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第一章

狼の独白

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ヴォルフラムは、初対面の時点でうっすら気が付いていた。
他の者は気にしていなかったが、彼女には戦場に生きる者特有の気配があった。
それは、ヴォルフラムにはとても馴染みのあるものだったが、彼女の双眸を見た瞬間、あの日、自分が村を出る直前に見た、一人の少年を思い出した。
そこで気が付いた。
気が付いてしまった。
彼女が、あの日の少年ときっと何らかの繋がりがあることに。
少年はあの日死んだ。
彼女が彼の関係者なら、ヴォルフラムは死んで償うべきだと思っていた。
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