛りを入れてるようなルールだと、純粋にプレイヤースキルに依存することになるから、特にあの子やエリスみたいに日常的に鍛えてる子達に有利になるでしょうねぇ」
「あぁ、それは確かに……」
今回の大会、βからの初期勢と、応募に外れたり筐体が入手できなかったりで参加の遅れた後発勢とのハンデを埋めるため、PvP大会専用のレギュレーションが組まれている。
ステータス総合値200――つまりレベルは2固定で、オーバーしている人は自動的に全体のステータスのバランスを維持したまま200までパラメータを下げられるようだ。
しかしスキルは所有者の性能維持。これは今までのプレイングで培ってきた物だから、という理由らしい。建前上は。
まぁ確かに、ステータス値ほどには数字の差で劇的な戦闘力の違いは生まれないから人によっては誤差だとか思うのかも知れない。
だがその微々たる違いを積み重ねることで、工夫すれば格上も倒せるというものなんだよな、スキルは。
――で、建前ではなく本音は何なのかと言えば、運営的には現状のレベル偏重の気風がお気に召さないらしい。パラメータ上げだけ執着するんじゃなくて、スキルの方にも気を配って欲しいという思惑が絡んでいる。
同レベルでありながら、スキル差で勝負が決まったりすれば、プレイヤーはスキルの有用性に着目するだろうという算段な訳だ。
……と、昨日のミーティングで言ってたのは覚えてる。
そう上手くいくのかは判らんが、スキルの有用さを身を持って知っている俺からすれば、何でレベル上げに比べてスキル上げのプライオリティが下げられてるのか意味不明なレベルなんだがな。
レベル偏重で上げまくったって、出来上がるのはパラメータが高い――死ぬほど硬いだけのカカシだ。
しかもスキルは無茶した分だけ上がりやすいらしい。レベルばかり上げまくって苦戦する敵が居なくなった時、どうやってスキル上げするつもりなのやら。
なんせレベル上げだけやっていようが、効率的に敵を倒そうとすれば、何らかのスキルを間違いなく使うだろうし、そのスキルは当然戦闘の中でレベルアップしていく。だから、スキルが上がりにくくなってきても、それはスキルレベルの上昇で次のスキルレベルまでの必要経験が多くなっただけだと勘違いしやすい。
いや、決して勘違いではないんだが、自分と敵との相対的な強さにスキルの上がり幅が影響することに気付きにくいってのはあるだろうしな。
で、気がついた頃にはドツボにはまってると。
まぁ運営的にもそうやってプレイヤーが率先して袋小路に飛び込んで、後々バランス調整入れたりするのが嫌だから、スキル上げの有用性を示して、認識を誘導しようと考えたんだろうな。
まぁ、そんな裏事情は運営側に任せて、まずは目の前のトーナメントか。
今回俺のシード枠は、一回戦の最後の試合になっているので、ゆっくりと他人の試合を見ることが出来る。
クフタリアの時は試合数が少ないのと、こんな便利なモニターなんて無かったせいで、見られる試合が限られていたからかなり助かる。
俺はやるのも好きだが、観戦するのも好きなのだ。
「チェリーさんはこの大会どう思う?」
「多分キョウくんが考えてるのと対して変わらないよ。私も一般プレイヤーの腕は前回のPvPイベントのエキシビジョン以上のことは知らないから」
それもそうか。
確かにチェリーさんは俺と違っていろいろな情報をネットから仕入れることが出来る。でも、何だかんだで仕事や急用以外はチェリーさんずっと俺と行動してるから、製品版側の情報量なんて俺とそう変わりはないか。
「でも、結構あれからPvP熱は上がったらしくて、掲示板とか見てると結構な猛者はいるみたい。だからちょっとは期待してもいいんじゃないかな?」
「まぁ、そんな偉そうに言える立場でもないんだけど、前回は多対一で勝てちまうくらいに実力差があったからなぁ。折角なら一対一での互角の戦いがしたいわ」
「キョウくんの場合は、今までの相手がまぁ、ねぇ……」
本気で戦う時に限って格上ばっかなんだよな、俺。
そろそろチェリーさんがいい感じで強くなってきてるんだが、それ以外だと中々なぁ。
キルシュとかどう考えても俺より格上だったし。確かにあの戦いでは色々得るものはあったが、どうせやるなら同じくらいの強さの相手がほしい。
そういう意味では伊福部は一般プレイヤーとはちょっと違うが、かなり期待してるんだよな。
現状はあのバケモンみたいなキャラレベル差で、圧倒的に向こうのほうが強いんだが、キャラ性能が互角なら話は別だ。昔は格ゲーでよく大会決勝で勝負してた間柄だし、潜在的なプレイヤースキルは俺と互角のはずだから。
当然他の参加者で俺と同じくらいの強さのやつが居てくれるなら願ってもないことなんだが。
まぁ、シード枠の中でも俺は一回戦が無い。ベスト16からが俺の出番だ。だから今は参加者の強さをゆっくり見せてもらおう。
まぁ、ベスト8まで、全部の試合に集中できるってものでもないかも知れないけど。
……といってもまだこれは本放送前のベスト32だ。まぁ、そこに俺達みたいなシード枠が居るので実際は43人なんだが、それでも参加者800人くらいから昨日の予選でここまで絞り込んできたという事だから、きっと勝ち残った全員がそれなりの腕を持っているはずだ。
20時からの本放送までに、ここからベスト8まで絞られる。
一応試合の様子も生放送されるらしいが、本放送までは前座枠というか、テスト放送を兼ねた生中継垂れ流しと行った感じだそうだ。
それにしても、なんか最近も似たようなことやった気がするが、事前に化け物相手に立ち回ったお陰か、大分気が楽だ。
というか、闘技大会と違ってバトルロイヤルで雑に減らすとかじゃなくてよかった。
あれ、周囲の考え方とかにかなり影響されるから、あまり得意じゃないんだよな。この間の予選の時もかなり予想外の展開があったりしたからな。
まぁ、クフタリアのと違って、この大会だと1試合10分っていう時間制限があるから、決着がつくまで無制限だった闘技大会とはまた別の試合の組み立てが必要になってくる訳だがな。
それに、注意しないといけないのが体力だ。ALPHAでは戦闘不能=負けという非常に分かりやすいルールだったが、製品版ではHPを0にする事が勝利条件となる。
一見すると同じように見えるが、プレイヤーが受けるフィードバックダメージとHP残量が必ずしも一致しない製品版では、プレイヤー的にはまだ戦えるけど気が付いたらHPが空っぽに……という事態もおこる。
そういう意味では時間切れでの判定勝ちとかも考慮に入れる必要があり、同じ1on1でも大分戦い方が変わってくる。
特に、自分の痛みでダメージを図る癖がついた俺なんかは特に注意する必要がある。
キルシュとの戦いのイメージは一度リセットしておいたほうが良いかもしれんな。
……それにしても、外のステージではまた有る事無い事適当なことをディレクター達が言いまくってるんだろうなぁ。
今回は前回のようなバラエティー的なチャレンジバウトと違って純粋なPvP大会だからか、外部音声の一切が遮断されている。
試合前に舞台上でディレクター達とやり取りがあったので、あそこだけは多分意図的に通信のオンオフが出来るようになっているんだろうが、控室にはステージ上が見られるようにモニター的な魔道具が有るだけで、音声は完全遮断されている。
何で魔法具だって判るかと言えば、思い切り魔法陣みたいなのの上に表示されてるからだ。あの見た目で、これはただのエフェクトで実際には普通のモニターですとか言われても知らん。
まぁ、闘技大会みたいに有る事無い事……というかやたら誇張しまくった武勇伝的なものをブチ撒けられて、公開処刑されるのを自分で聞く羽目になるくらいなら、こっちのほうがまだ心に優しい。
「やー、試合前なのにあのピリピリ感が無いのは気が楽でいいわねぇ。クフタリアの闘技場での控室のあの空気の悪さときたらさぁ」
「へぇ~そうだったんだ?」
「そうよ? それはもう「次の試合を勝ち残ったら、コイツ等ブチのめす番だ」って気配がもうビリビリと。……キルシュだけは終始ニコニコしてたけどね」
ちなみにこの控室、クフタリアのものとは違い参加者全員集合状態だ。
なので、チェリーさんやエリスも試合前から同じ部屋に居る。
――そう。エリスもここに居る。
一応大会にはNPCも参加してたらしく、それならエリスも記念に参加するのも良いよねって話になって、気がついたらベスト32まで勝ち上がっていた。
エリスもチェリーさんと一緒にガーヴさんに色々仕込まれてるし、ことスカウト能力に関しては俺やチェリーさんよりも遥かに優れているというのは判っていたが、まさか一対一の正面切っての戦いでここまで勝ち残るとは、ちょっと想定外だった。
「エリスってタイマンでも強かったんだなぁ」
「そりゃそうよ。サリちゃんや私、ガーヴさんとだって毎日試合してたのよ? 弱い筈がないわ」
「う~ん……サリちゃんより強い人とはまだ戦ってないからよくわかんない」
「サリちゃんより強い人なんてこの大会じゃ数えるほどしか居ないんじゃない?」
「……まじで?」
「そうなの?」
「昨日の予選見た感じではね。というかサリちゃんって、ALPHA行ったばかりの私より強かったからね? ガーヴさんとしか試合してなかったキョウくんは知らないだろうけど」
「確かにサリちゃんやエリスとは体幹鍛える訓練とかは一緒にやったけど、試合形式のことは一度もやってないな」
そうか……あの鬼のような稽古についていけるんだから、かなり運動神経はいいとは思っていたが、そんな強かったのかあの子……
「特に今回みたいにレベルに縛りを入れてるようなルールだと、純粋にプレイヤースキルに依存することになるから、特にあの子やエリスみたいに日常的に鍛えてる子達に有利になるでしょうねぇ」
「あぁ、それは確かに……」
今回の大会、βからの初期勢と、応募に外れたり筐体が入手できなかったりで参加の遅れた後発勢とのハンデを埋めるため、PvP大会専用のレギュレーションが組まれている。
ステータス総合値200――つまりレベルは2固定で、オーバーしている人は自動的に全体のステータスのバランスを維持したまま200までパラメータを下げられるようだ。
しかしスキルは所有者の性能維持。これは今までのプレイングで培ってきた物だから、という理由らしい。建前上は。
まぁ確かに、ステータス値ほどには数字の差で劇的な戦闘力の違いは生まれないから人によっては誤差だとか思うのかも知れない。
だがその微々たる違いを積み重ねることで、工夫すれば格上も倒せるというものなんだよな、スキルは。
――で、建前ではなく本音は何なのかと言えば、運営的には現状のレベル偏重の気風がお気に召さないらしい。パラメータ上げだけ執着するんじゃなくて、スキルの方にも気を配って欲しいという思惑が絡んでいる。
同レベルでありながら、スキル差で勝負が決まったりすれば、プレイヤーはスキルの有用性に着目するだろうという算段な訳だ。
……と、昨日のミーティングで言ってたのは覚えてる。
そう上手くいくのかは判らんが、スキルの有用さを身を持って知っている俺からすれば、何でレベル上げに比べてスキル上げのプライオリティが下げられてるのか意味不明なレベルなんだがな。
レベル偏重で上げまくったって、出来上がるのはパラメータが高い――死ぬほど硬いだけのカカシだ。
しかもスキルは無茶した分だけ上がりやすいらしい。レベルばかり上げまくって苦戦する敵が居なくなった時、どうやってスキル上げするつもりなのやら。
なんせレベル上げだけやっていようが、効率的に敵を倒そうとすれば、何らかのスキルを間違いなく使うだろうし、そのスキルは当然戦闘の中でレベルアップしていく。だから、スキルが上がりにくくなってきても、それはスキルレベルの上昇で次のスキルレベルまでの必要経験が多くなっただけだと勘違いしやすい。
いや、決して勘違いではないんだが、自分と敵との相対的な強さにスキルの上がり幅が影響することに気付きにくいってのはあるだろうしな。
で、気がついた頃にはドツボにはまってると。
まぁ運営的にもそうやってプレイヤーが率先して袋小路に飛び込んで、後々バランス調整入れたりするのが嫌だから、スキル上げの有用性を示して、認識を誘導しようと考えたんだろうな。
まぁ、そんな裏事情は運営側に任せて、まずは目の前のトーナメントか。
今回俺のシード枠は、一回戦の最後の試合になっているので、ゆっくりと他人の試合を見ることが出来る。
クフタリアの時は試合数が少ないのと、こんな便利なモニターなんて無かったせいで、見られる試合が限られていたからかなり助かる。
俺はやるのも好きだが、観戦するのも好きなのだ。
「チェリーさんはこの大会どう思う?」
「多分キョウくんが考えてるのと対して変わらないよ。私も一般プレイヤーの腕は前回のPvPイベントのエキシビジョン以上のことは知らないから」
それもそうか。
確かにチェリーさんは俺と違っていろいろな情報をネットから仕入れることが出来る。でも、何だかんだで仕事や急用以外はチェリーさんずっと俺と行動してるから、製品版側の情報量なんて俺とそう変わりはないか。
「でも、結構あれからPvP熱は上がったらしくて、掲示板とか見てると結構な猛者はいるみたい。だからちょっとは期待してもいいんじゃないかな?」
「まぁ、そんな偉そうに言える立場でもないんだけど、前回は多対一で勝てちまうくらいに実力差があったからなぁ。折角なら一対一での互角の戦いがしたいわ」
「キョウくんの場合は、今までの相手がまぁ、ねぇ……」
本気で戦う時に限って格上ばっかなんだよな、俺。
そろそろチェリーさんがいい感じで強くなってきてるんだが、それ以外だと中々なぁ。
キルシュとかどう考えても俺より格上だったし。確かにあの戦いでは色々得るものはあったが、どうせやるなら同じくらいの強さの相手がほしい。
そういう意味では伊福部は一般プレイヤーとはちょっと違うが、かなり期待してるんだよな。
現状はあのバケモンみたいなキャラレベル差で、圧倒的に向こうのほうが強いんだが、キャラ性能が互角なら話は別だ。昔は格ゲーでよく大会決勝で勝負してた間柄だし、潜在的なプレイヤースキルは俺と互角のはずだから。
当然他の参加者で俺と同じくらいの強さのやつが居てくれるなら願ってもないことなんだが。
まぁ、シード枠の中でも俺は一回戦が無い。ベスト16からが俺の出番だ。だから今は参加者の強さをゆっくり見せてもらおう。
まぁ、ベスト8まで、全部の試合に集中できるってものでもないかも知れないけど。
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