仮タイトル 異世界移動系

第一章

学校裏の出会い

僕が学校裏の社に続く道を歩いていると、社の周りで何かを探す人影を見つけた。
その足取りは随分危なっかしく、ふらふらとしている。
僕は慌ててそばに駆け寄った。
「君、大丈夫？」
一瞬女子かと思ったが、近づいてみると歳の近い男子のようにも見える。あまりにも華奢な体は、今にも折れてしまいそうだった。
「っ…。あれ、君は」
相手はどうやら僕を知っていたらしい。
「…クラスメイト…じゃないよね」
「うん、本当はね、この学校に通うはずだったんだけど…。いろいろあって、入学式しか来れなかったから。…お兄ちゃんと同じ学校、通いたかったのに」
彼は、苦しそうに咳をした。
「君、もしかして体が…。こんなところにいたら良くないよ。何か探してるの？代わりに探すから、君は休んで…」
言いかけた言葉を途中で飲み込んだ。彼の顔は、とても悲しそうで寂しそうで。とても、僕なんかが何か言えるような状況じゃないのを察した。
「お兄ちゃんをね、探してるの。確かにこっちに来たはずなのに、毎日探してるのに、いないの」
「警察には…」