暗闇の中に光を探して

文字の大きさ
上 下
1 / 1

悪夢の始まり

しおりを挟む

1998年9月
この世に生まれてきてしまった。
人生の中で1番の過ちだろう。

今でも鮮明に覚えている
保育園の先生に
「どうしてもあの子を愛せないんです」
と笑いながら言った母の姿を。


私はW不倫の末に生まれた子
しかも不倫相手は外国人。
生まれてきた私は勿論
戸籍上の父親になど似ても似つかない。
当たり前に不倫がバレ、両親は離婚。
物心ついた時から責められ続けた。
「あんたのせいで」「あんたなんか産まなきゃよかった」
「あんたを産んだからママの人生は狂った」
なんでそんなこと言うの?
疑問に思い自分を責め、殴られながらも
「ごめんね。生まれてきてごめんね」
と繰り返していた。

笑って欲しかった。
抱きしめて欲しかった。
生んでよかったって思って欲しかった。

ただそれだけで家事、勉強、妹の世話
なんでも頑張った。
でも、どんなに頑張っても認めてもらうことはできなかった。

信じたくなかった
親に愛されていないなんて

そんな日が続いて双子の弟が生まれた
大事に可愛がられてる弟達が羨ましかった。
けどそれも長くは続かなかった。
殴りもしないし一緒にいる時は可愛がるが
パチンコ屋が開くと同時に出かけていき
閉店すると、そのまま呑みに行き
朝になり帰ってきて少し寝ると
またパチンコ屋に行くようになった。
小学校4年生だった私は1人で双子の世話をした。
学校にも行けなくなった
ただ1日中家の中で
赤ん坊の世話をする毎日。
それでも、これでママが遊べるなら
笑ってるなら辛くないとまだ思えていた。
それから1年程たち
大変から可愛いが大きくなった頃から
弟達の世話を母親がするようになった。
育児のストレスは勿論、私にまわってくる。
蹴られ、殴られ、髪の毛を掴んで引きずりまわされ
首を絞められる。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
なにが悪いのか分からないまま
逃げ惑い、逃げられてイライラが増した
母親は包丁で私の脇腹を切りつけ
足を掴んでくるぶしの下を刺した。
未だに消えない傷跡が
何度も私の心をえぐる。

それでも母親が好きだった。
大好きだった。

その半年後
私は4階のベランダから
母親に突き落とされた。

しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

カルピス
2019.08.28 カルピス

こんにちは、akiと申します。
最初の部分だけでしたが読ませて頂きました。

自分も特殊な経験ありましたが、ほんとに人それぞれ辛いこと、悲しい経験ありますよね。

すこしでもお話できたらなと思って書かせていただいてます。

解除

あなたにおすすめの小説

【JW 元二世信者が語る】エホバの証人とは何か?【輸血拒否のカルト? 真のキリスト教?】

俊也
エッセイ・ノンフィクション
現在45歳の著者(男性) 散発的に、カルト宗教ネタのドキュメンタリーや告白本等のネタとなり、皆さんの家にも時々信者が来る新興宗教団体「エホバの証人」 知らない人も当然多く、知っていても「ああ、あの輸血拒否の宗教。」くらいの認識でしょう。 そんなエホバの証人(基本文中ではJWと表記)について、幼稚園時代から高校3年途中までの成長過程の大半をいわゆる「2世信者」が、今なお熱心に信奉している母やその仲間の言動も参考にしつつ、なるべくリアルな実像を記したいと思います。 因みに私自身は現在は宗教に関しては平均的日本人の感覚と言うか、この国独特の曖昧なごった煮状態、強いて申せば天皇陛下を尊敬申し上げる。くらいと思って頂ければ。

アルファポリスで書籍化されるには

日下奈緒
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスで作品を発表してから、1年。 最初は、見よう見まねで作品を発表していたけれど、最近は楽しくなってきました。 あー、書籍化されたい。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

アルンの日々の占いや駄文【5】

譚音アルン
エッセイ・ノンフィクション
タイトル通り。

年末年始のボッチ食(令和6年→令和7年)

酒原美波
エッセイ・ノンフィクション
令和6年年末、お世話になった神様、不動明王様へお礼詣で参拝。その道中で楽しみなのが食べ物。 そして年が明けた令和7年、個人初詣と、友人との初詣。神社へ感謝と今年1年の平穏を祈りつつ、参拝後の食事への飽くなき執念。 その日ならではの食事などを、メモ代わりに書き連ねたら、いつの間にやら話が長くなってしまった。 以前は友人に、旅行記などを独自でプリントアウトしたものを配っていたが、自宅用プリンターが壊れて以来、こちらに書き込んで友人に見てもらっている。 自己満足な年末挨拶、初詣など、人の体験談など読んでも面白くないだろうと思いつつ、他人の日記を覗き見るって背徳感が有りません? これと言ったハプニングもない、日記の延長ですが、よろしければ流し読みしてみてください。 読んでて、お腹が減るのは自己責任でお願いします。

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

愛猫が癌になりまして。

べりーべりー
エッセイ・ノンフィクション
愛猫が癌(扁平上皮癌)になった飼い主の吐き出しエッセイもどきです。他サイトに掲載をしていたものを再掲しています。完結済みでリアルタイムで動いているわけではないです。他サイトのものは非公開済みです。

にゃこがやってきた

冴條玲
エッセイ・ノンフィクション
こたつ布団をめくって欲しいにゃこ、「ナァ」と鳴きながら肩ぽん。 次には鳴くのが面倒になって肩ぽん。だけ。 次には肩まで手をあげるのが面倒になって腕ぽん。 次には―― これは、ぶち雪姫様の怠惰な日々の記録である。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。