ν - World! ――事故っても転生なんてしなかった――

ムラチョー

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一章

十四話 ハチ

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 朝、目を覚ますとそこはモフモフであった……

 ってこのモフモフ、尻尾じゃねーか。
 大丈夫か? 何かちょうど抱き心地が良かったのか普通に抱きまくらにしちまってたぞ。

 と、焦っては見たものの「どしたの?」みたいな顔で尻尾の持ち主にじっと眺められるとそれはそれでリアクションに困る。

 動物って尻尾触られるの嫌がるんだと思ってたけどコイツは大丈夫なのか。
 特に嫌がる素振りもなく普通に佇んでるし。

 まぁそういうものだと思っておけばいいか。
 きっとコイツが特殊なんだろう。
 
 しかし、村長宅から帰ってきたらこのワンコはそのままスルスルと家に上がり込んだ時は流石に驚いた。
 でもエリスに危害を加えるようなことはなく、寝ているエリスを囲うように腰を下ろして寝始めたんで、俺もそのままエリスの隣で一緒に寝たんだった。
 正直こんなでかい犬の隣で寝るのは怖かったが、どこで寝ようが本気になったこのワンコには関係がないことを思い出して、村長同様俺も開き直ることにした。

 ちなみに重要案件であったトイレについては

「そんなもん自分の家に好きに作ればいい。糞が溜まったら村の外に捨てておけばそこらの獣が食っていくだろ」
 
 だそうだ。
 肥溜めとか作ってるわけではないらしい。
 肥溜めと言えば、畑の話をするのを忘れていたな。
 ガーヴさんがアラマキさんも畑についてなにか考えてるみたいなことを言ってたし狩りの後に時間が出来たら確認を取る必要があるか。

 とりあえず狩りの後に少し自力で木材調達して簡単に囲って簡易便所作らないとな。

「さて、起きるか……」

 アムはまだ寝てるか。
 まぁ今の内に水浴びと食事の準備を済ませとくか。

 まぁ準備っつっても水汲んで焚き火に火をつけるだけなんだが……
 食材は干した肉と野菜と塩しかねーからな。

 香草も探せばあるらしいけど干したりなんなりして手を入れる必要があるらしくて俺にはチョット手が出せない。
 香辛料になってるとそもそも交換レート高いしな。
 今は食えるだけで我慢だ。

「よし、こんなもんか」

 いい感じに煮えたヤギの干し肉入りの野草と塩のスープを火から上げる。

 ゲーム開始時点でバックの中に入ってたアイテムの中でも火打ち石と飯ごうは今や生活必需品になってるな。
 ディスプレイ越しのゲームじゃMMOだろうが普通のRPGだろうが料理だのテントだのはアイテムだったりメニューで選べば一発だからな。
 リアルのキャンプでも何だかんだで火はライターやマッチで点けちまう。
 料理も鉄板や鉄網でバーベキューだの鍋でモツ荷だの、大型の鉄の調理器具が当たり前だ。
 一人で登る登山とかは判らんが現代でキャンプしても安全が確保された所で皆でワイワイ、便利道具を使って楽しいアウトドアだ。

 こんな小さな飯ごうが自分の食事のすべてをひきうけるとか今ままで考えたことなかったな。
 でも、ファンタジーでなくても昔の人にとってはこんなのが当たり前だったのかね。

 スープの匂いに惹かれたのかワンコも外に出てきた。
 まぁ、来るだろうと思って多めに作ってあるけどな。

「今から軽く水浴びするが、お前も来るか?」
「ウォフ」

 ワンコを引き連れて川へ洗濯へ。
 まぁ洗濯するのは服ではなく俺の身体だが。

 一応こいつは狼らしいけど、何か鳴き声も犬っぽいし人懐こいしでどうにもワンコって感じなんだよなぁ。

 俺の隣で川に身体を沈めてじっとしていたが立ち上がると身を振って水を弾き始める。

「おわっ……」

 体がデカイから、飛ばす水も半端ない。
 ちょっとした豪雨レベルで水滴がぶっ飛んできた。

 ああ、でもこれちょうどシャワーみたいでいいな。

「おー、気持ちいな」
「ワフ?」

 ……この感じは気を使ってくれたとかではなくただの偶然だな?
 まぁ、どっちにしろ気持ちよかったことには変わらないからどっちでもよし。

 ふぅ、さっぱりした。

「よし、上戻るか」
「ワン」

 おい今普通にワンつったぞ。
 狼ってそんな鳴き方するもんだったっけ……?

「わっ わっ ワンちゃんだ」
「お、起きてたのか」
「うん、おはよー! ねぇこのワンちゃんどうしたの?」
「ああ、これから一緒に暮らすことにしたんだ。実は昨日の夜エリスの隣で寝てたんだぞ?」
「わぁ、ほんとに? これからよろしくねーワンちゃん」
「ワフッ」

 やっぱり、エリスに対しても警戒すらせずに受け入れたな。
 まぁ進んでエリスの横で寝始めたから当然かもしれんが……

 いやその時点で既に当然とは言い難いか。

「わっちょっと濡れてるけどワシャワシャだ~~」
「グル……」

 まぁエリスの方も懐いてるし、エリスの友達としてもガードマンとしても最適か。
 チョットやそっと目を話してもワンコが一緒に居たら誰も手出ししないだろ。

「エリス、遊ぶのもいいけど先にご飯食べちゃうぞ。俺この後この村の狩りに参加するから」
「わ、ごはん食べよワンちゃん」
「ワン」
「今日は俺は村の外に出ちゃうからサリちゃんと一緒に遊ぶか?」
「ううん、わたしも狩りについていく。わたしも覚えたい」

 おや。
 ネズミを狩った時は聞き分けてはいたものの、納得はいってない感じだったが……

「でもエリスの好きなネズミとかも狩るかもしれないぞ?」
「うん……でも、狩りできるようにならないとお腹空いて死んじゃうから、はやくなんでも狩れるようになってネズミさんを食べなくても良くなるようになるの」

 ああ、初日に教えた事か。
 ネズミを食べたくなければネズミよりも美味しい別の生き物を自分の力狩れるようになればネズミを狩って食べなくてもいいっていう、そんな話。
 つか、あれで本当に納得してたのな……
 俺なら間違いなく不貞腐れる場面だったと思うんだが、見た目に反して精神的には結構大人なんじゃ……
 でも見た目は完全に子供なんだよなぁ。
 狩りに子供連れてってくれるかな?

 まぁ狩りの前に集まるって言ってたしそこで聞けばいいか。

「わかった、村長さんにエリスもついていっていいか聞いてやる。ただし、危険だからダメって言われたらおとなしくお家に戻ること。後で代わりに俺が狩りにつきあってやるから。約束できるか?」
「うん、約束する」
「よろしい。じゃあ朝飯食ったら村の入口に行ってみようか」
「うんっ!」



「おい……新入りが背中に……」
「何だあれは、大丈夫なのか……?」

 集合場所にたどり着いた俺たちを待っていたのは、周囲のドン引きであった。

 まぁ、こういう反応になるよね。
 こんなデカイワンコに兄妹で乗っかって現れたら。

「少し落ち着けお前らぁ! ……といっても突然コレを見せられて落ち着けと言うのも少々酷な話か」
「村長、アレは北の月狼なんじゃないのか? 大丈夫なのかよ!?」
「だから落ち着け、今から説明すっから。おう、新入ちょっつこっち来い」
「わかりました」

 とりあえず二人乗りのまま村長の隣、つまり皆の前に立つ。

「皆は突然のことで驚いたかもしれんが、実はこの月狼は壁を超えてこの村に入り込んでいたらしい。それをたまたま見つけたのがこの新入なんだが、どういう訳かこの通り懐かれたらしい」
「懐かれたって……月狼といえば北の王者だろ? 名の知られた猟師や戦士団ですら手出し禁止の!」

 え、お前、戦士団とか強そうな奴らですら手出せないほどヤバイの?

「まぁ、そうだな。しかもこの体躯は月狼の中でも特にデカイ。群れの王だった可能性もある。……だが、現実は見てのとおりだ。兄弟揃って背中に乗せて新入りの言葉に従ってる」

 ん? アイコンタクト?
 危険じゃないところを見せてやれば良いのか?

 とりあえず首元をワシワシしてみる。
 おう、頭を擦り付けられた。
 やっぱり犬だよなぁ、この反応。

「この通り、変に攻撃したりしなければ穏やかなもんだ」
「だが、今は腹が膨れて居るだけかもしれん、何時暴れだすかわかったもんじゃないぞ!」

 まぁ、普通はそう思うよな。
 安全だってのは一晩隣で居てわかってはいるが、何かのはずみで……という危惧自体は俺にだってあるし。

「もし月狼の、それこそ平均的なやつでも一匹この村に入り込めばこの村なんぞあっという間に皆殺しだろう。俺も昨日新入りがこいつのことを相談に来た時、死を覚悟したが、実際には見てのとおりだ」
「しかし言葉の通じぬ獣は何を考えてるか判らん。安全なうちに追い出すべきだ!」
「そうは言うが、お前、どうやって追い出すんだ? 月狼の毛皮は鉄の剣すら弾くというぞ? 大人しくしているこいつを攻撃して皆殺しにでもされたいのか?」
「……それは……」
「それに言葉が通じぬと行ったが、我々がこの狼の言葉が理解できぬだけで、我々の言葉は此奴は理解しているぞ? 身振り手振り無く俺のの目の前で実演されたからな」

 それでも信じられない村人の前で背を向けて「伏せろ」と声をかけ、実践してみせると周囲の声が小さくなった。
 獣が言葉を理解しているということがわかったからだ。
 なんせ、今の今まで言葉などわかるはずもないと本人の前で追い出せと騒いでいたんだから、そりゃ口もつぐみたくなるわな。

「はっきり言おう。俺がこの村にこの狼の滞在を認めたのは俺には打つ手が無いからだ。追い出すために闘うなぞ自殺行為だからな。何故新入りに懐いてるのかわからない以上、新入りを追い出してこの狼がどういう行動に出るかも判らん。ならば被害も出さず大人しく従ってくれているならそれで良いと考えた。何かこれ以上の良案あるものは居るか?」

 こう言われると反論できないよな。
 リーダーがお手上げ、打てる現実的な手段もない。
 その上で文句があるなら対案を出せとなるともう黙るしか無い。

「反論も対案も出なかったという事で、今日よりこの狼を……ところでこいつの名はなんと呼べば良いんだ?」
「あっ……名前つけてなかった」
「お前な……」

 そうか、一緒に暮らすわけだし「ワンコ」じゃよろしくないよな。
 と言っても名前ねぇ。
 ポチ……は安直過ぎるし、狼だからフェンリル……とかつけると、あまりに有名なモンスターの名前はこういうファンタジ系ーのゲームだと普通に別に居そうだからなぁ……

「グル……」

 皆待たせてるし、あまり長々と考えるのもダメだよな。
 ふぅむ……こっちの言葉を理解してちゃんと行動してくれる。
 それに何も言わなくても寝てるエリスを守るような位置で寝てくれたな。
 つまりアレだ、こいつは忠犬な。
 狼だから忠狼?
 となると、思いつく名前は……

「じゃあ、今日からお前の名前はハチだ」

 俺にとってこいつは忠犬と言われると思い浮かぶイメージはハチ公なんだよな。
 俺たちを何だかんだでちゃんと守ってくれそうな雰囲気とか特に。

「わぁ、いい名前だね。これからよろしくねハティ」
「ワゥッ」
「え?」

 エリスさん? 何か微妙に違いません?

「ほぅ、ハティか。悪くねぇな。響きもいいし何より呼びやすい」
「え、あの……」
「これよりハティは村長の俺の名においてこの村の一員として認める。理由のないハティへの攻撃や飼い主への排他敵行動は一切認めん。異論はあるか? ……声が上がらんということでこの場の全員が認めたとする」

 周りからも納得……というより諦めの了承コール。

 うわ、もう名前違うとか言い出しにくい……!
 確かにハティってどっかの神話にそんな名前の狼出てきたけど、かなり怖い狼だったはずだぞ。
 忠犬ってイメージとかなりかけ離れてるんですけど?

 あああ、なんか尻尾振って喜んでるし。
 まぁ語感は殆ど変わらないし呼ばれてる奴自身が喜んでるならこれで良いか……

「それで、ええとハティについてはコレでいいとしてもう一つお願いがあるんですけど良いですか?」
「何だ?」
「エリスが狩りを覚えたいらしくて、同行させてやりたいんですけど大丈夫ですか?」
「あん? いいんじゃねーか?」

 ありゃ? 思いの外あっさりOKが出た。

「むしろせっかく子供が自分から覚えようとしてるのに何で拒否する理由がある?」
「ああいえ、俺の知ってる大人たちはこういう時って子供は危ないから連れていけないとか言うのが普通だったんで」
「なるほどなぁ。たしかにその考え方だって間違っちゃいない。狩りだって命がけだからな。だがここは大都市から遠く離れた田舎の村だ。食いもんも自分で手に入れなきゃ飢えることになる。危険だろうがなんだろうがいつかは覚える必要があるんだから、ガキの時分から覚えようって言うんならそれを拒んだりしねぇよ」

 地域ごとのメンタルの違い、か。
 恵まれている土地では子供は大事に育てるものだけど、過酷な地では子供を生き残らせるために技術を仕込むのが当然になってるってことだよな。

「まぁ、月狼に乗ってる時点で危険も何もあったもんじゃないがな。こいつに喧嘩売るような馬鹿な獣はこの辺りにゃ居ねぇはずだからな」
「確かに、こいつの背中の上は俺の見てきた中では世界で一番安全な場所だな」
「ガーヴが言うなら間違いねぇな」

 確かに仮にも王者というなら、人間よりも獣のほうが敏感に察して手を引くかもしれないな。
 コレがプレイヤーならレアモンスターだなんだと逆に吸い寄せられるように襲ってくる危険もあるが、テスト用のサーバーならプレイヤー数もたかが知れてるだろうし、遭遇の機会自体が少ないから気が楽だ。

「まぁ、そういう訳だが、嬢ちゃん。狩りを覚えようってなら獣も自分も互いに命を掛けるって事だ。真剣に勉強するんだぞ」
「はい!」
「それと、村の近くまでなら良いが狩場にはこの月狼は連れていけない。確かにコイツの背中は安全だが、連れて行ったら大抵の獲物は気配にビビって逃げちまうからな。つまりこいつに頼らず嬢ちゃん一人でなんでもやらないといけない。長い距離も歩く。それでも頑張れるか?」
「うん、がんばる!」
「おう、良い返事だ。他になにか事前に確認したいこと何かある奴は居るか? …………居ねぇな? ならこれから狩りの段取りを決めるぞ!」

 最初の最初でいきなり少し脱線したが、ようやく本番。
 本格的な狩りの始まりだ。
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