155 / 330
三章
百四十七話 予選Ⅰ
しおりを挟む
「いやー、テンション上がるわね!」
「つっても、まだ予選だけどな」
闘技大会初日。
予選を行うということで闘技場の前に集まった選手一同に混じって、俺とチェリーさんはとりあえず待っていた。
エリスとハティは年齢的に出られないので、留守番を頼もうと思ったんだが、エリスの強い要望で俺達が大会に参加している間は本を読んで勉強したいらしい。
それを断る理由はないというか、自分の意志で勉強するというのならむしろどんどんやってほしい所なので、エリスのやりたいようにやらせてみることにした。
さて、時間に遅れたわけでもないと思うが、一体これからどうすれば良いんだと考え始めた所で、丁度人混みが移動を開始した。
戦闘に誰かが居て集団を引っ張っているようなので、どうやら係員に従って移動しているらしい。
そういうのは先に説明して欲しい……と思ったが、先頭団体からの距離を考えると多分説明はしていたが、俺達のところまで声が届かなかったって所だろう。
マイクやスピーカーなんて無いだろうからな。拡声器代わりの魔法とかはありそうな気がしないでもないが。
しかし、今回の大会は毎月やってる小規模大会という話だったが、かなりの人数が集まってるように見える。
三百は届かないと思うが、二百は軽く超えているんじゃないだろうか。
どこかにキルシュも居るんだろうが、こう固まって動いていると、流石に見つけられそうにないな。
「折角闘技場の前に集まったのに、なんで離れるのかしら?」
「さぁ? 人が多すぎるから闘技場だと予選が終わらないとかなんじゃない? 入ったこと無いから中の作りが判らんし、何とも言えんけど」
そういや、一度闘技場の下見をしようと思ってたんだっけか。依頼の方に意識を持ってかれていて完全に頭から抜けてたな。
ま、忘れてたもんは仕方ねーか。
「闘技場でやらないってなら、何処でやるのかしら?」
「そりゃ、街中でやるわけにもイカンだろうし、門の外でやるんじゃねぇの?」
一番戦いに向いているあろう闘技場を使わないという事であれば、別所に求められるのは闘技場以上の利便性だ。そういう意味では壁の外は迷惑をかける事になるような人もそう居ないし、広いスペースを自由に使えると言うことでもある。
予選なんて別に客を意識したものじゃなく、あくまで出場者選別にすぎないのだから、人数を捌き切るため複数の組分けをして、予選を複数人同時進行で進めるというのが、時間を節約できて且つ手っ取り早い。まぁ、何かしらの大会に出たことがある人ならお馴染みの光景ではある。
ゲーム大会然り、スポーツ大会然りだ。
そうして連れてこられたのは予想通り門の外。
毎度そうしてるのか、草原の中にあってこの場所だけは地面は踏み固められており、運動場のようになっていた。
しかも、高くは無いが盛り土がされ、一応簡易ステージのようなものがいくつも作られている。これなら草に足を取られるなんてこともないだろう。
しかしかなりの広さがあるな。これなら10組くらいずつ同時にやれるんじゃなかろうか。
そのちょっとした広場の中心で行進が止まった。相変わらず前の方で何かを叫んでいるが、ざわつきが多くて聞き取りづらい。仕方がない、ちょっと前の方に……
「ちょっと何言ってるのか聞き取れないし私前の方に出るけど、キョウくんはどうする?」
「いや、俺も全く同じことを考えてた。一緒に行こう」
考えることは同じか。まぁほんとに聞き取りにくいしな。一応大声で叫んでいるんだろうけど、もうちょっと声を張って欲しい。
何か叫ぶたびに人が前に出てるから、名前を読んでるのかもしれない。だとしたら名前を聞き逃して不戦敗とかは流石に避けたいからな。
周りの参加者も同じことを思ったのか、舌打ちしながら隊列を崩して係員を囲うように陣を組み直し始めていた。
「あの、あの! 呼び出すまで列を崩さないようにお願いしますぅ」
「姉ちゃんの声が小さすぎて、全く聞こえねぇんだよ!」
「でも、でも、指示には従っていただかないと……」
「そう思うならもっとでかい声で呼び出してくれよ。アンタのせいで不戦敗なんて勘弁願いたいんだよコッチは!」
これは係員が文句言われても仕方がない。本人は頑張っているつもりなのか知らないが、本当に後ろの方には全く声が届いていなかったからな。
実際このやり取りすら後ろの方には怒鳴っている参加者の声しか聞こえていないんだろう。参加者たちは次々と列を崩して声が聞こえる距離まで寄ってきていた。
「オイ嬢ちゃん、その名簿よこしな」
「あっ……!」
「えぇと、今まで呼んだのがここまでだな……? よし、ギリアム・ウーガ、エスト・スーラー、アリオス・カーリエン! それとアル・シシルと……ジン・コリオ。今名前読んだやつは既に呼ばれて集まってる奴の所へ集まってくれ! 続いて……」
見かねた参加者の一人が、係員の女の子から名簿を取り上げると代わりに読み上げ始めてしまった。
正直コレはありなのかと思う所だが、ハッキリ言ってこっちとしては聞き逃しかねない様な声で呼ばれるよりも遥かに良い。
係員の子もオロオロするばかりでちっとも場を収集できてないしな。
審判役だろうか? 先に現地に来ていた係員と同じ格好をした人たちも、参加者の好きなようにさせてるのを見る感じ、あの係員の娘に任せるよりも、進行にはこのままあの男にやらせた方が良いと判断しているんだろか?
……いや呆気にとられてるだけか。
しかしあの参加者の人、すげぇテキパキと話を勧めていくな。王都の詰め所で会っジルクリフって騎士も「仕事の出来る」って感じのおっさんだったが、あの人からも似た空気を感じる。
こういう場で率先して前に出て場を取りまとめるのに妙に慣れてる感じがするし。パーティのリーダーとかやってる人だろうか?
「キョウ・ハイナ! エンリコ・サジャーノに、アル・イブリス!」
「キョウくん、呼ばれてるよ」
「おっと……」
俺のキャラネーム名字がなかったから、ハイナ村の名前を借りたのを忘れてた。
呼ばれるがまま前に出て、集められたメンツの所へ向かう。
どうやら12人ずつ集められているようだが、ここからどうするんだ……?
「さて、組み分けが済んだわけだが、その組ごとに戦闘を行ってもらう。一対一ではなく全員でだ」
バトルロイヤルかよ!?
「ルールは簡単。武器の使用は禁止、舞台から落ちた奴は失格。それだけだ。要するにその舞台上で最後まで立っていた奴の勝ちだって事だな。当然一度でも場外に落ちれば本戦同様復帰は認められんぞ」
なるほど、ずいぶんと広いとは思ったが、元々バトルロイヤル前提だから盛り土のステージがこんなに広いのか。
確かにこれなら短時間で人数を絞り込める。しかも武器の使用を禁止すれば事故死の危険も減るだろうし、監督する側も楽だろう。
しかし予選だからか? 闘技場というよりは何というか相撲みたいだな。どうやら倒されても場外にさえ落ちされなければ問題ないようだが……
「えーと? あとはステージに割り振られた係員の誘導に従ってくれ。以上!」
そういって、場を取り仕切っていた男は読み上げに使った名簿を呆然としている係員に突っ返して、自分もグループの中に混ざっていく。
それで、他の審判役っぽい係員の人も我に返ったのか、集まった俺達の誘導を開始し始めた。
毎月やってるんだよな? それでこのグダりっぷり……大丈夫か? この大会。
「つっても、まだ予選だけどな」
闘技大会初日。
予選を行うということで闘技場の前に集まった選手一同に混じって、俺とチェリーさんはとりあえず待っていた。
エリスとハティは年齢的に出られないので、留守番を頼もうと思ったんだが、エリスの強い要望で俺達が大会に参加している間は本を読んで勉強したいらしい。
それを断る理由はないというか、自分の意志で勉強するというのならむしろどんどんやってほしい所なので、エリスのやりたいようにやらせてみることにした。
さて、時間に遅れたわけでもないと思うが、一体これからどうすれば良いんだと考え始めた所で、丁度人混みが移動を開始した。
戦闘に誰かが居て集団を引っ張っているようなので、どうやら係員に従って移動しているらしい。
そういうのは先に説明して欲しい……と思ったが、先頭団体からの距離を考えると多分説明はしていたが、俺達のところまで声が届かなかったって所だろう。
マイクやスピーカーなんて無いだろうからな。拡声器代わりの魔法とかはありそうな気がしないでもないが。
しかし、今回の大会は毎月やってる小規模大会という話だったが、かなりの人数が集まってるように見える。
三百は届かないと思うが、二百は軽く超えているんじゃないだろうか。
どこかにキルシュも居るんだろうが、こう固まって動いていると、流石に見つけられそうにないな。
「折角闘技場の前に集まったのに、なんで離れるのかしら?」
「さぁ? 人が多すぎるから闘技場だと予選が終わらないとかなんじゃない? 入ったこと無いから中の作りが判らんし、何とも言えんけど」
そういや、一度闘技場の下見をしようと思ってたんだっけか。依頼の方に意識を持ってかれていて完全に頭から抜けてたな。
ま、忘れてたもんは仕方ねーか。
「闘技場でやらないってなら、何処でやるのかしら?」
「そりゃ、街中でやるわけにもイカンだろうし、門の外でやるんじゃねぇの?」
一番戦いに向いているあろう闘技場を使わないという事であれば、別所に求められるのは闘技場以上の利便性だ。そういう意味では壁の外は迷惑をかける事になるような人もそう居ないし、広いスペースを自由に使えると言うことでもある。
予選なんて別に客を意識したものじゃなく、あくまで出場者選別にすぎないのだから、人数を捌き切るため複数の組分けをして、予選を複数人同時進行で進めるというのが、時間を節約できて且つ手っ取り早い。まぁ、何かしらの大会に出たことがある人ならお馴染みの光景ではある。
ゲーム大会然り、スポーツ大会然りだ。
そうして連れてこられたのは予想通り門の外。
毎度そうしてるのか、草原の中にあってこの場所だけは地面は踏み固められており、運動場のようになっていた。
しかも、高くは無いが盛り土がされ、一応簡易ステージのようなものがいくつも作られている。これなら草に足を取られるなんてこともないだろう。
しかしかなりの広さがあるな。これなら10組くらいずつ同時にやれるんじゃなかろうか。
そのちょっとした広場の中心で行進が止まった。相変わらず前の方で何かを叫んでいるが、ざわつきが多くて聞き取りづらい。仕方がない、ちょっと前の方に……
「ちょっと何言ってるのか聞き取れないし私前の方に出るけど、キョウくんはどうする?」
「いや、俺も全く同じことを考えてた。一緒に行こう」
考えることは同じか。まぁほんとに聞き取りにくいしな。一応大声で叫んでいるんだろうけど、もうちょっと声を張って欲しい。
何か叫ぶたびに人が前に出てるから、名前を読んでるのかもしれない。だとしたら名前を聞き逃して不戦敗とかは流石に避けたいからな。
周りの参加者も同じことを思ったのか、舌打ちしながら隊列を崩して係員を囲うように陣を組み直し始めていた。
「あの、あの! 呼び出すまで列を崩さないようにお願いしますぅ」
「姉ちゃんの声が小さすぎて、全く聞こえねぇんだよ!」
「でも、でも、指示には従っていただかないと……」
「そう思うならもっとでかい声で呼び出してくれよ。アンタのせいで不戦敗なんて勘弁願いたいんだよコッチは!」
これは係員が文句言われても仕方がない。本人は頑張っているつもりなのか知らないが、本当に後ろの方には全く声が届いていなかったからな。
実際このやり取りすら後ろの方には怒鳴っている参加者の声しか聞こえていないんだろう。参加者たちは次々と列を崩して声が聞こえる距離まで寄ってきていた。
「オイ嬢ちゃん、その名簿よこしな」
「あっ……!」
「えぇと、今まで呼んだのがここまでだな……? よし、ギリアム・ウーガ、エスト・スーラー、アリオス・カーリエン! それとアル・シシルと……ジン・コリオ。今名前読んだやつは既に呼ばれて集まってる奴の所へ集まってくれ! 続いて……」
見かねた参加者の一人が、係員の女の子から名簿を取り上げると代わりに読み上げ始めてしまった。
正直コレはありなのかと思う所だが、ハッキリ言ってこっちとしては聞き逃しかねない様な声で呼ばれるよりも遥かに良い。
係員の子もオロオロするばかりでちっとも場を収集できてないしな。
審判役だろうか? 先に現地に来ていた係員と同じ格好をした人たちも、参加者の好きなようにさせてるのを見る感じ、あの係員の娘に任せるよりも、進行にはこのままあの男にやらせた方が良いと判断しているんだろか?
……いや呆気にとられてるだけか。
しかしあの参加者の人、すげぇテキパキと話を勧めていくな。王都の詰め所で会っジルクリフって騎士も「仕事の出来る」って感じのおっさんだったが、あの人からも似た空気を感じる。
こういう場で率先して前に出て場を取りまとめるのに妙に慣れてる感じがするし。パーティのリーダーとかやってる人だろうか?
「キョウ・ハイナ! エンリコ・サジャーノに、アル・イブリス!」
「キョウくん、呼ばれてるよ」
「おっと……」
俺のキャラネーム名字がなかったから、ハイナ村の名前を借りたのを忘れてた。
呼ばれるがまま前に出て、集められたメンツの所へ向かう。
どうやら12人ずつ集められているようだが、ここからどうするんだ……?
「さて、組み分けが済んだわけだが、その組ごとに戦闘を行ってもらう。一対一ではなく全員でだ」
バトルロイヤルかよ!?
「ルールは簡単。武器の使用は禁止、舞台から落ちた奴は失格。それだけだ。要するにその舞台上で最後まで立っていた奴の勝ちだって事だな。当然一度でも場外に落ちれば本戦同様復帰は認められんぞ」
なるほど、ずいぶんと広いとは思ったが、元々バトルロイヤル前提だから盛り土のステージがこんなに広いのか。
確かにこれなら短時間で人数を絞り込める。しかも武器の使用を禁止すれば事故死の危険も減るだろうし、監督する側も楽だろう。
しかし予選だからか? 闘技場というよりは何というか相撲みたいだな。どうやら倒されても場外にさえ落ちされなければ問題ないようだが……
「えーと? あとはステージに割り振られた係員の誘導に従ってくれ。以上!」
そういって、場を取り仕切っていた男は読み上げに使った名簿を呆然としている係員に突っ返して、自分もグループの中に混ざっていく。
それで、他の審判役っぽい係員の人も我に返ったのか、集まった俺達の誘導を開始し始めた。
毎月やってるんだよな? それでこのグダりっぷり……大丈夫か? この大会。
2
お気に入りに追加
628
あなたにおすすめの小説
最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職
鎌霧
ファンタジー
『To The World Road』
倍率300倍の新作フルダイブ系VRMMOの初回抽選に当たり、意気揚々と休暇を取りβテストの情報を駆使して快適に過ごそうと思っていた。
……のだが、蓋をひらけば選択した職業は調整入りまくりで超難易度不遇職として立派に転生していた。
しかしそこでキャラ作り直すのは負けた気がするし、不遇だからこそ使うのがゲーマーと言うもの。
意地とプライドと一つまみの反骨精神で私はこのゲームを楽しんでいく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
無能と蔑まれた七男、前世は史上最強の魔法使いだった!?
青空一夏
ファンタジー
ケアニー辺境伯爵家の七男カイルは、生まれつき魔法を使えず、家族から蔑まれて育った。しかし、ある日彼の前世の記憶が蘇る――その正体は、かつて世界を支配した史上最強の大魔法使いアーサー。戸惑いながらも、カイルはアーサーの知識と力を身につけていき、次第に自らの道を切り拓く。
魔法を操れぬはずの少年が最強の魔法を駆使し、自分を信じてくれる商店街の仲間のために立ち上げる。やがてそれは貴族社会すら揺るがす存在へと成長していくのだった。こちらは無自覚モテモテの最強青年になっていく、ケアニー辺境伯爵家の七男カイルの物語。
※こちらは「異世界ファンタジー × ラブコメ」要素を兼ね備えた作品です。メインは「異世界ファンタジー」ですが、恋愛要素やコメディ要素も兼ねた「ラブコメ寄りの異世界ファンタジー」になっています。カイルは複数の女性にもてますが、主人公が最終的には選ぶのは一人の女性です。一夫多妻のようなハーレム系の結末ではありませんので、女性の方にも共感できる内容になっています。異世界ファンタジーで男性主人公なので男性向けとしましたが、男女関係なく楽しめる内容を心がけて書いていきたいです。よろしくお願いします。
沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜
雪雪ノ雪
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。
剣と魔法の世界で冒険をするVRMMORPGだ。
このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。
これを知った少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は
「このゲームをやれば沢山寝れる!!」
と言いこのゲームを始める。
ゲームを始めてすぐ、ある問題点に気づく。
「お金がないと、宿に泊まれない!!ベットで寝れない!!....敷布団でもいいけど」
何とかお金を稼ぐ方法を考えた明日香がとった行動は
「そうだ!!寝ながら戦えばお金も経験値も入って一石三鳥!!」
武器は枕で防具はパジャマ!!少女のVRMMORPGの旅が今始まる!!
..........寝ながら。
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる