59 / 330
二章
五十四話 宿屋
しおりを挟む
「っしゃぁ、暫くの宿屋ゲットだ!」
「いえ~」
「ワン!」
念願の雨露凌げる宿泊場所を手に入れてガッツポーズの俺とエリスとハティ。
ウムウム。
やはり安心して寝られるスペースは良いものだ。
俺も早く向こうでもうちょっとマシな家を建てられるようになりたい。
こうもあっさり宿を借りられるとは、教えてくれたスタッフさんには感謝だな。
キナコさんは用事があるとのことでログアウトしてしまったので、素材で満杯になったカバンを置きに休憩所に戻ってきた後、正直途方に暮れてたんだよな。
ディレクターやC1さんは俺がログアウトできない事は解っているものの、その間どう過ごすのかとかを完全に失念しているらしく、事情を知っていたスタッフさんが見かねてフォローに入ったという頃らしい。
初期装備の件といい、名指しで呼びつけた割には対応がおざなり過ぎやしないだろうか……
それで、素材屋で売り払うか、このまま夜まで待ってギルド開店と同時に納品依頼でアイテム使おうかと迷っていた所、冒険者ギルドは開業直後は凄まじい混雑が予想されるとの事。
確かに、中央広場に入り切らないほど人がいるのにその連中の多くが冒険者ギルドに登録しようとすると考えると開店直後の利用はなかなかできそうにない。
という訳でスタッフさんから、この街の地図と素材買い取りの店や宿屋のある区画の場所を教えて貰ったわけだ。
素材屋の買い取り業者は冒険者ギルドとは別の系列の商人ギルドの商売らしい。
ちゃんとした後ろ盾が判ってるならぼったくられることもないだろうという事で試しに、というのも兼ねて手持ちの素材を放出することにした。
素材の買い取り業なんてどんな店だろうと思って行ってみたところ、意外や大きな施設でパッた見た感じ役所のような印象だった。
職員さんに利用方法を教えてもらい、エリスのカバンの中身を取り敢えず全部売却することにした。
一応俺の方のカバンの中身は大した量ではないが何かあった時のために確保してある。
ここで大損したとしても冒険者ギルドの方で多少の換金は出来るはずだ。
そうやって取り敢えず手持ちの素材を鑑定してもらった結果、どうやらそのモンスターの素材の中にレアアイテムが混ざっていたらしく、換金してみた所16万程になった。
レアアイテムは確保しておくべきかと一瞬迷ったが、安定した拠点はやはり欲しかったのでここは思い切って手放した。
後は冒険者ギルドが開いたら価格を見合わせて、高く売れる方を利用することにしよう。
たとえボラれていたとしても勉強費として今回は甘んじて受け入れる。
即金が欲しかったからこういうリスクは仕方がないものだ。
まぁそんな訳で、労働の対価として手に入れた金でついに拠点となる宿屋を確保できたのだ。
ちなみに宿屋は2人部屋でお値段1泊20000G。
しかも食事無料で、頼めばお湯と手ぬぐいのサービス付きだ。
安宿といってもそれなりにきれいな部屋だし、部屋の広さもそれなりにある。
この辺りの宿は大体どこの店も1人部屋で1~2万G前後、高級宿でも高くて5万G程だった。
街の中央付近の一等地になると10万超えもあるそうだが、まぁ俺達には関係ないだろう。
エリスのレベルのことも有るので取り敢えず1週間分の支払いを済ませ、ゆっくり出来る拠点の確保に成功した訳だ。
1週間はこの街の把握や周囲の地形とかを覚えつつ資金稼ぎ。
その間に近場に良い狩場が見つからなければ、残りの一週間はいっその事拠点の街を変えようと考えていた。
こっちで宿屋を取ろうとするプレイヤーは当然ながらそれほど多くはなく(といっても一定数の需要はあるようだが)思いの外あっさりと目的の部屋を手に入れることができた。
手に入れたといっても単に部屋を借りてるだけだが。
「まぁ、宿を確保できはしたが所持金ほとんど使い切っちまったけどな! 食費のためにも後でもう人働きだな」
「おー!」
あと、素材屋が買い取ってくれたレアドロップ品はビートルの王角というアイテムで、一体何に使うのか知らないがこれだけで15万で引き取ってくれた。
つまり、あの森でカバンいっぱいに狩りをするとレアがなかった場合1万ほどの稼ぎになるという事だ。
俺とエリス達が別々に行動することはまず無いので、地道に稼ぐ場合、俺とエリスのカバンを満杯にすれば一日泊まれるという事になる。
狩りで使った時間は、大体2時間程度。
実質エリス一人での稼ぎだが二人で一緒に行動する前提で計算すると、カバンひとつ分での時給換算だと一人一時間2500G。
エリス一人の時点で周囲の敵を枯れるまで狩り尽くしてRespawnモグラたたき状態でやってたから、たとえ俺が狩りに参加したとしても効率はそこまで変わらないだろう。
バラバラに狩った方効率が良いんだが、エリスを一人で放って置くわけにも行かないし変なリスクをこんな事で負いたくない。
まぁ数字だけ見るとかなりの時給だが、安定性や移動時間の長さを考えると時給は良いけどたくさんは稼げない……といった感じか。
天候とか季節にもろに影響受けそうだしな。
今は夏っぽい感じだけど、冬になったらあの森でメインに湧いてる虫とかほとんど活動しなく……
あれ、このゲーム季節も適応するんだろうか?
まぁ今は良いか。
確か、今日の予定で俺が参加しないといけないのは20時からのトークセッションでカカシになるお仕事が待ってるだけだ。
あとは何か声優さん対象のサプライズイベントやるんだったか。
ここの運営割と無茶するからなぁ、チェリーさんはご愁傷様と言わざるを得ない。
20時まではあと1時間弱。
流石に町の外に出る時間はないし、暫く部屋で休んでちょうどいい頃に中央広場に向かえばいいか。
「さて、宿は手に入れて、一食分程度のの金はある。明日は朝イチで出かけて今日は違う場所で狩りをしてみるとして……エリス、明日は西と東、どっちに行ってみたい?」
「うーん……今日はドッチだったの?」
「今日の森は……南東だな」
地図を見てみると、出口は東門だったが、そこから南下して南門と東門の丁度中間地点になっていた。
距離的には南門から出ても東門から出てもほぼ等距離だろう。
「じゃあ今日は東側だったから明日は西側に行ってみたい」
「おし、じゃあ明日は西門から出発だな」
「はーい」
今日は東だから明日は西。
非常に明快な理由で実にわかりやすい。
歳食うと、妙に理由探しちまうんだよなぁ。
人の流れがどうとか、狩場の人口密度がどうとか。
行ってみたいから行く、冒険なんだからそれで良いじゃないか。
コレで明日の目的と行動範囲は決まった。
冒険者ギルドでの登録は朝イチに行くとして、他になにか必要なものはあるだろうか?
初期所持品の中に大抵のサバイバルアイテムは備わっている。
この街を中心に活動する間であれば必要最低限は既に揃っていることになる。
ただ、それは拠点があるからであって日帰りできないような距離を移動する場合どうしても必要になるものがある。
日本と違って街と街の間には宿泊施設なんてほぼ無いようなものだ。
外泊用のテントや鍋や食器を購入する必要があるけど……それは金が溜まってからだな。
外套も必要か。
新装備は……暫くの間は初期装備で持たせよう。
恐らくこの辺りの敵に初期装備で苦戦することはないだろうし、拠点を変える際に武器更新すればいいだろう。
他になにか……
「キョウ、お腹空いた……」
「ん? …………ああ、そうだ香辛料!」
ハイナ村では高級な嗜好品として滅多に手に入らなかったが、これだけの都会ならきっとある筈。
街にいる間は食堂でいいが、遠出の際とかで料理する際には絶対にほしい。
贅沢は敵だと解ってはいるが、干し肉は流石にもう飽きた……ってよく考えたらこっちでは香辛料手に入れても味感じないから意味がねぇじゃん!
くっそ~うまく行かねぇなぁ。
とはいえサーバ間のアイテム移動は不可だからなぁ。
「え? 何?」
「いや、なんでもない。下の階がレストランになってた筈だからそこで食べよう。俺は次に出番があるからあまりゆっくりは出来ないけどな」
「わかった!」
「ワン!」
しかしアレだな。
案の定というか、こっちでは空腹感を感じないし、アレだけ歩いたのに身体の汚れはあっても汗の気持ち悪さなんかは全く無い。
タオルで拭ってやるだけで清潔たまご肌である。
最初に体験したのがALPHAだったからだろうか。
これが正常なんだと解ってはいるが、どうにも違和感がある。
いろいろ制限がかかっているとは言え、同じゲームである筈なのに何故こうも違うんだろうか?
感覚の有無なんかはシステムとは別の原因不明の要因によるものだったはず。
ALPHAサーバとGAMMAサーバで何か根本的な違いがある……?
「……まだ、解らないな」
開発会社ですら原因を特定できない事を悩んだ所で答えは出ないと頭でわかってはいても、つい考えてしまう。
何もわからないというのは、意外と怖いものだ。
解決方法も対象方法もわからないという事だから。
「キョウ! 早く~!」
「ん? おお、悪い悪い」
まぁ……感覚がある理由はわからないけど、アレはアレで生きてる実感っていうか自分の体を動かしている実感はきっちり持てるから、植物状態が治ったときにリハビリで有利になるかもしれない……とか、その程度にポジティブに考えていれば多少は気が紛れるか。
「いえ~」
「ワン!」
念願の雨露凌げる宿泊場所を手に入れてガッツポーズの俺とエリスとハティ。
ウムウム。
やはり安心して寝られるスペースは良いものだ。
俺も早く向こうでもうちょっとマシな家を建てられるようになりたい。
こうもあっさり宿を借りられるとは、教えてくれたスタッフさんには感謝だな。
キナコさんは用事があるとのことでログアウトしてしまったので、素材で満杯になったカバンを置きに休憩所に戻ってきた後、正直途方に暮れてたんだよな。
ディレクターやC1さんは俺がログアウトできない事は解っているものの、その間どう過ごすのかとかを完全に失念しているらしく、事情を知っていたスタッフさんが見かねてフォローに入ったという頃らしい。
初期装備の件といい、名指しで呼びつけた割には対応がおざなり過ぎやしないだろうか……
それで、素材屋で売り払うか、このまま夜まで待ってギルド開店と同時に納品依頼でアイテム使おうかと迷っていた所、冒険者ギルドは開業直後は凄まじい混雑が予想されるとの事。
確かに、中央広場に入り切らないほど人がいるのにその連中の多くが冒険者ギルドに登録しようとすると考えると開店直後の利用はなかなかできそうにない。
という訳でスタッフさんから、この街の地図と素材買い取りの店や宿屋のある区画の場所を教えて貰ったわけだ。
素材屋の買い取り業者は冒険者ギルドとは別の系列の商人ギルドの商売らしい。
ちゃんとした後ろ盾が判ってるならぼったくられることもないだろうという事で試しに、というのも兼ねて手持ちの素材を放出することにした。
素材の買い取り業なんてどんな店だろうと思って行ってみたところ、意外や大きな施設でパッた見た感じ役所のような印象だった。
職員さんに利用方法を教えてもらい、エリスのカバンの中身を取り敢えず全部売却することにした。
一応俺の方のカバンの中身は大した量ではないが何かあった時のために確保してある。
ここで大損したとしても冒険者ギルドの方で多少の換金は出来るはずだ。
そうやって取り敢えず手持ちの素材を鑑定してもらった結果、どうやらそのモンスターの素材の中にレアアイテムが混ざっていたらしく、換金してみた所16万程になった。
レアアイテムは確保しておくべきかと一瞬迷ったが、安定した拠点はやはり欲しかったのでここは思い切って手放した。
後は冒険者ギルドが開いたら価格を見合わせて、高く売れる方を利用することにしよう。
たとえボラれていたとしても勉強費として今回は甘んじて受け入れる。
即金が欲しかったからこういうリスクは仕方がないものだ。
まぁそんな訳で、労働の対価として手に入れた金でついに拠点となる宿屋を確保できたのだ。
ちなみに宿屋は2人部屋でお値段1泊20000G。
しかも食事無料で、頼めばお湯と手ぬぐいのサービス付きだ。
安宿といってもそれなりにきれいな部屋だし、部屋の広さもそれなりにある。
この辺りの宿は大体どこの店も1人部屋で1~2万G前後、高級宿でも高くて5万G程だった。
街の中央付近の一等地になると10万超えもあるそうだが、まぁ俺達には関係ないだろう。
エリスのレベルのことも有るので取り敢えず1週間分の支払いを済ませ、ゆっくり出来る拠点の確保に成功した訳だ。
1週間はこの街の把握や周囲の地形とかを覚えつつ資金稼ぎ。
その間に近場に良い狩場が見つからなければ、残りの一週間はいっその事拠点の街を変えようと考えていた。
こっちで宿屋を取ろうとするプレイヤーは当然ながらそれほど多くはなく(といっても一定数の需要はあるようだが)思いの外あっさりと目的の部屋を手に入れることができた。
手に入れたといっても単に部屋を借りてるだけだが。
「まぁ、宿を確保できはしたが所持金ほとんど使い切っちまったけどな! 食費のためにも後でもう人働きだな」
「おー!」
あと、素材屋が買い取ってくれたレアドロップ品はビートルの王角というアイテムで、一体何に使うのか知らないがこれだけで15万で引き取ってくれた。
つまり、あの森でカバンいっぱいに狩りをするとレアがなかった場合1万ほどの稼ぎになるという事だ。
俺とエリス達が別々に行動することはまず無いので、地道に稼ぐ場合、俺とエリスのカバンを満杯にすれば一日泊まれるという事になる。
狩りで使った時間は、大体2時間程度。
実質エリス一人での稼ぎだが二人で一緒に行動する前提で計算すると、カバンひとつ分での時給換算だと一人一時間2500G。
エリス一人の時点で周囲の敵を枯れるまで狩り尽くしてRespawnモグラたたき状態でやってたから、たとえ俺が狩りに参加したとしても効率はそこまで変わらないだろう。
バラバラに狩った方効率が良いんだが、エリスを一人で放って置くわけにも行かないし変なリスクをこんな事で負いたくない。
まぁ数字だけ見るとかなりの時給だが、安定性や移動時間の長さを考えると時給は良いけどたくさんは稼げない……といった感じか。
天候とか季節にもろに影響受けそうだしな。
今は夏っぽい感じだけど、冬になったらあの森でメインに湧いてる虫とかほとんど活動しなく……
あれ、このゲーム季節も適応するんだろうか?
まぁ今は良いか。
確か、今日の予定で俺が参加しないといけないのは20時からのトークセッションでカカシになるお仕事が待ってるだけだ。
あとは何か声優さん対象のサプライズイベントやるんだったか。
ここの運営割と無茶するからなぁ、チェリーさんはご愁傷様と言わざるを得ない。
20時まではあと1時間弱。
流石に町の外に出る時間はないし、暫く部屋で休んでちょうどいい頃に中央広場に向かえばいいか。
「さて、宿は手に入れて、一食分程度のの金はある。明日は朝イチで出かけて今日は違う場所で狩りをしてみるとして……エリス、明日は西と東、どっちに行ってみたい?」
「うーん……今日はドッチだったの?」
「今日の森は……南東だな」
地図を見てみると、出口は東門だったが、そこから南下して南門と東門の丁度中間地点になっていた。
距離的には南門から出ても東門から出てもほぼ等距離だろう。
「じゃあ今日は東側だったから明日は西側に行ってみたい」
「おし、じゃあ明日は西門から出発だな」
「はーい」
今日は東だから明日は西。
非常に明快な理由で実にわかりやすい。
歳食うと、妙に理由探しちまうんだよなぁ。
人の流れがどうとか、狩場の人口密度がどうとか。
行ってみたいから行く、冒険なんだからそれで良いじゃないか。
コレで明日の目的と行動範囲は決まった。
冒険者ギルドでの登録は朝イチに行くとして、他になにか必要なものはあるだろうか?
初期所持品の中に大抵のサバイバルアイテムは備わっている。
この街を中心に活動する間であれば必要最低限は既に揃っていることになる。
ただ、それは拠点があるからであって日帰りできないような距離を移動する場合どうしても必要になるものがある。
日本と違って街と街の間には宿泊施設なんてほぼ無いようなものだ。
外泊用のテントや鍋や食器を購入する必要があるけど……それは金が溜まってからだな。
外套も必要か。
新装備は……暫くの間は初期装備で持たせよう。
恐らくこの辺りの敵に初期装備で苦戦することはないだろうし、拠点を変える際に武器更新すればいいだろう。
他になにか……
「キョウ、お腹空いた……」
「ん? …………ああ、そうだ香辛料!」
ハイナ村では高級な嗜好品として滅多に手に入らなかったが、これだけの都会ならきっとある筈。
街にいる間は食堂でいいが、遠出の際とかで料理する際には絶対にほしい。
贅沢は敵だと解ってはいるが、干し肉は流石にもう飽きた……ってよく考えたらこっちでは香辛料手に入れても味感じないから意味がねぇじゃん!
くっそ~うまく行かねぇなぁ。
とはいえサーバ間のアイテム移動は不可だからなぁ。
「え? 何?」
「いや、なんでもない。下の階がレストランになってた筈だからそこで食べよう。俺は次に出番があるからあまりゆっくりは出来ないけどな」
「わかった!」
「ワン!」
しかしアレだな。
案の定というか、こっちでは空腹感を感じないし、アレだけ歩いたのに身体の汚れはあっても汗の気持ち悪さなんかは全く無い。
タオルで拭ってやるだけで清潔たまご肌である。
最初に体験したのがALPHAだったからだろうか。
これが正常なんだと解ってはいるが、どうにも違和感がある。
いろいろ制限がかかっているとは言え、同じゲームである筈なのに何故こうも違うんだろうか?
感覚の有無なんかはシステムとは別の原因不明の要因によるものだったはず。
ALPHAサーバとGAMMAサーバで何か根本的な違いがある……?
「……まだ、解らないな」
開発会社ですら原因を特定できない事を悩んだ所で答えは出ないと頭でわかってはいても、つい考えてしまう。
何もわからないというのは、意外と怖いものだ。
解決方法も対象方法もわからないという事だから。
「キョウ! 早く~!」
「ん? おお、悪い悪い」
まぁ……感覚がある理由はわからないけど、アレはアレで生きてる実感っていうか自分の体を動かしている実感はきっちり持てるから、植物状態が治ったときにリハビリで有利になるかもしれない……とか、その程度にポジティブに考えていれば多少は気が紛れるか。
1
お気に入りに追加
630
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる