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一章

二十七話 PvPⅡ

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  ◇◇◇


 オイ……オイオイ! 冗談じゃねぇぞ!?

 何とか体制を立て直し、忘れていた呼吸を再開する。
 そしてキョウの攻撃を弾きつつ二度と油断はしまいと全対応するつもりで全ての動きに集中する。

 最初の一撃、何をされたのか本気で分からなかった。
 いや、今は何をされたのかおおよそ理解は出来ているが、あの瞬間は何故ああなったのかサッパリ分からなかった。

 確かにレベル差によって負ける筈がないのは判っていた。
 パラメータ差を笠に着て舐めていたのは間違いない。
 実際、棒立ちでいてもキョウのステータスでは十五分で俺を削り切ることは出来ないだろう。

 だが、アイツの最初の一撃を受けた瞬間そんな考えは一瞬んで頭から吹っ飛んだ。
 気がつけばゼロ距離に入られて防御も間に合わず首に一撃入れられていた。
 そして、下がるのを見越して足をかけられさらに一撃。
 同じレベルでやってれば間違いなく初手で終わっていた。

 第三者視点でサソリとの戦いを見てたときから、明らかに俺達と戦い方が違うことには気がついていた。
 恐らくだが、同時に複数のスキルを使っているんだろう。
 俺も奥の手として3つの発展スキルを組み合わせた大技である【デッドヘイル】という技を持っている。
 【クレセントトゥース】と【渾身】【金剛体】を組み込んだ攻防兼ね備えた強力な複合スキルだ。

 俺以外にもテスター用の情報交換板で、10近い数の複合スキルの大技が確認されている。
 だが、アイツは同じことを必殺技にではなく恐らくパッシヴスキルで行っている。

 何をやってきたのか正確にはわからないが、きっと幾つものスキルを組み合わせた超高度な不意打ちだろう。
 アイツはが複合スキルなんて何も持っていないレベル1なのは自分の目で確認した。
 レアスキルらしきものも何も持っていなかった。
 だがアイツはそんな物は一切使わず、既存スキルの組み合わせで俺の意表を突き急所へ叩き込んできた。

 ただ事じゃない。

 アイツとは格ゲーで互角の戦いをしてきたが、間違いなくNEW WORLDではプレイスキルだけを見れば今の俺よりはるかにアイツのほうが上だ。
 ハッキリ言ってここまで差があるとは思わなかった。
 アイツ格ゲーよりもVRの方が絶対向いてるだろ……

 距離をとったことでやっと頭が回ってきたが、動悸が治まらない。
 自分のペースを取り直すための牽制も、当たり前のように捌いてくる。

 少しでも出の遅い技はまるで当たる気がしないな。
 フェイントを入れようにも、リーチ外からの攻撃に全く反応しやがらねぇ。
 見てから反応とか、間違いなく格ゲーのつもりで戦ってるのはわかるが、なんでその精度で体動くんだよあの野郎!?
 フレーム回避ってレベルじゃねーぞ!

 大技は駄目だ。
 当たらない上に反撃まで飛んできやがる。
 このレベル差なら小技でも直撃すれば8割は持っていけるはず。
 この際、勝ちたがりと言われても構わん。
 全て小さくまとめて勝ちに行く。

 キョウを真似てスタイリッシュに勝ちを狙うのは辞めだ。
 体力を盾に一気に詰めて、スキルを乗せないコンパクトな振りで徹底的に固める。
 反撃は許さない。
 徹底した小技で固めきるしか無い。

 右のグレートソードは防御と柄打ちようだと割り切る。
 メインは左のショートソード。
 体格からしても一歩の大きいこっちのほうが同じ移動型スキルを使っても歩幅で距離を稼げる。
 距離を取らさないように徹底的に張り付く。

 左も隙のあるスキルは封印して【武器適正】のみの通常攻撃のみだ。
 ショートソードの縦斬りで下がらせて離れた距離を、【飛影】で詰める。右に逃げようとするならフック気味に押し戻す形で左の柄打ちで迎撃すればいい。
 アイツの持ってる武器はショートソードと腰のナイフのみ。
 俺のように二刀流というわけではないようだし、注意すべき間合いはショートソードの物だけだと割り切ればいい。

 こっちは絶対に倒しきられる心配はない。
 逆に向こう側は、一撃でも貰えばほぼ詰みだ。
 手を出し続けるだけでプレッシャーを掛け続けることが出来る。
 常にプレッシャーを掛け続けることでの相手のミス狙いに徹すればいい。

 今までもロイ達とALPHA鯖仕様ではあるがPvPはやって来た。
 だが、ここまで頭を使わされたことは一度もなかった。
 先読みと技の出の速さ、間合い管理だけじゃ駄目だ。
 技後硬直や、択攻め、ヒット確認も総動員してようやく同じ舞台に立てる。
 全盛期のKYOとの大会決勝戦並に集中力と知識と技術が要求される。

 こいつは……面白い!

 こっちの縦斬りに対して受けるのではなく剣を受け流して体勢を崩してきやがる。
 右腕で殴りつけるようにして柄打ちで追い払い、嫌がって下がったキョウの懐へ一気に肉薄してのショルダーでのブチかましを仕掛けるも、その肩を蹴って距離を取られる。
 ブチかましの勢いのまま浴びせ蹴り気味に飛び込み前転を打つ事で距離を離されることは回避できたが、崩れた体勢を立て直す前に首筋と肩口にきっちり一撃ずつ入れられ削られていた。

 左の突きを囮に柄打ちに見せかけた掴みも見切られ、脇の下を切り裂かれた。

 完全にカウンター狙いの一撃に集中しているらしく、こちらの攻撃の終わり際を狙い澄まして攻撃が飛んでくる。
 そのせいで、一度繰り出した攻撃はほぼ回避不能の一撃と化している。
 そんな厄介な相手に攻撃を仕掛けるなんて本来ならありえないんだが、やはり威力が足りていない。
 本来なら危険なカウンター攻撃も、確かに受けるダメージは増えているとは言えやはり非力なのだ。
 ここまでのレベル差では急所に当たっても大したダメージは受けない。
 俺の攻撃はちっとも当たらないのに、アイツの攻撃は一方的に当たり続けるという現状にはあまりいい気がしないが……

 しかし、攻撃を受け続けてでも様子見に入った甲斐あってか奴がこちらの攻撃を受け流す毎にダメージが蓄積していることだけはは確信できた。
 受け流しの後は、危険なシーンでも必ず回避に専念するからだ。
 反撃も飛んでこないという事は受け流すことは出来ていても受けた腕にはダメージが残っているということだろう。

 目が慣れてきたせいか多少当て易くはなって来てはいる。

 それにアレだけ激しく動けば当然疲れもある。
 NEW WORLDの中で全力疾走したりすると、俺自身は寝転がっているのにまるで本当に走ったかのように息が切れるし、重いものを持ち上げると腕が疲れる。
 実際でそう考えて体を動かしているため、実際に筋肉がそういう風に力を入れているからなんだという。
 アイツにはそういった物は適用されないかと思ったが、息を整えているところを見ると流石のアイツも疲れと無縁というわけには行かないようだ。

 直撃は取れていないが、それでも十分削れている。
 どうしてフェイントがここまで正確に見切られるのかは解らないが、だったらフェイントも捨ててしまえばいい。
 すべてを細かく当てに行くつもりでやればいい。

「オラァ!」

 威力を捨てた速度重視の三連突き。
 最高最速の突きだが、隙を作らないことを前提に【ピアース】の補助は発動させていないから恐らく当たりはしない。
 だが、次の一手の布石には十分だ。

 右!?

 三発目の突きに対して右側に身体を飛ばすのが見えた。
 何でわざわざこちらの迎撃範囲内に飛び込むような真似をした!?

 いや、これは……

 キョウの表情に一瞬苦虫を噛み潰したような苦渋の表情が浮かんだ。
 ほんの一瞬の事だが、常にアイツの一挙手一投足に集中していた俺は見逃さなかった。
 ようやく、ミスらしいミスをしでかしてくれた!

 即座の迎撃。

 ただし掴みでも打撃でもない。
 アイツが左足を地面に叩き込むようにしてこちらに背を向けるように方向を変えようとするが、もう遅い。
 高速の連続斬り。
 俺が初めて覚えた大剣技であり、最も使い込んでいる攻撃スキル。

「ぜぇい!」

 恐らく殆どの大剣使いが最初に覚える必殺技【ファストブレード】だ。
 方向転換の為に軸足を踏み込んだ姿勢のキョウの上から、被せるようにグレートソードを叩き落とす。
 威力は大した事はないが、振りが早く攻撃が当てやすいという大剣使いにとっては非常に重要な利点がある。
 素早いだけの攻撃なので、高い耐久力を持つモンスターにはあまり効果を発揮しにくいし、それこそ速度に特化した相手でない限りレベルの上がった今では殆出番のないスキルだが、当てれば勝てるこの状況では有利に使える数少ないスキルの一つだ。
 この状況なら左右どちらに転がっても、返す二撃目で対応できる。
 そのまま前に飛び出すように距離を取ろうとしても、二撃目を踏み込みと同時に叩き込めば確実に捉えられる。
 よしんば、回避できたとしても背中を見せた状態で大きく体勢を崩すことになるだろうからそんな手を選ぶとは思えない。
 ならば振り向きながらの左右どちらかだろう。

「獲った!」

 全対応出来るように振り下ろした右腕を抱え込むようにして、最後の一歩目を踏み込む。
 さぁ、どっちに飛ぶ!?

 振り下ろし、二撃目のために剣の軌道を変えつつ確認したキョウの位置は。

「うっ!?」

 背中から体当たりのように振り下ろした俺の腕を抑え込んでいた。

 嘘だろおい!?
 二撃目の準備のために刃先は後ろに伸びている。
 つまりショートソードを持つ左手の外側に剣先があるせいで自由に動かせなくなっている。

 そういった事に気を取られた瞬間、腹に衝撃。
 バックステップと同時に防具の隙間を狙って突き込んで来たんだろう。
 だが、あえて無視する。
 ショートソードでいくら突いても俺を削り切ることは出来ない。
 自分から密着してくれていると言うなら都合がいい。
 左手のショートソードを即座に手放して俺の右腕を抑え込んでいるキョウを捕まえて……

「ラッキー!」

 という声を耳にした瞬間、支えを失った俺の身体は前に流れ、その一瞬で左腕が斬り飛ばされ――
 しかし、直後にタイムアップコールと共にPvPエリアが解除された。


  ◇◇◇


 SADの左腕が飛ばされた瞬間、俺は背筋がゾッとするのを感じていた。
 隣で見ているカイウスとリリティアも絶句してその瞬間を呆然と眺めていた。

 キョウはどれだけ攻撃してもSADのHPを削りきれるだけのステータスを備えていない。
 だから、今回のテストは対戦でありながら完全な出来レースだった筈なのだ。
 そういった事は誰よりも知っているはずのバトルコンテンツの制作スタッフ達がSADとキョウの対戦を強く求めてきた時は流石に止めるべきだと思った。
 本人同士が了承してしまったから俺が口を出す問題ではなくなってしまったが……
 SADのステータスであれば恐らく棒立ちでいてもキョウは15分という制限時間内にHPを削り切ることが出来ない。
 それは例え全ての攻撃がクリティカルヒットであったとしても、だ。
 だから、いくら回避戦法が上手いとはいえ勝負にもならないとそう思っていた。

 それは間違いだったと気づいたのは、最初の1手だ。

 まるで気楽に歩くように一歩を踏み出したように見えた瞬間、SADが急所を点かれ、あまつさえマウントを取られ顔面にまで追撃の一撃を打ち込まれていたのだ。

 お互いに睨み合った状態からの奇襲。
 そんな馬鹿げた攻撃、タンクである俺でも一切想定なんてしていなかった。
 アレを初見でやられていたら、俺でもSADと同じ有様だっただろう。

 そして、その後の戦闘だ。

 俺達は常にパーティを組み4人で格上のモンスターとギリギリの戦いを行うことで、テスターの中でも頭一つ抜けたステータスを持っている。
 HPだとか腕力だとかに限った話ではなく全てのステータスが圧倒的に高いのだ。
 防御よりもスピードと攻撃力に特化しているSADは、当然ながらAGIも高い。
 その高いAGIを活かせるようにと高速移動系のスキルも幾つも習得している。
 そのSADがレベル1の剣士にもなりきれてない初心者プレイヤーを相手に明らかに全力で戦っていたのだ。
 ステータス値を考えても、全力で走るだけで倍以上の速度差が出るはずなのに、当たり前のようについていく。
 所持するスキルの性能差や種類を考えれば、その戦闘速度差は絶望的なものとなる筈なのに。

 俺もログを見たわけではないがライノス相手に村人NPCと一緒にとはいえ、ほぼ一対一で戦った低レベルプレイヤーが居るという話は同僚から聞いていた。
 だが、俺はライノスと戦ったことがなかったし、どう凄いのか実感がなかった。
 せいぜい同レベルの大型モンスターをソロ撃破したんだろうと、その程度の実感だった。

 しかし、SADがその話に食いついたことで俺も少し調べてみたのだ。
 そして、何故他のスタッフがアレ程騒いでいたのかようやく理解したのだ。

 ライノスは南方の平原に生息する大型のフィールドMOB。
 そのレベルは4。
 情報を書き込んだテスターがシーフ系のソロプレイヤーだったので戦闘報告は上がっていなかったが、看破スキルによってレベルや行動パターン等が大まかに掲示板に書かれていたのだ。
 レベル1のステータスでは到底太刀打ちできる筈がない相手だ。
 開発スタッフからは、トドメは別のモンスターが指したので彼が倒したという訳ではないとは聞いていた。
 だがそれは問題ではない。

 俺達はレベル上げの適正値を調べるために、自分達が4人がかりで狩れるギリギリの強さのモンスターを探していた。
 そして出した結論が「4人がかりでレベル差1まで」だ。
 ただし、レベルが上がりたての時は同レベルの強敵までで控えておいた。
 レベル3に突入した際に調子に乗ってレベル4のスケイルドレイクというモンスターと戦い、手も足も出ず敗北した経験からだ。
 スケイルドレイクの強さはレベル4でも上位で、3に上がりたての俺達とはレベル差1どころではなかったのだ。
 それ程迄にレベル差とは厳然とした強さの指標であり、レベル1のソロでレベル4のモンスターと長時間戦闘を続けたなどとてもではないが信じられなかった。

 俺達のパーティがスケイルドレイクと遭遇してから全員倒されて死に戻るまで5分もかからなかったのだから。

 しかし、たった今目の前で実証されてしまった。
 あの話は誇張でも何でもなく、そんな化け物じみた戦いが実際に可能であると。

 そして、ついにあのSAD相手に大ダメージを与えてしまったのだ。
 こんな真似が本当にできるのか。
 こんな、漫画のシーンのような逆転劇をこのゲームでは実現できるのかと!

 俺の背筋を震わせたのは、キョウの技術に戦慄したからと言うだけではなく、俺達もにもあんな戦い方がやり方次第では可能なんだという、そんな期待によるものでもあった。
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