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七章

妹とスーツケース

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ついに、この日が来てしまった。
合宿初日の朝、既に気分が落ち込んでいる私とは対照的に、妹は随分楽しそうに準備をしている。
「合宿は学校の前に来るバスに乗って行くから、遅れないでね。お姉ちゃん」
側から見ればほのぼのする会話なのかもしれない。普段お姉ちゃんなど口にしない妹が言っても気持ちが悪い。やはり、妹は何かしら企んでいるようだ。
何も起きずに合宿が終わることはなさそうである。
私はあからさまに大きなため息をつき、幻たちが手伝ってくれたスーツケースを持ち、ついでに手持ちの鞄も持って家を出た。
妹も早く起きるため、いつもの悪魔たちの見送りはない。
それが少しだけ寂しく感じたが、どうせ目的地には幻を始め、悪魔たちも付いてくるのだ。
私はスーツケースをガラガラ引いて歩き出した…が。
「…スーツケースって歩きにく…」
そういえば少し前に家を出たはずの妹がもう姿形も見えない。…ついでに家の車もない。
「…1人だけ車で先行ったわけ?」
妙な怒りが湧いてくる。私はスーツケースの扱いに苦労しつつ、猛スピードで学校に向かった。
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