ν - World! ――事故っても転生なんてしなかった――

ムラチョー

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一章

三十三話 払暁

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 朝日もまだ登りきらぬ彼は誰時。
 村長とガーヴさんを中心に村の男達は門の前でその時を待つ。
 俺はその後方、入り口から見えない位置で様子をうかがう。
 俺の仕事は迎え撃つことではなく、備えることだ。

 入り口以外にも壁の内にも外にも罠を仕掛け、迎え撃つ準備は万端。
 入り口だけではなく、急増の立ち見櫓を村の六方に建て不意打ちへの警戒もしているがまだ足らない
 警戒なんてし過ぎなくらいでちょうどいい。
 
 見張りを突破して村への侵入を許した際の対策として、俺は村の中央近くの高所……要するに俺の家から入り口側にギギリ達が来たのを確認したら背面側の森の方を重点的に警戒するのが役目となる。
 ただの村の抗争ならそこまですることもないのかもしれないが、相手はライノスを操る野獣使いなる者が居る可能性がある。
 大型の野獣やまだ見たことはないが魔獣なんかを使って壁を突破したりすることも想定する必要があるというわけで、病み上がりの俺がその役目を担うことになった。
 ハティはエリスと一緒に戦えない連中の守りとして避難所に行っている。
 それでよっぽどは大丈夫だと思うが、もし壁を突破してしまった場合は避難所に避難している人たちは地下に立てこもり、ハティは俺と合流して対処にあたる手はずになっている。
 文字通りハティは奥の手としてどうにもならない時だけ手を貸して貰う予定だ。
 これは、相手の野獣使いとやらが操る獣がライノスまでならともかく、ハティと同レベルであった場合対処を間違うとそれだけで村が落とされないからだ。
 ハティ並みの獣を放たれればハティでなければこの村に対処できるものが居ない。
 その状況でライノスを村に放たれればそれだけで甚大な被害が出てしまう。
 そのため、ハティの事はできる限り隠しておきたいという話だ。

 こちらの事は弱小村落として舐めてもらうに越したことはないってことだ。
 ギギリは相当な無能という話だが、ギギリの配下まで無能だとも限らないからな。
 なんて考えているうちに、入口側の気配が変わった。

「外でなにか動きがあったかな……?」

 偵察組が戻ってきて村がにわかに慌ただしくなり始めた。
 ギギリ達の目的の村を確認した後、その村との中央位置付近で網を張って、先触れか或いは本体が通るのを見張っているという話だった。
 彼らが戻ってきたという事は、間もなく連中も到着するだろう。
 夜間行軍で深夜か早朝に仕掛けてくるという村長の読みは当たったようだ。

 なら、村の正面は村長達が対応してくれるだろう。
 俺はここから村の背面側、森の方の警戒に集中するべきだろう。

 とはいえ、見張り以外特にすることもないというのは流石に時間が勿体無いので、なんともなしにミアリギスを振る。
 昔は、運動のための身体を動かす反復運動とか大嫌いだったはずなのに、ゲームが絡むとなった途端まるで苦にならないとは我ながら現金なもんだ。
 時間つぶしのために身体を動かすとかこのゲームやってなかったら絶対に思いもつかなかっただろうに。

 身体を動かすと言っても流石に疲れる様な振り方をするわけには行かないので、ゆらりゆらりと振り回す動きに合わせて流れる重心を整える程度の静かな動きだ。
 突きを伴う激しい動きは体力の消耗が怖いので、武器を回す動きを中心にする。
 鍛錬と言うより単純にミアリギスという変わった武器の扱いに慣れるための動きなのでそれでいい。
 監視の為に視線を動かさず、バランスを維持したまま武器を振り回すというのは如何にゆったりとした動きであってもコレはこれで難しい。
 自分の動きに気を取られて監視が疎かにならないように意識して、かつ自然に、緩やかに身体を動かす。
 頭で忘れても、身体が動きを覚え込むように。


   ◇◇◇


「ガーヴさん、アイツ何やってるんですかね?」
「時間つぶしに体動かしてるんだろ」

 物見櫓の担当者に方針と緊急対策を伝え、村長のところに戻る途中に見かけたのは見張りのしごとを任せたはずのキョウがミアリギスを振り回してるところだった。
 こんな時くらい訓練はやめて見張りに集中するように言おうとして――やめた。

「こんな時に……注意してきましょうか?」
「いや、必要ない。アイツの視線を見てみろ。ずっと森側の警戒を解いてないだろ? 時間つぶしはしてても暇をしている訳じゃないってことだ」
「はぁ……見張りしながら稽古してるんですかい? 器用なこって」

 そう、実に器用だ。
 なにか一つに集中している時によそ事というのは難しいものだ。
 大抵そのよそ事に気を取られてしまうからだ。
 それこそ頭で何も考えないような行動なら可能だろうが、ゆったりとした動きとは言えアレはアイツなりに理を求めた動き方だ。
 そんな状態で、視線は全くぶれていない。
 普通は目標をなにか一つに絞るものだ。
 俺なら自分の体の動きと見張りの両方に気を取られてどちらにも集中できないだろう。
 アイツは体格に優れている訳ではないし、戦人としての心構えも妙に中途半端さを感じるが、教えたことは驚くべき吸収速度で覚えていく。
 非常にチグハグさを感じるが、判りにくいだけで何かしらの才能があるのかもしれないな。

「アイツのことは良い。今は俺達の事だ」
「へい!」

 斥候組からの連絡と物見櫓からの報告で果てに松明の火を確認したという。
 なら、もうじきギギリ達はここに来るだろう。

 ヤツのことだから根拠のない自信で俺達が頭を下げるとでも思っているんだろうがこちらは迎撃準備万端だ。
 シギンの言葉を聞いて引き下がるのならライノスをけしかけた詫びを受け入れてやらんでもない。
 相応のものをふんだくってやるがな。
 だが、まだこの村を奪うなんて戯言を抜かすようであれば……

「お前は残りの物見櫓を回って指示を伝えてこい。松明が目視できたとなるとあまり時間もないだろうから俺は村長の所に戻る」
「わかりやした!」

 ギギリ達だけならどうとでもなる。
 ガガナの戦士が当時よりも強くなっていたとしても俺達が村を出てから何年も経っていない。
 そこまでの強化はされては居ないだろう。
 この村の男であれば油断さえしなければ倍の数相手でも一方的に叩き潰すことも出来る筈だ。

 しかし……

「野獣使い……ねぇ?」

 ギギリのハッタリとこの間のライノスとの遭遇が奇跡的な偶然の一致でないなら、ライノスを従える程の手駒が居るということだ。
 前から馬鹿だった奴が、手に負えない馬鹿に成長した原因がその野獣使いと言うことだろう。
 そしてあの手の馬鹿は己の力を誇示したくて仕方ない人種だ。
 ならば、村々を恫喝するその場に野獣使いとやらを連れてこない理由はないだろうな。
 となれば、最低でもライノスと同程度の脅威度――かなり危険な相手ということになる。
 ライノスだけなら兎も角下手をすればそれ以上の化物を、そうでなくてもそれなりの獣を数揃えられるだけでもかなり危険だ。

 現状ギギリの周囲でもっとも注意するべきは野獣使いで決まりだ。
 逆に言えばそれ以外は大した脅威とならん。
 この間村に来た取り巻き共も、体つきや足運びは素人同然……というより恐らく自力で狩りすらまともにこなせんような軟弱だろう。
 親の七光りか、あるいはギギリと似た者同士のクズ仲間か。
 どちらにせよただの障害物でしか無いだろう。

 問題は野獣使いとやらの顔を誰も知らないということだ。
 ギギリが馬鹿丸出しに紹介してくれれば楽だが、流石の奴も自分の生命線を自ら晒すマネはせんだろう。
 となると、居るか居ないのかもわからない、居ても誰も気づけないというのはそれだけでこちらには大きな圧を負わせられる。
 野獣使いがそれを理解して身を潜ませているとしたら厄介極まりない。
 不意をついて裏から来てくれるならまだ良いような物で、バカどもに紛れて村の中から獣を解き放たれたらシャレにならん。
 しかも、危険を理解しても対処法が見当たらん。
 それこそ目につくすべてを皆殺しにするくらいしか方法はないだろう。
 だがそれをやってしまえば禍根が残る。
 気分的にはそれが一番楽だが、俺等の敵は基本ギギリのみだ。
 奴とその取り巻きさえ始末できればあとはガガナと取引で落とし所を探すことも出来るだろう。
 ギギリは長男ではあるが、その実ガガナからはあまり良く思われていなかった筈。
 俺たちが村を出る前のままであればあまりの頭の悪さにガガナも匙を投げ次男を色々と仕込んでいたはずだ。
 目は十分にあるだろう。

「村長、戻った。物見櫓にはそれぞれ遣いを出した所だ」
「おう、ご苦労だったな。まだ異常はないな?」
「ああ。ただ、松明の火が目視された。そう間をおかずここに到着するだろうよ。それで、こっちの準備の方は?」
「上々だ。武器はすぐそこに隠してあるし、不意打ちを警戒して仕込み武器も持たせてある」

 準備は万端、か。
  
「良いか手前ら、もう言われなくても分かってると思うが取り敢えず聞いとけよ?」

 集まっていた男衆達に対するシギン……村長からの最後の確認だ。
 最も、『する』『しない』の確認ではなく、認識のズレがないかどうかの確認でしか無いわけだが。

「まずは前提だ。ギギリの阿呆がビビってケツ捲るようなら荒事は極力避けてガガナ村まで詰めた上で、ガガナに対して相応の詫びと不干渉を確約させる」
「ライノスなんてけしかけられたんだ。今回は運が良かったが下手すりゃ何人も死んでたかもしれん。ちょっとやそっとの詫びでは納得いかんがな」
「だからそれ『相応』だ。謝罪の言葉で済まさせるつもりはねぇよ」

 この辺りはシギンとは既に打ち合わせして共通認識はすり合わせている。
 馬鹿の暴走でこちらの村人に人死には出てないが被害は出てるんだからな。
 たとえそれた村に来て数日の新入りであってもだ。

「で、そこまではいいが問題はギギリが阿呆すぎてこっちに喧嘩売ってきた場合だ。既に一度攻撃を受け、本人から有り難い侮辱の言葉まで頂戴したわけだが、この上さらにこの後の出方によっては『アレ』はもう滅ぼすべき敵だ。温厚な俺でも三度目は許さん」
「敵対した時点で何があってもギギリを仕留めるのが俺達の最大目標だ。良いな?」
「「「応!!」」」

 士気は上々。
 ……油断を突かれれば何か起こりえるやもしれんが、今日に限って言えば油断も無く不意打ち対策用の罠も仕掛けてある。
 尋常のガガナ村戦力であれば負けることはまずありえない。
 尋常であれば、の話だが。

「今日最も警戒すべきは、ガガナではなく野獣遣いとやらと、ソイツのが使う獣共だ! 新入り達はライノスに襲われたが、今回もそれと同様かそれ以上の獣を繰り出してくるかも知れないという事だけは決して忘れるな!」
「おいおいガーヴさん、俺達はこと獣狩りに関しちゃ誰よりもその道に通じてまさぁな。準備さえ怠らなければライノスだって仕留めてみせますって」
「金物屋のラッダが用意した大型の獣用の秘密兵器もあるんだ。どんな強力な獣を出してきても対応できまさぁ!」
「おうさ! 俺達は狩猟で地位を築いた専門家ですぜ。小賢しい人間相手なら兎も角、獣相手に遅れを取ることなんてまずありえやしませんわ」

 その慢心をやめろと言ってるんだが……まぁ、ここで釘を差してやる気を落とす必要もないだろう。
 コイツラの言う通り、俺等は狩りの腕だけでその身を立ててきたに等しい武闘派だ。
 でかい口を叩いていても、つまらん油断はしやしないだろう。

「松明が動いた! 連中、仕掛けてくるつもりのようだぞ!」
「阿呆、まだ判らんだろうが。相手が敵対行動をするまでは手を出すな。言い逃れできん理由が欲しいからな」
「そうは言うが村長よぅ、こんなまだ日も登らないうちに村に押し寄せた時点で十分敵対の意思有りって言い張れるんじゃねぇのか?」

 確かにその通りだ。
 本来なら寝静まっているこの時間帯に大勢を連れて村に押し寄せてきたなら、十分敵対の意思有りと見て迎撃の理由付けにはなる。
 なるんだが……

「相手はあのギギリだぞ? 『それの何が悪い』とか平気で言い出しかねん」
「いくらなんでもそれは……」
「そう思わせるほどのバカさ加減だったんだよ、先日のアイツは!」
「い、いや! 例えアイツが底抜けの馬鹿だろうと関係ないでしょう? 実際行動を起こしてるわけじゃねぇですかい。ギギリに言葉が通じなくても奴の取り巻き共は――」
「……あの馬鹿の取り巻きが、馬鹿じゃないとなぜ言える?」
「うっ……!」

 これなんだよなぁ……。
 奴の取り巻きがギギリとつるむ事で得られる恩恵を理解して、ギギリの権威を利用する程度に頭が回るならまだいい。
 類は友を呼ぶがごとく、同程度の知能しか持たない阿呆共の集団であった場合が問題なのだ。
 その場合、ギギリが白といえば、黒いものでも周りは勢いで白と言っちまうだろう。

「俺達としては、敵対する場合になっても相手にするべきはギギリとその取り巻きだけだ。全面衝突しても負けはないと見ているが、戦場となるこの村は規模が大きくなればなるほど荒れ果てる。ギギリ如きを相手に俺の村にそんな大損害を出す戦いなんぞ認められるか!」
「……という訳だ。俺の村長の意見に賛成だ。敵対を確定するのは相手の先制を確認してからだ。……案外、奴らが村に到着して、俺達の備えを見たらビビって逃げ帰るかもしれんがな?」
「ワハハ! チゲぇねぇ!」

 全く、バカを相手にするのがここまで頭を使うとは想像もしなかった。
 馬鹿すぎるがゆえに、普通なら取らないだろう言動を当然のように取ってくるせいで先が全く読めん。
 意図してやっているなら相当の奸物だが……まぁ無いな。
 そもそも、ワザとそういう行動を取ろうが最終的な目的からある程度はその意図を推測できるものなんだが……まず間違いなく何も考えてないだろうな。
 これも一つのいい経験……いや悪い経験か。

「確認した! 先頭にギギリだ。間違いない!」

 はてさて、頭の痛い話だが、此処から先どう話が転がるやら。
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