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二章
六十七話 夜のお話
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「おし、こんなもんだな。エリスは十分運動したか?」
「うん。やろうと思ってた分は終わった~」
じゃあ今日はこれで終わりでいいか。
「チェリーさんはどう?」
「終わったよ~……」
ああ、これは思ったように上手く行かなかったな。
でもまぁ、初日だしコツ自体は掴んでたみたいだったから上出来の部類じゃなかろうか。
今言っても気休めとしか取られないだろうから言わないけど。
「それじゃ、今日はここまでかな。エリスはハティと先に汗流しといで」
「わかったー。行こ、ハティ」
「ワン!」
俺も久々にこっちで体動かして思った以上に汗書いたな。
エリスが戻ってきたらサッパリしとくか。
しかし、チェリーさんもこれでひとまずこっちに来て初日の活動終了かね。
「お疲れ様、チェリーさんはこれから活動記作業?」
「あ、実はこまめにメモは取ってあるんだ。SSも撮り貯めてるから作業は明日の昼にやろうと思ってる。毎日更新は流石に無理だから3日に一回くらいで更新していくつもり」
「毎日日記はたしかにキツイわな、最初の頃は新しいものいっぱいでいいかもしれないけどそのうちネタ探しで時間取られそうだ」
「そゆこと、普段日記なんて付ける癖無いから長期間となると絶対ボロが出るだろうし、書いてるこっちもネタ切れ以前に飽きが来ちゃうしね」
ああ、なんとなくその気持はわかる。
俺も知り合いに誘われてSNS初めたが、他の連中みたいに毎日何かを書き込んでいくのが途中から面倒くさくなってやめちまったんだよな。
挨拶とかだけ書き込んでるやつも居たけど、そんなの書く意味あるのか? って思って結局書かない自分が居た。
「キョウさんはもうこの後は予定ないのよね?」
「無いな。川で汗流して寝るだけ」
「いつもはエリスちゃんと一緒に寝てるの?」
「そうだけど、正確にはハティも一緒だな」
川の字ならぬ……なんて表現すれば良いんだあれ。
「え、あの部屋にそんな入るの?」
「それが意外と入るんだよな。まずハティが寝そべって、ハティの身体を枕に、しっぽを布団代わりにして寝てるんだ」
「え、ナニソレ面白そう! ハティちゃんモフモフ出し凄く気持ちよさそうなんですけど!」
「まぁ、確かに寝心地はびっくりするくらいに良いな」
「でも、あの部屋の広さで私もとなると入れるかな……」
「んん?」
なんですと?
「チェリーさん、これで落ちるん……です よね?」
「ええ? そんな訳ないでしょ。何のために無理して筐体に毛布備え付けたと思ってるんですか」
ああ、そういえばそんな事言ってたね……
値落ちによる風邪の防止方法だと思ってたよ。
まさかガチ寝前提だったとは思い至らなかったわ。
「いやいや、いくらゲーム内とはいえ一部とはいえ触覚共有しているのに良い歳した男女が同じ部屋で寝るのは不味いでしょうよ!?」
「ううん……この間も言ってたけどキョウさんはネトゲ内のシステム結婚したプレイヤーが深夜に同じ部屋で駄弁ったり値落ちするのがそんなマズイ事だと感じるの?」
「そう表現されると確かに何も問題ないんだけど、このゲームは触感とか普通にある訳で、一般のネトゲと同じ感覚
とは行かないでしょ!?」
主観視点と相まって、リアリティが有りすぎるんだよ。
特に俺の場合五感のせいで余計現実特別がつかないレベルだってのに。
「考えすぎじゃない? 別に、アバター触られても『だから何だ』って感じだし、胸や尻は筐体の範囲外だから触られても私何も感じないしね。むしろ疑似触覚がある手や足触られる方がよっぽど嫌なくらいだし」
そういうものなのか?
俺が過剰反応しすぎ?
ただのゲーム画像……とは違うよな?
触れるからダッチワイフ……いや、キャラモノの抱き枕カバー的な感じ?
それでも作りが人間を限りなく模倣していて人間と同じように動くなら、それって人間とどう違う……
「だって、ほら」
「おっ……!?」
唐突に手を取って何をするかと思えば、そのままおっぱい揉まされた。
あ、アバターでもやっぱ柔らかく作ってあるのか。
内臓や骨格とかも作り込まれてるなら当然かーハハハ。
じゃなくて!
「いやちょっと、チェリーさん!?」
「やっぱり触られても感覚なにもないなぁ」
いや、そんな冷静に何言ってますの?
触ってるこっち側にはバッチリ柔らかい感触が伝わってきてますけど!?
「よっ……ああ、コレは一応手や顔周りの感覚があるから抱きついてる感はちゃんとあるのね」
え、今度は行きなり何抱きついてきてますのん!?
フリーハグどんとこい系の人!?
チェリーさんは胴体の感触ないかもしれないけど、俺は全身の感覚がしっかりあるんですけど!?
オパーイもバッチリ感触あるんですけど!?
「うん。やっぱりこうやっておっぱい触られても抱きついても特に問題ないし、大丈夫でしょ。寝てる間の意図しないハプニングエロとか怖がってるみたいだけど、これがOKなんだからもう気にする事は何もないっしょ? キスは口周りの触感があるし、そもそも顔近づけるの恥ずかしいから嫌だけど」
「いや、まぁ確かにそうなんだけど、こっちにはバッチリ感触が……」
というか胸触られるのは平気で、顔近づけるのは恥ずかしいのか。
恥ずかしい基準がよく判らん……
「良いじゃない。アバターの乳くらい好きなだけ揉ませてあげるわよ? ゲームアバターの乳を必死でもんでる自分の姿を思い浮かべて耐えられるなら」
「いや、それもどうなんだ……」
傍から見たらただの変態だな。
確かにおっぱい揉んでも問題ないとまで言われれば同じ部屋で寝るのにこっちは断る理由はないけどさぁ。
ついうっかりで「何やってんのよ!」的なイベントを経て気不味さ爆発な人付き合い……とかいうフルコンボが発動しないように出来るだけエロ不注意とかは回避するつもりだったんだが、まさか強制乳揉みからの逆説得されるとは思わなんだ……
「ああ、もうわかったよ!」
「よしよし、キョウさんは乙女じゃないんだからウブすぎなんだって。中学生じゃあるまいし」
「ほっとけ!」
エリスみたいな年下なら妹達の面倒で慣れてるけど、同世代や年上相手だと免疫がねぇんだよ!
「真面目な話、せっかくここまでリアルに作り込まれたゲームでの活動記書くなら、トイレと食事以外はこっちの世界の住人として過ごしたいのよね。体力落とさないようにジム通いしてるからそれ意外は常時接続なくらいでやるつもりだよ」
「本当にガチだなぁ……って、飯やトイレっていつの間に行ってたの?」
「夜の食事とトイレは横になって寝てる状態の時に済ませる予定。それ以外の時はトイレに関してはこっちのトイレに篭ってる間に済ませるつもり。昼食はこの家に来た時に話聞きながら済ませてたよ。気が付かなかった?」
いつの間に……たとえカップ麺でも取りに行ったりお湯注いでる間とかは筐体から離れるハズなのに全く気が付かなかった……
「はぁ……それなら、エリスたちが川で汗流してるから、チェリーさんも一緒に流しておいで」
「あれ、キョウさんは?」
「……こっちは装備全部はずしてもインナーが残る製品版と違って、全部脱ぐとすっぽんぽんになっちまうんだよ。いくら何でも裸は見られたくないだろ?」
「別に? 私の身体見られるわけでもないし」
いや、それでももうちょっと恥じらい持とう?
「キョウさんは確かに特殊な環境なのかもしれないけど、このゲームでそんな事気にするのなんてキョウさんくらいだと思うよ? 前やってたネトゲでも痴女みたいな布面積の装備のプレイヤーなんて腐るほどいたんだから間違いないよ」
「いや、確かにネトゲの女性装備ってそう言うの多いけど……」
「というわけで、私達も行こうか。なーにアバターの裸なんてすぐ慣れるって!」
いやまぁ、水浴びしてるとおばちゃんとか普通にかち合うことあるけどさぁ。
あれは何というか対象外っていうか……
チェリーさんのアバターが美形に作られてるから余計意識するんだよなぁ。
「さー行こう行こう」
「おっ……ちょっ……待っ」
このあと滅茶苦茶ちんちん見られた。
容赦がなさすぎる……
まぁ、俺もどことは言わないけど色々ガン見させてもらったけどさ。
結局その後、エリスを味方につけたチェリーさんに押し切られる形でみんなで俺の家で暮らすことが決まった。
基本エリスの味方であるハティが敵に回った時点で民主主義による数の暴力で可決されたのだ。
一応ボロ小屋みたいなもんだが俺が家主なんだけどなぁ……。
その後、寝る時の配置でまた一悶着あり、結果エリスを挟んで俺とチェリーさんが並ぶ文字通りの川の字が定位置という事に決まった。
目が覚めたら目の前にチェリーさんの顔! という自体は回避された訳だ。
エリスは人が増えることに対して特に拒否感はないようだ。
むしろチェリーさんが一緒に暮らすと知って喜んでいた。
チェリーさんもエリスのことを気に入ったのか猫可愛がりしてるし、懸念材料の一つだった人間関係は良好か。
昔面倒を見たチビ達は、新しい仲間が増えても最初は自分の近くに寄ることを怖がるやつが多かったから、大抵の子供はそういうものだと思っていたが、エリスはどうやら人見知りを全くしないようだ。
たまたま今までそういう相手に出会わなかっただけなのかもしれないが、今日まで一度も人見知りをしたところを見たことがない。
本当によく出来た娘だ。
リアルでこんな妹が居たら、兄や姉が溺愛しても仕方ないかもしれない。
ただ、チェリーさんを受け入れるのは良いとしても、流石にこのままで居るわけにも行かないだろう。
土間を入れて八畳間ほどの広さしかない一部屋小屋に三人と一匹は流石に手狭すぎる。
一人分の日用品とかも増えるだろうし、そのうちハティが寝転ぶスペースが確保できなくなるかもしれない。
これは、祭が終わって戻ってきたら本格的にアラマキさんからもうワンランク上の家の作り方教えてもらわないとだな……
「うん。やろうと思ってた分は終わった~」
じゃあ今日はこれで終わりでいいか。
「チェリーさんはどう?」
「終わったよ~……」
ああ、これは思ったように上手く行かなかったな。
でもまぁ、初日だしコツ自体は掴んでたみたいだったから上出来の部類じゃなかろうか。
今言っても気休めとしか取られないだろうから言わないけど。
「それじゃ、今日はここまでかな。エリスはハティと先に汗流しといで」
「わかったー。行こ、ハティ」
「ワン!」
俺も久々にこっちで体動かして思った以上に汗書いたな。
エリスが戻ってきたらサッパリしとくか。
しかし、チェリーさんもこれでひとまずこっちに来て初日の活動終了かね。
「お疲れ様、チェリーさんはこれから活動記作業?」
「あ、実はこまめにメモは取ってあるんだ。SSも撮り貯めてるから作業は明日の昼にやろうと思ってる。毎日更新は流石に無理だから3日に一回くらいで更新していくつもり」
「毎日日記はたしかにキツイわな、最初の頃は新しいものいっぱいでいいかもしれないけどそのうちネタ探しで時間取られそうだ」
「そゆこと、普段日記なんて付ける癖無いから長期間となると絶対ボロが出るだろうし、書いてるこっちもネタ切れ以前に飽きが来ちゃうしね」
ああ、なんとなくその気持はわかる。
俺も知り合いに誘われてSNS初めたが、他の連中みたいに毎日何かを書き込んでいくのが途中から面倒くさくなってやめちまったんだよな。
挨拶とかだけ書き込んでるやつも居たけど、そんなの書く意味あるのか? って思って結局書かない自分が居た。
「キョウさんはもうこの後は予定ないのよね?」
「無いな。川で汗流して寝るだけ」
「いつもはエリスちゃんと一緒に寝てるの?」
「そうだけど、正確にはハティも一緒だな」
川の字ならぬ……なんて表現すれば良いんだあれ。
「え、あの部屋にそんな入るの?」
「それが意外と入るんだよな。まずハティが寝そべって、ハティの身体を枕に、しっぽを布団代わりにして寝てるんだ」
「え、ナニソレ面白そう! ハティちゃんモフモフ出し凄く気持ちよさそうなんですけど!」
「まぁ、確かに寝心地はびっくりするくらいに良いな」
「でも、あの部屋の広さで私もとなると入れるかな……」
「んん?」
なんですと?
「チェリーさん、これで落ちるん……です よね?」
「ええ? そんな訳ないでしょ。何のために無理して筐体に毛布備え付けたと思ってるんですか」
ああ、そういえばそんな事言ってたね……
値落ちによる風邪の防止方法だと思ってたよ。
まさかガチ寝前提だったとは思い至らなかったわ。
「いやいや、いくらゲーム内とはいえ一部とはいえ触覚共有しているのに良い歳した男女が同じ部屋で寝るのは不味いでしょうよ!?」
「ううん……この間も言ってたけどキョウさんはネトゲ内のシステム結婚したプレイヤーが深夜に同じ部屋で駄弁ったり値落ちするのがそんなマズイ事だと感じるの?」
「そう表現されると確かに何も問題ないんだけど、このゲームは触感とか普通にある訳で、一般のネトゲと同じ感覚
とは行かないでしょ!?」
主観視点と相まって、リアリティが有りすぎるんだよ。
特に俺の場合五感のせいで余計現実特別がつかないレベルだってのに。
「考えすぎじゃない? 別に、アバター触られても『だから何だ』って感じだし、胸や尻は筐体の範囲外だから触られても私何も感じないしね。むしろ疑似触覚がある手や足触られる方がよっぽど嫌なくらいだし」
そういうものなのか?
俺が過剰反応しすぎ?
ただのゲーム画像……とは違うよな?
触れるからダッチワイフ……いや、キャラモノの抱き枕カバー的な感じ?
それでも作りが人間を限りなく模倣していて人間と同じように動くなら、それって人間とどう違う……
「だって、ほら」
「おっ……!?」
唐突に手を取って何をするかと思えば、そのままおっぱい揉まされた。
あ、アバターでもやっぱ柔らかく作ってあるのか。
内臓や骨格とかも作り込まれてるなら当然かーハハハ。
じゃなくて!
「いやちょっと、チェリーさん!?」
「やっぱり触られても感覚なにもないなぁ」
いや、そんな冷静に何言ってますの?
触ってるこっち側にはバッチリ柔らかい感触が伝わってきてますけど!?
「よっ……ああ、コレは一応手や顔周りの感覚があるから抱きついてる感はちゃんとあるのね」
え、今度は行きなり何抱きついてきてますのん!?
フリーハグどんとこい系の人!?
チェリーさんは胴体の感触ないかもしれないけど、俺は全身の感覚がしっかりあるんですけど!?
オパーイもバッチリ感触あるんですけど!?
「うん。やっぱりこうやっておっぱい触られても抱きついても特に問題ないし、大丈夫でしょ。寝てる間の意図しないハプニングエロとか怖がってるみたいだけど、これがOKなんだからもう気にする事は何もないっしょ? キスは口周りの触感があるし、そもそも顔近づけるの恥ずかしいから嫌だけど」
「いや、まぁ確かにそうなんだけど、こっちにはバッチリ感触が……」
というか胸触られるのは平気で、顔近づけるのは恥ずかしいのか。
恥ずかしい基準がよく判らん……
「良いじゃない。アバターの乳くらい好きなだけ揉ませてあげるわよ? ゲームアバターの乳を必死でもんでる自分の姿を思い浮かべて耐えられるなら」
「いや、それもどうなんだ……」
傍から見たらただの変態だな。
確かにおっぱい揉んでも問題ないとまで言われれば同じ部屋で寝るのにこっちは断る理由はないけどさぁ。
ついうっかりで「何やってんのよ!」的なイベントを経て気不味さ爆発な人付き合い……とかいうフルコンボが発動しないように出来るだけエロ不注意とかは回避するつもりだったんだが、まさか強制乳揉みからの逆説得されるとは思わなんだ……
「ああ、もうわかったよ!」
「よしよし、キョウさんは乙女じゃないんだからウブすぎなんだって。中学生じゃあるまいし」
「ほっとけ!」
エリスみたいな年下なら妹達の面倒で慣れてるけど、同世代や年上相手だと免疫がねぇんだよ!
「真面目な話、せっかくここまでリアルに作り込まれたゲームでの活動記書くなら、トイレと食事以外はこっちの世界の住人として過ごしたいのよね。体力落とさないようにジム通いしてるからそれ意外は常時接続なくらいでやるつもりだよ」
「本当にガチだなぁ……って、飯やトイレっていつの間に行ってたの?」
「夜の食事とトイレは横になって寝てる状態の時に済ませる予定。それ以外の時はトイレに関してはこっちのトイレに篭ってる間に済ませるつもり。昼食はこの家に来た時に話聞きながら済ませてたよ。気が付かなかった?」
いつの間に……たとえカップ麺でも取りに行ったりお湯注いでる間とかは筐体から離れるハズなのに全く気が付かなかった……
「はぁ……それなら、エリスたちが川で汗流してるから、チェリーさんも一緒に流しておいで」
「あれ、キョウさんは?」
「……こっちは装備全部はずしてもインナーが残る製品版と違って、全部脱ぐとすっぽんぽんになっちまうんだよ。いくら何でも裸は見られたくないだろ?」
「別に? 私の身体見られるわけでもないし」
いや、それでももうちょっと恥じらい持とう?
「キョウさんは確かに特殊な環境なのかもしれないけど、このゲームでそんな事気にするのなんてキョウさんくらいだと思うよ? 前やってたネトゲでも痴女みたいな布面積の装備のプレイヤーなんて腐るほどいたんだから間違いないよ」
「いや、確かにネトゲの女性装備ってそう言うの多いけど……」
「というわけで、私達も行こうか。なーにアバターの裸なんてすぐ慣れるって!」
いやまぁ、水浴びしてるとおばちゃんとか普通にかち合うことあるけどさぁ。
あれは何というか対象外っていうか……
チェリーさんのアバターが美形に作られてるから余計意識するんだよなぁ。
「さー行こう行こう」
「おっ……ちょっ……待っ」
このあと滅茶苦茶ちんちん見られた。
容赦がなさすぎる……
まぁ、俺もどことは言わないけど色々ガン見させてもらったけどさ。
結局その後、エリスを味方につけたチェリーさんに押し切られる形でみんなで俺の家で暮らすことが決まった。
基本エリスの味方であるハティが敵に回った時点で民主主義による数の暴力で可決されたのだ。
一応ボロ小屋みたいなもんだが俺が家主なんだけどなぁ……。
その後、寝る時の配置でまた一悶着あり、結果エリスを挟んで俺とチェリーさんが並ぶ文字通りの川の字が定位置という事に決まった。
目が覚めたら目の前にチェリーさんの顔! という自体は回避された訳だ。
エリスは人が増えることに対して特に拒否感はないようだ。
むしろチェリーさんが一緒に暮らすと知って喜んでいた。
チェリーさんもエリスのことを気に入ったのか猫可愛がりしてるし、懸念材料の一つだった人間関係は良好か。
昔面倒を見たチビ達は、新しい仲間が増えても最初は自分の近くに寄ることを怖がるやつが多かったから、大抵の子供はそういうものだと思っていたが、エリスはどうやら人見知りを全くしないようだ。
たまたま今までそういう相手に出会わなかっただけなのかもしれないが、今日まで一度も人見知りをしたところを見たことがない。
本当によく出来た娘だ。
リアルでこんな妹が居たら、兄や姉が溺愛しても仕方ないかもしれない。
ただ、チェリーさんを受け入れるのは良いとしても、流石にこのままで居るわけにも行かないだろう。
土間を入れて八畳間ほどの広さしかない一部屋小屋に三人と一匹は流石に手狭すぎる。
一人分の日用品とかも増えるだろうし、そのうちハティが寝転ぶスペースが確保できなくなるかもしれない。
これは、祭が終わって戻ってきたら本格的にアラマキさんからもうワンランク上の家の作り方教えてもらわないとだな……
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