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二章

百七話 外の話Ⅲ

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「結城さん! 大丈夫ですか!? 結城さん!」
「…………え……? ……ぁ?」

 あれ、私は……?

「主任! だからあれほどやめたほうが…………」
「いえ、彼と関わる以上、いつかは必ず経験して…………」
「だからって、リミッターを外して彼と全く同じ体験を…………」

 誰かが言い争ってる?
 なんだろう、頭がぼうっとして考えがまとまらない。
 たしか……

 そう、確かライノスとキョウくんの戦いを見せられて……
 足に走るひっかくような痛みに気を取られて、気がつけば目の前をライノスの角が……

「……! 足! 私の足!?」
「落ち着いてください! 結城さん、貴方は何処にも怪我なんてしていませんから!」
「え!? だって、私、足が……」

 あれ、足が無傷で……

「結城さん、落ち着いて。無理矢理でも良いので深呼吸です、さぁ、吸って」
「え? すぅ……」
「ゆっくり吐いて」
「ハァ……」

 ……そうだ、私はキョウくんの追体験のためのシミュレータに参加してたんだ。
 VRの出来事であって、怪我なんてするはずがない。
 ああ、やっと頭がはっきりしてきた。

「落ち着きましたか?」
「はい、すいません取り乱しちゃって」
「いえ、気にしないでください。私ももう少し詳しく説明するべきでした」
「いえ、アレだけ念入りに警告されていたのに、甘く考えていた私のミスです」
「だから言わんこっちゃない……!」

 そう、肩を怒らせて割り込んできたのはスタッフの一人だ。
 さっき、ぼうっとした頭で眺めていた時田辺さんと言い合っていた人だろうか?

「今、お客さんが来ている前でする話ではないでしょう?」
「主任……!」
「……わかりました。結城さん、少し休んでいてください。すぐに戻ってきます」

 そういって、田辺さんはバックオフィスに入っていった。
 そういえば最初に揉めていた人も確かあの人だったと思う。
 会話の内容から、多分この私のシミュレータの使用を危険だからと反対していたんだと思う。
 体験した今なら、その危惧も理解できる。
 実際に私は取り乱し、あんな我を忘れるような無様を晒したのだから、何も文句は言えない。
 
 そう、甘く考えていたんだ。
 キョウくんの感じるダメージというのを、私はよく理解していなかったのだ。
 私の筐体で感じるのはあくまで「疑似」ダメージだったのに、私はキョウくんのソレを私の認識の延長上で考えてしまっていた。
 話自体は大して長くならなかったのか、田辺さんはすぐに戻ってきた。
 相手の人も納得はできている様子ではなかったが、鉾は収めた……といった感じだ。
 その内容を推察しようとして、やめた。
 今考えるべき内容はそこじゃない。

「田辺さん、アレがキョウくんが実際に感じている痛み……なんですね?」
「そうです」
「エリスちゃんが訓練中に怪我をして痛がっていたのも、同じ痛みを感じているってことですか?」
「NPCはあの世界で生きている人間として設定してあるため、ペインシミュレータもオンになっています。当然エリスにもそれは当てはまります」

 なるほど、キョウくんがアレほどNPCを無闇に害さないように言うはずだ。
 彼はその痛みを理解してしまっていたから、バトルメインのMMOにも関わらず戦いを最終手段と捕らえていたんだ。

「それじゃあ、もう一つ。ライノスと戦っていた時に攻撃された訳でもないのに足に感じた痛みは何だったんですか? アレに驚いて、訳がわからないうちに混乱しちゃって……」
「都会で生活する方にはピンとこないかも知れませんが、草原に生えている雑草や枯れ草でも草原の中で走り回れば足を傷つけるんです」

 言われてみれば当たり前の話だった。
 なぜ咄嗟に気づけなかったのかわからないレベルの内容だ。
 確かに、私は生まれも育ちも東京だし、草原を実際に走ったことは無いけど、想像くらい出来てもおかしくなかったはず。
 単純に、想定していたリアルさと、現実のギャップで混乱してマトモな思考ができていなかったんだ。

「初期装備はハーフパンツ型のズボンですから膝下がむき出しなんです。だから草の葉で足を引っ掛けたり切っていたんですね。ゲーム上では敵対行動でもトラップ判定でもないのでHPダメージは発生しません。だから結城さんの筐体でもダメージ表現は発生しないし、一般の筐体でもそれは同じでしょう。でないとゲームとしてストレスが大きすぎます」
「あぁ……なるほど」

 確かに草原でモンスターを追いかけるだけでダメージを受けるなんてとてもやってられない。
 でも、それはつまり本来ならゲームをやってる上で全く気にもとめないようなことでもキョウくんやNPCであるエリスちゃんにとっては痛みという形でダメージになり得る……と。
 攻撃を受けたわけじゃなく、ただ攻撃しただけでその衝撃が骨にまで届くような鈍痛を手に感じたくらいだ。
 そして実際にHPに受けるダメージは言わずもがな。
 あの瞬間……片足が動かなくなった所で完全にパニックになり、気がつけばライノスの突進で反対の足を巻き込まれ吹き飛ばされていた。
 まるで本当に足がちぎれ飛んでしまったんじゃないかと感じるほどの恐怖だった。
 よく覚えていないが、シミュレータがシャットダウンしたのは、その時の衝撃と恐怖でなりふり構わず叫んでしまったんだろう。

「彼が臆病だなんてとんでもない……私の方が勘違いしていたんですね」

 戦う度にあんな経験をしていたのなら、そりゃ戦いに対して消極的になりもする。
 むしろ、必要であるなら戦うことに躊躇わない彼の考えこそ驚くべきことだ。
 私なら、自分よりも高レベルの武器を持った相手を見たら、脇目も振らず逃げるかもしれない。
 しかも、キョウくんの場合は一緒にいるエリスちゃんのこともある。
 危険に対して臆病なくらいに慎重になることを、褒められはすれ避難されるいわれなど無いのに私ときたら……!

「それも仕方ないことです。彼の状況は彼と同じ経験をした人間にしか理解できやしない。ゲームの中で命がけで生きているなんて『そんな漫画やアニメじゃあるまいし……』なんて言葉で片付けられて、誰も信じて何てくれないんですよ」
「今回の体験をさせてくれたのは何故です?」
「結城さんが、まぁ理由はかなり個人的なものでしたが、それでも彼と一緒に行動したいと真剣に思ってくれたからです。彼は基本的にALPHAの方で活動する事になりますから、現実のプレイヤーとの接点が非常に少ない。だから彼と一緒に居てくれる貴方には正確に彼のことを知っていてほしかったんです。理解者に出会えず、人付き合いに疲れてコミュニケーションを絶つような彼を見たくなかった」

 きっとさっきの私の言葉だ。
 スタンスの違いからくる不満という言葉から、私と彼の関係が悪いものにならないように、私にアレを見せてくれたんだろう。
 私の勘違いから、彼との関係が破綻するような芽を摘み取るために。

「彼が自由に出歩けないと言った話は聞きましたか?」
「はい、本人から直接」
「この痛みの危険性を考えて、私はすぐにテストプレイの参加を取り下げるように伝えました。ですが彼は寝たきりで動けなくなるくらいなら、多少危険であってもこの世界で自由に動き回りたい、と危険を承知の上で、ALPHAでの活動を切望しました。そして我々としても彼に自由の可能性を見せてしまった責任としてその申し出を受け入れました」

 確かに、病院のベットから起き上がれず、天井を眺めているだけの生活に戻るくらいなら、私だってそのリスクを承知でゲームの世界に残りたいと思う。

「私は彼がリバースカーで働いていた頃からよく知っています。彼は本当に楽しそうにゲームを遊ぶ。特に格闘ゲームやアクションゲームと言ったバトル物をね。それは彼の技量に惚れた結城さんなら分かるんじゃないでしょうか」
「ですね。好きで、遊び倒してなけりゃああはならないと思います」
「それはこのゲームであっても同じことです。その彼が慎重すぎるように感じる対応を取る。であれば何かがあると、その理由を少し考えてやってほしいんです。何も彼の行動をすべて肯定しろと言うつもりはありませんが、彼の置かれた状況を知った結城さんなら……」
「解っています。というか、アレを体験してしまうと考えずに居るなんて無理ですよ」
「すいません……」
「いや、そこ謝られるとこじゃないっていうか、むしろ謝るべきは私だったと言うか……」

 でも、心底田辺さんの話に乗って良かったとおもう。
 かなりの無様を晒したけれど、この体験がなければ私は一生彼のことを理解できないままだった筈。
 ……我ながらかなりミーハーではあるが、憧れのプレイヤーである彼とゲーム内同居みたいな真似をしてその技術を学ぼうとしていたのに、その本質的な所に全く気付かないまま無為に過ごすところだった。
 正直、田辺さんには感謝してもし足りない。

「それにしても、なんというか田辺さん、まるでキョウくんのお父さんみたいですね」
「お父さん……僕が?」

 それはもう心底驚いたという顔だった。
 結構表情の動きが少ない田辺さんがこんな顔をするとは驚きだ。

「僕はこれでも32ですよ? 20過ぎの息子を持つには早すぎると思うんですけどねぇ」
「もうなんて言うか、さっきの言葉とか『息子を頼みます』とかいうお父さんっぽさ前回でしたよ」
「えぇ……?」

 おそらくそれは、元部下とか知人としておせっかいを焼いただけなんだと思う。
 だけど、そんな風に気にかける暖かさが、なんかちょっと良いなとそう思った。

「大丈夫です、彼の理解者とかそんな大層なものはなくても、プレイヤーとしての彼の技量に私は憧れたんです。自分から離れるような真似はしませんよ。私ってコレでもミーハーなんです」

 そして、ソレ以上に負けず嫌いなんですよねー。
 自分よりも低レベルなキョウくんに負けっぱなしというのは許容できない。
 いやまぁ戦って負けたわけじゃないから、負けっぱなしというのはちょっと表現が違うかも知れないけど。

「そうですか。ソレを聞いて安心しました。ソレを踏まえて、ですが……」

 さっきは冗談でお父さんみたいって言ったけど、実際それくらいキョウくんのこと真剣に考えてるんだなこの人。
 元同僚だってことだし、相当仲が良かったのかな?
 まぁ、田辺さんに頼まれなくても、こんな体験をしてしまったら、見て見ぬふりなんて出来やしない。
 良心の呵責的に。
 何より、せっかく出来た同年代のガチなゲーム友達を見放すなんてしたくない。

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