ν - World! ――事故っても転生なんてしなかった――

ムラチョー

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二章

百二十二話 今回の顛末

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 結局その後、丸二日間休養に使う羽目になった。
 便利な魔法治療なんてものがあるおかげで、現代医療であれば全治1ヶ月はくだらない大怪我も、傷跡は残ってしまったものの完全に塞がったのだが、体力だけはどうにもならないようで、しばらく起き上がれなかったのだ。
 今回は王様の呼集に応じた結果巻き込まれたという事で、俺の医療費は国が負担してくれる事になったので請求の心配も必要ない。
 という訳で、俺は大人しく布団にくるまって過ごす事に。
 村長たちの会議が終わるまでは帰る予定もなかったしそれは良いのだが、どうやら俺が倒れている間、エリスとチェリーさんは王様から頼まれて色々仕事をこなしていたらしい。
 もちろんタダ働きではなく、結構な給金をもらっての事だ。
 取り急ぎなにか大金が必要な用でもあったかと思ったら、屋台で見つけた武器を買うための小遣い稼ぎなのだという。
 そういえば二人共、ナイフと槍にいたくご執心のようだったな……
 まぁ、そんな訳でじっと待っているのも辛いという事で、チェリーさん達も割と乗り気でやっていたんだそうな。

「……といった感じだな」
「いや、ソレはわかったんだが、何でアンタこんな所で油売ってんだよ」
「単なる気分転換だ。気にするでない」

 そんな事を王様本人がわざわざ伝えに来るのはどうなんだと思ったが、どうもかなり立て込んでいるらしく、無理やりにでも時間を作ってこういった息抜きでもしなければやってられないんだとか。
 まぁ、確かにこれだけの大事件だ。
 仕事量は想像を絶するものになっているだろう。

「ちなみに今回の騒乱の顛末だが、首謀者である貴族一味は全員捕縛することに成功はした。……ただし、廃人同然の状態でだがな」
「廃人? 自決的な何かでもしたのか?」
「それがどうもハッキリせんのだ」

 首謀者グループとみられる貴族たちのうち、生き残っていたのは三分の一程度だったようで、残りはどうなったかと言えば、盗賊達に殺されたり、激しく抵抗して騎士たちに切り殺されたりといった感じだったようだ。
 生き残りもほとんど会話すら出来ない程に錯乱しており、原因はこれから詳細を調べるという事だが、おそらく再起は不能だろうという事だ。
 どう考えても真っ当な精神状態ではなく、何らかの手段で理性を破壊された可能性が高い。
 貴族たちの言動が軽率かつ直情的で、雇われていた緋爪から見ても短期間で印象を大きく変えていたのもコレが原因だったと思われるという話だ。
 簡易の取り調べの時は薬の類は検知されなかったらしく、術を掛けられた痕跡がないかという方面から現在調べられているんだそうな。
 また、あの狂信者に関してだが、彼以外にそれらしい人物が見つからなかった事から、組織的な宗教攻撃という訳では無いらしいとの事。
 ただし、彼の証言が妄想でないのならば、背後にそれなりの地位を持った人物が控えている可能性がある。

「しかし何故、お前がマトにされたのかが判っておらぬ。貴族共は間違いなく月狼を的に絞っておった。これはこちらの調べでほぼ間違いないと結論づけておる。だがお前への襲撃だけは様子が違う」
「俺だけ……?」

 あの殺し屋は貴族たちとは別件という事か?

「話を聞くに、最初から的に掛けられていたのはあの月狼ではなくお前をの様だというではないか。しかもかなりの執着を見せていたと聞いたが?」
「そうだな。なんか偉い人に託宣がどうのと吹き込まれたみたいなことを言っていたが……」
「これで、完全に別口というのであれば話はわかるのだが、貴族たちとその殺し屋が繋がっていたのは裏が取れている。状況から見るに貴族共を誑かし、狂わせたのも殺し屋とやらの仕業であろう。しかしそれでは辻褄が合わぬ」

 辻褄が合わない?
 単純に別々の目的があって手を組んだってだけの話じゃないのか?

「これが殺し屋とやらが月狼を手に入れると言い出したのなら、まぁまだ話はわかる。事前にその事は一部の者達に伝えてあったから、何処かから情報が漏れ、そこに目をつけたと考えてもいい。あまり考えたくはないがな」

 そりゃ、その前提って機密がダダ漏れってことだから、王様としては考えたくはねぇわな。

「だが、お前が狙われた。俺以外、この国でお前のことを知るものなど誰も居ないにも関わらずだ。月狼を奪うためにお前を排除すると言う訳でもなく、お前に執着したという事は、何かがあるはずなのだ」
「そう言われてみると、たしかにわかんねーな。俺はこの国に来てから、それこそハティの飼い主という意味以外では一切目立つような行動はなかった筈だし、目をつけられる理由がわからない」

 これがハイナ村の顛末まで知っているとしたら、俺と王様が顔見知りだとか、有名な傭兵団の傭兵くずれと戦ったとか、多少の事情は考えられはする。
 だが、この国に来てからはホントに目立ったマネはしてねーぞ。
 それこそ貴族に絡まれて迷惑したくらいだ。

「結局誰の差金かとかは分からずじまいなのか?」
「誰か、と言うのは流石に突き止めることは出来なんだが、刺客の所持品などから見てその身を偽っているわけでないのであれば、女神信仰の……恐らく西のサルヴァ法国の者だと踏んでおる。まぁそれがわかった所で、例の司祭とやらとの繋がりを示す明確な証拠が見つかったわけでもなし、迂闊に抗議を行うわけにもいかんな」

 まぁ、そりゃそうだろう。
 他国の王が何の証拠もなく暗殺者を送り込んだなんて言い出したら、下手すりゃ戦争になる。
 最初からふっかけるつもりであるならそれも一つの手かもしれないが、そうでないのなら迂闊な真似はできないだろう。

「今回の件も意図的に情報を残しておった可能性もある。我らからの抗議を言い掛かりと糾弾し、応戦の大義をもぎ取ろうと裏で画策している可能性もあるからな」
「あぁ、なんか戦争モノの話に凄くありがちなヤツだな」
「とはいえ、それで連中に何の特があるのかはサッパリ分からんがな。連中は世界最大の宗教国家だ。戦争なぞせずとも幾らでも銭なぞ稼げる。むしろ、既に広大な国土も、高い国力も併せ持つかの法国が、国を疲弊させる戦を望む理由がまるで思い当たらん」

 素人知識だが、戦争は物的にも人的にも資源の出費がかさみすぎて、儲けなど殆ど出ないって何かで読んだ気がする。
 詳しい話はよく分からんが、植民地政策が現代残っていないのは、植民地を作ると大抵が赤字になるからって聞いた覚えもあるしな。
 実際は、戦争を煽る連中が武器なんかで儲けるとも聞くが、国と国の話となると、やっぱり損耗が割に合わないということなのだろう。

「まぁ、その辺も含めて、色々と情報を集めておる所よ。もし連中が我が国に害をなそうと画策しておるのなら、黙って見過ごすわけにはいかんでな」
「今回の件のことを考えると、無関係とは言い切れないものがあるからなぁ」
「正直な話、俺としては宗教国家なんて面倒な連中とは、あまり関わり合いになりたくはないのだがな。今回ばかりはそうも言ってられん。これは噂の域をまだ出んが、託宣によって御子とかいうのが選ばれたとも聞く」
「御子?」
「神に選ばれた聖人って奴だよ。まぁ、どういう訳か殆どの御子は司教や司祭の子息から選ばれることが多いのだがな」
「うわ……コネ人事かよ」
「箔付けとして担ぎ出す人材だからな。親族ともなれば寄付金などで財布も潤うというものだろう」

 こんなファンタジーな世界でも宗教は搾取のシステムなのかよ。
 ほんと、要らない所までリアリティに富んだ世界だわ……

「そもそも、彼の国の司教や司祭は生涯を神に捧げ独身を貫かねばならんのに、息子が居るという時点でテメェの宗教の教えをぶち壊しておろうが。あのような俗に塗れた生臭坊主共を相手にマトモに取り合うだけバカを見るというものだ」
「見事に爛れて腐ってるのな、その宗教」
「よっぽどの事がなければ宗教自体は腐りはしないだろうよ。腐るのはいつも人のほうだ」
「ご尤も」

 そもそも宗教なんて、救われたいって思ってるやつが神でも仏でも何でも良いから祈ってればそれで良いんだ。
 寄付だのお布施だのと金を絡ませたり、司祭だの司教だのと地位なんて作るから生臭くなるんだ。
 何で純粋に神頼み出来ないかね?
 ……金になるからこそ、そういう俗っぽい権力主義者や詐欺師みたいな奴が宗教に首突っ込むんだろうけどな。

「しかし俺の暗殺といい、その御子とやらの話といい、随分頻繁に託宣とやらが降ってくるんだな。どんだけ過干渉なんだよその女神とかいうのは。いくら司教とかが権力でやりたい放題にしても、そんなに託宣連発してたらありがたがる奴なんて居なくなるんじゃないのか?」
「あの国の内情はよく知らんが、ありがたい託宣がそうポンポンと出るようなものではない事くらいは伝え聞いている。今回のお前への襲撃も託宣とやらが関わっているようだし、時期的になにか関係があるやもしれんな」

 お告げフィーバータイムって事か?
 安っぽいにもほどがあるだろう。

「託宣とやらの内容は解らんけど、そもそも南の法国なんて一度も行ったことねぇのに、何で俺が狙われなきゃならんのだ。別に宗教批判したことも無ければ、地位も金も何も持ち合わせてねぇぞ」
「そこまでは俺も知らぬ。いずれ手の者が何かしらの情報は手に入れてくるだろうから、そこからだな」

 結局は情報が出揃わなければ、考えるだけ時間の無駄という事か。
 最近、似たような状況が多い気がするな。
 兎にも角にも情報不足か……
 こういう時、従来型のMMOであれば勝手にNPCが切っ掛けになる情報を敵味方問わず次々と持ち込んできてくれる物なんだが、その切っ掛けすら地力で見つけ出さなきゃならないとなると、途端に難易度が跳ね上がるんだな。
 今手元にある情報って、襲撃者が自分はどこぞの宗教家で、託宣を受けて殺しに来たと『自称している』という事だけだ。
 それが自称ではなく、本当の話だったと裏が取れても、理由を知ってる襲撃者はもう死んでるし、俺が襲われる原因の特定には至らない……と。
 ホントに、受け手に不利だなこの状況。

「なんか他にそれっぽい情報はないのか?」
「ふむ……密偵を放ってまだ時が経っておらんからな。特にめぼしい情報はまだ入ってきてはおらん」

 そりゃそうか。
 そもそも襲撃されてから一日しか経って無いわけだからな

「そうだな、新しい情報ではないが、一つ引っかかってる事はある」
「引っかかってる事?」
「新たな御子の誕生など、そんな法国以外では取るに足らぬ情報がこうも早く他国まで流れてくるというのは珍しい。何か事情があるやもしれん。他国のものに評判が上がるほどその御子が優れた人材なのか、或いは……まぁコレは俺のただの勘働き程度のもので、何か決定的な情報を持っているわけではないが、連中との件では既に当事者となってしまっているお前は心に留めておくといいだろう」

 選ばれてすぐ、他国に名が知れ渡るほどの勇名か……
 コネ人事というのなら、広告宣伝もそれは派手にぶち上げるのだろうけど、それでも今まで国外にまで名が轟くという事はなかったと言うことだし、確かに気になる話ではあるな。

「分かった。記憶の片隅にでも残しておくよ」
「そうすると良い。幸い、お前には行動をともにする仲間がいる。一つのことに囚われすぎて、変に抱え込むような事がないようにな。自分にとって深刻なことほど他人から見れば何故悩んでいるのかわからないといった感じで思わぬ解決法を提示してくれることもあるものだ」

 あぁ、それはたしかにそう思うな。
 漫画とかでも主人公が重要な情報抱えて1人で苦しんでるの見ると『何で仲間と相談しないんだよ』って突っ込みたくなる事が多々あるし、
 俺の知識もかなり偏ってることは自覚があるし、自分なりの答えが……それこそ『解らない』という形であっても良いから、何らかの形で結論が出るまで考え込む癖があるからな。
 ちょっとした事でも行き詰まった時はチェリーさんとかに相談したほうが良いのかもしれんな。

「それと、今回の協力に関しての報酬として一つ。といってもこれは俺の方の思惑も絡んでるから褒美と言うのもどうかと思うが、ハティについて国内の各町に王公認の月狼使いとして触れを出しておこう。流石になんの情報もなく街を訪ねてもハティをつれては入れんだろうからな」

 そういって、取り出したのは青い宝石のはまった狼っぽい形のペンダント?

「この青い水晶細工は特殊な光を当てると模様が浮かぶようになっておってな。王家公認という証になる」
「なるほど、身分証みたいなもんか」
「口で言って門兵に通じなかった場合でも、それを提示すれば問題はないだろう」

 といっても、そんな頻繁に他所の街に顔をだすつもりは今のところは無いんだがなぁ。
 将来的に旅をしてみたいとは思ってるが、まずは地盤固めの方をしっかりと……って、そういう事か

「月狼の飼い主がこの国に居るって言うだけで結構な抑止力になるからこそ大々的にお披露目する……だったか」

 月狼の王個体を王家と親しい人間が御しているという話が広がるだけで、面倒な問題の一部が鳴りを潜めると。
 ハティをこの王都に連れてくるように言った王様の目的がまさにソレだ。それを王都だけでなく別の町に出向いて知らしめろと、そういう事か。

「ああそうだ。最もこの祭りで各都市の権力者やかなりの数の観光客が、祭りに顔を出したハティを目撃しておるからな。無理に各都市を回れと言うつもりはない。何かの都市を訪れる際にトラブルが回避できる位に捉えておくと良い」
「ソレは正直助かるわ」

 ハティは人の言葉もバッチリ理解するし、敵対さえしなければかなり温厚なんだが初見の相手にはなかなか信用してもらえんだろうからな。
 見た目だけは超怖いし。

「さて、これ以上城を開けるとアルマたちが探しに来かねんな」

 そういって窓の外に視線を向ければ、そろそろ青一色の空に朱が混じり始めていた。
 何だかんだで一時間近く話し込んでいたということになるか。

「俺は帰るとしよう。気分転換に突き合わせてすまなかったな」
「いや、俺の方も色々情報を聞けて助かったよ」

 つい今しがた情報の重要さに気付いた身としては、自力ではこんな早期に入手出来なかったであろういくつもの情報の提供は何よりもありがたかった。
 コレも人脈パワーというやつか。
 勇者とか英雄とか主人公が何がしかの理由で王族と縁を持つ者が多いってのも、案外こういう利点によってのし上がることが出来たからと言うのがあるのかも知れないな。
 まぁ、俺の場合は勇者の証があった訳でもなく、王への面通しが出来るような凄い武功があったわけでもない、完全に棚からぼた餅の形での人脈だったがな……
 今回の顛末がストーリとして組まれていたのなら、恐らく主人公的な立ち位置は最初に王族との繋がりを作ったあの金髪イケメンの方だろうな。
 俺は助っ人キャラ的な感じが良いところか。
 俺達がやったことって、王様側の立場としてみると伝令だけだからな。
 しかも最後に命を救われて完全に引き立て役って感じだったし、やっぱり俺は主人公に離れないキャラクターのようだ。
 別段、主人公になりたいと思ったことはないけどな。
 面倒事を被せられるって印象強いし。

「そうだ……もう一つ忘れておったな」
「まだ何か懸念事が?」

 これ以上は少々頭がパンク気味なので、厄介事は勘弁願いたいんだが……

「いや、ただの詫びだ。此度は騒動に巻き込んですまなんだな。誓って言うが、あの月狼を連れ歩くための名目作りという点を除いて俺はお前たちを祭りに招待したかっただけなのだ」

 おいおい、王様ってそうそう頭を下げちゃならんもの何じゃなかったか?
 悪いと判っていても、国の責任者として弱みを見せちゃいけないとかなんとか。
 まぁ、王様は王様でもこの人の場合はまぁ、少々特殊だし有り……なのか?
 それに、何かと知恵の回る人ではあるが、そうそう理由もなく悪意を向けるようなタイプではないというのは少ない付き合いだが何となく判っている。

「わかってるよ。大体、最後の最後で狙われたのは俺みたいだったし、むしろ呼んでくれて助かったと思ってる。俺達三人だけじゃ、死んでたかもしれんしな」
「そうか、それが聞けただけでもここに足を運んだ甲斐があった」

 そういって、今度こそ王様は帰っていった。
 初めて会った時も思ったがフットワークが軽いというか、あの性格でちゃんと王様やれてるんだからホント凄いと思うわ。

 その二日後、今回の騒乱に関わっていた貴族が全員捕縛されたことが告知された。
 街に侵入した盗賊に関しては全貌がハッキリしていないため未だに治安強化に努めているということらしいが、ひとまずはこの国を襲った災難は収束したと見て問題ないだろう。
 法国に関する様々な疑惑や俺が狙われた理由なんかは、今後の調査で進展してくれることを期待しよう。
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