14 / 28
二章
花蔭の正体
しおりを挟む
「花蔭先生と望月先生ってどういう関係なんですか?」
記憶が途切れる寸前にいろいろ聞いた気がするが、それは伏せる。
「ああ、僕もげんちゃんも悪魔なんだ。げんちゃんの方が強いけどね。」
「悪魔?」
聞いてないフリをした方がいいのかと思ったが、そんなことはなかったらしい。後で記憶を消せばいいからだろうか?
「そう、悪魔。僕は君たちの世界ではたしか…インキュバスと呼ばれていたかな」
インキュバス。別名、夢魔、淫魔。特性は名前の通り。
夢に現れる淫らな悪魔…ということだったはずだ。少し前に本で読んだだけの記憶なので詳しいことは知らないが。
それを聞いて別の意味で警戒し出した私に気が付いたのか、花蔭は両手を頭の横に掲げ困ったように首を傾げる。
「だから、君には何もしないって。記憶消す以上のことしたら、僕が消されるもの」
「望月先生にですか?」
花蔭は両手を上げた格好のまま軽く肩を竦めた。
「全く、僕ら弱い悪魔は人間の姿でいるためには人間からエネルギーを貰い続ける必要があるのに。それ以上のことはしてないんだからいいじゃない。ねえ?」
花蔭のワンナイト疑惑はそういうことだったらしい。付き合った女生徒からエネルギーを貰い、ついでに記憶を消していたと。だから、誰も噂をしなかった。なるほど、たしかに辻褄は合う。
「望月先生は片っ端から襲うのはやめろって言ってませんでした?」
花蔭はまだ両手を上げたまま、ため息をついた。
「げんちゃんは力があるからわからないのよ。僕ら雑魚悪魔が人間に紛れるのは大変なんだってこと」
そこまで言われると気になってくることがある。
「望月先生ってそんなに強いんですか?」
「強いねえ。なんであんなところで学校の先生やってるのかわからないぐらいには」
花蔭は大袈裟にため息をついて続ける。
「そもそも、げんちゃんは悪魔であって悪魔じゃないからねえ。あんなの、規格外だよねえ」
話の内容が望月先生に移ったことで、私は完全に安心していた。
記憶が途切れる寸前にいろいろ聞いた気がするが、それは伏せる。
「ああ、僕もげんちゃんも悪魔なんだ。げんちゃんの方が強いけどね。」
「悪魔?」
聞いてないフリをした方がいいのかと思ったが、そんなことはなかったらしい。後で記憶を消せばいいからだろうか?
「そう、悪魔。僕は君たちの世界ではたしか…インキュバスと呼ばれていたかな」
インキュバス。別名、夢魔、淫魔。特性は名前の通り。
夢に現れる淫らな悪魔…ということだったはずだ。少し前に本で読んだだけの記憶なので詳しいことは知らないが。
それを聞いて別の意味で警戒し出した私に気が付いたのか、花蔭は両手を頭の横に掲げ困ったように首を傾げる。
「だから、君には何もしないって。記憶消す以上のことしたら、僕が消されるもの」
「望月先生にですか?」
花蔭は両手を上げた格好のまま軽く肩を竦めた。
「全く、僕ら弱い悪魔は人間の姿でいるためには人間からエネルギーを貰い続ける必要があるのに。それ以上のことはしてないんだからいいじゃない。ねえ?」
花蔭のワンナイト疑惑はそういうことだったらしい。付き合った女生徒からエネルギーを貰い、ついでに記憶を消していたと。だから、誰も噂をしなかった。なるほど、たしかに辻褄は合う。
「望月先生は片っ端から襲うのはやめろって言ってませんでした?」
花蔭はまだ両手を上げたまま、ため息をついた。
「げんちゃんは力があるからわからないのよ。僕ら雑魚悪魔が人間に紛れるのは大変なんだってこと」
そこまで言われると気になってくることがある。
「望月先生ってそんなに強いんですか?」
「強いねえ。なんであんなところで学校の先生やってるのかわからないぐらいには」
花蔭は大袈裟にため息をついて続ける。
「そもそも、げんちゃんは悪魔であって悪魔じゃないからねえ。あんなの、規格外だよねえ」
話の内容が望月先生に移ったことで、私は完全に安心していた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる